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ハイレゾショットやフォーカスブラケットからの深度合成、それにライブNDなどと同様、カメラ内で複数の画像を合成して結果を得るという意味では、E-M1Xのライブコンポジット撮影はその最たるものだろう。

カメラにはフイルム時代からバルブ撮影という機能がある。シャッターを開きっぱなしにするいわゆる長時間露光のことだが、それはデジタルになってからも同様だ。

バルブ撮影がもっとも使われるのは夜景とか星景など夜間が多い。ただ、長時間露光する関係で熱ノイズが発生してしまうとか、本来は暗く表現されるべき部分が明るくなってしまうとか、デジタルならではの問題がある。

そこで暗い情報を捨て、明るい情報だけを拾い出して重ねて合成する手法が取られるようになった。グルグルした星の軌跡や、ホタルの夜間撮影などでおなじみの比較明合成である。

カメラに用意されているインターバル撮影機能を使って一定間隔で撮影を繰り返し、PC上でPhotoshopなど画像編集ソフトを使って比較明合成を行うことで、背景をそれなりの適正露出で表現した星景写真が出来上がるという寸法だ。

星景に限らず、表現手段として比較明合成は仕事上でも普通に使う手法だが、PCがバッチで処理してくれるとは言っても後処理としてはなかなか面倒ではある。

そこで撮影から合成までの一連の行為をカメラ内で現場で完結してしまおうというのがライブコンポジット撮影だ。PCによる後処理から解放される点で、その筋の人達には非常に便利な機能であろう。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO

F1.8でISO3200、コンポジット設定を2秒、明け方の西から北西向きの天頂方向に向けて約40分ほど撮影してみた。

先日の手持ち星景同様、こっちの領域は専門ではないのでショボい絵で恐縮だが、素人撮影でもそれらしく撮れてしまうのだから驚きである。現場は真っ暗で何も見えないが、ここでもLVブースト機能が役に立った。

ちなみに素人とは言いつつも一応、北極星と沼田市街地の夜景、それに白銀の谷川連峰が写るようにはセッティングしているけどね。