月別アーカイブ : 2018/10

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ぼちぼち紅葉

2018/10/11

県内も上越国境から紅葉前線の便りが届き始めたが、天候の状況とデスクワークの空きがなかなか都合良く合わない。

あれやこれやと考えているうちに良きタイミングを逸するのが例年の倣いなので、何とか時間を見繕って出かけねばなるまい。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

標高800m付近の近所の森は、見た目まだ秋の気配は希薄だが、まずは桜の仲間から色づき出しているのが判る。

カテゴリ:季節感

クラウドと聞いて昨今思い浮かべるものと言えば、クラウドサービスとクラウドファンディングだろうか。

ただこの両者、日本語でカタカタ表記をすると同じクラウドではあるものの、本来の意味は前者は雲のcloudで、後者は群衆のcrowdとなり、語感は同じくとも意味はまったく別になる。

直訳すればクラウドサービスは雲の上のサービス、クラウドファンディングは群衆からの資金調達といったところか。

スマホやPCに依存せずに生活できる人にはナンノコッチャではあるが、それら機器を利用する上で今やクラウドサービスなくして仕事もプライベートも立ち行かないし、一般人から零細企業、果てはお役所に至るまで、資金調達をサポートするのにクラウドファンディングも欠かせない。

人によってはたかがクラウド、人によってはされどクラウドということである。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

クラウド聞けば、群衆をイメージするよりやっぱり雲だな。ということで天候のすぐれない昨今の空模様を何枚か..

カテゴリ:気象・天体|タグ:

箱罠

2018/10/9

先日の記事でこんにゃく芋の鳥獣被害はないと書いたが、それ以外の農作物についてはそういう訳にはいかないのが世の倣いである。特に山際や防風林など、森に隣接しているところはどこも事情は同じであろう。

一応、農水関係から補助金が出て、皆で一斉に電柵を張り巡らせたため、それなりに被害は減っているようだが、万里の長城のように延々とすべての耕作地を電柵で囲えるわけではないので、それぞれ隙間から出入りする個体も多く、そういう場所では生贄となっている畑もある。

そんなことで、村内あちこち有害駆除用の捕獲檻を見かけるのだが、そもそも捕まえたい生きものの事をどれだけ分かってやっているのか、疑問が湧く場所も散見される。

これが有害駆除用の捕獲檻で、いわゆる箱罠というやつだ。捕獲対象が中に入ったら入り口が落ちる仕掛けだが、通常この手の檻タイプは捕獲即駆除、つまり殺処分ということになる。

誘引物はケチくさい屑イモなので、狙いはイノシシかクマ狙いなのだろうが、少ない量で誘い入れることなどまず無理だ。大体周辺の森のほうが食べるものがある。

奥山放獣目的でクマを捕獲する場合は、ドラム缶を複数つなぎ合わせたタイプを使用する。箱罠のような格子状の檻だと、周囲が丸見えになるのでクマが興奮し、格子を噛んだり爪で引っ掛けたりして暴れて怪我をするためだ。

ドラム缶型の捕獲檻は昔書いた記事にあったのそちらをどうぞ。
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_3e7e.html

RICOH GR DIGITAL

昔、クマにデントコーン畑が荒らされた時に設置した捕獲檻。この時は対象が明確にクマだったので、檻自体がかなり頑丈な作りになっている。

お見合い

2018/10/8

伐採地の縁を歩いていたら、突然シカの親子と鉢合わせ。こちらは斜面上部から下方を見ていて、あちらは向こう側を向いていたため、双方とも発見が遅れた。

子ジカはセオリー通りに飛ぶようにすぐに森に逃げ込んだが、母ジカのほうは好奇心なのか恐怖心なのか、こちらを眺めたまま固まってしまった。

すると突然、近くにいたハシブトガラスが母ジカの背中に飛び乗って、尻の辺りの毛をむしり始めたのである。

シカは危険を察知すると周囲の仲間に注意喚起するために、尻周りの毛を逆立てて白く目立つように見せる。飛び跳ねながら逃げる際、後ろ姿がやけに白く目立つのはそのためである。

鳥は卵や雛を守るために、獣毛の類を産座に敷くことがあるが、この時期はもう子育ては終わっているので、カラスがそれ狙いではないことは明白である。眼の前にいたシカが突然尻の毛を逆立てたのを見て、イタズラでもしようとしたのかもしれない。

当の母ジカはカラスが毛をむしる度に気になって後ろを振り向くが、それより眼の前にいる人のほうも気になるしで、どうして良いやら逡巡しているようだった。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

お見合いは長かったように思えたが、シャッターは5枚しか切れてないので、30秒も経ってなかったようだ。結局母ジカも一声だけ警戒声を発してから、踵を返して森の中へと消えていった。

そしてカラスは素知らぬ顔で、次の遊び相手を探し行くかのようにゆっくり旋回しながら空の高みへと飛び去っていった。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:

緑の巨人

2018/10/7

小林旭が「燃える男の赤いトラクター〜♪」と歌ったのも今は昔、日本のトラクターで赤いカラーリングなのはご存知ヤンマー..件の小林旭のCMソングはこっち..と、長澤まさみをCMキャラクターに起用してイケイケのクボタだ。

だが、世界でもっとも有名なトラクターと言えば、米のジョン・ディア(John Deere)をおいて他にない。ジョン・ディアを擁するディア・アンド・カンパニー社(Deere&Company)は、世界最大であると同時に世界最古のトラクターメーカー..トラクター発祥の地は米だ..であり、そのブランドカラーから「緑の巨人」と呼ばれている。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

ジョン・ディアは輸入トラクターとしてはカナダのファーガソンと双璧で、どちらもレタスやキャベツの大規模経営の農家を中心に、我が赤城の大地を耕す姿をよく見かける。

ただ、輸入ものはやはり修理に手がかかる..部品の手配に時間が掛かる..ということで、近年ヤンマーやクボタの大型に乗り換えが進み、緑の車両も数が減って逆に赤い車両が増えてきているように思う。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

この車両は近所のHさん所有のもので、型が古く20年以上前ものらしい。最近の新型も所有しているが、Hさんはこの型に愛着があるらしく、あちこちくたびれてはいるが大事に乗っていきたいとのことだ。

最近のヤンマーなどは有名な工業デザイナーを登用してかなり攻めたデザインの車両を投入しているが、この古いジョン・ディアのいかにもトラクター然とした無骨なフォルムは個人的に好みである。そしてこの感覚は、近年撮影しているSLにもどことなく通づるものがあるのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

赤城高原らしく、窓の向こうに鈴ヶ岳を入れてみた。

前方視界を確保するためにラウンドしたフロントガラスや、車体をコンパクトにするためか、キャビンのすぐ両脇にトラクターならではの大型リアタイヤがあるため、乗り降りはフロントの斜め前からという、当時としてはなかなか近未来感ある造作だ。

余談だが、決して似ているわけではないのだが、ボンネットに突き出した排気管、そして緑色の車体のトラクターで思い出すのは、きかんしゃトーマスに出てくるトレバーだw

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

跳ね馬ならフェラーリ、暴れ牛ならランボルギーニ、そして跳び鹿ならこのジョン・ディアだ。

ちなみにスポーツカー..我々の世代ではスーパーカーという呼称がしっくりくるが..で有名なランボルギーニも、元々は伊の農耕機メーカーで、実際に同社のトラクターに乗る豪気な農家もチラホラいる。

フェラーリに対抗して高級スポーツカーを世に送り出しているわけだが、エンブレムも馬に対抗して牛を選んでいる辺り、いかにも農耕機メーカーの雄であろうか。

ただ、ジョン・ディアはそういった話とは全く無縁だ。何しろジョン・ディアとは創業者の名前(John Deere)そのもので、鹿のDeerと自身のDeereを引っ掛けているのだからね。

カテゴリ:乗り物|タグ:

ここ数日、夏鳥の季節移動ラッシュが続いているが、昨日近所の防風林でチラッと見かけた個体はシャイな性格なようで、なかなか尻尾をつかませてくれなかった。

鳴き声とシルエットから大型ツグミ類だろうとは判っていたが、今朝ほぼ同じ場所で再び接近遭遇。しかも今日は後続組が追いついたのか、20羽近く仲間がいたようなので、向こうから姿を見せるまで木化けの術でしばらくジッと動かず待機。

朝早いのでちょっと暗かったが、藪から出てきたところで証拠写真を抑えた。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

シャイな方々はクロツグミの御一行様であった。写真は今年生まれの若鳥だが、成鳥も一緒にいたのは目視している。赤城高原でも繁殖しているが、少なくても昨日今日のこの一群は北から南下してきた移動途中の個体のようだ。

クロツグミは、近年徐々に北上している篭脱けガビチョウと餌が競合し、繁殖地でやや押され気味と聞き及ぶ。やたら賑やかなだけで品のかけらもないガビチョウではなく、春の歌を朗々と歌い上げる美声家クロツグミに何とか頑張って欲しいものである。

カテゴリ:|タグ:

iPad版DPP

2018/10/5

キヤノンはiPad用のRAW編集アプリ「Digital Photo Professional Express」を提供するらしい。本家のDPPが無料バンドルなので当然このDPP Ex.も無料と思われる。

Adobe CCの関係でAdobeの各iPad用アプリ..これらも無料で利用できる..が結構使いやすく、メーカー純正のRAW現像もiPad上で行えるようになると、出張先や現場でのワークフローに選択肢が増えて便利かも。最近はPC持たずにiPadだけってケースが多いので特にね。

今のところ個人的にキヤノンはメイン機から外れているものの、業務ではEOSによる撮影データの入稿は普通にある話なので、DPP Ex.にはちょっと期待できるかも。

現像アプリを別売りするメーカーもある中で、キヤノンのこういった手厚いサポート体制はさすがである。自社のインクジェットプリンタを売り込みたいという目論見が透けて見えはするものの、発表の場がインターネット全盛の昨今においても、写真文化の発展を考える上では、未だプリントは重要なアウトプットであることには変わりない。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME / Dレンジ優先

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

撮影データを整理していて出てきた、おらが村の高原レタスの朝採り風景。撮影はどちらも先月のもので、上は赤城の麓から朝日が上るところ、下は上州武尊山をバックにしたところ。

どちらも標高800mを越える地域なので、9月末の声を聞く前には収穫も終わりを迎え、あとは徐々に標高を下げながら細々と10月一杯くらいまで続くかな。

カテゴリ:写真・カメラ

先日ノビタキが通過していったので、次はエゾビタキの番だろうと思っていたところ、先日の台風24号が一過となった翌日に姿を見せた。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

名前のエゾとは蝦夷のことだが、日本では春秋の通過時に見られる旅鳥で、北海道はもちろん国内での繁殖例はない。主な繁殖地はカムチャッカやシベリアである。

春秋の通過時とは書いたが、北上と南下で移動コースを分けているのか、赤城高原では春に見かけることはあまりない。恐らく春は大陸を経由する個体が多いのではないだろうか。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

よく似た同族にコサメビタキとサメビタキがいて、慣れないと見分けがつきにくいだろう。両種よりは一回り大きいが、野外でその差を見極めるのは難しい。

コサメビタキにはない胸から腹にかけての縦斑の有無が一番分かりやすい。そしてそれが明瞭か不明瞭かでサメビタキとも区別がつくが、縦斑が割と明瞭なサメビタキもいるので、最後は下尾筒の斑の有無が決め手となろうか。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

旅の途上で立ち寄った個体が20羽近くいたようだが、なかなかこの数がまとまっているのも珍しい。皆で黒く熟したミズキの実に群がっていた。

コサメビタキもそうだが、キビタキやオオルリと違って意外に人を恐れない個体がいて、ゆっくり動けば結構な近さまで接近を許してくれる。

大砲レンズを三脚に据えてあたふたしていては微妙な動きもままならないが、強力な手ぶれ補正を積んだマイクロフォーサーズ機とコンパクトな超望遠レンズの組み合わせなら、容易にそんなことも実現できる。

2枚目の写真などは真下まで行って見上げで撮っている..確認のために下尾筒を写したかったので..が、こんな芸当は三脚に固定した大砲レンズでは無理である。ましてや各地で老害被害が著しい野鳥写真の世界に跋扈する魑魅魍魎ジジイなど、翌日腰痛に悩まされること請け合いだw

世の中右を向いても左を向いてもフルサイズ、フルサイズと大騒ぎだが、ことワイルドライフの分野では、防塵防滴と耐寒性に優れたマイクロフォーサーズ機が一番に理にかなっている。

パナは来春フルサイズ機を出すが、マイクロフォーサーズも続けると公言しているし、主幹であるオリンパスは今後もマイクロフォーサーズ主体で行くと明言している。

まずはそのオリンパスが来春予定していると言われる、動画にも強いと噂のプロ機の登場が楽しみである。

ススキの花

2018/10/3

例年、赤城高原では早ければ8月にはススキが伸びてくるのだが、今年は早くに夏の草刈りが行われ、路傍がきれいに刈られてしまって、季節の歩みとは別にススキの出るタイミングが遅れている。

ススキと言えば中秋の名月で団子と一緒に飾るのが一般的で、その穂が伸びた状態がよく知られているところだが、当然のようにススキにも花が咲き、受粉して種子ができるのである。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

ただ、花と言っても我々が想像するようなものとは異なり、いわゆる花弁はない。茎から直にぶら下がっている黄色いのが雄しべで、3つずつ出るのが特徴。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

花粉を飛ばして役目を終えつつある雄しべと入れ替わりに、赤い雌しべが目立つようになる。ススキはイネ科の風媒花だが、雄しべと雌しべの出てくるタイミングがずれているのは、自家受粉をしないようにするためだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

高層湿原に育つワタスゲ然り、普段我々がイメージするススキとは白く輝く穂の状態だが、その少し前に観察できれば、ちゃんと花が咲いているのを見ることができる。

カテゴリ:花・植物|タグ:

台風一過の農道上に、何やらゴロゴロと丸いものが転がっている。ジャガイモ?いやいや、これらはすべてコンニャクの原料となる、こんにゃく芋である。

なかなか一般の人がコンニャクの原料を見る機会はないと思うが、おでんの具や、すき焼きに入れるしらたき、マン○ンライフなどに代表されるコンニャクゼリーも皆、このこんにゃく芋から作られているのだ。

そのこんにゃく芋がなぜ道端に転がっているかと言えば、台風24号の叩きつけるような滝の如き雨によって畑の表土が流されてしまい、浅いところに植わっていたこんにゃく芋が掘り出され、農道上を川のように流れ下る雨水に運ばれてきた、その結果である。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CROME

写真では分かりづらいが、この道は奥に向かって傾斜しており、どん詰まりはガードレールで行き止まりだが、そのまま谷底へと落ちているのである。

大半の芋はそんな赤城の谷へ転がり落ちていったはずだが、恐らく写真の芋は、台風が過ぎ去った後の勢いの無くなった雨水が残していった置き土産と言ったところだろう。

ところで、森へと消えたこんにゃく芋だが、さぞ野生動物が喜ぶだろうと思うかもしれないが、こんにゃく芋には劇物にも指定されているシュウ酸カルシウムが多量に含まれているため、人が生で食べると下痢などを引き起こし、野に生きるものでもエグくて食べることはまずない。

赤城高原はこんにゃく芋の生産量は日本で一二を争うが、イノシシやシカによるこんにゃく芋への直接の鳥獣被害がほとんどないのには、そんな理由があるのだ。