ヒガンバナの写真はこの季節の定番で、あたかも日本の在来種のように市民権を得ているが、本来は外来種である。
ただ、有史以前に稲作文化と共に伝わったこともあって、日本人には古の頃より記憶されているいわゆる帰化植物の扱いとなっている。
彼岸の頃に咲くヒガンバナは稲の刈り入れの時期とも重なる。そんな彼の花の赤は秋の里山の彩りだ。
東芝が上場廃止で74年間の株取引に幕という話。
東芝は昭和世代には馴染みのブランド。子供の頃、高崎市内に住んでいて近所にエスパーストアがあったので、親父の趣味もあったが家電は全部東芝。その頃毎週のように観ていたサザエさんもスポンサーは東芝だった。
仕事で地元のソフトハウスに就職したが、最初に触ったPCはラップトップのJ-3100で、その後もブック型パソコン..ノートPCはその後天下を取ったNECの造語..の走りであったDynabookを使ってた。
電球とモーターで光る東芝回る東芝と歌われた東芝は、戦後のモノづくりニッポンを代表する企業の一つだったが、上場廃止は経営の立て直しに失敗した末路ということか。最後は世の中の空気を読めず、政府に片棒担がされて原発に固執し過ぎた感がある。
ま、時代の流れという見方もできる反面、経済大国ニッポンがすでに過去の話という象徴でもあるな。
ムシカリの赤い実は小さな渡り鳥たちの栄養源。
ナイコンからZfcに続いて噂のあったZfが発表された。ZfcがAPS-Cだったのに対しZfは35mmフルサイズだ。
古式ゆかしきフィルム一眼レフ風だが、今風に言うとヘリテージデザインということになる。ニコ爺は別にして、ことさら物珍しさを感じないのは小生が富士フイルムのXシリーズを使っているからだろう。
以前も書いたが、個人的にF3が好みなのでZfcもZfも見た目で引かれる部分は少ないのだが、ああいう商売ができるのはライカ同様に歴史のあるナイコンならではなので、老舗メーカーの特権と言って良いだろう。
スペック的には最新のZと遜色ないようなので、あとは古臭いUIをユーザーが受け入れるかどうかだろうか。
デジタル一眼レフであるFマウント時代のDfが商業的に失敗しているので、今回も社内で相当揉めたことは想像できるが、オールドレンズ流行りの昨今の風潮からして、Zfはかなり売れると予想する。まあ同時に中古市場に大量のZfcが出てくることも容易に想像できるけど。
ただ問題はレンズだ。Zレンズは何れも大きく重くデザイン的にもZfには全く合わない。メーカーで言うところのヘリテージ風となると28mmと40mmの2本しかないので、ここをどうするのかロードマップを示す必要があるだろう。
マウントアダプターを介せば古いFマウントレンズも使えるが、これが実に不細工な且つ醜悪なので、やはりZマウントの同じ方向性の意匠を持ったレンズのラインナップが必要だ。
その点、純正を問わなければサードパーティ製にそれなりにレンズが揃ってきているので、オールドレンズレンズ含め最新のミラーレス機を母艦として使えばよい話ではある。
早朝はつぼみだったオヤマリンドウが午後の下山時には花が開いていた。
どこにでもといわけでもないが、県西部の高い稜線の草地で見られるマツムシソウ。マツムシが鳴く頃に咲くからその名前があるというが、いかにもダイレクトな和名だ。
秋はもう花は少なくなっている時期なので、マツムシソウは虫たちに大人気である。
皮膚病に効く薬草と知られており、そのせいか園芸種にも多く見られる。
草本類で世界最強の毒草トリカブト。根が最も多くの毒を含むが、その花も葉も花粉さえもすべてが有毒。
ゴールデンカムイでヒロインの少女アシリパが、トリカブトの毒を矢じりに塗ってヒグマを倒すシーンがあるが、実際にアイヌの狩りで使われていた。
花粉まで有毒と聞くとうっかり顔を近づけるのもはばかられるな。
トリカブトにも種類があるが、写真は県境の山域でよく見かけるヤマトリカブト。
最近ではシカが増えすぎた山域でトリカブトまで減っているという話を聞くので、そのうちトリカブトの毒に耐性のあるシカが出てくるかも、なんてね。
台風13号に先駆けて前日に前線が通過した翌日、空気が入れ替わったように急激に気温が下がり、例年のこの時期並みに涼しくなった。
夜は夏掛けでは寒くて布団を出して寝たが、これでようやく秋らしくなるかと思いきや、台風13号の一過で再び太平洋高気圧が張り出してきて、再び夏日に逆戻り。
いやはや一体いつになったら秋めいた過ごしやすい気候になるのやら。
山の上はひっそりと秋の花の季節。
ヤナギランは葉が文字通り柳の葉に似ていることからその和名があるが、英名はファイヤーウィードである。
山地の山火事の跡地に真っ先に群落を形成することからその名前で付いており、昔アラスカを何度か訪れたことがあるが、その際にもハイウェイ沿いで見掛けた山火事現場に沢山のピンクの花が揺れていたのをよく覚えている。
山火事だけでなく雪崩などの崩落で裸地が現れると、やはり多種に先駆けて成長するいわゆるパイオニア種の位置付けとなる草本類だ。
ということで、高原で風に揺れているヤナギランを眺めていると、若い頃に出かけた極北の地を思い出すのである。