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深度合成自体は既存のアナログ技術の具現化であり、特に目新しいものではないが、注目すべきは一連の行為がカメラ内で完結できる点にある。それはまさに昨今のミラーレスカメラのトレンドである、連写速度のアップと手ブレ補正能力向上の賜物だ。

従来の方法論で言えば、スタジオ内で物撮りする際、カメラを三脚に固定してピント位置をずらしたブラケット撮影を行い、PCに画像を取り込んで合成する手順を踏む。一般的に物撮りは一度に大量の商品撮影をするケースがほとんどなので、今でもこの方法がポピュラーだ。

が、そういったスタジオ撮りではなく、野外での近接撮影時に手持ちでも深度合成が行えるとなると、それは撮影領域が広がるというものだ。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

土地柄すぐ撮れるサンプルがこういったもので恐縮。実はここ数日庭に来ているアサギマダラを例に撮ろうとしたのだが、理由は後述するがそれは上手くいかなかった。

上の3例とも左が手前にピントを合わせた場合で、右が奥まで深度合成したもの。いずれも換算400mm相当を手持ちで近接撮影しているので、通常の撮影では画面内の何処か1点にしかピントを合わせることが出来ない。

画像を合成する上で一番重要なのは、一連の撮影結果の構図が大きくズレてないことだ。三脚に固定すればそこは回避できるが、野外で手持ち撮影となるとそう上手くも行かないだろう。

そこで重要なのが、いかに短時間にブレることなく複数枚を連続して撮影できるかになるが、それが前述した高速連写機能と手ブレ補正能力の高さということになる。G9 PROの連射性能にIBISとレンズ側の手ブレ補正のシンクロなら、そう労せず期待した結果が得られる。

ただ、画像合成という手段を取る以上、注意しなければならないことがある。前述の構図のズレ..多少なら吸収してくれるが若干トリミングされる..の他、ピントを合わせる範囲は連続して続いている必要があるという点だ。

複数の花が咲いているようなシチュエーションで、そのすべての花にピントを合わせてコンポジットとはいかないのである。花と花の間が空間となってピントが合ったところがないので、この場合はPhotoshopを使っても不自然に仕上がる。アサギマダラ云々の話はまさにこれに当たるものだった。

それと被写体自身が動いているケースもまた然り。動体は基本的に手ブレと同義なので、この辺りの理屈は高解像度のハイレゾ合成と同じだ。

とまあ、使い方や場面を選ぶことは必要だが、深度合成を野外でその場で完結できることは、ネイチャー分野、特に昆虫や小さな植物の写真では大きな進歩と言える。2016年発売のオリのE-M1 Mark IIでは早くに実現されていたため、昆虫を撮るカメラマンの間ではすでにデフォルトの機能となっているようだ。

カテゴリ:写真・カメラ

ピント位置を少しずつづらしながら一度に撮影してくれるフォーカスブラケットは便利である。

露出に関してはRAWであれば後から調整が効くものの、ピント位置だけはどうにもならない。あらかじめ複数のピント位置を抑えておけば、後から自由にカットを選べるわけで、被写界深度の浅い一眼デジカメではあるとないとでは手間が違うのだ。

フォーカスブラケットがない時代でも、複数のカットをコンポジットするのはブツ撮りの世界ではスタンダードな撮り方である。三脚に載せてカメラを固定し、商品の手前から奥までピントをずらして撮影、Photoshopにレイヤーで取り込んで合成するという流れだ。

さらにフィルム時代なら、専用のシフト・ティルトレンズを使って、光学的に結像範囲をコントロールすることで同等のことを実現していた。バイテンやシノゴなど大判カメラに蛇腹の機構が付いているが、あれも原理的に同じことをするものである。

もちろんデジタル全盛の現在においても、シフト・ティルトレンズはその道のプロ御用達で需要があるのだが、特機的な機材でもあるため高価である。昔はキヤノンのTS-Eの90mmを使っていたが、うちのような零細田舎フリーランスには新型は減価償却的に手に余るので、今は端から問題外だ。

そしてようやく本題の話。実はフォーカスブラケットだけだと、ピント位置をずらした写真が複数カット連続して撮れるだけである。もちろんそれでも便利なことに変わりはないのだが、オリとパナの場合、前述の合成作業..Photoshop云々と書いている部分..まで撮影時にやってくれる機能も実装されているのである。

それが深度合成だ。オリの場合はそのまま深度合成で、パナの場合は6K/4Kフォトの機能の一つとして実現している。後でも合成作業はできるとは言っても、手間を考えると時間があればその場で済ませたいのが人情というものだろう。

LUMIX G9 PRO / LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.

上の写真は2mの距離から280mm相当で撮影..スタジオの物撮りでこんなシチュエーションは想定外だが..したもの。レンズ先端にピントを合わせるとボディのネームはボケてしまう(写真左上)。逆にボディにピントを合わせればレンズ先端はボケる(写真右上)。これをフォーカスブラケット後に深度合成することで、手前から奥までピントの合った画像が得られる(写真下)。

絞り込んで被写界深度を深く取ればある程度は結像範囲を広げられるが、マイクロフォーサーズやAPS-Cでは回折現象の影響があるので現実的ではない。絞りを開けて被写界深度を浅くしつつ深度合成することで、対象を強調しながら背景をぼかすといったことも可能になる。

ただ、オリの場合は深度合成を選択して撮影後に即合成となるが、パナは6K/4Kフォトの延長の機能なので、あれやこれや指示した後に動画から画像を切り出す作業が入るせいで処理中はカメラがダンマリ..30秒近く操作を受け付けなくなる..になるのがイマイチ。せめてG9 PROにはオリ同様にJPEGで即合成する機能が欲しい。

デジタルカメラになって一番のメリットは、フィルムの交換が必要ないことである。などと書くと、デジタルから始めた人にはよく判らないメリットになろうが、フィルム時代..デジタルの対語でアナログという人がいるが違和感あり..は残弾、いや残り枚数を気にしながらの撮影であった。

スタジオ撮りなどと違って野外で生きものを撮っていると、あと何枚撮れるかが重要になる局面がしばしばあった。特にブラインドに籠もって待ち伏せしている時に限って、そういう事態に陥るのはマーフィーの法則だろう。

なので常にカメラボディを2台持ち歩くようにして、残り枚数が少なくなると..大体30枚前後を目安にしていた..マガジン交換よろしく、あらかじめ予備のフィルムを詰めておいた別のボディと交換するのである。で、次の待ち時間の間に外したボディのフィルムを交換しておくという流れであった。

それ故にカメラの種類は常に同じモデルを2台持ちというのが習慣であったが、デジタルカメラにおいての2台持ちは主に故障に対する備えの意味が大きい。フィルムカメラの時代は故障という経験があまり無かったが、エレキの塊であるデジタルカメラには常に故障のリスクが付きまとう。実際、C社もパナもフジもそれぞれ何回か故障したことがあるしね。

精密機器に絶対故障しないはあり得ないので、故障しないことを期待するより故障したときの備えを用意する、つまりバックアップとしての予備機の考え方が大切ということだ。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA

この時期にしては珍しく谷川岳がクリアに望めた。赤城高原から見てその前座となる三峰山手前、利根川の上空辺りに雲がたなびいている。朝のうち沼田界隈は雲海の中だったろう。

それにしても、梅雨の晴れ間と言って良いものか、梅雨入りして2日も続けて晴れが続くのはどうなんだろうね。

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梅雨入り

2018/6/7

昨日、関東も平年より2日早く梅雨入りしたらしい。

ここ数日は大して雨が降っているわけではないが、どこかで梅雨入りしたことを言っておかないと、梅雨明けを宣言できないという切実な問題があるようだ。梅雨明け宣言=本格的な夏の到来なので、経済面で夏の商戦にも影響が出てしまうということだろう。

されど週末から週明けにかけて太平洋側でいきなり大雨になるという予報が出ており、内陸部でもその影響は避けられないかも。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

昆虫は基本的に門外漢だが、早朝に暖気中だったのはスジグロシロチョウ(1枚目)とモンキチョウ(2枚目)で、一応それぐらいは判る。

ただ3枚目は何だか判らず、Google先生の画像検索でちょっと調べた限りでは、ヤマキマダラヒカゲがヒットした。サトキマダラヒカゲという類似種がいるらしいが、撮影したのが標高1400mの山の上だったので、ヤマキマダラヒカゲで正しいようだ。

近づくとこちらの影?に反応して飛び立つのだが、すぐにまた同じところに戻ってきて、しきりに山道脇の砂地を舐めていた。付近の砂に含まれるミネラル分でも補給していたのだろうか。

先月末頃より、赤城山の大沼付近でレンゲツツジが見頃を迎えている。日当たりの良い開けたところを中心に、日差しが差し込む南向きの林縁や斜面などが赤く染まっている。例年より10日近く早いのは、この春の動きの中では想定通りだ。

覚満淵や白樺牧場周辺は平日にも関わらず結構な人出が見られたが、それだけサンデー毎日な方々が多いということか。赤城山は全体的に観光地なれど、平日に観光客が押し寄せるのはこの時期特有の現象と言えるかも。

FUJIFILM X-H1 / XF10-24mmF4 R OIS / XF16-55mm F2.8 R LM WR(写真3枚目・4枚目)/ PROVIA

風景なのでVelviaモードといきたいところだが、新緑を過ぎつつあるこの時期の緑がそれらしく再現され、且つ赤も混じえたそこそこの彩度もとなれば、ここはPROVIAモードのほうが適している。

ケバケバしさを気にしなければVelviaのほうが今風..SNSでは受けが良いだろうという意味..ではあるが、ちょっと盛った感強くて現実離れしてしまうのは否めない。

七星天道

2018/6/5

テントウムシという言い方が一般的だが、和名ではナナホシテントウだ。うちの庭ではナミテントウのほうをよく見かけ、家で越冬する個体もほとんどがナミテントウである。

アブラムシなど畑の害虫を駆逐してくれる益虫なので、我が家では春になると窓を開けて家の中を這い回るテントウムシたちは全員外へ出てもらうようにしている。まあ中には冬越しできずに命を落とす個体も多いけどね。

普段、道を歩いていてこのサイズの生きものに目が行くことはなかなかないが、緑の中にポツっと赤い点があるとそれなりに目立つ。これだけ赤いと鳥に狙われそうなもんだが、カメムシほどではないにしても臭い液体を出すので、色と相まって案外警告になっているのだろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

パナライカ100-400は35mm換算で0.5倍まではイケるが、このくらいが写せる大きさの限界。やっぱテントウムシは小さいね。

最短撮影距離1.3mで0.5倍..近接で望遠端は400mmないけどね..なので、野外でワーキングディスタンスを短く取れない場所では、望遠マクロレンズ的に使えて便利だ。ズームレンズである点でも、特に木道のような場所から花や小動物を撮るのには良い。

カサカサ

2018/6/4

林道脇の空き地でバックパックを下ろして水分補給などしていると、足元でカサカサと何者かが音を立てた。音の感じからアカネズミ辺りかと思って見下ろして探すが、こちらの気配を察知したのか音がピタッと止んでしまい、しばし膠着状態に。

やがて音の主が枯れ葉の下から姿を見せたので、カメラを構えてゆっくり近づくと、さも周囲に溶け込んでカムフラージュしてるもんねとばかり、再び足を止めて身じろぎもしない。

ゆっくりと顔を近づけてマジマジ観察してみても、私は枯れ枝よと言ったか言わなかったか、漫画ならさながら冷や汗でも流していいそうな顔で横目でこちらをチラリ。カメラを電子シャッターに切り替えて音無しで数枚撮ったところで、ダッシュで再び枯れ葉の下へ姿を消した。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

ニホントカゲに比べると地味さ全開のカナヘビだが、こう見えてれっきとした日本固有種である。

人の目だと動かなければなかなか見つけるのも難儀だが、うちの庭では冬前にはやにえ..言わずと知れたモズの仕業..になっているのを見ることがあるので、小さい者同士では案外そんなこともないのだろうね。

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LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S

春から3ヶ月ほどX-H1を使ってきて、製品コンセプト含め画質・基本性能面には満足するものがあり、今やX-T2に代わってメイン機の立ち位置を任せるに至っている。

が、X-T2から性格付けが変わって、タフなフィールド系カメラとして付き合う以上、特に操作周りに関しては微妙に難があるので、そこは一言言っておかねばなるまい。

こんな場末を通り越した田舎もんのブログなど、天下の富士フイルムが見ているとは思わないが、耳障りの良い褒めネタはそう労せずしてネットで拾えるし、カメラ雑誌の提灯記事ではないので、手放しで褒めるというものでもないしね。

以下、番号に特に事の大小の意味はないので念の為。

Qボタンここじゃない
X-T2は位置的に意図して触れない限り見て見ぬふりできたが、X-H1は割と指が掛かる位置にあるので、突然見慣れない表示が現れてビックリすことがある。そもそもクイックメニューなんて使い方が取説読んでも意味不明(誰か便利な使い方教えてケロ)。ネットでググってもほとんど情報がないところ見ると、誰も使ってねぇんじゃねぇの?と勘ぐりたくなる。ここはせめて「使わない(押しても反応しない)」という設定がほしい。
2018/9/5 その後に無事使い道を見出した
EVFを覗きながらハイライトトーンとシャドウトーンのパラメータをいじれることに気が付き、その場で感じた通りに色を調整できるのは便利かも。時間が経ってからレタッチするよりは的確なのでね。
AF-ONボタンが小さすぎて押し辛い
世界のケン・ワタナベではないが「フジのカメラのボタンは小さすぎて押せなーい!」と叫びたくなるほど小さい。段差を付けて差別をしていると思われるが、隣のAE-Lボタンのほうが突出していて押しやすい点で意味不明。取り敢えずAEロックなどまったく使わないので、こっちにもAF-ONを割り当ててどちらを押してもAF駆動するように設定している。
フォーカスレバーの位置が微妙
X-T2も同様だが、位置が微妙によろしくない。ここは絶対AF-ONボタンの「すぐ下」が正しい。そういう意味でAF-ONボタンの位置ももう少し右に寄るのがベターだろうね。
セレクターボタンが深すぎて押し辛い
お前の指が太いとか言わないでくれ。とにかくボディに埋め込み過ぎで押し辛いことこの上ない。特に冬場に手袋していると操作はなかなか厳しい。それに素手だと右手親指にあかぎれが起きやすいwので痛いのである。ここは明らかにX-T2から退化しているぞ。
視度調節ダイヤルがすぐ回っちまう
カメラバッグから出し入れする際に勝手に動いている時がある。もうホントこれは何とかしろと声を大きくして言いたい。他のダイヤルにはロックが付いているのに、何故視度調節ダイヤルにはないのだ。こんなもの一度調節すれば頻繁に動かすもんでも無かろうに。X-T1からまったく対処されてないのが理解不能。 仕方ないので今回も引き続きパーマセルのお世話になっているぞ。
アイカップ無駄にデカ過ぎ
アイカップだけの問題ではないが、LCDを起こしてローポジションまたはローアングルに構える時、ライブビュー映像が見えにくくなるのがイマイチ。そもそも眼鏡使い..ハ◯キルーペではないぞw..にこんなデカイ遮光は効果ないし、押し付けないと全視野が見えづらい。カメラバッグにしまう時も引っ掛かって邪魔。取り敢えずX-T2のもの(EC-XT M)に交換することで対応しているが、デカイ方をオプションにしてくれやい。
フロントコマンドダイヤルそこじゃないっしょ
EOSとパナに慣れているせいか、この位置だと通常の撮影時に操作するのはほぼ不可能だと思うが、他の人はどうなんだろうか。どうせ配置するならEOSやパナのようにシャッターボタンの手前でしょ。但し、縦位置に構える時にグリップ側を下にした際には操作できるので、リアコマンドダイヤルと同様に露出補正を割り当てると、それはそれで便利ではあるけどね。
フォーカスモード切換レバーもそこじゃねぇし
Xシリーズ共通なのだが、シングルAF(S)とコンティニュアスAF(C)の切り替えレバーがボディ前面の向かって右下にあるのが理解不能だ。モードを切り替えるのにいちいち左手を使わないとならないとはこれ如何に。確かナイコンも同じ位置にあった..写真はF4だが確かに同じであった..と思ったが、撮影中に交互に切り替えるとかそういう操作をまったく想定していないのが不思議だ。モード切り替えはパナのように右手親指で操作できる位置にあるべきだろう。想像だが、フジはデジタルカメラ黎明期にFマウント互換機を造っていたので、その時の名残じゃないかと勘ぐってみたりして。

ちなみにもっとふざけた操作を要求するのが天下のプロ機EOS-1Dだ。左手でボタン2つを同時に押して尚且右手でダイヤル操作で選択という「ctrl+shift+option+commandでさらに英字のPを押す」みたいな操作だったはず。もうアホちゃいますかって感じだったねw

バッテリー容量少なすぎ
Xシリーズ系は今に始まった話ではないが、とにかくバッテリーが保たない。X-T1の頃から型番が変わってなくて..多少容量はアップしているが..使い回しができるのはありがたいのだが、1本フル充電でも1日300枚も撮れないのは何とかして欲しい。メーカーのソリューションとしてバッテリーグリップを付ければ3本のバッテリーで運用できるというのがあるが、いやいやそれじゃせっかくのミラーレス機が重くなっちまうでしょ、と声を大きくして言いたい。X-H1でバッテリーの仕様を刷新する良い機会だっただけに、実に惜しい話である。

まあ、すでに慣れてしまって今のままでも現状問題ないものもあるが、少しパナのG9 PROを見習えって感じがしないでもない。G9 PROは..GH3以降のGH系も同様..AF関係の操作系が1ヶ所に集められていて、カメラ構えてファインダー覗きながらでも右手親指で操作できるので使いやすいのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

個人的な好みもあるが、パナは昔から業務用カムコーダーを作っているだけあって、フィールド系カメラとしての操作系はいちいち理にかなっている。

デザイン性を優先するのはX-ProとX-Tに任せて、X-Hはフィールド系カメラとしてもっと操作性に重きをおいて設計して欲しいね。フジとしてX-H1にそういう設計思想を込めているのはよく判るので、次機種ではさらなる現場志向を目指して欲しいぞ。

奥山のブナの森を空から眺めてみると、春から初夏への季節の移ろいは、見る者を置いてきぼりにするかのようにあっという間の出来事だ。

キツツキのドラミングがこだましていた雪解けの森は、エゾハルゼミの大合唱にあふれる萌黄の森へと移り変わった。生きものや植物の息吹あふれる季節の進みは待ったなしである。

DJI Mavic Pro(1枚目は4Kから静止画切り出し)

森の中からドローンを上げるにはそれなりの技術を必要とする。上空に障害物となる木々の枝が張り出してないか慎重に確認することが求められ、闇雲に離陸させると幹や枝にプロペラを引っ掛けて墜落の憂き目に遭うことは必定だ。

例えそれが芽吹き前の明るい林内であっても、枝の張り出し自体は展葉期と変わらない。逆にそこに枝があることに気が付かない..細い枝には障害物回避センサーは反応しない..ため、プロペラの破損、ひいては機体の破損につながる可能性が高いのである。

低山の森で開けた空間を探すのは一苦労だが、奥山のブナの森には倒木更新が見られる。大木となって枝を大きく張り出したブナが何らかの要因で倒れると、そんな場所にはポッカリと樹冠が空けている..ギャップとも言う..のである。

一般的にブナは単層林を形成することが多く、それ1本で森の中の空間を広く支配している。そんなブナが倒れるということは、自分の立ち位置を他の植物に譲ることになり、追っ付け光を求めてブナも含めた生存競争が始まるのである。そのきっかけが倒木更新なのだ。

森の中に特機のクレーンを持ち込むなど想定外であるため、そんな倒木更新で空けたギャップを利用させてもらうことで、林内からドローンを森の上空へと離陸させることが出来るのである。

但し注意が必要なのは、芽吹き前は多少ドローンを移動させても下から捕捉することが出来るが、展葉期は空いた樹冠以外は空が見えてないため、上下降以外の動きをドローンにさせるのは危険である。飛行可能エリアであっても、目視外飛行のためには専任の監視要員が必要なのと、そもそもその監視要要員からドローンが見えている必要がある。

折りたたみ式で携行性の高いMavic Proの登場で、こういった単独シチュエーションでも空撮が出来るようになったが、安全面での配慮を怠ってまで飛行させることが出来ないのは言うまでもない。

ミラーレス一眼を2台..フジのX-H1とX-T2..にその交換レンズ、小型トラベラー三脚、それに空撮用のドローンを一つのバックパックに収納して運用中。

別のパターンでは、X-T2の位置に対生きもの用にG9 PRO+パナライカ100-400が収まる場合もあるが、終日撮影の場合は食料他の収納も必要なので、歩行中の速写性の観点からもG9 PROはトップローダー式のショルダーで下げている場合が多い。

何にせよ写真に動画にしかも空撮まで、こんなコンパクトな機材で運用できるのだから、つくづく良い時代になったもんだとしみじみ。

走れ!ケー100

2018/6/1

ちょっと前に蒸気機関車に郷愁を感じると書いたが、さすがにリアルに蒸気機関車に乗っていた世代ではない。ただ、時代的にまだ蒸気機関車の匂いが色濃く残っていたのはおぼろげに記憶に残っている。それでも蒸気機関車を身近に感じていたのは、「きかんしゃやえもん」とか「走れ!ケー100」などの影響が強いかも。SLが童話の世界の今なら、うちの倅たちもハマっていた「きかんしゃトーマス」なんだろうけどね。

ちなみにケー100は見た目はSLっぽく、設定も北海道の炭鉱で働いていた蒸気機関車という話であったが、実は鉄道車両ではない。一般道を走れる車両だったのを、拙者と同じ世代なら憶えている人もいるだろう。しかもバルーンタイヤを履いた六輪駆動の水陸両用車だった。実際、番組内で津軽海峡を渡るストーリーもある。

そのケー100はカナダ製のアンフィキャットという水陸両用車をベースに作られていて、当時のSF系映画やテレビ番組ではよく使われていたのである。ゴレンジャーとかスペース1999(米)とかに登場する特殊車両であったことは、その筋にはよく知られている。

ケー100は好きで毎週放送を楽しみにしていた。今あのスケールのテレビ番組をしかも子供向けで制作するのは相当難易度が高いだろうね。予算もさることながら、特殊車両を一般道で走らせることへの規制など。まあ当時はそれだけテレビの番組制作に力が入っていたという時代背景があるだろう。

そうそう、ケー100の放送は当時金曜の夜7時半だった。で、その前に7時からウルトラマンタロウだったかエースが放送されていたはず。なので当時はウルトラマンxxからケー100、そして分派したばかりの猪木の新日本プロレスという流れでテレビにかじりついていた。

という話に頷く貴方は拙者と同世代w

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR
Velvia(1枚目) / ETERNA(2枚目)

みなかみからの帰り道、後閑駅に上りのSLみなかみ号が停車するのが見えたので、先回りして線路脇で待ち伏せし、ギリギリ間に合って撮ったのが1枚目。慌てていたのでスローで流す余裕がなかった。しかもVelviaモードだしw

蒸気機関車も登りにならないと機関に石炭くべないからか、煙が出てないのはイマイチだよね。それに煙出てても寒い季節のほうがモクモク感あるので、やっぱり冬がイイ感じかな。

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