ヤマボウシの実は真夏の果実。
畑のブルーベリーが終わって少し間が空いて赤く熟し始め、毎朝のようにハシブトガラスとヒヨドリが争奪戦を繰り広げているのだが、寝室の前なのでこれがなかなかに煩い。
ヒヨもカラスも子育ては終わっているので、親も子もなく入り乱れる感じだ。
赤いと言えばホウノキの実も。写真は半月くらい前なのでまだ薄い色合いだが、今の時期はこっちももう熟し始めているだろう。
暦の上では9月となり季節的には初秋という括りになるのだが、気候的にはまだまだ盛夏と言って良い暑さが続く。
太平洋高気圧が頑張りすぎているということになるのが、日本列島に接近する台風の動きで見て取れる。
それでも一年の日取りは決まっていることなので、秋が短いかそれとも秋も冬も短いか、何れどこかで帳尻を合わせてくるのは自然の摂理だ。
日中は30℃前後まで上がる日がまだあるものの、寝しなに窓を少し開け置くと明け方に寒さで目が覚めるので、高原の朝がようやくそれらしく落ち着いてきた感ある。
今夏は近所でクマの目撃情報が多い。
この月初、うちから300mほど離れたデントコーン畑からクマが出てくるところを、畑に隣接する民家の住人が目撃している。
そしてお盆には、上の集落の同じくデントコーン畑付近をうろついている個体を農家が目撃。それぞれ距離は離れているが、沢伝いに人知れず移動は容易なので、恐らくは同じ個体と思われる。
何れも目撃者が役場に連絡しているので防災無線が流れていたが、他の地区での目撃情報も時々流れてくるので、近年になく今夏はクマに関しては騒がしい状況だ。
東北や新潟ではブナの不作がすでに報じられており、県内でもブナに関しては不作の傾向であるが、赤城高原にはブナ林はないので、クマが口にする堅果類ならミズナラやコナラのドングリのほうが影響がある。
そのドングリもミズナラは不作傾向だが、赤城高原に多いコナラは例年並みなので、特に木の実が不作なのでクマの出没が多いというわけでも無さそうだ。
オニグルミの実もクマはよく食べているが、こちらもまあ例年並みと言ったところ。
コロナ禍で中止が続いていた沼田おぎょん..いわゆる祇園祭のこと..が今年は3年ぶりに催し中。
利根沼田の暑さはそのおぎょんの頃から盆あたりまでがピークなので、この猛暑もそれまでは我慢と言ったところ。
盆過ぎには赤城高原には秋の気配が漂い始めるはず..
アジサイは梅雨どきに咲くので雨のイメージが強いが、個人的には梅雨の晴れ間の青空にもよく似合うと思っている。
そしてそれが青い花であればなおさらのこと。
梅雨に入っているはずだが、先週は1000km近く南北に移動しているのに、まともに雨に振られたのはわずか1日だけという奇跡的な事態に。
まあたまたまなんだが、この時期は野外仕事が入ってくるのでそれはそれで助かるけどね。
今週、シロヤシオが見頃と聞いて久しぶりに奥日光の男体山へ。今回はいつも調査山行ではなく純粋な登山行為であった。
男体山の登山道はひたすら真っすぐ..今は途中につづらの林道を挟む箇所があるが..で、直登で標高差約1200mとなかなかエグいのだが、実際に登ってみると白毛門ほどの斜度はないので、数字で感じるほどではない。それでも1km近く続く岩場はさすがに難儀したけど。
アカヤシオはすでに終わっていたが、 シロヤシオとベニサラサドウダンツツジの競演が観られた。中禅寺湖ブルーと相まって良い季節である。
赤城高原にある我が家の御神体とも言うべきは赤城山。その赤城と男体山はライバル関係にあり、その昔それぞれの神が大ムカデと大蛇に化けて中禅寺湖を巡って争った地が奥日光の戦場ヶ原である。
男体山は二荒山神社の境内なので、入山を届けるとお守りが貰える。今回図らずも双方のお守りをぶら下げて歩いたが、取り敢えず揉め事は起きなかったw
前述の伝説の戦いの決着だが、男体山の神の末裔である矢の名手に射掛けられて遁走した赤城山の負け。で、その時の血で染まったのが現在の赤沼の辺り。麓の二荒山神社が正月に赤城山の方角に向かって矢を射る神事を行うのはこの流れである。
ということで、赤城山の住人にとって男体山はアウェイ感満載なのである。
尾瀬は厳冬期を除き、映像記録の仕事などで残雪期から初冬まで何度も足を運んでいるので、近年はいわゆる混雑するオンシーズンは避けるようにして出かけている。
行ったことある人は分かると思うが、ミズバショウやニッコウキスゲのシーズンなど木道をハイカーが間断なく連なって歩いているため、落ち着いて景色を眺めることができない。
では平日にと出かけても、今度は尾瀬学校なるイベントとかち合うと、観光客が学生に変わるだけで状況はあまり変わらない上に、要らぬあいさつ攻めを受けて辟易させられる。せいぜい先頭の一人が挨拶すれば良いものを、全員がするもんだから煩わしいったらありゃしない。指導教員が前後に付いているが、そもそもその教員自体が挨拶しないのだから教育もなにもないぞ。
ということでそうなると初夏のミズバショウ前か、真夏の花期の終わりか、晩秋の草紅葉の後というのがうちの定番シーズンとなっている。
この日は平日ではあったが、週末の直前ということもあってお昼ごろにテン泊ハイカー組が結構出張ってきていた。それでもあの目もくらむような込み具合からしたら天国ではあるけどね。
折しもこの前日に氷点下3℃という5月も下旬とは思えない寒さに見舞われたらしく、ちょうど顔をのぞかせ始めていたミズバショウの先遣隊は軒並み霜枯れてしまっていた。
この日も多くのハイカーがダウンを着込んで行動する冷え込みで、ヤマアカガエルこそ鳴いていたものの池塘の中はアカハライモリの姿も見られず閑散としていた。
鳥類はカッコウ、ホトトギス、ノビタキ、ホオアカ、オオジシギ、ヒバリなど夏の尾瀬定番は一通り確認。年々渡来数が減っているように思えるのが気がかりではあるが、高層湿原にカッコウの声が響き渡るのはいつ聞いても良い。
余談だが、2枚目の写真を見て水平が出ていない!とケチを付ける水平風景ジジィがいるが、尾瀬ヶ原は北東に向かって緩やかに傾斜しており、写真の左奥でヨッピ川と沼尻川が合流して只見川となるので、燧ヶ岳を背景にした場合は左下がりのように見えるのが正しい。
もし同じようなカットで水平が出ているようであれば、逆にそれがおかしいということになるのは知っておいて損はない尾瀬トリビアである。