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夏の午後遅い日差しの中、青田の中をSLみなかみ号が行く。

穂が出始めた田んぼで案山子に見送られながら、というシチュエーションで夏らしいSLの情景を狙った。

登り坂なら蒸気モクモクとなるところだが、光を優先すると上りの運行..ややこしいが状況は下り坂..となるため、まあそこはやむ無し。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

この時期の西日の斜光で稲が透過気味に写ることを想定して場所を選んでいるが、この光線状態だと黒い機関車は黒く潰れてしまう。

フイルム時代なら諦めるしかない状況だが、今はデジタルの時代。レタッチでシャドウを持ち上げ少しHDR風に仕上げれば意図した通りに。ただ、このカットはX-H1をVelvia&Dレンジ優先(強)に設定しての撮って出しである。

今になって昔の作品を整理してつくづく感じることだが、RAWで撮っておけば後でどうとでもなると思っていても、撮影時の意図を何年も後まで覚えていることなど不可能。鉄は熱いうちに打ての格言通り、撮影時にできることは撮影時に済ませておくのが良い。レタッチするにしてもその日のうちがベストである。

想像してみて欲しい。何万枚も撮り溜めたRAWデータを、後年になって一枚一枚モニターで確認しながら現像・ゴミ取り・レタッチして仕上げていくことを。恐らくそれは苦行僧の如き忍耐の伴う作業を強いられるのは間違いない。

話のついでに言うと、そもそも業界的にレタッチで追い込むことを好む風潮がある..それを推奨することで商売が成立している市場があるのだ..が、レタッチ耐性だの高解像度のトリミング耐性だの小難しい話は別にして、レタッチ前提に撮るならカメラなどどこのメーカーのものでも良いということになる。

以前は別の意味でRAWを残すことにこだわっていたが、富士フイルムのカメラ..正確にはフィルムシミュレーション..を使うようになって以降、撮りっぱなしのJPEGで済むならそれに越したことはないという考え方に変わった。以前なら納品はTIFFでお願いしますなどと聞いたふうなことを宣う編集者もいたが、今やJPEGで何の問題もないのである。

もちろん業務の関係ともなれば話は別で、当然のように同時記録でRAWも残しておくが、それはあくまで保険ってことだ。JPEGで済むならそれで良し、成果物としてお金をもらう以上、要求に基づきRAWから現像後にレタッチして仕上げることも仕事のうちだからね。

一眼レフとの違いにおいて、ミラーレスカメラの特徴に顔認識機能がある。これは主にビデオカメラの分野からのフィードバックなので、当然のようにソニーとパナが強いと言われている。

通常の撮影業務における人物撮影では顔認識は常にONにしており、昔を思えばそのピント合わせの歩留まりの高さには舌を巻くものがある。知り合いの婚礼スナップカメラマンも昨年からソニーα7R3を使うようになり、もう一眼レフには戻れないと宣っているくらいだ。

先月の学校イベント撮影では、基本的に撮影位置がスタンドやコート脇からなので、望遠レンズを使って被写体からやや離れての撮影であった。一応、顔認識機能をONにしておいたのだが、パナとフジでは挙動の違いが顕著だった。

使用レンズはG9 PROがパナライカ100-400、X-H1がXF50-140+x1.4で、結果から言うとG9 PROの圧勝である。

G9 PROが凄いのは、ファインダー内で人と認識できる時点でその大きさを問わずAFが追随する点である。しかも人物が後ろを向いていたり、横向きであってもAF測距の枠が人を囲うように表示され、いかにも捕捉している感がある。顔認識以前にオブジェクトとして人を認識するようだ。

その上、ベンチ前に並ぶ選手に向けると、そこに写り込む人のほぼすべて..正確には最大15人らしい..を認識するのである。その中のどの人をメインとするかの判断はまだ改善の余地はあろうが、とりあえずハッキリと顔をこちらに向けているか、一番手前にいると判断した人物を追いかける仕様のようだ。

そしてバストアップのようにファインダー内である程度顔の占める割合が高くなると顔認識が働き、よりカメラ側に近い目にピントを合わせる仕様である。この時点でメガネを掛けていようが帽子を被っていようが関係なく、ピントを合わせ続けてくれる。

次にX-H1の場合、G9 PROのような人物認識機能はなく、明らかに顔と認識できた時点でないと顔認識は働かない。まあ当たり前といえば当たり前なのだが、G9 PROの凄さを知ってしまうとやや期待ハズレと言わざるを得ない。

唯一、そんなX-H1がG9 PROに勝っていると思われるのが、瞳AFの融通さであろうか。前述の通りG9 PROではほぼカメラ任せになってしまうのだが、X-H1ではどちらの瞳に優先的にピントを合わせるかを事前に選択できる。

X-H1の瞳AFの芸の細かさは、ポートレート撮影のようにカメラマンとモデルが一対一で向き合うケースで強みがあると思われるが、今回のような全身を撮影するスポーツシーンではどうでも良い些末な差だろう。

結果的に現時点ではパナの人物認識と顔認識に一日の長がありそうだが、モデルのポートレート撮影に限ればフジの顔認識でも問題はないだろう。何となくメーカーの設計思想または想定シチュエーションの違いとも考えられるかな。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

まだ一輪だけだが、庭のヒマワリが咲いた。うちのヒマワリは冬のヒマワリレストラン用に植えているものの他に、畑の隅に勝手に自生しているものがある。

写真のはその前者で、後者は種をちょろまかしているハタネズミか、レストランの常連組が途中で落としたものだ。

まあよくここまで連日のように猛暑が続くと感心するが、日中の屋外での撮影では、金属とエレキの塊でもあるカメラ機材への影響も気になるところだ。

先月、久しぶりに学校イベントの撮影を行った。以前同種の撮影を請け負ったときはEOSの1D3や7Dの時代だったが、今回はG9 PROとX-H1のミラーレス機を持ち込んで対応した。

1日8時間程度、延べ3日間、日陰のない炎天下のグランドで、両機とも連写多用で連日2000枚少々撮影したが、結果ノートラブルであった。特にG9 PROはボディの温度がさほど上がることもなく、何のストレスもなく淡々と動作していた。GH5同様に4K60Pの動画収録を可能とする..GH5と違ってG9は時間制限があるが..だけあって、さすがの放熱性能である。

X-H1も基本的に動作自体は問題なかったが、2日目の午後の最も気温が高かったと思われる時間帯に、1回だけ黄色い温度警告が背面液晶に表示された。黄色は画像にノイズが増える可能性ありで、赤色は連射性能などパフォーマンスが落ちるというアラートである。その時は確かにボディが熱くなっていたのを感じていたので、念の為電源を落として10分ほど放置してから再度使用したが、その後は特にアラートもなく最後まで動作した。

今時のミラーレス機に残る懸念は電源であろう。バッテリーがあまり持たないという問題もさることながら、常時流れている電気量は一眼レフ機よりは多いはずなので、自ずから熱量も増幅することになる。スポーツシーンでは屋外炎天下での撮影はデフォルトであり、特に今年のような尋常でない暑さの中での撮影はこれからどんどん増えていくことだろう。

そういった過酷さクリアしてこその各社フラッグシップ機であるが、今回の撮影でパナのG9 PROとフジのX-H1の両機はそれを証明したことになる。さすがにタフネスさをウリにしているだけのことはあるというものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR x1.4 / PROVIA

試合の合間に見上げた空に、暑さを物ともせずツバメの若鳥がスイスイと飛んでいた。グランド上でプレイする子供たちもそうだが、若いってだけでも耐暑性能も運動不足のオッサンよりは高いようだw

先日のTBS情熱大陸は、アルパインクライマーの平出和也氏であった。平出氏はヒマラヤなどで未踏ルートからのアプローチにこだわる、世界でも屈指のトップクライマーとして有名だが、我々の業界では高所系の山岳カメラマンとしても知られている。

場所が場所だけに、高所山岳域は水中撮影同様に経験や技術のない局やプロダクションのカメラマンが、おいそれとは同行できない分野である。

今どきはクライマー自身にGo Proのようなアクションカムを装着しての自撮りもあるが、それには表現力に限界があるので、そこはやはりしっかりとした技術を持ったカメラマンが同行して絵を抑えるほうが良いのは間違いない。それが平出氏の場合は自身がそもそも専門職のカメラマンという具合である。

実際、放送の大半は本人(と同行した中島健郎氏)の手による映像で構成されていて、ドローン(Mavic Pro)やタイムラプス映像も流れていた。

で、俄然注目したのは平出氏が使っていたカメラで、メーカーロゴの入った正面からの映像は無かったが、フジのX-H1で間違いない。レンズはXF18-135が識別できたが、少し引いた絵もあったので、もしかしたら広角系も使っていたかもしれない。

拙者も指摘している通り、バッテリーの持ちの悪さがX-H1のアキレス腱..と言うかフジ全般だけどね..ではあるが、平出氏のようなエクストリーム系のカメラマンに、しかもヒマラヤ..正確にはカラコルムだけど..で使われているというのは、なかなかインパクトのある映像だったと思う。

X-H1は防塵防滴や耐低温性など過酷な現場でのタフさをウリにしているので、フジにしてみれば期せずして良いプロモーションになったのではないだろうか。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR x1.4 / Velvia

台風が太平洋から運んできた空気なのか、はたまたフェーン現象なのか、またまた蒸し暑い夏がぶり返してきた感じ。まだこれから8月だもんね、たまらんのう..

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Adobe Camera Raw(以降ACR)のフジのXシリーズが登場した頃の初期のバージョンでは、フィルムシミュレーションのカラープロファイルも怪しく、カメラ内現像に比べて解像感も甘い印象があった。

そんなことで、食わず嫌いと言うか生来の保守的な性格もあって、フジに関してはACRを避けてきたのだが、満を持して登場したフジの純正現像アプリであるX RAW STUDIO(以降XRS)には致命的な問題があって、接続したカメラと同一の機種で撮影したRAWしか現像できないのである。

XRSはデスクトップ製品ではあるが、基本的にカメラ内の現像エンジンに依存しているので、異なるカメラの撮影データを現像できないというのは一貫した動作とも見て取れるのだが、撮影当時のカメラが手元にないというのは普通にありえる話なので、少なくても同一世代のセンサー搭載機なら現像できるようにしても良いように思う。

何より現在の仕様ではうっかり古いカメラを下取りにも出せないということになるw

で、先日たまたま手元にX-T2が無くて、Web素材ということもあって現場の判断でダメ元でACRを使ってみることになったのだが、X-H1登場後の最新バージョン(10.4)で試したところ、カメラ内現像に比べてもなかなか遜色ない感じで仕上がっているように思える。

左がマツヨイグサをPROVIAで撮影したもので、右がACRのVelviaで現像し直したもの。

左がCLASSIC CHROMEで撮影、右はACRのCLASSIC CHROMEで現像。

左がヒルガオをPROVIAで撮影、右はACRのPROVIAで現像。

左がベニシジミをETERNAで撮影したもので、右がACRのPROVIAで現像し直したもの。

CLASSIC CHROMEとヒルガオの例で判る通り、Web上ではほとんど見分けがつかない。Velvia独特の緑もカラー再現されているように思える。強いて言えば、レンズごとの歪曲や収差の補正に若干の違いが見られるので、特に広角でパースが強い場合は注意が必要だろう。

X-H1に関してはETERNAも選択できる。もしかしてX-T2でも使えるかと期待したがそこはさすがに選択肢にすら出てこなかった。

印刷物の場合はXRSで現像してPhotoshopでレタッチが順当だが、Web用途ならACRで問題なく、何れ必要に応じて使い分けるのが良い。もちろん、撮影に使用したカメラがなければ必然的にACRに頼ることになるが、現在はそれもさほど気にするほどではないようだ。

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LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

春から3ヶ月ほどX-H1を使ってきて、製品コンセプト含め画質・基本性能面には満足するものがあり、今やX-T2に代わってメイン機の立ち位置を任せるに至っている。

が、X-T2から性格付けが変わって、タフなフィールド系カメラとして付き合う以上、特に操作周りに関しては微妙に難があるので、そこは一言言っておかねばなるまい。

こんな場末を通り越した田舎もんのブログなど、天下の富士フイルムが見ているとは思わないが、耳障りの良い褒めネタはそう労せずしてネットで拾えるし、カメラ雑誌の提灯記事ではないので、手放しで褒めるというものでもないしね。

以下、番号に特に事の大小の意味はないので念の為。

Qボタンここじゃない
X-T2は位置的に意図して触れない限り見て見ぬふりできたが、X-H1は割と指が掛かる位置にあるので、突然見慣れない表示が現れてビックリすことがある。そもそもクイックメニューなんて使い方が取説読んでも意味不明(誰か便利な使い方教えてケロ)。ネットでググってもほとんど情報がないところ見ると、誰も使ってねぇんじゃねぇの?と勘ぐりたくなる。ここはせめて「使わない(押しても反応しない)」という設定がほしい。
2018/9/5 その後に無事使い道を見出した
EVFを覗きながらハイライトトーンとシャドウトーンのパラメータをいじれることに気が付き、その場で感じた通りに色を調整できるのは便利かも。時間が経ってからレタッチするよりは的確なのでね。
AF-ONボタンが小さすぎて押し辛い
世界のケン・ワタナベではないが「フジのカメラのボタンは小さすぎて押せなーい!」と叫びたくなるほど小さい。段差を付けて差別をしていると思われるが、隣のAE-Lボタンのほうが突出していて押しやすい点で意味不明。取り敢えずAEロックなどまったく使わないので、こっちにもAF-ONを割り当ててどちらを押してもAF駆動するように設定している。
フォーカスレバーの位置が微妙
X-T2も同様だが、位置が微妙によろしくない。ここは絶対AF-ONボタンの「すぐ下」が正しい。そういう意味でAF-ONボタンの位置ももう少し右に寄るのがベターだろうね。
セレクターボタンが深すぎて押し辛い
お前の指が太いとか言わないでくれ。とにかくボディに埋め込み過ぎで押し辛いことこの上ない。特に冬場に手袋していると操作はなかなか厳しい。それに素手だと右手親指にあかぎれが起きやすいwので痛いのである。ここは明らかにX-T2から退化しているぞ。
視度調節ダイヤルがすぐ回っちまう
カメラバッグから出し入れする際に勝手に動いている時がある。もうホントこれは何とかしろと声を大きくして言いたい。他のダイヤルにはロックが付いているのに、何故視度調節ダイヤルにはないのだ。こんなもの一度調節すれば頻繁に動かすもんでも無かろうに。X-T1からまったく対処されてないのが理解不能。 仕方ないので今回も引き続きパーマセルのお世話になっているぞ。
アイカップ無駄にデカ過ぎ
アイカップだけの問題ではないが、LCDを起こしてローポジションまたはローアングルに構える時、ライブビュー映像が見えにくくなるのがイマイチ。そもそも眼鏡使い..ハ◯キルーペではないぞw..にこんなデカイ遮光は効果ないし、押し付けないと全視野が見えづらい。カメラバッグにしまう時も引っ掛かって邪魔。取り敢えずX-T2のもの(EC-XT M)に交換することで対応しているが、デカイ方をオプションにしてくれやい。
フロントコマンドダイヤルそこじゃないっしょ
EOSとパナに慣れているせいか、この位置だと通常の撮影時に操作するのはほぼ不可能だと思うが、他の人はどうなんだろうか。どうせ配置するならEOSやパナのようにシャッターボタンの手前でしょ。但し、縦位置に構える時にグリップ側を下にした際には操作できるので、リアコマンドダイヤルと同様に露出補正を割り当てると、それはそれで便利ではあるけどね。
フォーカスモード切換レバーもそこじゃねぇし
Xシリーズ共通なのだが、シングルAF(S)とコンティニュアスAF(C)の切り替えレバーがボディ前面の向かって右下にあるのが理解不能だ。モードを切り替えるのにいちいち左手を使わないとならないとはこれ如何に。確かナイコンも同じ位置にあった..写真はF4だが確かに同じであった..と思ったが、撮影中に交互に切り替えるとかそういう操作をまったく想定していないのが不思議だ。モード切り替えはパナのように右手親指で操作できる位置にあるべきだろう。想像だが、フジはデジタルカメラ黎明期にFマウント互換機を造っていたので、その時の名残じゃないかと勘ぐってみたりして。

ちなみにもっとふざけた操作を要求するのが天下のプロ機EOS-1Dだ。左手でボタン2つを同時に押して尚且右手でダイヤル操作で選択という「ctrl+shift+option+commandでさらに英字のPを押す」みたいな操作だったはず。もうアホちゃいますかって感じだったねw

バッテリー容量少なすぎ
Xシリーズ系は今に始まった話ではないが、とにかくバッテリーが保たない。X-T1の頃から型番が変わってなくて..多少容量はアップしているが..使い回しができるのはありがたいのだが、1本フル充電でも1日300枚も撮れないのは何とかして欲しい。メーカーのソリューションとしてバッテリーグリップを付ければ3本のバッテリーで運用できるというのがあるが、いやいやそれじゃせっかくのミラーレス機が重くなっちまうでしょ、と声を大きくして言いたい。X-H1でバッテリーの仕様を刷新する良い機会だっただけに、実に惜しい話である。

まあ、すでに慣れてしまって今のままでも現状問題ないものもあるが、少しパナのG9 PROを見習えって感じがしないでもない。G9 PROは..GH3以降のGH系も同様..AF関係の操作系が1ヶ所に集められていて、カメラ構えてファインダー覗きながらでも右手親指で操作できるので使いやすいのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

個人的な好みもあるが、パナは昔から業務用カムコーダーを作っているだけあって、フィールド系カメラとしての操作系はいちいち理にかなっている。

デザイン性を優先するのはX-ProとX-Tに任せて、X-Hはフィールド系カメラとしてもっと操作性に重きをおいて設計して欲しいね。フジとしてX-H1にそういう設計思想を込めているのはよく判るので、次機種ではさらなる現場志向を目指して欲しいぞ。

X-H1のセールスポイントの一つは、Xシリーズ初のボディ内手ブレ補正(IBIS)であろう。すでにオリやペンタやソニー、最近ではパナもIBISを搭載したモデルを用意しているため、それ自体に目新しさはなく、むしろ自由度の高いはずのミラーレス機では周回遅れの感漂うフジであった。

ミラーレス一眼のメーカーとしてやや後発であること、当初は画質優先を謳って手ブレ補正に懐疑的な発言をしていること、コンシューマではなくプロシューマを目指すモデルで初めて実装してきた..営業的には写真のビギナーにこそ訴求力が高い..辺りに、フジの自信の程が伺えるというものだ。

撮影時の手ブレの原因はシャッター速度が遅いというのが最も大きい要因だが、それを逆手に取って意図的に撮影結果に織り込む手法もある。で、実際のフィールドでスローシャッターを使う場面と言えば、星景写真のような長時間露光を除けば、水の流れや滝などの流動感を表現するケースだろう。

今までならそんな時はさすがに三脚のお世話にならざるを得なかったのだが、先日来、いくつかの場面でX-H1のIBISの威力を試したところ、広角レンズ使用時にシャッター速度が1秒以下であれば、かなり歩留まりよくIBISだけで対応できることが判った。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

まずは1/15秒の例。日中でNDフィルタなしだと、どんなに絞り込んでも1/15秒辺りが下限であるが、この程度だと望遠レンズでもレンズ内手ブレ補正であればさほど問題ではないだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

これらは木漏れ日の差すやや明るい感じの林内で、雪解け水の流れをスローシャッターで狙ったもの。ND8を装着してF22まで絞り込み、1枚目が0.3秒、5枚目が0.5秒、それ以外は1秒で撮影した。

過度な絞り込みによる回折の影響はさておき、さすがに1秒では歩留まりが5割まで下がった..ここは個人差があろう..が、それでも1秒というスローシャッターを手持ち撮影できるというのは強力な武器であろう。

今回のケースで言えば何れも三脚が使えないシチュエーションではないので、普通に考えれば三脚に固定するのが望ましいのだが、フィールドの状況や撮影アングルによってはそう上手くいかないこともあり得るので、やはりIBISの恩恵は計り知れない。

ちなみに小中大滝..表記がややこしいのだが、小中という場所にある大滝のことねw..の写真も手持ちスローシャッターによるもので、この時もND8で0.3〜1/8で撮影している。当日は時折風が吹く状況だったので、手ブレよりは被写体ブレでアウトになるケースが多かった。

それこそ長玉..いわゆる超望遠レンズのこと..を使っていた頃は三脚の使用が大前提であったが、ミラーレス一眼と高性能な手ブレ補正の登場でそれももはや過去の話だ。

動画や物撮り、それに待機を余儀なくされるようなケース..ワイルドライフ撮影でのブラインド利用とか..を除けば、デイライトでは三脚は使う機会は少ない。

風景写真を撮るなら三脚は必須ではないか?ということになるのだろうが、拙者の撮影ジャンルは風景スナップ..勝手にカテゴライズしているだけだけど..なので、三脚にカメラを載せじっくり構えてレリーズでパシャ、なんてことは基本的にやらない。あくまで速写性重視なのである。

同時に動画を撮ることがあるのも理由の一つではあるが、そもそも三脚を使う必要がない場面でいちいち脚を広げてセッティングをすること自体をナンセンスと考えているのが大きい。そのためにもレンズ内であれIBISであれ、手ブレ補正は必須なのである。

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時々HDR

2018/5/23

キビタキとクロジのさえずりがブナの森に響く。時々ガサガサとササを揺らして何かが走って逃げていく。林床には新緑を通過した柔らかな初夏の光が差し込んで、ゆく道を照らしてくれる。

エゾハルゼミもまだ控えめにジージー鳴いているが、この暑さが続けばすぐに降るような大合唱となって、鳥たちからその声の主役の座を奪うことだろう。

平日の玉原は行き交う人の喧騒もなく静かなものだ。20年くらい前なら鳥たちの春コーラスも盛大に楽しめたが、ご多分に漏れず玉原も昔の面影はない。環境が変わったのか鳥が減ったのか、はたかまその両方なのか。こればかりは鳥に聞いてみるしかないかな。

それにしてもだ。Google日本語入力の相変わらずの語彙の狭さに辟易する。未だに「たんばら」と入力して玉原が変換されないのだから。玉原の知名度がその程度ということがあるのは一理あるが、関東でも人気の玉原高原スキー場が隣りにあるのだから、いい加減何とかしろよって思う。

辞書に単語登録すれば良いのは今も昔も変わらないが、時々クリーンインストールを実行してMacをリセットする習慣がある..都合でmacOSのTime Machineは使ってない..ので、その度に細かい設定を元に戻すのが面倒なんでね。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR
FUJIFILM X-H1 / XF10-24mmF4 R OIS(4枚目・5枚目)
ETERNA(1枚目) / Velvia

X-H1にはDレンジ優先という設定がある。これはX-T2以前には実装されていない機能で、フィルムシミュレーションのETERNAと一緒にX-H1から追加されたものだ。

Dレンジ優先は、文字通りダイナミナックレンジをカメラ側で適切にコントロールするという仕様からして、従来からあるダイナミナックレンジを倍々で広げていくDR100〜400よりも、場面に合わせてそれなりに写るようである。

ETERNAは動画用のフィルムシミュレーションであるが、デフォルトでダイナミナックレンジを広くとる設定なので、ETERNAとDレンジ優先が合わせ技..X-T2にはどちらもないので..なのは何となく理解できる。

以前、ファームアップでX-T2にもETERNAが追加されるような噂もあったが、もしかしたらX-H1にはオンボードで何かそれ用のハードが積まれているのかもしれない。

写真の世界では白は白く黒は黒く、特に暗部を黒く潰すことでメリハリをつける、いわゆるコントラストを高くするという表現方法がよく使われる..モノクロの世界がまさにそれ..が、昨今はネットの時流に乗じてどこもHDR流行りなので、白を飛ばすことなく、黒を潰すことなくが好まれているようだ。

上の例では、4枚目が通常..新緑を表現しているので幹を黒く潰している..に撮影したもので、5枚目の写真がDレンジ優先で撮影したものだ。4枚目と同様に新緑に露出を合わせれば林床は黒く潰れ、逆に林床に露出を合わせれば新緑は飛んでしまうことになる。

初夏の森の中は、樹相により林冠が空けている場所もあれば、倒木による空間、それに新緑の透過光など複雑に光が射し込むため、適正露出をどこに合わせるかは表現次第で千差万別となる。ならばいっそすべての光をと欲張るなら、こういうHDR表現も一つの手と言えるだろう。

ただ、何でもかんでもHDR表現というのはちょっといただけない。何事もほどほどが良いのである。

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体に似合わず

2018/5/22

林道からそれ、額に汗しながら渓流沿いに車では入れない支線を伝い歩き、途中木陰で休んでいると、林縁との境付近をミソサザイが出たり入ったりしているのが見えた。

春まだ浅い時期から沢沿いでよくそのさえずりを耳にするが、標高の高いところではまだまだ春進行中なので、ミソサザイの繁殖活動もこれからという感じである。

忙しそうに苔の類を運んでいたかと思うと、思い出したようにソングポストで歌を歌う。小さな体に似合わず声量豊かに朗々とした歌声は、不意に近くで聞くとまさに「けたたましい」という風情のさえずりであるが、春の森には欠かせないBGMであろう。

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

手ブレ補正の付いてないXF16-55を常時X-H1に装着しているため、望遠ズーム系のレンズは自動的にX-T2の担当になる。

が、X-T2はX-H1に対して小型軽量を優先とし、バッテリーグリップの類は付けてないため、大柄なXF100-400を装着するとバランスが取れずに保持しづらくて仕方ない。ましてや縦位置に構えると手がつりそうであるw

本来なら同レンズにはX-H1だが、XF16-55を考えるとボディ2台持ちの時は前述のようになってしまう。X-T2は携行性..出っ張りが少ないのでバックパック内で収まりが良い..の点で予備機として必要なので、ここはやはりX-H1がもう1台あると便利だね。

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連休明けてから連日雨模様で、先週末は夏日だったのが嘘のように気温もグッと下がって朝は特に寒い。さすがにこの季節に10℃を下回ると、ストーブとフリースの出番復活である。

近所のヤエザクラも連休前に満開になっていたため、ここ数日の雨のせいもあってほとんど散ってしまった。写真はまだ勢いがある時のものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / Velvia

G9 PROやX-H1は、従来機に比べて大きくなったとの評..良くも悪くもね..を耳にするが、撮影はカメラボディだけで完結するものではない。交換レンズあっての写真なのである。

よく比較対象になるソニーα7シリーズがいくら小型..驚くことにフルサイズなんだよね..と言っても、その性能を引き出すためのレンズはどれもこれも巨大なものばかり。結局レンズを含めた撮影時の総量で比べれば、αはかなりガサのある巨大なシステムなのである。

昔のウォークマンなど見ていれば判るが、ソニーはデバイスメーカーの側面もあって、小さいスペースに可能な限りメカやエレキを詰め込むことに妙な使命感とも自負とも判らない挟持があるようだが、人が手で操作する道具には下限があるということを判ってない。

それに4K/60Pが求められるこの時代において、α7はスペースをすべて潰してしまったことで放熱問題をクリアできていない。しかも設計に余裕が無いのかシーリングも中途半端で、雨天の使用時に雨の侵入を許すという、カタログに踊る防塵防滴性能が何とも虚しい看板倒れ状態だ。

ちなみに某C社の場合、最初のミラーレス機であるEOS Mを出した時、何を勘違いしたかフルサイズレンズが装着できることを、あろうことかTVCMで喧伝して失笑を買っていた。そりゃそうだ、小型化が求められているミラーレス機に、何が悲しくて巨大なレンズを装着しなければならないのかw

道具は必要以上に小型化すれば必然的に使いづらくなるのは自明の理。ミラーレス機を牽引してきたパナやAPS-Cが主力のフジだが、どちらもいつか来た道とばかり、G9 PROとX-H1で路線を正しく戻してきた。もちろん小型ボディをそれぞれラインナップした上でね。

小さくすべきは小さくあるべきだが、意味のない小型化はユーザーに恩恵はないに等しい。何が何でも小さければ良いってもんじゃないって話だ。

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