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カサカサ

2018/6/4

林道脇の空き地でバックパックを下ろして水分補給などしていると、足元でカサカサと何者かが音を立てた。音の感じからアカネズミ辺りかと思って見下ろして探すが、こちらの気配を察知したのか音がピタッと止んでしまい、しばし膠着状態に。

やがて音の主が枯れ葉の下から姿を見せたので、カメラを構えてゆっくり近づくと、さも周囲に溶け込んでカムフラージュしてるもんねとばかり、再び足を止めて身じろぎもしない。

ゆっくりと顔を近づけてマジマジ観察してみても、私は枯れ枝よと言ったか言わなかったか、漫画ならさながら冷や汗でも流していいそうな顔で横目でこちらをチラリ。カメラを電子シャッターに切り替えて音無しで数枚撮ったところで、ダッシュで再び枯れ葉の下へ姿を消した。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

ニホントカゲに比べると地味さ全開のカナヘビだが、こう見えてれっきとした日本固有種である。

人の目だと動かなければなかなか見つけるのも難儀だが、うちの庭では冬前にはやにえ..言わずと知れたモズの仕業..になっているのを見ることがあるので、小さい者同士では案外そんなこともないのだろうね。

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LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

春から3ヶ月ほどX-H1を使ってきて、製品コンセプト含め画質・基本性能面には満足するものがあり、今やX-T2に代わってメイン機の立ち位置を任せるに至っている。

が、X-T2から性格付けが変わって、タフなフィールド系カメラとして付き合う以上、特に操作周りに関しては微妙に難があるので、そこは一言言っておかねばなるまい。

こんな場末を通り越した田舎もんのブログなど、天下の富士フイルムが見ているとは思わないが、耳障りの良い褒めネタはそう労せずしてネットで拾えるし、カメラ雑誌の提灯記事ではないので、手放しで褒めるというものでもないしね。

以下、番号に特に事の大小の意味はないので念の為。

Qボタンここじゃない
X-T2は位置的に意図して触れない限り見て見ぬふりできたが、X-H1は割と指が掛かる位置にあるので、突然見慣れない表示が現れてビックリすことがある。そもそもクイックメニューなんて使い方が取説読んでも意味不明(誰か便利な使い方教えてケロ)。ネットでググってもほとんど情報がないところ見ると、誰も使ってねぇんじゃねぇの?と勘ぐりたくなる。ここはせめて「使わない(押しても反応しない)」という設定がほしい。
2018/9/5 その後に無事使い道を見出した
EVFを覗きながらハイライトトーンとシャドウトーンのパラメータをいじれることに気が付き、その場で感じた通りに色を調整できるのは便利かも。時間が経ってからレタッチするよりは的確なのでね。
AF-ONボタンが小さすぎて押し辛い
世界のケン・ワタナベではないが「フジのカメラのボタンは小さすぎて押せなーい!」と叫びたくなるほど小さい。段差を付けて差別をしていると思われるが、隣のAE-Lボタンのほうが突出していて押しやすい点で意味不明。取り敢えずAEロックなどまったく使わないので、こっちにもAF-ONを割り当ててどちらを押してもAF駆動するように設定している。
フォーカスレバーの位置が微妙
X-T2も同様だが、位置が微妙によろしくない。ここは絶対AF-ONボタンの「すぐ下」が正しい。そういう意味でAF-ONボタンの位置ももう少し右に寄るのがベターだろうね。
セレクターボタンが深すぎて押し辛い
お前の指が太いとか言わないでくれ。とにかくボディに埋め込み過ぎで押し辛いことこの上ない。特に冬場に手袋していると操作はなかなか厳しい。それに素手だと右手親指にあかぎれが起きやすいwので痛いのである。ここは明らかにX-T2から退化しているぞ。
視度調節ダイヤルがすぐ回っちまう
カメラバッグから出し入れする際に勝手に動いている時がある。もうホントこれは何とかしろと声を大きくして言いたい。他のダイヤルにはロックが付いているのに、何故視度調節ダイヤルにはないのだ。こんなもの一度調節すれば頻繁に動かすもんでも無かろうに。X-T1からまったく対処されてないのが理解不能。 仕方ないので今回も引き続きパーマセルのお世話になっているぞ。
アイカップ無駄にデカ過ぎ
アイカップだけの問題ではないが、LCDを起こしてローポジションまたはローアングルに構える時、ライブビュー映像が見えにくくなるのがイマイチ。そもそも眼鏡使い..ハ◯キルーペではないぞw..にこんなデカイ遮光は効果ないし、押し付けないと全視野が見えづらい。カメラバッグにしまう時も引っ掛かって邪魔。取り敢えずX-T2のもの(EC-XT M)に交換することで対応しているが、デカイ方をオプションにしてくれやい。
フロントコマンドダイヤルそこじゃないっしょ
EOSとパナに慣れているせいか、この位置だと通常の撮影時に操作するのはほぼ不可能だと思うが、他の人はどうなんだろうか。どうせ配置するならEOSやパナのようにシャッターボタンの手前でしょ。但し、縦位置に構える時にグリップ側を下にした際には操作できるので、リアコマンドダイヤルと同様に露出補正を割り当てると、それはそれで便利ではあるけどね。
フォーカスモード切換レバーもそこじゃねぇし
Xシリーズ共通なのだが、シングルAF(S)とコンティニュアスAF(C)の切り替えレバーがボディ前面の向かって右下にあるのが理解不能だ。モードを切り替えるのにいちいち左手を使わないとならないとはこれ如何に。確かナイコンも同じ位置にあった..写真はF4だが確かに同じであった..と思ったが、撮影中に交互に切り替えるとかそういう操作をまったく想定していないのが不思議だ。モード切り替えはパナのように右手親指で操作できる位置にあるべきだろう。想像だが、フジはデジタルカメラ黎明期にFマウント互換機を造っていたので、その時の名残じゃないかと勘ぐってみたりして。

ちなみにもっとふざけた操作を要求するのが天下のプロ機EOS-1Dだ。左手でボタン2つを同時に押して尚且右手でダイヤル操作で選択という「ctrl+shift+option+commandでさらに英字のPを押す」みたいな操作だったはず。もうアホちゃいますかって感じだったねw

バッテリー容量少なすぎ
Xシリーズ系は今に始まった話ではないが、とにかくバッテリーが保たない。X-T1の頃から型番が変わってなくて..多少容量はアップしているが..使い回しができるのはありがたいのだが、1本フル充電でも1日300枚も撮れないのは何とかして欲しい。メーカーのソリューションとしてバッテリーグリップを付ければ3本のバッテリーで運用できるというのがあるが、いやいやそれじゃせっかくのミラーレス機が重くなっちまうでしょ、と声を大きくして言いたい。X-H1でバッテリーの仕様を刷新する良い機会だっただけに、実に惜しい話である。

まあ、すでに慣れてしまって今のままでも現状問題ないものもあるが、少しパナのG9 PROを見習えって感じがしないでもない。G9 PROは..GH3以降のGH系も同様..AF関係の操作系が1ヶ所に集められていて、カメラ構えてファインダー覗きながらでも右手親指で操作できるので使いやすいのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

個人的な好みもあるが、パナは昔から業務用カムコーダーを作っているだけあって、フィールド系カメラとしての操作系はいちいち理にかなっている。

デザイン性を優先するのはX-ProとX-Tに任せて、X-Hはフィールド系カメラとしてもっと操作性に重きをおいて設計して欲しいね。フジとしてX-H1にそういう設計思想を込めているのはよく判るので、次機種ではさらなる現場志向を目指して欲しいぞ。

奥山のブナの森を空から眺めてみると、春から初夏への季節の移ろいは、見る者を置いてきぼりにするかのようにあっという間の出来事だ。

キツツキのドラミングがこだましていた雪解けの森は、エゾハルゼミの大合唱にあふれる萌黄の森へと移り変わった。生きものや植物の息吹あふれる季節の進みは待ったなしである。

DJI Mavic Pro(1枚目は4Kから静止画切り出し)

森の中からドローンを上げるにはそれなりの技術を必要とする。上空に障害物となる木々の枝が張り出してないか慎重に確認することが求められ、闇雲に離陸させると幹や枝にプロペラを引っ掛けて墜落の憂き目に遭うことは必定だ。

例えそれが芽吹き前の明るい林内であっても、枝の張り出し自体は展葉期と変わらない。逆にそこに枝があることに気が付かない..細い枝には障害物回避センサーは反応しない..ため、プロペラの破損、ひいては機体の破損につながる可能性が高いのである。

低山の森で開けた空間を探すのは一苦労だが、奥山のブナの森には倒木更新が見られる。大木となって枝を大きく張り出したブナが何らかの要因で倒れると、そんな場所にはポッカリと樹冠が空けている..ギャップとも言う..のである。

一般的にブナは単層林を形成することが多く、それ1本で森の中の空間を広く支配している。そんなブナが倒れるということは、自分の立ち位置を他の植物に譲ることになり、追っ付け光を求めてブナも含めた生存競争が始まるのである。そのきっかけが倒木更新なのだ。

森の中に特機のクレーンを持ち込むなど想定外であるため、そんな倒木更新で空けたギャップを利用させてもらうことで、林内からドローンを森の上空へと離陸させることが出来るのである。

但し注意が必要なのは、芽吹き前は多少ドローンを移動させても下から捕捉することが出来るが、展葉期は空いた樹冠以外は空が見えてないため、上下降以外の動きをドローンにさせるのは危険である。飛行可能エリアであっても、目視外飛行のためには専任の監視要員が必要なのと、そもそもその監視要要員からドローンが見えている必要がある。

折りたたみ式で携行性の高いMavic Proの登場で、こういった単独シチュエーションでも空撮が出来るようになったが、安全面での配慮を怠ってまで飛行させることが出来ないのは言うまでもない。

ミラーレス一眼を2台..フジのX-H1とX-T2..にその交換レンズ、小型トラベラー三脚、それに空撮用のドローンを一つのバックパックに収納して運用中。

別のパターンでは、X-T2の位置に対生きもの用にG9 PRO+パナライカ100-400が収まる場合もあるが、終日撮影の場合は食料他の収納も必要なので、歩行中の速写性の観点からもG9 PROはトップローダー式のショルダーで下げている場合が多い。

何にせよ写真に動画にしかも空撮まで、こんなコンパクトな機材で運用できるのだから、つくづく良い時代になったもんだとしみじみ。

走れ!ケー100

2018/6/1

ちょっと前に蒸気機関車に郷愁を感じると書いたが、さすがにリアルに蒸気機関車に乗っていた世代ではない。ただ、時代的にまだ蒸気機関車の匂いが色濃く残っていたのはおぼろげに記憶に残っている。それでも蒸気機関車を身近に感じていたのは、「きかんしゃやえもん」とか「走れ!ケー100」などの影響が強いかも。SLが童話の世界の今なら、うちの倅たちもハマっていた「きかんしゃトーマス」なんだろうけどね。

ちなみにケー100は見た目はSLっぽく、設定も北海道の炭鉱で働いていた蒸気機関車という話であったが、実は鉄道車両ではない。一般道を走れる車両だったのを、拙者と同じ世代なら憶えている人もいるだろう。しかもバルーンタイヤを履いた六輪駆動の水陸両用車だった。実際、番組内で津軽海峡を渡るストーリーもある。

そのケー100はカナダ製のアンフィキャットという水陸両用車をベースに作られていて、当時のSF系映画やテレビ番組ではよく使われていたのである。ゴレンジャーとかスペース1999(米)とかに登場する特殊車両であったことは、その筋にはよく知られている。

ケー100は好きで毎週放送を楽しみにしていた。今あのスケールのテレビ番組をしかも子供向けで制作するのは相当難易度が高いだろうね。予算もさることながら、特殊車両を一般道で走らせることへの規制など。まあ当時はそれだけテレビの番組制作に力が入っていたという時代背景があるだろう。

そうそう、ケー100の放送は当時金曜の夜7時半だった。で、その前に7時からウルトラマンタロウだったかエースが放送されていたはず。なので当時はウルトラマンxxからケー100、そして分派したばかりの猪木の新日本プロレスという流れでテレビにかじりついていた。

という話に頷く貴方は拙者と同世代w

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR
Velvia(1枚目) / ETERNA(2枚目)

みなかみからの帰り道、後閑駅に上りのSLみなかみ号が停車するのが見えたので、先回りして線路脇で待ち伏せし、ギリギリ間に合って撮ったのが1枚目。慌てていたのでスローで流す余裕がなかった。しかもVelviaモードだしw

蒸気機関車も登りにならないと機関に石炭くべないからか、煙が出てないのはイマイチだよね。それに煙出てても寒い季節のほうがモクモク感あるので、やっぱり冬がイイ感じかな。

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ミラーレスカメラの台頭で、ファインダーと言えばEVF(電子ビューファインダー)というのはすでに市場的には認知されているが、報道の分野で未だにOVF(光学ファインダー)が求められているという。

スポーツ報道では表示映像の遅延によるタイムラグは困るというのは昔からあって、それへの一つの答えが、ソニーα9のようなブラックアウトフリー..露光中でも常にファインダーに像が表示されている..のミラーレスカメラとなって具現化されている。

ただ、先日どこかの記事で読んだ話として、EVFは長時間覗いていると目が疲れるが、その点OVFはそんなことはないというものがあった。報道で終日張り込みのような現場だと、特に夜間の場合はその影響は大きいとのことだった。

ファインダーを覗きっぱなしというのが通常あまりないのだが、言われてみれば以前に天狗様の繁殖行動に張り付いてブラインドに籠もっていた時、当時はビデオカメラのEVFを長時間覗いていたなぁというのを思い出した。

天狗様撮影時のブラインド内での様子(ビデオカメラはCanon XL-H1)

スチルはEOSだったので当然OVFだが、ビデオは同社のXLシリーズで、特にXL-2以降のモデルでは、EVFを跳ね上げてLCDとしても使えたので、その辺りの差はあったかもしれない。直接目を近づけて覗くよりは、離れて見ている方が遥かに楽だしね。

件の記事では、便利さや機能面ではすでにミラーレスカメラのほうが報道分野でも勝っているというものだったが、唯一OVFだけが手放せないという主旨であった。もはやEOS-1DとかD5とかそんな大げさなものでなく、必要に応じてEVFとOVFが切り替えられるようなハイブリッド式が求められていると感じる。

実はフジにはX-ProというまさにEVFとOVFのハイブリッド式カメラがあるのだが、報道分野で活躍できるほどの耐久性があるのかは怪しい限りだ。こと「絶対に故障しない(と思いたいw)」的な信頼性に限って言えば、やはりCとNのフラッグシップ機の存在意義を認めざるを得ないだろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ホトトギスは朝に夕に、例え雨が降ろうとも依然として叫び続けている..トッキョキョカキョクは鳴くというより叫ぶ感じだよね..が、カッコウはもう一通り用事が済んだようで、めっきり鳴かなくなった。

写真はちょっと前に家の前の電線にやって来たカッコウ。この日は最後の追い込み?だったのか、仕事場から見える全方位で精力的に動き回っていた。

カテゴリ:写真・カメラ, |タグ:

210mmのF1.4

2018/5/30

近年非常に元気の良いシグマから、F1.4シリーズのDGレンズとして105mmが発売される。件のレンズ、EFマウント版であればアダプター経由でマイクロフォーサーズにもフジにも使えるので、ちょっと気になっている。

今年のCP+を見てきた友人にも聞いていたが、見た目もさることながら重さも1.6kg超えというから中望遠としては尋常ではないサイズ感だが、特にマイクロフォーサーズで利用すると換算で210mm F1.4となって、ISO感度の低さを補う明るさを得られるのは興味深い。

その昔、キヤノンのFDとEFの双方にF1.8の200mmがあったが、まさにそれの再来感がある。あまり寄れないようだが、マイクロフォーサーズなら最大撮影倍率も倍になって、暗い森の中の生きものを狙うにはちょうど良いのではないだろうか。何よりキヤノンのやつより価格が安いしね。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR / Velvia

最初にムシカリで教えてもらったので今でも名前はムシカリと出てくるが、オオカメノキのほうが正式のようだ。漢字では「大亀の木」と書き、葉が亀の甲羅に似ているのでこの名前がある。

ではムシカリはとは言えば、こちらは「虫狩」と書くらしく、上の写真でも判る通りハムシの類が好んで葉を食べ、虫食い状態になることからそう呼ばれているらしい。

虫が植物の葉を食べるのはこの木に限ったわけではないのに、なぜにムシカリなのかは謎である。

αの快進撃

2018/5/29

商売柄、カメラ機材の相談を受けることがあるが、まあ正直、高画素フルサイズ一眼と高級レンズを買える財力、それにそれらを運ぶ体力..これが結構重要だけどね..があるなら、間違いなくその選択のほうが後悔しないだろうね。特に現状ならα7R3かD850がベストだろう。

ソニーはデジタル一眼カメラでは後発であることから、恐らく戦略的な意味合いでレンズマウントに縛りを入れていない。C社やナイコンはユーザーに自社製レンズを使ってもらうことにかなり執着している..交換レンズビジネスは結構儲かるのだ..が、ソニーはEマウントの仕様をオープンにしており、ライセンス契約することでサードパーティが自由に交換レンズで商売できる。

そう、つまりマウントによる囲い込みをせず、とにかく早く市場にαシリーズが浸透するように仕向けることで、CNの市場に割り込みを掛けている。そして実際に一定のプロを除いては、両者のシェアをかなり侵食してきているのが現状だ。

ちなみに拙者の仕事周りで増殖中なのが、レンズはC社のEFレンズで、ボディがソニーαというパターン。ソニーは最新技術を出し惜しみすることなく詰め込めるだけ詰め込んでいるのに対し、C社など未だ出し惜しみ番長という社風?が災いしており、まあ言ってみれば身から出た錆というところだろう。

動体撮影で強みのあったCNの2大ガリバーも、α9の登場でその立場を危うくしている。例えば鳥屋の分野なら、カメラ爺たちは未だ大砲レンズに固執しているが、若い世代ではα9+FE100-400にサブで同RX10の4というのが昨年からのトレンドになっていて、SNS系でも秀作をよく目にすることができる。

とにかくソニーの躍進はまだまだ続くだろう。ロシアワールドカップと東京五輪を控えて、プロの分野ではCNも巻き返しを図ってくるだろうが、果たして勢いのあるαの快進撃を止められるのか。

異端のフジパナ愛用者wとして、ふとそんなことを思ってみたりするのである。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

季節の進みが暦より早いので、そろそろ関東でも梅雨入りの声が聞こえ始めている。ここ数日も降りそうでいて降らない日が続いており、庭の畑も乾き気味である。

近頃どうもそんな感漂う写真趣味の世界である。兎にも角にもα7IIIが売れているらしい。

先だって、老若男女のアマチュアカメラマンが集まる某所において、15人中、4人が某C社、3人がナイコン、オリが2人、何と残り6人がα7系というから驚いた。しかもそこにはフジとパナの影も形もないという、何とも明快でわかりやすい疎外感に浸った拙者であったw

EOSをメインから外した時点ですでに自分が王道から外れているwのは承知しているのだが、田舎ではまあそんなシェア割合なんだと一人合点がいく次第。

しかし田舎では本当に見かけないよね、XもLUMIXも。大丈夫か、フジパナw

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

思考をめぐらしている時は仕事場の窓の外に目を向けていることが多い。ただ、この季節は雨上がりでもないとヘイズの影響で遠望が効かないので、植え込みや庭木に視線が行くことになる。

ピリピリとつぶやくようにメジロが玄関脇のシラカンバにやって来た。いつもならすぐに通り過ぎていくのだが、今日は餌を探して同じ場所を行ったり来たりしていたので、窓を10cmほどそっと空け、電子シャッターの音無しで撮影。

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X-H1のセールスポイントの一つは、Xシリーズ初のボディ内手ブレ補正(IBIS)であろう。すでにオリやペンタやソニー、最近ではパナもIBISを搭載したモデルを用意しているため、それ自体に目新しさはなく、むしろ自由度の高いはずのミラーレス機では周回遅れの感漂うフジであった。

ミラーレス一眼のメーカーとしてやや後発であること、当初は画質優先を謳って手ブレ補正に懐疑的な発言をしていること、コンシューマではなくプロシューマを目指すモデルで初めて実装してきた..営業的には写真のビギナーにこそ訴求力が高い..辺りに、フジの自信の程が伺えるというものだ。

撮影時の手ブレの原因はシャッター速度が遅いというのが最も大きい要因だが、それを逆手に取って意図的に撮影結果に織り込む手法もある。で、実際のフィールドでスローシャッターを使う場面と言えば、星景写真のような長時間露光を除けば、水の流れや滝などの流動感を表現するケースだろう。

今までならそんな時はさすがに三脚のお世話にならざるを得なかったのだが、先日来、いくつかの場面でX-H1のIBISの威力を試したところ、広角レンズ使用時にシャッター速度が1秒以下であれば、かなり歩留まりよくIBISだけで対応できることが判った。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

まずは1/15秒の例。日中でNDフィルタなしだと、どんなに絞り込んでも1/15秒辺りが下限であるが、この程度だと望遠レンズでもレンズ内手ブレ補正であればさほど問題ではないだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

これらは木漏れ日の差すやや明るい感じの林内で、雪解け水の流れをスローシャッターで狙ったもの。ND8を装着してF22まで絞り込み、1枚目が0.3秒、5枚目が0.5秒、それ以外は1秒で撮影した。

過度な絞り込みによる回折の影響はさておき、さすがに1秒では歩留まりが5割まで下がった..ここは個人差があろう..が、それでも1秒というスローシャッターを手持ち撮影できるというのは強力な武器であろう。

今回のケースで言えば何れも三脚が使えないシチュエーションではないので、普通に考えれば三脚に固定するのが望ましいのだが、フィールドの状況や撮影アングルによってはそう上手くいかないこともあり得るので、やはりIBISの恩恵は計り知れない。

ちなみに小中大滝..表記がややこしいのだが、小中という場所にある大滝のことねw..の写真も手持ちスローシャッターによるもので、この時もND8で0.3〜1/8で撮影している。当日は時折風が吹く状況だったので、手ブレよりは被写体ブレでアウトになるケースが多かった。

それこそ長玉..いわゆる超望遠レンズのこと..を使っていた頃は三脚の使用が大前提であったが、ミラーレス一眼と高性能な手ブレ補正の登場でそれももはや過去の話だ。

動画や物撮り、それに待機を余儀なくされるようなケース..ワイルドライフ撮影でのブラインド利用とか..を除けば、デイライトでは三脚は使う機会は少ない。

風景写真を撮るなら三脚は必須ではないか?ということになるのだろうが、拙者の撮影ジャンルは風景スナップ..勝手にカテゴライズしているだけだけど..なので、三脚にカメラを載せじっくり構えてレリーズでパシャ、なんてことは基本的にやらない。あくまで速写性重視なのである。

同時に動画を撮ることがあるのも理由の一つではあるが、そもそも三脚を使う必要がない場面でいちいち脚を広げてセッティングをすること自体をナンセンスと考えているのが大きい。そのためにもレンズ内であれIBISであれ、手ブレ補正は必須なのである。

でも上ばかり見上げて歩いていると、木々の根や石につまづいたり、張り出した木の枝に引っかかりする事があるので、時々は足元にも注意を払ったほうが良い。

そんな時、見下ろすだけでなくちょっと視線を下げて見るだけで、それまで見えてなかったものが見え出すこともある。木々は光を求めて上へ上へと幹を伸ばすが、その始まりも終わりもすべて林床あってこそだ。

人の目線で見上げる森もあれば、光わずかに届く世界から見上げる森もある。林床の世界は自然の小宇宙である。

FUJIFILM X-H1 / XF10-24mmF4 R OIS
FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR(2枚目・6枚目)
PROVIA / Velvia(3枚目・4枚目)/ Dレンジ優先(4枚目)

但し、他の人に見えないものが見え始めたり、本来そこになかったものが写りだした場合、もしかしたらそれは心の病か、人智を超えた力の発動かもしれないので、しばし経過観察が必要かもしれない。

場合によっては然るべきところに相談するのが吉だろう。人によっては、森の中とはそんな霊験あらたかな場所なのである。もちろん、世俗の垢にまみれた欲の塊のような拙者には、今も昔もそんなありがたそうな事例はないけどねw

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