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ワールドカップのロシア大会が明日から開幕だそうだが、事前の様子ではほとんど期待はできそうにない。世代交代の時期なんだろうが、そこを変えていこうとする動きとそれを良しとしない動きが土壇場でせめぎ合った印象は否めない。

こちらは特にサッカーファンというわけではないので、結果含めまあどちらでも良いと言えば良い話なのだが、どうしても公私の区別なく話題の俎上には上ってくるので、状況は知っておかねばなるまいのぉ..

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

サッカー日本代表といえば、当ブログではおなじみのヒオウギアヤメの登場となる。今年もこの時期、路傍の林縁にサムライブルーが高原の風に揺れている。

野生動物は環境破壊で生息地を追いやられ、徐々に絶滅に向かうというのが一般的なイメージであるが、減るどころか逆に数を増やしている種もいるという代表格がカワウだろう。

漁協がわざわざ河川に美味そうなアユなどを放流しているわけで、理由はどうあれそこに魚がいて、食っても食ってもどんどん補充されるのだから、カワウにしてみればこんなにありがたいことはない。

それはまさに人為的な餌付けに他ならなず、カワウは明らかに人の生産活動でその繁栄を謳歌しているのである。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

赤城高原から平野部に下る道すがらの某貯水池では、カワウのコロニーが子育ての喧騒で賑やかである。カワウは全国どこに行っても漁業被害の被疑者であるため、関係者からは嫌われ者の烙印を押されている。

増えすぎたシカ同様、それに伴う第一次産業への被害も放置しておけない状況にあるため、野生動物管理の名の下に適正な数になるよう駆除の対象となっているわけだが、増えた原因がそもそも人の生産活動にあるわけで、そのツケをまた人が払わされているというのが実情だろう。

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朴葉

2018/6/12

ホウノキは樹高が高く成長することで知られており、高いものでは優に30mを超える高木も見られる。その上さらに葉も大きく、トチノキと並んで日本産では最大だ。

大抵は単独で生えていることが多く、森の中でもよく目立つが、樹高が高いこともさることながら、周囲に他の木々が生えていないことがその理由だろう。これはホウノキが出す他感作用の影響で、他の植物の成長が阻害されることに起因する。

いわゆるアレロパシーというやつで、ハリエンジュ(ニセアカシア)やアカマツなども同様に他感作用を示す。それ故にいずれも単独種で林を形成するが、面白いことにホウノキの場合は他感作用が自分自身にも影響するのか、ホウノキ林というのは見たことがない。

他の植物を寄せ付けないというのは、生き残りを掛ける意味では当然の戦略だが、この場合何となく策士策に溺れる的なものを感じでしまうのは拙者だけだろうか。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S. / 開く前の花

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S. / 開いた花
FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / 葉は日本産では最大

高木故になかなか花を近くに見る機会がないのだが、このホウノキはまだ樹高も5m足らずと低いので、花を近くで撮ることが出来た。

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今年はスー

2018/6/11

そろそろコゲラの巣立ちも近い頃だろうと立ち寄ってみると、巣穴から雛の声が聞こえてきた。ここでコゲラっ子が枝に並ぶ姿を想像したのだが、そこから顔を出したのは何とスズメ..

昨年はシジュウカラに乗っ取られていたので、同じ木で2年続けて穴を空けただけとは、いやはや何とも野生の世界は厳しいね。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

それにしてもだ。スズメは大抵、家屋など人工的な建造物の隙間や穴に巣を構えることが多いが、近くに人家もないこんな防風林の一角で子育てするんだねぇ、と関心しきり。

どうせならこれがニュウナイスズメだったら、と思ってしまうのは生きもの差別になるから拙いかw

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深度合成自体は既存のアナログ技術の具現化であり、特に目新しいものではないが、注目すべきは一連の行為がカメラ内で完結できる点にある。それはまさに昨今のミラーレスカメラのトレンドである、連写速度のアップと手ブレ補正能力向上の賜物だ。

従来の方法論で言えば、スタジオ内で物撮りする際、カメラを三脚に固定してピント位置をずらしたブラケット撮影を行い、PCに画像を取り込んで合成する手順を踏む。一般的に物撮りは一度に大量の商品撮影をするケースがほとんどなので、今でもこの方法がポピュラーだ。

が、そういったスタジオ撮りではなく、野外での近接撮影時に手持ちでも深度合成が行えるとなると、それは撮影領域が広がるというものだ。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

土地柄すぐ撮れるサンプルがこういったもので恐縮。実はここ数日庭に来ているアサギマダラを例に撮ろうとしたのだが、理由は後述するがそれは上手くいかなかった。

上の3例とも左が手前にピントを合わせた場合で、右が奥まで深度合成したもの。いずれも換算400mm相当を手持ちで近接撮影しているので、通常の撮影では画面内の何処か1点にしかピントを合わせることが出来ない。

画像を合成する上で一番重要なのは、一連の撮影結果の構図が大きくズレてないことだ。三脚に固定すればそこは回避できるが、野外で手持ち撮影となるとそう上手くも行かないだろう。

そこで重要なのが、いかに短時間にブレることなく複数枚を連続して撮影できるかになるが、それが前述した高速連写機能と手ブレ補正能力の高さということになる。G9 PROの連射性能にIBISとレンズ側の手ブレ補正のシンクロなら、そう労せず期待した結果が得られる。

ただ、画像合成という手段を取る以上、注意しなければならないことがある。前述の構図のズレ..多少なら吸収してくれるが若干トリミングされる..の他、ピントを合わせる範囲は連続して続いている必要があるという点だ。

複数の花が咲いているようなシチュエーションで、そのすべての花にピントを合わせてコンポジットとはいかないのである。花と花の間が空間となってピントが合ったところがないので、この場合はPhotoshopを使っても不自然に仕上がる。アサギマダラ云々の話はまさにこれに当たるものだった。

それと被写体自身が動いているケースもまた然り。動体は基本的に手ブレと同義なので、この辺りの理屈は高解像度のハイレゾ合成と同じだ。

とまあ、使い方や場面を選ぶことは必要だが、深度合成を野外でその場で完結できることは、ネイチャー分野、特に昆虫や小さな植物の写真では大きな進歩と言える。2016年発売のオリのE-M1 Mark IIでは早くに実現されていたため、昆虫を撮るカメラマンの間ではすでにデフォルトの機能となっているようだ。

カテゴリ:写真・カメラ

ピント位置を少しずつづらしながら一度に撮影してくれるフォーカスブラケットは便利である。

露出に関してはRAWであれば後から調整が効くものの、ピント位置だけはどうにもならない。あらかじめ複数のピント位置を抑えておけば、後から自由にカットを選べるわけで、被写界深度の浅い一眼デジカメではあるとないとでは手間が違うのだ。

フォーカスブラケットがない時代でも、複数のカットをコンポジットするのはブツ撮りの世界ではスタンダードな撮り方である。三脚に載せてカメラを固定し、商品の手前から奥までピントをずらして撮影、Photoshopにレイヤーで取り込んで合成するという流れだ。

さらにフィルム時代なら、専用のシフト・ティルトレンズを使って、光学的に結像範囲をコントロールすることで同等のことを実現していた。バイテンやシノゴなど大判カメラに蛇腹の機構が付いているが、あれも原理的に同じことをするものである。

もちろんデジタル全盛の現在においても、シフト・ティルトレンズはその道のプロ御用達で需要があるのだが、特機的な機材でもあるため高価である。昔はキヤノンのTS-Eの90mmを使っていたが、うちのような零細田舎フリーランスには新型は減価償却的に手に余るので、今は端から問題外だ。

そしてようやく本題の話。実はフォーカスブラケットだけだと、ピント位置をずらした写真が複数カット連続して撮れるだけである。もちろんそれでも便利なことに変わりはないのだが、オリとパナの場合、前述の合成作業..Photoshop云々と書いている部分..まで撮影時にやってくれる機能も実装されているのである。

それが深度合成だ。オリの場合はそのまま深度合成で、パナの場合は6K/4Kフォトの機能の一つとして実現している。後でも合成作業はできるとは言っても、手間を考えると時間があればその場で済ませたいのが人情というものだろう。

LUMIX G9 PRO / LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.

上の写真は2mの距離から280mm相当で撮影..スタジオの物撮りでこんなシチュエーションは想定外だが..したもの。レンズ先端にピントを合わせるとボディのネームはボケてしまう(写真左上)。逆にボディにピントを合わせればレンズ先端はボケる(写真右上)。これをフォーカスブラケット後に深度合成することで、手前から奥までピントの合った画像が得られる(写真下)。

絞り込んで被写界深度を深く取ればある程度は結像範囲を広げられるが、マイクロフォーサーズやAPS-Cでは回折現象の影響があるので現実的ではない。絞りを開けて被写界深度を浅くしつつ深度合成することで、対象を強調しながら背景をぼかすといったことも可能になる。

ただ、オリの場合は深度合成を選択して撮影後に即合成となるが、パナは6K/4Kフォトの延長の機能なので、あれやこれや指示した後に動画から画像を切り出す作業が入るせいで処理中はカメラがダンマリ..30秒近く操作を受け付けなくなる..になるのがイマイチ。せめてG9 PROにはオリ同様にJPEGで即合成する機能が欲しい。

デジタルカメラになって一番のメリットは、フィルムの交換が必要ないことである。などと書くと、デジタルから始めた人にはよく判らないメリットになろうが、フィルム時代..デジタルの対語でアナログという人がいるが違和感あり..は残弾、いや残り枚数を気にしながらの撮影であった。

スタジオ撮りなどと違って野外で生きものを撮っていると、あと何枚撮れるかが重要になる局面がしばしばあった。特にブラインドに籠もって待ち伏せしている時に限って、そういう事態に陥るのはマーフィーの法則だろう。

なので常にカメラボディを2台持ち歩くようにして、残り枚数が少なくなると..大体30枚前後を目安にしていた..マガジン交換よろしく、あらかじめ予備のフィルムを詰めておいた別のボディと交換するのである。で、次の待ち時間の間に外したボディのフィルムを交換しておくという流れであった。

それ故にカメラの種類は常に同じモデルを2台持ちというのが習慣であったが、デジタルカメラにおいての2台持ちは主に故障に対する備えの意味が大きい。フィルムカメラの時代は故障という経験があまり無かったが、エレキの塊であるデジタルカメラには常に故障のリスクが付きまとう。実際、C社もパナもフジもそれぞれ何回か故障したことがあるしね。

精密機器に絶対故障しないはあり得ないので、故障しないことを期待するより故障したときの備えを用意する、つまりバックアップとしての予備機の考え方が大切ということだ。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA

この時期にしては珍しく谷川岳がクリアに望めた。赤城高原から見てその前座となる三峰山手前、利根川の上空辺りに雲がたなびいている。朝のうち沼田界隈は雲海の中だったろう。

それにしても、梅雨の晴れ間と言って良いものか、梅雨入りして2日も続けて晴れが続くのはどうなんだろうね。

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梅雨入り

2018/6/7

昨日、関東も平年より2日早く梅雨入りしたらしい。

ここ数日は大して雨が降っているわけではないが、どこかで梅雨入りしたことを言っておかないと、梅雨明けを宣言できないという切実な問題があるようだ。梅雨明け宣言=本格的な夏の到来なので、経済面で夏の商戦にも影響が出てしまうということだろう。

されど週末から週明けにかけて太平洋側でいきなり大雨になるという予報が出ており、内陸部でもその影響は避けられないかも。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

昆虫は基本的に門外漢だが、早朝に暖気中だったのはスジグロシロチョウ(1枚目)とモンキチョウ(2枚目)で、一応それぐらいは判る。

ただ3枚目は何だか判らず、Google先生の画像検索でちょっと調べた限りでは、ヤマキマダラヒカゲがヒットした。サトキマダラヒカゲという類似種がいるらしいが、撮影したのが標高1400mの山の上だったので、ヤマキマダラヒカゲで正しいようだ。

近づくとこちらの影?に反応して飛び立つのだが、すぐにまた同じところに戻ってきて、しきりに山道脇の砂地を舐めていた。付近の砂に含まれるミネラル分でも補給していたのだろうか。

先月末頃より、赤城山の大沼付近でレンゲツツジが見頃を迎えている。日当たりの良い開けたところを中心に、日差しが差し込む南向きの林縁や斜面などが赤く染まっている。例年より10日近く早いのは、この春の動きの中では想定通りだ。

覚満淵や白樺牧場周辺は平日にも関わらず結構な人出が見られたが、それだけサンデー毎日な方々が多いということか。赤城山は全体的に観光地なれど、平日に観光客が押し寄せるのはこの時期特有の現象と言えるかも。

FUJIFILM X-H1 / XF10-24mmF4 R OIS / XF16-55mm F2.8 R LM WR(写真3枚目・4枚目)/ PROVIA

風景なのでVelviaモードといきたいところだが、新緑を過ぎつつあるこの時期の緑がそれらしく再現され、且つ赤も混じえたそこそこの彩度もとなれば、ここはPROVIAモードのほうが適している。

ケバケバしさを気にしなければVelviaのほうが今風..SNSでは受けが良いだろうという意味..ではあるが、ちょっと盛った感強くて現実離れしてしまうのは否めない。

七星天道

2018/6/5

テントウムシという言い方が一般的だが、和名ではナナホシテントウだ。うちの庭ではナミテントウのほうをよく見かけ、家で越冬する個体もほとんどがナミテントウである。

アブラムシなど畑の害虫を駆逐してくれる益虫なので、我が家では春になると窓を開けて家の中を這い回るテントウムシたちは全員外へ出てもらうようにしている。まあ中には冬越しできずに命を落とす個体も多いけどね。

普段、道を歩いていてこのサイズの生きものに目が行くことはなかなかないが、緑の中にポツっと赤い点があるとそれなりに目立つ。これだけ赤いと鳥に狙われそうなもんだが、カメムシほどではないにしても臭い液体を出すので、色と相まって案外警告になっているのだろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

パナライカ100-400は35mm換算で0.5倍まではイケるが、このくらいが写せる大きさの限界。やっぱテントウムシは小さいね。

最短撮影距離1.3mで0.5倍..近接で望遠端は400mmないけどね..なので、野外でワーキングディスタンスを短く取れない場所では、望遠マクロレンズ的に使えて便利だ。ズームレンズである点でも、特に木道のような場所から花や小動物を撮るのには良い。