photrest banner

実用的なF1.0

2020/9/5

富士フイルムから昨年だったか一昨年だったか開発発表のあった、XF50mmF1.0 R WRが正式に発表された。

長らく出る出る詐欺状態でw、しかも途中で33mmから50mmに変更されるという事態になったようだが、それでもミラーレス用AFレンズとしては世界初ということになるようだ。

ニコンのZにさらに大口径のNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctというのがあるが、こちらはなぜかMF専用レンズで、お値段も受注生産による126万円なり。始めから沢山売ることを想定していない、技術的誇示を目的とした同社が好きなメモリアルレンズなので、Zマウントが大口径であることの意義を知らしめるためにラインナップしているだけと思われる。

その点でXF50mm F1.0は20万前後と価格は抑えられており、-7EVの低照度でもAFでピントを合わせられる事を売りにしており、さらに防塵防滴のWR仕様なので、フジとしては普通に売ることを目的としているのは明らかだ。

ボチボチ出回っている海外の実写サンプルを見る限り、開放のボケは前評判よりは滑らかで美しく、それでいて口径食も意外に少ない印象。相変わらず寄れないのはフジのお約束だけどw

当初は33mm(35mmフルサイズ換算で約50mm相当)を目指していたようだが、周辺部まで十分に解像するよう真面目に作ると巨大になるとかで、50mm(同換算で約75mm相当)の変わったとのこと。F1.0のボケを活かすことを考えるとポートレートなど人物撮影に適していると思うので、結果的に50mmで良かったのではないだろうか。

実用面で考えると、メカニカルシャッターでは1/8000秒あたりが限界なので、F1.0を日中に使うにはそれより上の電子シャッターが必要だ。だが、このシャッター機構の切り替えを自動で行ってくれるメーカーは今のところフジとパナだけという状況。この辺りメーカーごとに事情はあれど、フジの場合は最初からF1.0のレンズを出すことが想定されていたかのような仕様だな。

ちなみに、35mmフルサイズであれば75mm F1.4相当だという言い方もでき、キヤノンのRFなら85mmにF1.2がラインナップされているので、そっちのほうが明るい云々という話もあるが、あの巨大さと重さ、それに40万近い価格を許容できればと言う話につきよう。

レンズの明るさだけ見れば時代を遡ればF0.7とかあったし、F0.95なら今でもそれなりに存在しているが、いざ実用的に使うとなればなかなかハードルが高いのは事実だ。

F1.0のAFレンズとは、AFの高性能化と顔・瞳認識、それに電子シャッターの自動切り替えなどまさに技術的な進歩に支えられていると言っても過言ではない。

FUJIFILM X-T4 / XF90mmF2 R LM WR / Classic Nega.

一眼レフ用も含めれば、30年前のAFレンズ黎明期にすでにキヤノンがEF50mm F1.0L USMというのを実現しており、大口径マウントと超音波モーターの組み合わせで実現したスペックだったと記憶している。

先のニコンZのNoctではないが、当時キヤノンがEOSで最後発でAFカメラ市場に参入してきた際、EF1200mm F5.6と並ぶメモリアルレンズっぽい位置づけだったと思われる。

四半世紀近く前の話になるが、実はそのEF50mm F1.0を持っていたことがある。当時のEOSはたとえ1であってもピントの山がつかみやすいとはお世辞にも言えなかったので、開放F1.0ではAFでなければピントはまず合わなかった。

それに当時はシャッター速度も1/8000秒が上限だったので、日中にF1.0を使うことはほぼ不可能。しかも開放だとかなりの口径食が出て..当時はそれを味と評する器量はあったw..仕事ではほとんでは使いみちのないレンズだった。

それに巨大なレンズの塊を動かすからかUSMの故障も多く、実際2回ばかりメーカー送りにしたと記憶している。

カテゴリ:カメラネタ|タグ:,
ポートフォリオ
portfolio
ネイチャーフォトサービス
photrest site banner
  • 当サイトはプライバシー保護のためSSL暗号化通信によって保護されています。