月別アーカイブ : 2018/09

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デス・スター

2018/9/20

今朝、北海道最高峰の旭岳が初冠雪したらしい。例年より5日早いとのことで、やはり秋の訪れは早いのかもしれない。

ああ、錦繍の北の大地に足を延ばしたいところだが、誰か仕事代わってくれ..

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR x2 / CLASSIC CHROME(レタッチあり)

タイトルに意味なし。さらに言えば月齢9.4は昨晩の月。今日は多忙につきカメラ触れず..

夏の間Velvia中心だったフィルムシミュレーションも、CLASSIC CHROMEやETERNAを使う機会が増えてきている。過剰なコントラストで演出された夏感から、落ち着いた秋の光の質感を表現したい。

CLASSIC CHROMEではいわゆる撮って出しで一発OKだが、ETERNAの場合はそのダイナミックレンジの広さを利用して、ハイライト・シャドウともに少々手を加えて仕上げることが多い。

動画と違って写真の場合、ETERNAはそのままだとシャドウの情報が多すぎるので、少し階調が沈むようにレタッチし且つハイライトが白飛びしないよう特に雲の質感には気を使う。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / ETERNA(レタッチあり)

上州武尊山。

日の出直後なので、本来なら川場谷は剣ヶ峰が陰になって暗く沈むところだが、人の目は広大なダイナミックレンジを誇るので、実景ではシャドウ部のディテールもしっかり見えている。

そこを不自然にならない程度まで見せつつ、朝の光を反射する雲の質感を出してみた。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / ETERNA(レタッチあり)

上越国境と沼田の市街地。

日はすでに赤城山の裾野から顔を出しているが、ちょうどその東側に雲が広がっているため、沼田の市街地はまだ暗い状態であるが、市街地の構造物が潰れること無く表現されているのはさすがETERNAである。

この場合はシャドウはデフォルトのまま、ハイライトだけ少し調節して雲の立体感を残した。

とうとうその日がやって来た、と言うほど大げさの話ではないのだが、近年県内の生息域を北へ北へと広げているガビチョウが、我が家の庭にもやって来たのだ。

ここ10年くらいで近所にはすっかり定着してしまって、そのせいか餌が競合するクロツグミが減ったように思えるのは気のせいではない。まったく厄介な侵入者である。

そんな厄介者が、仕事場脇のシラカバの中で例の盛大な鳴き声を響かせてくれてちょっとビックリ。ちょうど電話中だったので、電話の向こうでも「何の騒ぎですか?」と訝しむ声がw

積雪のある地方では少ないと言われているが、この冬には隣の川場でも声を聞いているので、もうそういう状況はお構いなしなのだろう。

電話を切ってもまだ鳴いていたので、撮影しようとゆっくりブラインドを上げたが、一瞬目があってから速攻で逃げられた..

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

悪魔の実、いやホウノキの実が赤く熟し始めている。大きさ的にはガビチョウくらいかねぇw

ロクヨン

2018/9/17

先日EOS Rと一緒に発表されたキヤノンの新型ヨンニッパとロクヨン。軽くなるだろうとは思っていたけど、それぞれ約2.8kgと約3kgってどんだけ軽くなったん?

ヨンニッパなんて軽さが話題になったソニーより見事に軽いし、何より驚きは3kgのロクヨンだって。その昔600mm F4なんて6kgを超えているのが当然だったのにねぇ。

どちらも光学系はソニーと同じような感じなので、超望遠レンズの設計自体がそういうトレンドなんだろうと思われる。いずれナイコンも似たようなスペックでラインナップを図るだろう。

それにしてもだ。同じように設計できるなら、ゴーヨンがまさかの2kgを切るってこともあり得るのか。先日発表されたナイコンのPFレンズを使用した500mm F5.6が約1.5kgなので、2kg切る500mm F4の登場はちょっとセンセーショナルかも。

いやー、キヤノンさんエゲツないことするわ。EOS RをRFレンズ含めたシステム全体で押し出してナイコンZを軽くいなし、さらに軽量刷新の超望遠レンズ群で東京五輪に向けてチャレンジャーのソニーを振り払うとは。

Nikon COOLPIX5000 / ベニヤ原生花園にて

在りし日の懐かしきロクヨンたち。まずはNikon F5とAF-S Nikkor ED 600mm F4D IIの組み合わせ。時期的にこの頃は真面目に鳥を撮っていた最後のほうだね。

このロクヨンはAF-Sロクヨンの二代目で、先代は6kg超えだったが、このモデルは5kgを切っていたと記憶。AF-SサンヨンやAF-Sヨンニッパと並んで、画質はさすがのニッコールという写りだった。テレコン付けてもほとんど画質が劣化しないのも良かった。

ただ、残念ながらこの個体はハズレ品で、手持ちの2台のF5のどちらを使っても、AF-Cで時々前ピン気味になる持病持ちだった。当時、ナイコン大井とはずいぶんやりあった記憶がある。そりゃ安い買い物じゃないから当たり前だが、ナイコンの製品に見切りをつけた元凶でもあった。

Nikon COOLPIX5000 / サロベツ原生花園にて

雲台は耐荷重68kgを誇る、知る人ぞ知るアルカスイス モノボールB-2。この時は機材を担いで歩き回ることを優先して、ジッツォの3型カーボンの脚に水平出し用の同レベラーを挟んでいる。15年以上前の写真だが、載っているカメラとレンズ以外はまだうちでは現役..F5は1台残っているが..だ。

この後、故あってCOOLPIXのコンデジ系を買うことはあったが、自前のナイコン一眼レフは手にしていない。デジタルになって業務で仕事仲間の機材を使うことはあるけどね。

IXY DIGITAL 400 / 以久科原生花園にて

こちらはCanon E0S-1VとEF600mm F4L IS USMの組み合わせ。手に入れたのは20世紀の終わりで、EFゴーヨンと並んでもっとも使用期間が長かったAFの長玉だ。フードが黒いのは、白塗装前のカーボン素材のままのもの..純正の試作品っぽい話だった..を、知り合いのとあるルートで貰い受けたもの。

実はAF-Sロクヨンと同時期に保有していた時期もあって、画質はニッコールのほうが良かったのだが、EFロクヨンには天下無双の手ぶれ補正が付いていたので、車内からのブラインド撮影ではこちらをよく使っていた。

今でこそニッコールにもVRが付いているが、この当時は手ぶれ補正はキヤノンの長玉だけの特権で、超望遠レンズといえば三脚運用が当たり前の時代に、その固定観念を取り払ってくれた。

IXY DIGITAL 400 / 群馬県某所にて

それとこの頃から天狗様の行動記録用に使いだしたキヤノン社製ビデオカムコーダーXL-1・2でもよく使っていたかな。まだビデオコリメート撮影が実用的でなかった時代なので、換算4200mmを超える焦点距離..XLシリーズは1/3の3CCDで約7倍で計算..のビデオカメラは魅力的だった。

下にエクステンダー付きのEOS-1Vが転がっているが、写真撮影とビデオ撮影を同じレンズマウントで使い分けられるというのも、当時のキヤノンならではと言える。今でこそデジタル一眼の動画撮影は当たり前の機能だが、この当時は画期的な運用だったのである。

そしてこの頃、自身のデジタル黎明期に突入するに当たり、デジタルはキヤノンで行くと決めていたので、ナイコンの機材は徐々に放出することになる。AF-Sロクヨンの前ピン問題がなくても、どのみちナイコンとは縁が切れる流れにあったということだ。

カテゴリ:写真・カメラ

水平を保つな

2018/9/16

先日の「水平を保て」は南方向を向いて撮影したので右下がりだが、赤城高原から見て日光白根山が見えている言うことは北向きになるので、この写真の通り左下りになる。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA

このケースも先日の記事に倣って散布用のブームが水平になるように写さないのか?という話になるのだが、まず、背景に日光白根山という巨大なランドマークが写り込んでいるので、基本的にそれは無理である。そもそもこの写真を見て、水平に違和感を感じる人はまずいないだろう。

仮に日光白根山が写り込んでいないとしても、例えば左端に電柱が写っていることで、自ずからこの構図の水平がキッチリ取れていることが判る。さらに言えば背景の木立も電柱同様に垂直を表現されているので、これまた同様である。

先日の記事含め何が言いたいのかと言うと、水準器を見て何が何でも水平出しにこだわるのは風景屋くらいであって、コマーシャル系の商業写真も撮るカメラマンにとって、写真の水平とは必ずしも物理的な水平を指すものではなく、写真を見て違和感のない構図を保つこともあるという話である。

ちなみに動画に関して水平出しは重要..ただしフィックス映像を除く..である。録画の頭で見た目の水平を出しておいても、左右にパンした際にすぐに構図が破綻して努力が無駄に終わるので、カメラを三脚に据えたらまず最初に必ず水平を出すこと、これ必定なり。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

朝の光の力を借りてレタスの新鮮感を演出する。フィルムシミュレーションをVeviaにしてコントラストを強調することで、盛りを過ぎていてもまだ夏の雰囲気を出せるものだ。

だが、高原野菜のメッカである赤城高原もそろそろ収穫は終盤戦に入っている。日差しの強かった夏場ほどには野菜の成長も早くないので、作付けもあと1回くらいこれで今シーズンは終了になるだろう。

カテゴリ:写真・カメラ

子供の頃、某国営放送で「御宿かわせみ」という番組が始まると聞いて、てっきりカワセミ..もちろん鳥のことね..が出てくるのかと期待して初回放送を観て、バリバリの時代劇だったのでガッカリした記憶があるw

それでもドラマのタイトルに生きものの名前が被せられていると、ついつい懲りずに観てしまうのは悲しい性なのか、つい最近はテレ朝の「ハゲタカ」というドラマを観ていた。

以前に同じ原作(真山仁)の某国営放送版..この時の主役は大森南朋で今回のテレ朝版では綾野剛..を観ているので、前述の下りはまあネタ絡みの冗談なのだが、ネットの予告だったかでイヌワシを探しに行くような場面があって、今回は騙されないぞと思いつつもついつい、というのが話しの振りであるw

ドラマの内容はどうでもいいのだが、確かに初回放送のエンディングにイヌワシが登場した。トビとかノスリとかの映像でなかったのを確認、背景等から知り合いの映像だというのもすぐに判った。

何しろあれだけネイチャー系番組を放送している某国営放送のドラマですら生きもの考証は部局の縦割りの影響で適当なので、我らが天狗様ことイヌワシを適当に扱われては気分がよろしくないのでね。

それにしてもだ。番組タイトルはハゲタカなのに、なぜイヌワシを登場させる必然性があるのかの疑問はある。

それについての理由は番組内で「鷲津(主役の名前)は海外ではゴールデンイーグル(イヌワシの英名)と呼ばれていて狙った獲物は逃さない」的な説明セリフがあり、ああそういうことねとその時点では納得したものの、その後も外資のファンドをハゲタカと称しているわりに主人公をゴールデンイーグルと呼ばせている点には何とも違和感アリアリなのである。

まさかイヌワシをハゲタカと一緒にはしてねぇよなぁという疑心の念をもちつつも、鷲津のタイトルバックにチラッと写る写真がハゲワシっぽいので、何となく混同しているようにも思えるし、うーんw

ちなみにハゲワシ(英名でVulture)は実際に存在するが、ハゲタカという鳥は実在しない。ハイエナ的なポジションを与えられた、より攻撃的で弱者を食い物にする悪役の意味合いで使われる、小説や映画の世界の俗称である。

ニホンイヌワシ

Canon EOS-1D MarkIII / EF600mm F4L IS II USM

これが天翔ける天狗様の雄姿だ。兎にも角にもハゲタカ風情などど我らが天狗様を一緒にしてほしくないねw

カテゴリ:猛禽|タグ:

動画屋としてEF-EOS R ドロップイン 可変式NDフィルター にクラクラしてしまうw もうキヤノンったらホントに商売上手というか、他のメーカーに比べて一枚も二枚も商売が上手だね。

ナイコンのFTZはFマウントレンズが無駄にならないようにするための「タダ」のアダプタだが、キヤノンはアダプタに様々な付加価値を付け、従来のEFレンズ群もまだまだ健在感を醸し出すことに見事に成功している。

RFレンズから新設されたコントロールリング..これなどは新基軸のインターフェイスだがまさにしてやったりだろうね..が、EFレンズでも改造なしで使えるというのも、さすがと言わざるを得ない。

こういう商品企画1つとっても、メーカーの考え方に差があることがよく判る。新しく世に出したものを最高!とアピールするのは良いが、それまでの既存製品の立ち位置をよくよく考えねばなるまい。

新しいもので今までのものをすべて置き換えられない以上、殊更に新製品の優位性をアピールすのは逆効果になりかねないぞ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ACROS

秋雨前線の影響で朝から天気が優れず。

仕事が立て込んでいてどのみち撮影には出られないので、まあどうでも良いっちゃ良いのだけどね。

カテゴリ:写真・カメラ, 季節感|タグ:

噂のソニーの次なる一手は、初のグローバルシャッター搭載機という話もチラホラ。

ソニーのサイトを見る限りセンサー自体はすでにAPS-Cとm4/3用がラインナップしているので、まずはAPS-Cのα6000系がそれに置き換わるのかもね。

来春予定されているらしいオリンパスの新型も、フルサイズでなくm4/3で行くことを明言しているので、もしかしたらこのm4/3用のグローバルシャッター搭載センサーを使うのかもしれない。

ソニーはα9に搭載したアンチディストーションシャッターで、ローリングシャッター歪みをかなり問題ない程度まで抑え込むことに成功していて、この性能には未だどのメーカーも追いついていない。

先日発表された富士フイルムのX-T3がローリングシャッター歪みを低減しているという話であるが、恐らく程度の問題であって、α9並になっているとは考えづらいので、まだしばらくはα9が優位性を保つのではないかな。

そんなα9のアンチディストーションシャッターでもベースはローリングシャッターなので、根本から歪みのない世界になるには、グローバルシャッターの普及を待つほかはない。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

朝夕の影を見ていると、すでに結構陽が傾いてきているのが判る。

夏至を過ぎた時点ですでに南中高度は低くなりはじめ、それに伴い昼夜の長さの逆転が始まっているが、夏場は日差しの強さがそれを感じさせないのだろう。

涼しくなってくると途端にこういったことに敏感になる。

餅は餅屋

2018/9/12

EOS Rを見ていて、キヤノンはミラーレスカメラだからといって何でもかんでも不必要な小型化に走らなかったのが判る。

RFマウントはEFマウントと同じ54mmという大口径であるし、そもそもフルサイズセンサーなのでレンズの小型化は見込めない。ミラーボックスとペンタプリズムが無くなったからと言って無理に小型化するとホールディング性が良くないことを、フルサイズミラーレスで先行しているソニーαが証明している。

今のところキヤノンの小型ミラーレスへの答えはEF-MマウントのEOS Mになる。フランジバックの関係でRFレンズはEF-Mマウントには物理的に装着できない..2mmしか差がないのでアダプタの類を挟む余地はない..のだが、最初から無理に小型化を目指す必要がない点で、RFレンズの設計の自由度はかなり高いはずである。

ここは製品を完全に別ラインに分けるほうが良いというのが、キヤノンのマーケ上の考えのようで、要は餅は餅屋ということだろう。

この点で、ニコワンを止めてしまったナイコンの場合、小型ミラーレスという本来なら売れ線の商品を欠いているので、ビギナーやカメラ女子への大きな販路を失ったに等しい。まあニコワンは売れなかったので仕方ないが。

ナイコンも何れAPS-Cのミラーレス..そう言えばDX何とかという製品ラインはどうなったw..を出すことになるだろうが、その時に55mmという大口径のZマウントが足かせになるかもしれない。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

北海道で2日続けて氷点下だという。昨日は稚内、今日は弟子屈と、9月の観測史上では初めてらしい。梅雨が早くに明けて夏が早かった分、それなりに冬の訪れも早いのだろうか。

カテゴリ:写真・カメラ, 季節感|タグ:

キヤノンのEOS Rは、6D相当っぽい中級機としては可もなく不可もなく、ある意味期待を裏切らない想像通りのスペックwであったと言って良い。

もともとの期待値が低い分w、まあ某C社はこんなもんだろうと割り切れるものがある点で、ティーザー広告しまくりで散々じらせて期待値マックスだったナイコンとは、世間の風当たり度合いがかなり違うと思われる。

ただ、この後にどうやらフルサイズミラーレスの先駆者ソニーによる、某C者のお株を奪うような痛烈な後出しジャンケンがありそうなので、そんな余裕かました出し惜しみ番長サマが、いつまで悠々と肩で風を切っていられるか見ものである。

それはそうと、今回のEOS Rは1987年のEOSシステム登場時..もうEOSも30年経つやんね..によく似ている。上でも下でもなくまずは真ん中の売れ線から品揃えを始め、徐々に市場を侵食していくいつもの作戦なのだろう。

意図しているのか原点回帰なのか、EOS R自体、最初のEOSであるEOS 650とどことなく面影が似ているしね。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ETERNA(ちょいレタッチ)

強烈な夏の日差しもどこへやら。猛威を奮った殺人的な暑さもようやく一段落といった感じになった。

夏の最後の抵抗のように子持山の山稜に雲が湧き上がったが、もはや夕立ちを目論むほどの勢いもなく、西風に煽られて徐々に立ち消えていく。

季節の移ろいに突き動かされるように、太陽の軌道も少しづつ南に逸れはじめ、いつの間にか子持山の陰へ落ちていく。