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復活の3

2021/6/3

C社の次の新型EOS Rは3になるらしい。EOSで3の型番はフィルムカメラ時代にあったが、20年以上前の話なので復活ということになるのか。

時期的に東京五輪に合わせたみたいに言われているが、本来なら五輪は昨年の予定だったので、このタイミングでの発表はまったく関係ないだろう。

むしろソニーのα1に対する対抗機種という意味合いの方が大きいかもね。ソニーが9をうっちゃっていきなり1を出してきて、そりゃ1の称号に拘りのあるC社にしてみれば面白くもないだろうから、そっちの1にはうちの3で十分、みたいな感じを受けなくもないw

公開されているスペックだけ追えば、同社初のフルサイズ裏面照射積層型CMOSの採用、RAWで秒30コマ、ディープラーニング技術によるAFは人物・動物対応で尚且動画撮影時にも対応、その動画性能はなんちゃって8Kを除けば、Canon Log3対応のオーバーサンプリングの4Kはほぼ5R譲り。

画素数については今のところ非公開だが、8K非対応、秒30コマ、初物の積層CMOSといった情報を鑑みれば2000〜2400万画素ではないだろうか。多くても3000万画素がせいぜいだろう。

バッテリーが1D系と同じLP-E19なので、ボディも縦位置グリップ一体の大柄サイズとなっているが、超望遠レンズ使用前提のスピードスター的な位置付けなので、この辺りは想定の範囲であろうか。

デザインは回帰して初代EOS-1に寄せてきたように見える。EOSの初期の頃はエルゴノミクスデザインに拘っていて、特に1系はたこ入道とか言われていた時代もあるwが、個人的には好みであった。最近は角張ったデザインのカメラばかり使っているせいか、ちょっと心惹かれるものがあるぞw

そしてR3の話題性はなんと言っても視線入力の復活だろう。今から見ればまだAFすらそれなりの時代に見たところにピントが合うという仕掛けは驚いたものだが、個人的に眼鏡使用だったこともあって制度は今ひとつだった印象がある。

さすがに20年以上の時を経ての復活なのでC社としても自信があるだろうから、どこまで使い物になるようになったのかは興味津々である。

RICHO GR1s

昔はバリバリのキヤノン使いだったので、当然のように当時最新のEOS-3も使用していた。露出が1/3アンダーだった当時のキヤノン機において、さらに1/3アンダーだったのが強く印象にある。

フィルムの隅の日付の焼き込みを見ると1枚目が’99 9、2枚目が’99 11とあるが、手に入れたのは同年夏のアラスカ取材に出かける前日だったはず。EOS-3は前年11月の発売。

アンカレッジ行きの大韓航空機内..当時はまだ直行便があった..で取説を読んでいた記憶があって、現地でツンドラを歩くカリブーやグリズリーに視線入力でピンを合わせて遊んでいたのが懐かしい。

インディアンロックでナキウサギを撮っていたらフランス人の写真家に声掛けられ、意気投合してしばらく貸したところ、視線入力と相性が良かったようで、帰国したら絶対に買うと言っていたのをよく憶えている。

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実用的なF1.0

2020/9/5

富士フイルムから昨年だったか一昨年だったか開発発表のあった、XF50mmF1.0 R WRが正式に発表された。

長らく出る出る詐欺状態でw、しかも途中で33mmから50mmに変更されるという事態になったようだが、それでもミラーレス用AFレンズとしては世界初ということになるようだ。

ニコンのZにさらに大口径のNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctというのがあるが、こちらはなぜかMF専用レンズで、お値段も受注生産による126万円なり。始めから沢山売ることを想定していない、技術的誇示を目的とした同社が好きなメモリアルレンズなので、Zマウントが大口径であることの意義を知らしめるためにラインナップしているだけと思われる。

その点でXF50mm F1.0は20万前後と価格は抑えられており、-7EVの低照度でもAFでピントを合わせられる事を売りにしており、さらに防塵防滴のWR仕様なので、フジとしては普通に売ることを目的としているのは明らかだ。

ボチボチ出回っている海外の実写サンプルを見る限り、開放のボケは前評判よりは滑らかで美しく、それでいて口径食も意外に少ない印象。相変わらず寄れないのはフジのお約束だけどw

当初は33mm(35mmフルサイズ換算で約50mm相当)を目指していたようだが、周辺部まで十分に解像するよう真面目に作ると巨大になるとかで、50mm(同換算で約75mm相当)の変わったとのこと。F1.0のボケを活かすことを考えるとポートレートなど人物撮影に適していると思うので、結果的に50mmで良かったのではないだろうか。

実用面で考えると、メカニカルシャッターでは1/8000秒あたりが限界なので、F1.0を日中に使うにはそれより上の電子シャッターが必要だ。だが、このシャッター機構の切り替えを自動で行ってくれるメーカーは今のところフジとパナだけという状況。この辺りメーカーごとに事情はあれど、フジの場合は最初からF1.0のレンズを出すことが想定されていたかのような仕様だな。

ちなみに、35mmフルサイズであれば75mm F1.4相当だという言い方もでき、キヤノンのRFなら85mmにF1.2がラインナップされているので、そっちのほうが明るい云々という話もあるが、あの巨大さと重さ、それに40万近い価格を許容できればと言う話につきよう。

レンズの明るさだけ見れば時代を遡ればF0.7とかあったし、F0.95なら今でもそれなりに存在しているが、いざ実用的に使うとなればなかなかハードルが高いのは事実だ。

F1.0のAFレンズとは、AFの高性能化と顔・瞳認識、それに電子シャッターの自動切り替えなどまさに技術的な進歩に支えられていると言っても過言ではない。

FUJIFILM X-T4 / XF90mmF2 R LM WR / Classic Nega.

一眼レフ用も含めれば、30年前のAFレンズ黎明期にすでにキヤノンがEF50mm F1.0L USMというのを実現しており、大口径マウントと超音波モーターの組み合わせで実現したスペックだったと記憶している。

先のニコンZのNoctではないが、当時キヤノンがEOSで最後発でAFカメラ市場に参入してきた際、EF1200mm F5.6と並ぶメモリアルレンズっぽい位置づけだったと思われる。

四半世紀近く前の話になるが、実はそのEF50mm F1.0を持っていたことがある。当時のEOSはたとえ1であってもピントの山がつかみやすいとはお世辞にも言えなかったので、開放F1.0ではAFでなければピントはまず合わなかった。

それに当時はシャッター速度も1/8000秒が上限だったので、日中にF1.0を使うことはほぼ不可能。しかも開放だとかなりの口径食が出て..当時はそれを味と評する器量はあったw..仕事ではほとんでは使いみちのないレンズだった。

それに巨大なレンズの塊を動かすからかUSMの故障も多く、実際2回ばかりメーカー送りにしたと記憶している。

NIKON Zと一緒に何気に発表されたのは、噂のあったフレネルレンズを使用したコンパクトな500mm、AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRだ。

500mmと言えばゴーヨンの愛称で呼ばれているF4が一般的で、口径がひと回り小さいF5.6というのは珍しい。記憶では以前トキナーのAT-Xシリーズにあったと思ったが、そのさらに昔の某C社FLレンズ時代にもあったかもしれない。

さて、このフレネル500mm、重さがPFでない通常のゴーヨンの半分程度の1.5kgという70-200 F2.8クラスと同等の軽さが何ともそそる。APS-C機では動体撮影最強と言われているD500との組み合わせで、換算750mm相当でバンバン手持ちで振り回せてしまうぞ。

ナイコンにはすでに200-500mm F5.6という人気レンズがあるが、それと比べても約800gほど軽いので、200-500mmで望遠端しか使わない人には大いに意味がある。モータースポーツや飛行機、それに鉄ちゃんなどにはズームのほうが利便性は高いが、鳥だとまず望遠端しか使わないしね。

拙者は某C社のDOレンズでフレネルレンズは懲りているのだが、あれから月日も経ちコーディング技術も向上していると思うので、ちょっとグラっと来ている自分が怖いw

それに望遠系ならNIKON Zにマウントアダプタで使える..というかZマウント専用の超望遠レンズは当分出ないと見ている..ので、投資として無駄にならないかも、と考えている時点で沼のほとりに立っているわけだなw

Z7には費用対効果の面で今のところ食指が動かないが、D500を上回る秒間12コマ連写が可能なZ6なら、低画素フルサイズで高感度性能も期待できて良い組み合わせではなかろうか。もちろんZ6のAF性能次第だが、D500と比べて遜色なければ、選択肢としてはアリだと思う。

と、ここまで書いてから何とZ6はローパスレスではないことが判明。何だよ今時そんなアリかね..

16年前の取材中の写真を発掘。構えているのは某C社EOS-1V+ヨンヨンDOである。

400mm F4でこのサイズは当時は確かに武器だった。まだフィルムカメラがメインの時代..この前年に初代EOS-1Dを使い始めてはいたが..なので、今のように暗いレンズでもISO感度を上げて対応、とはいかない時代だったからね。

当時はとにかく一つでもF値が明るいほうが正義だったので、超望遠レンズも大口径にこだわっていたが、ISO1600とかISO3200が常用できるデジタルカメラになってからは、通常の撮影領域ではまったくその必要性を感じることはない。

レンズ、特に超望遠域について言うなら今の正義は小型軽量、そこに尽きる。

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ここ一年ほど、昔撮った過去の作品を引っ張り出して順次整理しているのだが、まあ何というかゴミの写り込みが結構目立つ。

時代が古いので致し方ないが、某C社の1D系を筆頭に特にフルサイズの5Dは顕著で、その後の5D2・5D3にはセンサークリーニング機構が付いていたものの、どうにもオマケ程度の気休めでしかない。

レンズ交換式のデジタルカメラのセンサーゴミは、当時こそ宿命のごとくそんなものかと受け入れ、チマチマとゴミ取りレタッチがデフォルト作業だったが、ここ5・6年..フジ・パナのミラーレス機がメインになって以降..のカットではその必要性はあまり感じられない。

パナのGHシリーズはマイクロフォーサーズということもある..回折の影響を避ける意味であまり絞り込むことがないため..が、センサーユニット全体をパッケージ化した概念を持っているので、そもそもセンサーに直接ゴミが付きづらいということと、ゴミ取り機能がかなり強力なので、余程のことがない限り撮影後にゴミ取りレタッチをする機会はない。

ゴミ取り機能の自動化は同じマイクロフォーサーズ陣営のオリンパスがパイオニアだが、動画撮影におけるゴミの写り込みは致命傷になりかねないので、パナ機もその点はよく作り込まれていると言えよう。

フジのX-T1・2それにX-H1のゴミ取り機能もよく働く。空を撮影する際、EOSの時代は1カット試し撮りして背面モニターで拡大チェックしてから本番撮影していたが、フジになってからはセンサークリーニングを実行してから撮影すれば、まず目立つゴミが写り込むことはない。これはパナも同様だ。

ただ、そうは言っても昔からの習慣で、野外でのレンズ交換には気を使う。まずボディからレンズを外す際は必ずマウント側を下に向けるのと、絶対に風上を向いてレンズを外さないようにしている。

さらに言えば砂塵や目に見えて埃っぽい空間、それに強風下でのレンズ交換は極力避けるようにしている。この程度に気を使うだけでも結構ゴミの付着は防げるものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

こんなに連日夕焼けになる年も珍しい。暑いイコール好天続きというのが要因だ。

4Kで撮影できるカメラが増えるに連れ、現場で問題となっているのがローリングシャッターによるコンニャク現象だ。ビデオ撮影中にカメラを揺らしてみるとわかるが、左右に像が乱れるのがモニターでもすぐ判る。

これはセンサーが大型化することで特に顕著となり、ローリングシャッターによる画素の読み出しが上から下へと追いついていないために起こる現象である。

GH4で超望遠撮影の際、風の強い日に悩まされるのがまさにそのコンニャク現象。どんなに三脚に対策を施しても一切無駄である。

その点、一度に全画素を読みして一括で処理できるグローバルシャッターであれば、そのコンニャク現象ともおさらばできるのだが、なかなか技術的に克服しなければならないことが多いようで、今のところ普及機では当分先を見ないとならないだろう。

そんな中、本日発表されたC社のEOS C700(いわゆるCINEMA EOS)はローリングシャッター搭載モデルも用意され、しかもローリングシャッターとも交換できる意欲作だ。グローバルシャッター機は高感度に弱い、AFが使えないなど制限もあるので、どちらか選択できるようにしているのは評価できる。

それにしても、C社はローリングシャッターのユニット自体は先行して発表していたので、遅かれ早かれ実機が登場すると思っていたが、意外に早いお目見えだった。

何せ後出しジャンケンの帝王として業界に君臨しているC社が、何故かCINEMA EOSだけは映像機器の雄、糞ニー厚木より早いのだから不思議。スチルカメラのEOSもこれくらい早くに手を打ってくれれば良いのにといつも思う。

当座、グローバルシャッター&4K60Pは動体撮影に最強である。ARRI辺りが目下のライバルと見え、お値段300万以上というのも最凶だが(苦笑)。

20160902

今朝、近所の森でキビタキがピッコロ、ピッコロとさえずっていて驚いた。

木陰で姿は撮影はできなかったが、若い個体ではなく成鳥だったように思う。キビタキがいつどこで鳴こうが本人の勝手ではあるが、歌いたい気分の時もあるのだろう。

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5の4

2016/8/29

満を持してC社のドル箱フルサイズ機がモデルチェンジである。

動画屋としては、4K今頃かよ!しかも後出しておいて30Pってか?というツッコミはあるものの、スペックのどれをとっても優等生で、性能的に何ら不足も不満もない。まあソツがないというか無難というか、すっかり面白みの欠片もないメーカーに成り下がったC社ならではの製品ではある。

正直、今さらこの大きさのカメラを使う気になど到底なれない。レンズは馬鹿でかいし、画像ファイルも無駄にデカイ。今どきの安いミラーレス機と較べても、撮れる写真の質にそう大きな隔たりがあるわけでもなく、メーカーの戦略に乗せられて「やっぱりカメラはフルサイズだよね」などと宣う気になどなれないのが本音だ。

それに驚いたのは価格。ボディ単体で初値が40万を超えているではないか。糞ニー同様、高価格路線に転じているのは、やはりデジカメ事業の不信が関係しているのかと勘ぐってしまう。まあ、C社の場合は下位に売れ線の6Dがあるので、大方そちらを20万前後に引き上げる算段なのだろう。

どこのメーカーも、スマホにシェアを食われてろくすっぽ利益の出てないカメラ事業。高性能・高価格路線で利益率を上げたいのは理解できるが、こんなビジネスモデルが長続きなどするわけもなく、景気の良い昭和のカメラ親父たちの購買力が落ちた時、間違いなく破綻するだろう。

突出した高性能を売りにして「このカメラでなければ撮れない!」って製品なら、高い金を払う価値はそれを欲している人には訴求力があるだろう。が、至って凡庸な性能が平均的に高いだけであれば、仕事で使うことを考えると元も取れない過剰投資となってしまう。5の2の頃のように、その時それが必要であった時代はもう過去の話なのだ。

20160829

時を同じくしてC販からカタログが送られきた。

メディアへの宣伝も最低限だし、カタログもあっさり金の掛かってない安い作りなのは、そもそもカタログを眺めつつ指折り数えて発売を待つような客層はお呼びでないということだ。

放っておいても売れる、どこかそんなC社の傲り思惑が透けて見える5の4である。

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さて、もう一つの出る出る詐欺状態であるのが、EF100-400mmの新型である。今回の7D2と同時に400mm前後の望遠系レンズが発表されると噂されていたのだが、蓋を開けたら400mmF4 DOだったというオチである。

実は旧ヨンヨンDOは以前使っていたことがある。軽量コンパクトで手軽に手持ち撮影ができる、明るい超望遠レンズとしてコンセプトは良かったのだが、その逆光耐性の低さから手放してしまった経緯がある。その後もキヤノンがDOレンズの研究開発を続けていたのは知ってはいたが、ここに来てまさかヨンヨンDOをリニューアルするとは予想外であった。

もちろん新しい技術を製品化する姿勢はあって然るべきなので、ヨンヨンDOの新型自体は良いとは思うが、ただそれを誰が買うのか、ユーザーはそれを欲しているのか、そういった視点で見ると市場の要求とはかなり考えが乖離していると言っていいだろう。何しろ値付けは約90万と強気なのだから。

もっとも、キヤノンもそんなことは百も承知であろう。そう遠くなく100-400の新型が出るのは約束されているのだが、新しいテクノロジーの塊であるヨンヨンDOは、一新された新型7D2と同じ舞台で発表してこそその真価を主張できるというものだ。

裏を返せば、100-400の新型は放っておいても売れる。だがヨンヨンDOはその前に発表しないと一定数の販売は見込めないとも受け取れる。どんなものでも新しもの好きには少しは売れるものだ。

20140919

在りし日のヨンヨンDO。望遠端に難のある100-400の代替を期待したのだが、前述のとおり逆光に弱いというのがネイチャー分野では致命的な欠点であった。新型は作例を見る限りそこをクリアしたようだが、相対的にデジタルカメラの高感度性能が向上した今、その訴求力は低いと言わざるをえない。

ちなみにヨンヨンDOが装着されているのは初代EOS-1D。なので写真は13年前のものということになる。プロ機とはいえたかだか400万画素のカメラに60万も払ったのが、今となっては夢のようである(苦笑)。

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先日キヤノンからカタログが届いたが、まさに満を持しての発表だったEOS7D MarkII。EOS-1D markIV を軽く凌駕するその性能が20万程度で手に入るのだから、待っていた人にその甲斐があるというものだろう。

ここで新型機の仕様を列挙しても仕方がないので割愛するが、1DXまでは手が出ない、5D3でもちょっと厳しい、でも70Dでは物足りない、そんな購買層のハートを撃ち抜くには申し分ない性能だ。AF65点の全点がクロス測距というのも凄いが、中央1点で-3EVの測距性能はさすが。その1点のみなれどF8対応は地味に嬉しい。

1D系もMarkIVまではAPS-Hセンサーを使い、1.3倍のテレコンバーターをつけた程度の望遠効果があって、スポーツ報道や野生動物撮影の分野では重宝されていたが、7D2はちょうどその代替にも適している。旧7DもAFなどは決して悪くはなかったのだが、高感度性能はボロボロでISO1600以上は使い物にならなかった。7D2は常用感度をISO16000まで上げたとメーカーが豪語しているので、ISO6400程度までは使えるものと期待できる。

仕事で使うには5D2でも十分であるし、何より新型7D2の性能がすぐに必要な状況にないので、当面は値が下がるまで様子見だが、1D4の入れ替えには投資も少なく済みそうだ。

ただ、ここまでは写真屋的な見方での話。さらにプラスして動画屋として見た場合どうか、それはもう実につまらんカメラだと言わざるをえない。

早くから4K記録はないというのは聞いていたので、期待はほんのちょっとしかしていなかった(笑)が、それでもようやく1080で60Pかよ、って言うのが正直な感想。スチルカメラであってもインディーズ系には動画カメラとして人気があったので、多少は色を付けるかもと期待していたのだが、見事に裏切られた(笑)。

せめてハイスピードで120Pぐらいイケると面白かった..それなら4K30Pイケる理屈だけどね..のだが、それもなく、70Dで好評のデュアルピクセルCMOS AFを搭載したことが特筆できる程度だ。HDMIから非圧縮動画の出力が可能となっているが、そんなものは我々には蛇足だ。外部機器の接続などワンマンの野外撮影ではナンセンスである。

まあこれでEOSムービー最初の4Kは5D MarkIV であることは明らかだ。やはり4を引っ掛けてくるだろうし(笑)、一眼動画カメラの先鞭をつけたのは5D2であったことから、そういう役割は5Dの系譜に任せるのだろう。当然、4KもGH4のようなナンチャッテ4Kでなく、60Pでイケる本来の仕様通りの4Kであることを期待したい。

しかし、今回のモデルチェンジには実に5年を要した..その間現役だった旧7Dも大したもの..のだが、この7D2もまたしばらくこのままEOSの売れ線になるのだろうか。本来の立ち位置である写真機に回帰したとはいえ、このまま4Kも撮れないカメラが5年も現役でいられるとは思えない今回のタイミング。

一応、2年程度を目安に、ファームアップで4Kが撮れるようになると予想してみようか。旧7Dも大幅なファームアップがあったし、実際キヤノンにはそういう事例がいくつかある。ファームで2Kから4Kになるなんて無理という意見もあろうが、今の時点で既に4K記録可能となっていたとしたらそれはまた話は違うというものだ(ニヤリ)。

ともかく4Kへの移行期である今この時期での発表は、それだけ微妙なタイミングであるということだ。


20140918

朝晩がめっきり涼しくなった。体が慣れてないので寒いと言ってもいいかもしれない。今日は特に昼間の風も晩秋のように冷たく、草刈りしていても汗をかかずに済んだ。

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先日はC社ブランニューの70Dをキラーモデル(正確にはその新型AFだが)と持ち上げたが、C社にはもう一つ、そのスジのワイルドライフを撮影する者にとってのキラーモデルがあったのを思い出した。それは出る出る詐欺まがい状態からようやく日の目を見た、EF200-400mm F4L IS エクステンダー 1.4xである。

ワイルドライフ撮影といってもそりゃ千差万別なので、すべてに対応するという意味ではもちろんない。エクステンダー内蔵と言ってもたかだか560mm足らず、とても1km・2km先の天狗様を狙えるわけではない。ここで想定するのは、例えばアフリカやアラスカ辺りで大型獣を撮影するようなシチュエーションだ。

砂塵舞う原野でのレンズ交換が、センサーゴミとして命取りになるというのは、サバンナで撮影したことがあるものなら誰でも知っている。航空会社の荷物預かりの規制が厳しくなって、何本ものレンズ機材を海外に持ち出すことが困難なことは、海外取材に出かけるものにはとって自明の理だ。その昔、70-200にサンニッパとゴーヨンゴをバックパックに詰め込んで、空港のイミグレで右往左往していたのが懐かしい。

EF200-400mmは、N社が先行して同レンジのズームを出しており、フィールドスポーツ系の報道分野で重宝がられているのは業界では有名である。後追いのC社は十分リサーチの上で製品化したとみえ、エクステンダーを内蔵するというギミックを搭載してきた。エクステンダーを内蔵すること自体、実はENGカメラ用の業務用レンズでは特に珍しいことではなく、業務用レンズを多数製造しているC社にとっては、むしろお家芸といってもいい。写真用レンズならその昔、FD1200mm F5.6Lという超弩級レンズがあって、それがエクステンダーを内蔵していたのを憶えている。

レンズ交換することなく、1本でフルサイズ系なら200mmから560mm、APS-Cなら320mmから900mmをカバーできるというのは、そのスジのカメラマンにとっては便利この上ない。画角をクロップできればそれでもいいが、ファインダーが狭くなるなどの弊害もある。MTFを見る限り、エクステンダー組み込みによる画質低下は最小限に抑えられていると見ていい。それどころか、外付けのエクステンダーを別途装着することさえ想定されているのが驚きだ。

久々に欲しい、いや必要なレンズとして、EF200-400mmは目下赤丸急上昇中である。で、問題はその価格。もちろんその焦点域すべてのレンズを揃えるのに比べれば安いもんだが、それでも軽自動車1台が買える値段ともなれば、投資に見合うか否か、よくよく算盤はじいて皮算用しなければ..

20130705

鳥の糞でも付いているのかと思ったら、ゾウムシの仲間のようだ。ちょっと調べた限り、マダラアシゾウムシ辺りが近いようだが、正確にはよく判らない。

理想的なAF

2013/7/4

C社の某5の2が先鞭をつけたデジタル一眼カメラでの動画撮影だが、その後はもう百花繚乱状態でなかなか買いどきが難しい状況である。N社のほうが早かったという人もいて実際そのとおりなのだが、アレはN社的には暗黒史としたいところだろうなぁ..

話を戻すが、仕事柄よく機材購入のアドバイスを求められるのだが、黎明期と違って現行機はフルハイビジョン撮影ならもう似たり寄ったりの域に達しており、ハイスピード撮影だの4Kだのと飛び道具を求めない限りは、贔屓のメーカーの製品を買うのがベストだと答えるようにしている。

それまで使ってきたレンズ資産をわざわざ変えてまで、CからNへNからCへ(もちろんSとかPもありね)、などと鞍替えするほどのキラーモデルは無いと言っていいだろう..というのがつい最近までの考えだったのだが、ここにきてその考え方が少々ひっくり返りつつある。

そう、先日発表されたC社中級機ブランニューの70Dだ。サンプル映像を見たが、驚いたのはそのライブビュー撮影時のAF挙動である。液晶にタッチしたエリアに、ほとんど迷いなくスーっとピンが来るのである。あの合わせつ戻りつしながら少しずつピンを合わせに行く挙動が皆無なのである。動画はMFだ!などという古めかしい考え方が一瞬で吹っ飛んでしまったのだ。AFはあくまで補助的なものだを通り越して、AFが使えないならMFで補うという、まさにスチル写真の世界で四半世紀前に起きたαショック(若い人は知らねぇだろうなぁ)的なものを感じた。

スチル写真は一気に素早くピンがくるのが理想だが、動画では全くその必要はなく、どちらかと言えばゆっくりスムーズにピンがくるのが正しい。しかもそこにピンを合わせているという一切の無駄な挙動は必要ないのだ。その点、70Dに搭載された新型AFは、まさに動画撮影には理想的なものと言えよう。これからレンズ交換式のデジタル一眼で動画撮影をしたいがどの機種が良いかと尋ねられれば、今は70D以外ないと答えざるを得ない状況に変わった。

ちなみに件のデュアルピクセルCMOS AFは、ミラーの光束でなくセンサーそのものを位相差式に使うという逆転の発想で、まさに撮像センサーというデジカメの中核をなすキーデバイスを製造するメーカーならではの技術だ。今回はタイミング的に中級機に載せてきたわけだが、当然気になるのはその次の一手だろう。年内には恐らく7Dの後継機が出ると思われ、当然それにも新型AFは乗るだろうが、個人的に予想、と言うか希望はCINEMA EOSへの搭載だ。特にC100の後継機には是非欲しいところ。

CINEMA EOSのC300やC500は、多人数参加型の撮影で使われる機種であり、専任のフォーカスマンやディレクターなどがフォーカスを担当するのでAFは必要ない。使い物になるAFを本当に必要とするのは、ワンマンオペレーションでの運用が想定されるC100クラスなのである。今回の新型AFが、EOSの10万そこそこの中級機に載せられてきたという事実からしても、C100の後継機にデュアルピクセルCMOS AFが搭載されるのはそう無理からぬ想像だと思う。

などと要らぬ夢想をしていると、この春先にXLH1からC100にスパっと切り替えた(切り替えさせた?)うちのビデオマンたちの、恨めしそうな顔が夢に出そうで怖い(苦笑)。

20130704

仕事が立て込んでなかなか山に行けない日々が続いており、そろそろ禁断症状が出始めている。ふと林床で鎌首もたげる姿を眺めつつ、は虫類の品揃えも考えなくては..などと考える昨今である。

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