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夜半にかなり強く雨が打ち付け、農道上は畑土がそこかしこで流れ出すこの季節のいつもの見慣れた風景。畑土は水分を含むとグチャグチャになり、乾けば乾いたで埃っぽくなってなかなか厄介である。

そんな雨上がりの朝、チャイロヒダリマキマイマイがのんびりと農道を横切っていく。隣接するキャベツ畑はほぼ収穫が終わっているので、雨後ということもあって今日は農家のトラックもやって来ないだろう。

予報では日中晴れて暑くなることもないので、まあゆっくり向こう側へ行けばいいさ。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO / 8mm最短付近

この新作の超広角ズームはなかなか良い。

オリンパスを使い出すまでは同じマイクロフォーサーズ連合のパナがメインで、レンズも動画用に一通り揃っていて、以前はパナライカの8-16mmを使っていたが、今回は同じレンジのこのPROズームと入れ替えである。

ズーム全域でレンズ前面間際まで近接でき、25mm(35mm版換算で50mm)側では0.4倍の撮影倍率が得られる。8mm(35mm版換算で16mm)側ならギリギリ近づいて背景をグワッと写し込めるのが良い。

巷ではあまり好まれない沈胴式のズーム機構だが、明示的なストッパーがあるわけでもなくゆっくり回せば軽くカチッとラチェットが外れ、そのまま撮影することが出来る。

パナのGレンズにも沈胴式のレンズがあるので、G9に装着して沈胴したまま電源を入れてもちゃんとモニターにその旨のアラートが表示される。

サイズ的にはパナライカほうが若干小さくて重量は100g近く軽い。しかもパナライカはインナーズームで全長が変わらない優れものだったが、PROズームは望遠側が50mmまであって標準ズーム的にも使えるのが良い。

何より深度合成を始めとするE-M1系の多彩なカメラ内合成機能は、オリンパスのPROレンズでないと対応してくれないので、少しづつオリンパスのレンズに置き換わりつつある。

ピント合わせは絶対マニュアルだ!オートフォーカスなんて邪道、機械に頼っていてはいつまで立っても上達しない!などという輩はこの世からもう絶滅したようで、巷ではだいぶ静かになった印象。

最近は手ブレ補正なんて..と言う輩も減ってきて、いずれ近いうちに絶滅危惧種としてレッドデータ扱いは間違いない。

機械でもでき且つ人より高精度な結果になるのにわざわざ人がやる必要など無いわけで、なるべく楽をしたい拙者には良い世の中になったきたなとw

しかもAFは今や人の顔や瞳のみならず、犬猫鳥まで認識してピントを合わせてくれるのだからありがたいことこの上ないぞ。

とは言え手持ちの機材では辛うじてオリのE-M1Xの鳥認識だけで、パナは絶対動物認識を入れてくると確信があるが、フジなどやる気があるのかさえ未だに不明だ。

まあ若い頃と違って今はそこまで拘って生きものを撮ることはない..15年以上前なら間違いなくEOS R5とRFレンズ一式担いでいるw..ので別段不便は感じないが、出来ないより出来たほうが良いに決まっているので、X-H2が登場する頃にはお願いしたいものだ。

なんでこんな話を書いているかと言うと、海外のそっち系のニュースを眺めていたら、なんと世界初の動物認識は富士フイルムが10年前に出した「FinePix F80EXR」だったというではないか。

その頃のフジのカメラなど全然知らないのだが、カテゴリとしては今や絶滅危惧種となったコンデジだったというからさらに驚きなのである。

なんだやれば出来るんじゃないのフジさんよ。こりゃちょっと期待しても良いかねw

LUMIX G9 PRO/ LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

山際の防鹿柵の前を歩く鹿。こっち側にいる時点でまったく柵が用をなしておらず、しかも耕作地から逆に出られないという点は一応突っ込んでおきたい。

300m以上離れているが、まだ陽炎が立つ前なので比較的シャープに撮れる。野外でのピントの最大の敵は陽炎であり、どんなに高価な超望遠レンズであっても陽炎の前では無力である。そして陽炎には夏も冬も関係ないので、我々のように遠くから生きものを記録する人種にとって一番厄介な存在と言える。

それにしてもそもそも生きものと言っても、この距離でこのクラスの大きさになると、xx認識などなくても関係ないね。AFで普通に撮ってノープロブレムである。

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ナイコンがZfcなるレトロ調なZマウント機を出すそうで、早くも予約殺到で品不足になりそうな話である。

見た目はフィルム時代の往年の名機FM2を彷彿とさせるもので、これだよこれ!と思っているナイコンユーザーは多いことだろう。

ナイコンとしてはDfの二匹目のドジョウ狙いの線だが、ニコンブランドを考えればこれはまっとうなマーケティングであり、ライカ以外でこの路線をヒットさせられるのは老舗ブランドがまだ有効なナイコンをおいて他にないだろう。

センサーがAPS-Cだと嘆くファンも多いが、35mm版のフルサイズにしてしまうとコストを抑えられないのは必定であり、数を多くさばきたいメーカーにしてみれば、Z50と多くの部品を共有したい思惑を考えれば、この辺りは致し方ない。

逆に言えば、Zfcが営業的に成功すれば兄弟機として35mm版の上位機も検討される..その時は是非ともF3を模してほしいぞ..と想像できる。

某C社に比べて明らかにZマウントレンズのラインナップが遅れているので、そっちの拡充が真っ先に求められているが、メーカーとして利益確保を考えれば売れ線の用意も怠ってはならんということだ。

FUJIFILM X-T4 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

SNS界隈ではダイヤル操作主体のZfcをナイコンならではと賛美する声を見掛けるが、フジのX-Tユーザーからすると何を今更という感じw

だいたい軍艦部にダイヤル揃っていても、肝心のレンズに絞り輪付いてねぇし、往年のFマウントニッコールを装着するには、世界で最もダサいマウントアダプタの異名を欲しいままにするFTZを使わなければならないのはどうにも痛いw

それにAPS-Cという理由でX-T4と比較しがちだが、中身Z50ではそこは勝負にもならないぞ。まあX-T30が相手としては良いところで、差し詰めフジカvsFM2と言った感じだな。

あ、でもその比較だとFM2のほうが良いなw

カテゴリ:写真・カメラ

そう言えば、尾瀬の記事を見て歩いている時はカメラは仕舞っているのか?という質問を受けたが、尾瀬に限らず山中では雨でも振らない限りカメラは常にザックから出して携行している。

ただ、ストラップで体から下げるカメラマンスタイルだと、藪こぎ時や樹間を通る際に引っ掛けるし、岩場で前かがみになるとぶつけることになるので、ストラップを外してザックのショルダーハーネスに装着している。

iPhone 11 Pro

取り付けにはその筋でお馴染みのPeakDesignのCapture Camera Clipを使用。これは素晴らしく便利過ぎて一度使ったら手放せないアイテムだ。

ボタン操作のワンアクションで取り外せるのだが、カメラ側のClipされるプレートがアルカスタイルなので、そのまま三脚に載せられるのも秀逸。

写真ではE-M1Mk3とED12-100だが、G9PROにパナライカ100-400辺りでも問題なくぶら下げられる。

iPhone 11 Pro

Captureは山用のザックの他、カメラバッグ毎にすべて用意してあって、通常の撮影時でも使えるようにしてある。

ちなみにGFX100SとGF45-100の組み合わせで試したことがあるが、さすがにこの組み合わせは後で肩が凝って仕方なかったなw やはりアクティビティなシーンでは軽量コンパクトなマイクロフォーサーズが一番である。

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某写真家の作品集について、「望遠レンズに頼らないで撮影」という論評を見かけたが、それがあたかも良いことだという認識は、生きものを撮影するケースに限って言えば必ずしも正しいとは言えない。

望遠レンズより広角レンズを使うほうが上位に評価されるというのは写真業界全般の風潮であるのは事実だが、そもそも望遠どころか超望遠ですら撮影が難しい、いや困難な生きものが存在するわけで、焦点距離で写真の善し悪しを評することは妙な話だ。

確かに被写体に可能な限り近寄るストーキング術というのはあって、短い焦点距離のレンズを使って広いパースの威力で被写体を表現すれば力強さを表現できるが、野生動物にとって人間は脅威の対象でしか無いので、被写体たる生きものに無用なプレッシャーを与えてまで撮ることの意味というのは考えなければならない。

ましてや相手が人よりも強大な力を保持する生きものであればなおさらで、ゾウやトラ、クマを相手に「望遠レンズに頼らないで撮影」することが命との引き換えになることは理解しなければならない。下手すればその結果次第で相手すら駆除される可能性もあるのだから。

生態写真の黎明期ならいざしらず、デジタルカメラの台頭であらゆる撮影行為が迷惑がられている1億総カメラマンのこの時代において、無闇矢鱈に対象に近づいて撮影する行為は厳として慎まねばならないだろう。

プロアマ問わずとかくカメラマンという人種には、被写体に対する知識も知見もない、そして敬意一つ抱かず品性の欠片もない馬と鹿が多い。目立たず離れてそっと静かに撮影することがもっと評価されるべきである。

LUMIX G9 PRO/ LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

それなりに距離をとっても、レンズを向けると迷惑そうに訝しげに見つめてくる生きものもいる。

田舎の農村外れのノラを見ていると、一応人の生活圏内に住んではいるが、人と馴れ合うつもりはサラサラない感がよく伝わってくる。

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SSP(日本自然科学写真協会)が主催、写真家の海野先生が実行委員長を務める「生きもの写真リトルリーグ(2015年〜)」の季節がやって来た。

昨年2020年度は新コロナ禍の影響で残念ながら中止となってしまったが、未だ収まらぬ渦中にあって今年はオンライン開催を目指しているものの、諸般の事情で特別協賛だったパナソニックが降りてしまった..パナのカメラ事業についてはこちらに詳しい..ため、今のところ開催可否は不透明ということである。

イベントの意義について拙者ごときががあらためて言うまでもないが、生きものに関わる写真文化の未来を紡ぐためにも、なんとか開催にこぎつけてほしいと思う。

スポンサーが降りたわけでぶっちゃけ資金難ということになるが、近年はクラウドファンディングによる資金集めは世間的に周知されてきているので、本件についてもそちらで支援を要請するということだ。

興味のある方は是非とも同プロジェクトの支援をお願いしたい。

FUJIFILM X-T4 / LAOWA 65mm F2.8 2× Ultra Macro APO / PROVIA

ノイバラに載っているのはキリギリスの幼生で良いのかな?

XマウントのマクロはXF60mmマクロがあるが、マクロレンズを謳っていながらマクロ域でのAFのピントの迷いには閉口するwので、どうせMFで使うならとLAOWAの65mmの出番が多い。

このレンズは35mm版換算で約3倍相当まで寄れるスグレモノで、胴筐が細くコンパクトなので、カメラバッグの隅に忍ばせて置けるのが良い。

それにしても、EVFで拡大された像がプルプルと揺れるのを見るにつけ、歳とって体幹が衰えてきたことをつくづく実感する。やはり若い頃のようなわけにはいかんなw

手ブレ補正が効いているとは言っても、マクロ域では前後方向へのピント移動が顕著なので、普段風景写真で三脚の必要を感じることは殆どないが、強拡大のマクロの世界では三脚はあったほうが良い。

先日も書いたが、若い頃は某C社のEOS-1..特にフィルム機の初代が良い..が好みのデザインだったが、仕事で写真を撮るようになってからカメラは目的で選ぶようになっているので、殊更デザインの良し悪しや好みで選択することはなくなった。

もちろんデザインについては個人的な主観の問題でもあるので、良い悪いではなく好みであるかないかというのは当然ある。

今手元にあるカメラを見ていると、EOS-1のなで肩ジャミラデザインwではなく、ペンタ部が出っ張ったいわゆる一眼レフっぽいテイストのものばかりなので、そういう嗜好であることは否定しない。前述のEOS-1とは対極になるが、同F-1やニコンのF3以前のデザインも好みだ。

最近出たペンタのK3IIIはそういう意味では割と好みのデザインと言える。一眼レフなのでとんがりペンタ部がまさにペンタプリズムの収納場所であり、デザイン性を帯びたものではなく必然の結果だしね。全体的に凝縮感の塊のような雰囲気も良い。

まあ昭和のオヤジ的な見解で言えば、ニコンこそは昔に回帰したデザインのモデルがあっても良いと思う。すでにディスコンだが一応Dfというそれっぽいのはあったが、商業的には成功していないので後継機はない。

ちなみにデザインの好みで選ぶことはないとは書いたが、そうは言っても好みでないカメラを使いたくないという心理は働いていて、その代表格がニコンのZシリーズ。フィルム時代のF一桁機の反動からくるせいか、どこからどう見てもあのデザインはいけ好かないw 特にツルッとしたレンズのデザインはダメだな。

そういう意味ではソニーのαにも同じ匂いを感じていて、随分と二の足を踏んで未だに導入していない。パッと見はキヤノン New F-1のAEファインダー付きにそっくりなんだけどねw

FUJIFILM GFX100S / GF63mmF2.8 R WR / ETERNA BLEACH BYPASS

制作中の某Webサイトのサブページに使う予定のイメージカット。趣味をテーマにしたセクションなので、写真趣味をイメージしてカメラを採用してる。

これはテスト撮影..さすがにここに成果物を掲載するわけにはいかない..なので仮にX-T4だが、実際はニコンF2のアイレベルファインダー付きにニッコールの50mm F1.4の組み合わせである。最初はペンタSPの予定だったが、個人的な理由でF2になったのはここだけの話だw

カメラを模したアイコンの多くはレンジファインダー機か、ペンタ部の尖った一眼レフである。前者は間違いなくライカであるが、後者はやはりニコンのF辺りだろう。

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GFXを導入して以降、シネマティックなパノラマ撮影と同時に、最近は1:1のスクエアも積極的に撮っている。

スクエアと言えばブローニーフィルムの6×6だが、その昔ハッセルを使っていたときには今ひとつ使いこなしに難儀していたので、そういう意味では再チャレンジということになる。

ただ、今回はハッセルの時のような違和感を感じることもなく、異なるアスペクト比のバリエーションの一つと認識できているようで、これはこれで面白い。

前述の通りパノラマには映画のスクリーンを観ているようなシネマティック感があるが、スクエアの場合は窓枠や額縁に景色を当てはめるような感覚になる。

FUJIFILM GFX100S

ちなみにパノラマでもスクエアでもRAWは残しているので、アスペクト比は現像時に変更したり元に4:3の標準に戻すことはいつでも可能で、それこそデジタルさまさまと言ったところだ。

もちろん撮影の時点でここはパノラマ、ここではスクエアと意識しているので、後から現像で自由に変更するという野暮な作業はしていない。

たが、業務用の素材として使う場合は編集者次第というところもあるので、求められればRAWも提供している。

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復活の3

2021/6/3

C社の次の新型EOS Rは3になるらしい。EOSで3の型番はフィルムカメラ時代にあったが、20年以上前の話なので復活ということになるのか。

時期的に東京五輪に合わせたみたいに言われているが、本来なら五輪は昨年の予定だったので、このタイミングでの発表はまったく関係ないだろう。

むしろソニーのα1に対する対抗機種という意味合いの方が大きいかもね。ソニーが9をうっちゃっていきなり1を出してきて、そりゃ1の称号に拘りのあるC社にしてみれば面白くもないだろうから、そっちの1にはうちの3で十分、みたいな感じを受けなくもないw

公開されているスペックだけ追えば、同社初のフルサイズ裏面照射積層型CMOSの採用、RAWで秒30コマ、ディープラーニング技術によるAFは人物・動物対応で尚且動画撮影時にも対応、その動画性能はなんちゃって8Kを除けば、Canon Log3対応のオーバーサンプリングの4Kはほぼ5R譲り。

画素数については今のところ非公開だが、8K非対応、秒30コマ、初物の積層CMOSといった情報を鑑みれば2000〜2400万画素ではないだろうか。多くても3000万画素がせいぜいだろう。

バッテリーが1D系と同じLP-E19なので、ボディも縦位置グリップ一体の大柄サイズとなっているが、超望遠レンズ使用前提のスピードスター的な位置付けなので、この辺りは想定の範囲であろうか。

デザインは回帰して初代EOS-1に寄せてきたように見える。EOSの初期の頃はエルゴノミクスデザインに拘っていて、特に1系はたこ入道とか言われていた時代もあるwが、個人的には好みであった。最近は角張ったデザインのカメラばかり使っているせいか、ちょっと心惹かれるものがあるぞw

そしてR3の話題性はなんと言っても視線入力の復活だろう。今から見ればまだAFすらそれなりの時代に見たところにピントが合うという仕掛けは驚いたものだが、個人的に眼鏡使用だったこともあって制度は今ひとつだった印象がある。

さすがに20年以上の時を経ての復活なのでC社としても自信があるだろうから、どこまで使い物になるようになったのかは興味津々である。

RICHO GR1s

昔はバリバリのキヤノン使いだったので、当然のように当時最新のEOS-3も使用していた。露出が1/3アンダーだった当時のキヤノン機において、さらに1/3アンダーだったのが強く印象にある。

フィルムの隅の日付の焼き込みを見ると1枚目が’99 9、2枚目が’99 11とあるが、手に入れたのは同年夏のアラスカ取材に出かける前日だったはず。EOS-3は前年11月の発売。

アンカレッジ行きの大韓航空機内..当時はまだ直行便があった..で取説を読んでいた記憶があって、現地でツンドラを歩くカリブーやグリズリーに視線入力でピンを合わせて遊んでいたのが懐かしい。

インディアンロックでナキウサギを撮っていたらフランス人の写真家に声掛けられ、意気投合してしばらく貸したところ、視線入力と相性が良かったようで、帰国したら絶対に買うと言っていたのをよく憶えている。

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陽炎との闘い

2021/5/29

よく晴れた屋外で超望遠レンズを使って離れた被写体を撮ると、それはもう陽炎との闘いと言っても良い。

カメラ親父が「俺の長玉はフローライトにUDガラス使いまくりだから写りは最高さ!」などと自慢の白レンズでいきがって見せても、光学式である以上、大気のゆらぎという自然の摂理の前では無力である。

さらにこちとら天狗様の記録用に超が3つぐらい付く超望遠システムを使っているので、陽炎などもはや割り切って撮るしかない無我の境地である。

天狗様に限らず、観察対象が谷を挟んだ対岸の尾根上を飛ぶなど日常茶飯事だが、揺らぐ視界の中でピンを合わせることは職人技でしかないなし得ない世界なのだ。

LUMIX S5 / Super Telephoto System / APS-C 約4500mm相当

裸地..作付け前の畑..を跨いで約60mほど離れた灌木帯でさえずっていたウグイス。

晴天時ならたとえ冬でも地面の露出した畑など陽炎の発生源以外何者でもないが、この日はいわゆる曇天で、寒冷前線が本州に入ってきて気温も低かったため、奇跡的に陽炎の影響をほとんど受けることがなかったようだ。

S5の4K60Pデータのクリアさも期待通りで、この超望遠システムで使っているマスターレンズの性能の高さを推し量るにはちょうど良い条件であった。