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気象庁が昭和28年から続けてきた生物季節観測の対象種目を変更すると発表した。

同観測は指標となる特定の動物と植物の全国統一のいわゆる定点観測のことで、よく知られたものでは皇居でのソメイヨシノによる桜の開花宣言だろうか。

植物に関しては対象となる標本木の確保が難しくなったとのことで、従来の34種から桜や梅、アジサイなどの開花・紅葉・落葉の9つの現象のみに絞られるようだ。

驚いたのは動物のほうで、今までは鳥ならばウグイスやカッコウの初鳴き、ツバメの初見、昆虫ならミンミンゼミやハルゼミの初鳴き、アキアカネやモンシロチョウの初見、両生類ではアマガエルの初見、等々が目視等で観測されてきていたのを、これら23種が全廃されるということだ。

主たる理由として、地球温暖化の影響による気候変動で季節の歩みにバラツキが大きく、地域によっては個体群が絶滅したりして対象種を見つけ出すこと自体が困難になってきている、ということらしい。

まあ確かに思い当たるフシは大いにあるのでそこはわからないでもないが、本当の理由は「必要な予算」と「対象種を見つけ出す識別能力のある人材」の確保がままならないから、という辺りを想像する。必要な人材も予算なくしては確保できないわけなので、結局は金の問題なんだろうな。

まあこの手の情報は我々のような在野のアマチュアのほうがデータを持っているので、国がやらずとも観測行為自体が無くなることはないが、観測はデータが取れようが取れまいが継続することに意味があるので、永らく続けてきたデータ収集を止めることは残念なことではある。

しかし、気象庁の観測予算などたかがしていているはずだが、それさえも削らているのだから情けない話しだ。クソの役にも立たないムダノマスクに何百億も投じたり、GoToナンチャラにかこつけて特定事業者に何千億も中抜きさせたりと、尽く税金を無駄遣いするくせによ。

気象庁の予算削減然り、教育予算の削減も然り、さらには話題の日本学術会議の10億の予算をケチるなど、科学研究と教育に対する無策無能で冒涜な所業が続く限り、この国の基礎技術研究や科学、それに自然科学がの行く末は風前の灯火だぞ。

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

空き地で季節外れに花を咲かせていたセイヨウタンポポが綿毛に変わっていた。

植物が花を咲かせるのは、人が定義した春とか夏とかいうカレンダー的な季節という概念に囚われているからではなく、気温や日照時間など条件が揃うからである。

草刈りが行われたことで日差しが届き、たまたま暖かい日が続けば日中の気温も上がるので、本来なら春に咲くタンポポが活動を始めたという理屈が成立する。

何にも例外はあって、それは植物でも動物でも同じということ。ただ、そうなることには理由なり意味があるので、そこを地道に調べてイレギュラーの要因を探ることも、科学としては必要なことだと思う。

定点観測とは、そういう研究を下支えする本来重要なデータを集める行為にほかならない。

先月末にGoogle謹製アプリのアイコンがリニューアルされているが、これがまあ分かりにくいったらありゃしない。しばらく眺めていればそのうち慣れるかと思っているが、半月経ってもまだ微妙だな。

従来のアイコンは、Gmailなら封書、Googleカレンダーなら日めくりカレンダーといった具合に、アプリの主目的のメタファーだった。

それが新しいアイコンは従来のデザインにGoogleロゴに使われているイメージカラー6色を被せてしまっているため、アイコンを小さく表示した途端にゴチャッとした見ずらいものになってしまっているのが問題。

個人的にスマホの通知はかなり限定している。基本的にすべてサウンドは許可しておらず、GmailにSlack、LINEとiOS純正メッセージだけバナーとバッジを許可している。

なので通知に気づくのはバナー通知ということになる。それまで横目でチラッとアイコンでアプリの種類を判別していたのが、チラ見ではGmailとSlackが判別しづらくなってしまって、結局iPhoneを開くことになってしまっている。

メールで急ぎの用件が届くことはほとんどないので、Gmailなら後でもいいやってなっていたのが、Slackだと現在進行系のトピックの可能性が高いので、余裕があればすぐに確認することにしているのだ。

Gmailのバナー通知を止めれば良い話でもあるが、深く繋がりを持たない関係性では未だにメールで用件が送られてくるケースも残っているので、軽々にメールのやり取りを蔑ろにもできないかな。

ま、Googleのサービスはどれも無料の範疇でしか使っておらず、文句を言ってもこればかりは何ともならん話で、冒頭の通り慣れるしか無いんだけどね。

FUJIFILM X-T3 / XF16mm F1.4 R WR / Velvia

FUJIFILM X-T4 / XF90mmF2 R LM WR / ETERNA BLEACH BYPASS
FUJIFILM X-T3 / XF16mm F1.4 R WR / Velvia

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.
FUJIFILM X-T4 / XF90mmF2 R LM WR / ETERNA BLEACH BYPASS

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

FUJIFILM X-T4 / XF90mmF2 R LM WR / CLASSIC CHROME

最近撮った雲にまつわるカット。これから春までヘイズも少なく雲がダイナミックに映える季節だ。

カテゴリ:気象・天体

未だに日本学術会議の任命拒否問題でガタガタしている日本の国会だが、任命しない理由が「政府の意見に反対したから」とか「過去の発言から反政府運動を助長しかねない」からという話になっている。

まあそんなことは薄々最初から皆知っていたことではあるが、スダレ側近トップの公安上がりの役人風情の言質なんで、あらためて裏が取れたといったところだな。

予算委員会でのスダレの発言があまりにグダグダ無残すぎてむしろ憐れみさえ覚えるwが、言っていることもやっていることも戦前の思想狩りのまさにそれと同じ。

学問や研究、そこに携わる学者や研究者など十分な予算を付けて..特にここ重要ね..自由に泳がせておけばいずれ国を富ませることにつながるのは、現在の日本のノーベル賞受賞者の数を見ていればアホでもわかることだ。

それを「オレ様に盾突いたから」みたいな理由で逆に足を引っ張るなど、どこのお山の大将だよそれって話だ。あまりの了見の狭さ、器量のなさ、懐の狭さに呆れてしまう。まあ一言で言えば「器が小さい」ってやつだな。

そして米大統領選もまだ花札野郎の往生際の悪さでバタバタしているが、次期米大統領もバイデンで決まったようである。

そのバイデンは勝利宣言の中で「国全体を代表するのが大統領の責任」「自分に投票した人と同じように投票しなかった人のためにも働く」と宣っており、国を統べる為政者として鏡のような発言と言える。

すべての責任と仕事を放り出して目の前の国難から逃げ出したアレなど、事もあろうに有権者を指差して「こんな人たちに負けるわけにはいかない」などと演説しているのだから、国を預かる為政者として比べるべくもなく、「器の小ささ」ではスダレといい勝負だな。

自分たちの意見や政策に賛成しようが反対しようが国民であることに変わりなく、しかもそれが納税者であれば尚の事政治も行政も平等でなくてはならないのに、前述の学術会議同様に為政者の器が小さすぎて本当に始末が悪い。

米が民主党政権に代わることで日本の国益を損なうような話が湧いて出ているが、思い上がった今の与党にお灸をすえるようでいい気味である。まあせいぜい揉み手でもしながらワシントンに足繁く通うことだな。

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

日の出前は外気温が0℃近くまで下がるようになって、吐く息で目の前が白くなるようになった。

まだ体が寒さに慣れていないので、しばらくは早起きが辛いのは仕方ないな。

カテゴリ:季節感, 独り言

便追

2020/11/8

こんな時期にまだヒバリがいるよと思ったが、しばらく遠目に眺めていてやや違和感あり。そもそも赤城高原ではヒバリは漂鳥ですでに下界に下っているはず。

いやまてよ、ではタヒバリ?と思って取り敢えず数枚シャッターを切ってから調べたが、どうやらビンズイ(便追)のようである。

一般的にビンズイも漂鳥扱いだが、赤城高原での繁殖例はない(はず)。覚満淵など赤城山の標高の高いところでなら夏鳥のイメージが強いかな。

秋の季節移動の途中に立ち寄ったのだろうが、いつもながらこの手のタヒバリ属の仲間の識別は難しいね。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO

ビンズイは見た目は地味だがさえずりはなかなか美しく、その声を聞くと初夏の高地をイメージする。森の中よりは草原に隣接する林縁部や疎林を好む。

県内だと前述の覚満淵や榛名湖畔、尾瀬や野反湖辺りで夏場によく見掛ける。

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75mmという人の目線で違和感のない焦点距離。それでいて比類なき大口径がAFで高速にピントを狙い撃つ。しかしあまり寄れずに近接撮影は苦手ときている。

そんなXF50mm F1.0はどう考えても人物撮影などポートレイトや、街中スナップ向きなんだろうとは思う。実際、メーカーのプロモーション映像眺めてみても、推しのマーケットはそこにあるっぽいし。

もちろんキレイなお姉さんのボディラインも嫌いではないし、エッヂの効いたメトロポリタンの喧騒も面白いとは思うが、撮影対象としてはどちらかと言えば自然の造形美のほうに惹かれる。

そもそも仕事場でも生活圏でも周辺に人工物を擁する「街なか」など無い。ワークマン着込んだ農婦はいても、モード系ファッションに身を包んだ「おしゃれなご婦人」はとんと見掛けないw

そう。メーカーの思惑はどうあれ、ネーチャンは撮らない(撮れない)が、狙うはあくまでネイチャーであるw

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

F1.0だから表現できたとか、XF50mm F1.0でしか撮れないとか宣う安っぽい言い回しは好みではないが、焦点が合った一点と外れているそれ以外の面の落差..いわゆるBokeh..はまさに大口径レンズならではだな。

もちろんこの絵面をこのレンズで撮らなければならない必然もなく、どちらかと言えばマクロレンズで撮るのがセオリーだろう。

ただ、望郷レンズで接写してはいけないものでもないし、広角レンズでポートレイトを撮って悪いわけでもないので、お気に入りのレンズで好きなように撮ればよろし、と言ったところだな。

口の悪い仲間は拙者にもっとも似合わないレンズだwと口を揃え、いつ手放すか賭けているフシがあるが、今のところF1.0を実用的なスペックで撮影できるのはフジのXFだけなので、まだしばらく使うつもり..もう手放す前提かよw..だぞ。

まあ常道のマクロレンズではなく、敢えてF1.0で自然の小宇宙を切り撮ることにこだわるのも面白いしね。

熱量が違う

2020/11/6

朝から晩までよくもまあ飽きもせず米親玉選ばかりニュースになってんなぁ、というのが最近の印象。

メリケンのポチとか、彼の国の属国とまで揶揄されている我が日本国なんでw、そりゃ宗主国の親玉の行方が気になるのは理解するが、トレーダーや株屋でもなければそうそう直接の影響もなかろうに。

そもそも投票権ねぇんだからおとなしく結果だけ受け入れりゃあいい話で、コメンテーターとか呼ばれている輩の軽薄な言葉に踊らされている連中のなんとも多きことか。

そんなことより今はようやく国会で予算委員会が開かれ、我が国の行政の長がしどろもどろで右往左往しながら壊れたテープレコーダーの如き答弁を繰り返す、これが我が国の代表者か?と恥ずかしいやら情けないやらの姿を拝める状況にあるぞ。こっちをもっと報道して話題にすべきだろう、マスゴミよ。

それにしても、今回の米の親玉選の騒動を眺めていると、国の代表者を選ぶ選挙という行為や政治に対する熱量が、我が国とは比較にならんなとあらためて認識。永らくお上からの上意下達で成り立ってきた国と、民主主義を熟成しながら成り上がってきた国の差はそうとうな開きがあるな。

選挙のたびに武器をチラつかせて言葉強くいがみ合うのは論外ではあるものの、国の方向性を決める選択や政治に興味を示さず、長いものに巻かれるを良しとしているどっかの呑気な国民性にも困ったもんである。

OM-D E-M1 MarkIII / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

明け方に上越国境方面がしぐれていると、三峰山に虹が架かる季節となった。

もちろん、虹は太陽光線と雲の関係なんで条件が成立すれば通年見られるのだが、確率的にこの晩秋がもっとも高い感じ。

カテゴリ:気象・天体, 独り言|タグ:

今まさに話題の渦中にある米のラストベルトは、イリノイ・インディアナ・ミシガン・オハイオ・ペンシルベニアなど主に五大湖の東から南側の、かつて米の経済を支えた工業地帯の諸州を指す。

工業生産分野は30年前なら日本、現在は中国に取って代わられたことでその工業地帯も没落した結果、ラストベルト..ラストはLastではなく錆のRustでいわゆる「さびついた工業地帯」だ..と呼ばれるまでに至っているのは周知のとおりだ。

そのラストベルトに隣接する五大湖西岸の州がミネソタ州であるが、隣の工業地帯(だった)とは真逆のイメージで、付近一帯はノースウッズと呼ばれるカナダ国境と接しており、手つかずの野趣豊かな自然を有する美しい州として知られている。

ナショナル・ジオグラフィック誌で活躍する米の自然写真家ジム・ブランデンバーグ氏の故郷であり、同氏がテーマとして撮影し続けている場所としても有名だ。ちなみに日本でも写真家の大竹英洋氏がノースウッズをテーマに活動している。

そのノースウッズ南端に位置するのがミネソタ州で、中でも「バウンダリー・ウォーターズ・カヌー・エリア・ウィルダネス(Boundary Waters Canoe Area Wilderness)」は広大な自然保護区であり、大自然と呼ぶのにふさわしい自然景観の中、文明から隔絶されたウィルダネスとしてアラスカなどと並んで人気が高い。

そんな森と湖の聖地の地下に、銅やニッケルなど貴金属類の地下資源が埋まっていることが判って以降、米では採掘計画が浮上したり沈んだりを繰り返してきたことは意外に知られていない。

オバマ政権時代の2017年に既存の採掘場の上流部に当たるバウンダリー・ウォーターズでの採掘を禁止した方針を打ち出しているが、自国経済優先を掲げる現トランプ政権になってからそれをあっさり解除してしまったのだ。

自然環境が大きく変わる最大の要因は水の流れである。地下資源に手を付けるべく地面を掘り起し、結果水の流れが変化すればどういう事態を招くかはさまざまな歴史が証明している。

表立っては目に付きづらい地下採掘こそ不可逆的な自然破壊の最たるものであり、利を求め軽々に地面や地下に穴を穿つべきではないのだ。

今回の米大統領にトランプが再選するのかバイデン..正確には民主党だな..が取って代わるのか、今朝の段階でもまだ不透明。日本にとってはトランプ再選のほうが良いという意見が多いようだが、トランプ政権がまだ続くようだと、地球温暖化対策含めこうした自国のかけがえのない自然保護区をも危機に晒しかねないやり口がまた4年続くことを意味する。

あくまで他国の出来事であり、論評する以外に関わり得ないのが実情ではあるが、経済活動と違って「判断が間違っていたので元に戻します」って感じに絶対ならないのが自然であるが故、そういう視点で興味深く注視せざるを得ないのが、今回の米大統領選ということになる。

まあどっちが大統領でも日本との関係がそう大きく変わることもなさそうだが、自然保護という観点から言えばやはり花札野郎の再選は支持できないけどね。

Canon EOS-1V / EF100-400mm F4.5-5.6L IS USM / PROVIA

見渡す限りのハイランドのツンドラに佇むカリブー。そしてここは北米アラスカで北極圏はすぐそこだ。

アラスカも北極海に面したプルドーベイ油田からバルディーズまで、内陸を縦断する石油パイプラインを敷設することで大いに揉めた過去がある。

日本は国土が狭いが故にその自然環境は箱庭的と評される。国土の7割が森林とは言え、そのほとんどが人工林もしくは2次林であることも大きいし、何よりその周辺に人の生活が想像できるからだろう。

北米の自然、とりわけ北極圏を擁するアラスカやカナダの場合、言葉通りその多くが「手つかず」である。厳密に言えば先住民の生活の営みや行楽での人の往来はあろうが、少なくてもそれを感じさせられことは稀であろう。

人の生活を寄せ付けない荒々しさが大きな要因なれど、そもそもそこに人の手を介在させないという選択肢を持つ人たちと、それを認める判断ができる人がいるというのが大きいのではないだろうか。

雪がそこまで

2020/11/4

昨晩天気図を見ていて西高東低な完全な冬型だなと思っていたが、今朝は気温が下がったこともあって北部の県境付近は初雪となった。

赤城高原のわが仕事場から眺めていても、望郷ラインより北が白くなっているのが分かる。

まあこの程度は日中の日差しですぐ解けてしまうので、午後には再び秋の景色に戻ることになるが、こういうのを何回か繰り返すことで季節は確実に冬に向かうことになる。

FUJIFILM X-T4 / XF35mm F1.4 R / Velvia

FUJIFILM X-T4 / XF90mmF2 R LM WR / ETERNA BLEACH BYPASS

家の中は先月のうちにコタツとストーブには火が入っていて、半纏を羽織ってキーボードを叩く冬仕様となっていたが、車のスタッドレスタイヤへの換装はまだこれから。

車内はすでに冬装備と入れ替えたが、今週はまた山へ出かける用事があるので、明日辺り履き替えねばなと思っている次第。

カテゴリ:季節感|タグ:

名前だけはよく知られているが、実際に日本の野外でその姿を見ることはない、そんな代表的な生きものの一つがカメレオンだ。

周囲の環境に合わせて体色を変化させるその能力は、「あいつはまるでカメレオンのようだ」的な比喩ですでに人の生活に言葉として溶け込んでいるが、実際のカメレオンが生息するのはインドとその周辺、アラビア半島の南部、アフリカ大陸の一部とマダガスカル島だけである。

カメレオンの仲間は100種類近く..亜種まで含めるともう少しいるかも..確認されているが、その半数はマダガスカル島に生息していると言われている。

そのマダガスカルで1913年にドイツの学者が発見して以降未確認だった「Voeltzkow」が、約100年ぶりに発見されたとのことだ。Voeltzkowはその発見者の名前である。

カメレオンの寿命は種によってはまちまちで、長い種で数年、短いと半年程度という種もいる。爬虫類好きにペットとして人気があるようだが、そういう意味では愛玩動物としては不適ではないだろうか。

幻と言われていた件のVoeltzkowが長らく未発見だったのも、短い雨季の期間だけしか生息していないという寿命の短さにその理由があるようだ。

発見された場所は開発が進む熱帯降雨林の伐採地だったというが、我々が訪れた1990年代後半の時点でもすでにマダガスカル全島で無秩序に開発が行われていたので、貴重な固有種が今でも人知れず失われている可能性は否定できない。

大雑把に言うとマダガスカルはアフリカ大陸に面した西側、特に南西部は乾燥地帯で、インド洋に面した東側はモンスーンの影響を強く受けるため降雨量が多い。

それ故に温帯湿潤な森は東側に多く集まり、必然的に伐採を伴う森林開発が進むのも東側ということになる。開発理由は東南アジアの島国と同様、農耕地を求めてということになるが、空路アンタナナリボへの降下中に目にする広大な赤茶けた裸地は、なかなか考えさせられる眺めであった。

Canon EOS-1n / EF70-200mm F2.8L / PROVIA / ストロボ使用 / カメレオンsp.

初めて野生のカメレオンを観たのは首都アンタナナリボの東に位置するペリネ特別保護区であった。

マダガスカルには私有地内にあるプライベートな保護区もあるが、ペリネの森はアンダシベ国立公園の一角にあるその名の通り国の管理により保護区である。

インドリなど森林性の原猿を観察するのに地元のガイドに案内を頼んのだが、その合間のちょっとした休息中にも関わらず、林縁で数種のカメレオンを見掛けた。

原猿にしろカメレオンにしろ、あれだけ開発の進む荒んだ状況にあっても、未だ新種の発見や絶滅危惧種の再発見が続くマダガスカルの生きもののポテンシャルはかなり高いとも受け取れるが、それがあと半世紀も持たないのではないか?と感じてから早20数年。

まだ彼の地に地力のあるうちに、時間が許せば再訪したいと思うことがある。

XF50mm F1.0は、その開放F1.0という大口径スペックが故に「F1.0以外で撮ると死んでしまう病」を患ってしまうという、クセ玉を通り越してある意味的病的なレンズである。

当然のように撮影前に絞りリングが1.0の位置であることを確認するが、万が一撮影後に1.0からわずか1/3クリックでも動いていようものなら、再生確認してF1.0で撮れてないカットを探し出し、わざわざ戻って撮影し直さないと気が収らないという症状が現れてしまうから困ったものだw

XFレンズの絞りリングは一応クリック感があるが、電気的な信号を送るだけの単なるエンコーダで、昔のレンズのような物理的な機構ではないので、うっかり触ると簡単に動いてしまうのが難点だ。

プログラムオートとシャッター速度優先用にAポジション的な位置が最小絞りの隣に用意されているが、それすらも完全に固定できないのはメーカーの手抜きとしか言いようがないな。

そんなAポジションの完全固定と、絞りクリック感のさらなる硬さの追求はすべてのXFレンズでやって欲しいのだが、このXF50mm F1.0に限っては、開放1.0の位置でも固定というギミックも是非欲しいねw

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.
FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.
FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / ETERNA BLEACH BYPASS

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.
FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

FUJIFILM X-T4 / XF50mm F1.0 R WR / Classic Nega.

晴天下の日中では電子シャッターのお世話になるので、「チッ」という舌打ちのような味気ないシャッター音wになるが、薄暗い林内ではF1.0の大口径が利いてくる。

iPhone 11 Pro

「何でもかんでもF1.0病」には困ったものだが、XF50mm F1.0にはメリットもあって、それはそのサイズ感故に、それまで大きく重いと思っていたXF16-55mm F2.8が小さいと思えるようになった点かなw

コンパクトな単焦点レンズばかり揃えていると、APS-C専用とは言えフジの大三元ズームと言えどいずれも大きく重いのは否定できない。とりわけその一角をなすXF16-55は、その性能とのバーターで贔屓目に見てもサイズが大きいのは間違いないからね。

実際、最近はXF16-80mm F4ばかり使っていたが、XF50mm F1.0が手元に来てから標準ズームの座にはXF16-55mm F2.8が復権していて、XF16-80はND装着しっぱなしで動画専用と化している。

先日のXF14mm同様、このレンズでも大げさすぎる専用フードは使っておらず、うちにあった77mmのメタルフードを常時付けっぱなしで使用中。これまたこのままバッグに収められるのがありがたい。

フードが短いと遮光になっていないのでは?という意見もあろうが、フレアが出るような強い逆光では手やキャップ..そのための帽子愛用者なんでね..で不要な光をカットするので特に問題なし。

XF50mm F1.0は大口径というそのスペックから想像するより意外に逆光耐性があるのも特筆だしね。