魚の眼を正せ
オリンパスのED8mm Fisheyeには、E-M1系との組み合わせで魚眼レンズならではの便利な機能が用意されている。
それはフィッシュアイ補正と呼ばれる当該レンズのみに有効な機能で、これをONにすることで魚眼特有の効果を抑制し、通常の超広角レンズのように使用できるのである。
周辺部の歪みを直線に補正する機能なので、言ってしまえばデジタルシフト撮影と同じ原理である。
強制的に補正..画素補間して引き伸ばすことになる..することもあって周辺の画質は専用の広角レンズ並とはいかないが、補正できる画角は11mm・14mm・18mm相当から選ぶことができるので、状況に応じて使い分けることも可能だ。
それでも11mmともなるとiPhone 11 Proの超広角(13mm相当)よりさらに広い範囲を写し込めるので、狭い室内で後ろに下がれない状況では地味に便利な機能である。
補正しない場合は対角180度とさらに広い範囲..11mm相当の画角は123度..を収めることができるが、純粋なネイチャー分野でもない限り、商業写真ではそのデフォルメ効果が良しとされる場面は少ないものだ。
それを理解した上で、これ1本で魚眼レンズと超広角レンズの一粒で二度美味しい状態に使えるED8mm Fisheyeは、明るく且つ近接能力にも長けた非常に優れたキラーレンズと言えると思う。
実際、専用の超広角ズームも持っているが、ED8mm Fisheyeのほうが稼働率が高いのは事実である。