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先頃、米国花札政権が「絶滅の危機に瀕ひんする種の保存に関する法律(種の保存法)」に基づく主要な規制を緩和するという報道が流れた。

同法内で定められていた、「絶滅危惧種」及び「絶滅の恐れのある種」についての保護政策に関わる一部の規定が撤廃され、特に重要な「経済活動への影響には考慮しない」という文言が削除されるらしい。

種の保存法の成立は1973年のことである。当時のトップはニクソン大統領で、同氏はウォーターゲート事件で失脚の印象が強いが、同法に署名したのはそのニクソン大統領である。

同法が成立したことで、1960年にはわずか400羽足らずで絶滅寸前だった米国の国章であるハクトウワシが、約1万羽まで回復するに至っているのはよく知られた事実だ。

また、アラスカ州を除く多くの州でハイイロオオカミは20世紀初頭には姿を消しつつあったが、これも同法に基づく保護政策によって、狩猟対象となるまで個体数が回復してきている。

そんな、過去を顧みて守るべきものは守るという同国の姿勢の現れだった種の保存法が、経済最優先とする現政権の規制緩和の名の下に、骨抜きにされ始めたというわけだ。

同法を支持する米国民は約8割と多く、とても民意を反映しているとは思えないが、現政権の内務長官は財界寄りという立ち位置であり、何より来年2期目再選を狙う花札大統領にとっては、経済優先をアピールする材料の一つということなのだろう。

当然、同国内のみならず世界中の野生生物保護団体から憂慮する声明が上がっているが、花札大統領の再選と並んでしばらく目が話せない事態になりつつある。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

上信越国境に沈む夏の落日を800mm相当で切り取る。

世界最強国を標榜する海の向こうの商人(あきんど)の国が、いよいよその馬脚を現し落日を迎え始めたと見る向きもある。日本も危ういのは間違いないが、来年の彼の国の動向も気になるね。

それはそうと、西日本を直撃している台風10号の影響で、関東でも雨が降ったり止んだりを繰り返してる。今日の赤城高原は午前中こそ晴れていたが、東寄りの風が強く吹くいかにもな空模様であった。

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ヒグマは隣人

2019/8/14

札幌で人家周辺にヒグマが出没して騒動になっていたが、今朝方、猟友会のハンターによって駆除されたようだ。

当初から銃器による駆除も想定していたと思われるが、さすがに人家や路上での使用許可は難しいので、状況の成り行き次第だったのだろう。

北海道は開拓の地ではあるが、それでも昨日今日に人が住み始めたわけではないので、本来クマの存在自体は織り込み済みのはずだ。が、札幌ほどの大都会ともなるとヒグマを見たことない人がほとんどであり、恐らく今回ほどヒグマの隣人としての存在を身に沁みたことはないだろう。

結果の是非は賛否両論ではあるが、間接的だったとしても民家の庭に餌付け状態では駆除やむなしである。お盆ということもあって帰省で人が多い中、人的被害が発生してからでは遅いからね。

それにしても今年は北海道のヒグマネタが内地にもよく入ってくる。野幌森林公園での出没、羅臼の飼い犬連続襲撃、標茶の乳牛襲撃等々。

旬の話題なのでマスゴミが意識的に拾ってくる側面は否めないが、やはりクマの数が増えている..もちろん地域によっては減っている場所もあろうが..ことは間違いないだろう。

それにも増して、ここ20数年言われ続けている「人を恐れない新世代グマ」が増えてきていることを、つくづく実感する。

iPhone 6

一昨日、近所でクマの目撃があって、防災無線で注意喚起されていた。今年はクマの大好物であるトウモロコシ畑が多く、長引く梅雨が明けて一斉に収穫期を迎えているため、農家もクマの出没には神経を尖らせている。

現場は家からすぐの場所だったので、早朝から日の出まで2日ほど張り込んでみたが、残念ながら成果なし。その代わり近くの砂地にはテンの足跡が残っていた。

群馬は関東平野を除く三方を山に囲まれた土地柄なので、必然的にサルが生息するのもそれぞれの山間地域ということになる。

時折何らかの理由で群れを離れた、いわゆるはぐれザルが町中に姿を見せることがあるが、基本的に平地でサルを見る機会は少ないと言ってよい。

ただ、昔から人里に近い場所にも生息している個体群はいたので、人の目に触れる機会が無かったかと言えばそんなことはなく、今ほどではないにしても田畑を荒らす鳥獣の類として認識されていたはずだ。

FUJIFILM X-T3 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS / ETERNA

東北の水田地帯で見かけたサルの群れ。すぐ近くに田んぼの見回りに来ていた農家の人がいたが、どちらも干渉するふうはなかった。

稲穂が実る頃ならサルの被害もあるかもしれないが、恐らくこの時期は畦周辺でカエルの卵や小動物を探していたと思われる。

水田地帯とは言っても隣はすぐに山や自然林が続く地形なので、わざわざ人に追い払われながら積極的に稲穂を狙うような場所ではないだろうから、田んぼという人工的な湿地環境で餌を探す程度の認識なのかもしれない。

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今月5日、あまりニュースになることもなくひっそりと改正国有林野管理経営法が可決・成立した。

この法案がどんなものか簡単に言うと、国有林の伐採の裁量をある程度民間業者に認めるというもので、各地で木材の利用を促す目的があるものだ。

戦後、国主導で行ってきた林業政策であるが、国内従事者の賃金の高騰や、輸入材の台頭による国産材の需要の低下など、国内の林業は衰退の一途をたどっている。

そこで、民間業者による大規模伐採を認めることで、採算の取れる林業を目指すことになったのだが、伐採後の再造林について事実上制約がないため、伐るだけ伐って植林しないとか、植林後の手入れが行き届かなくなるとか、外資による参入など森林荒廃への道を作ってしまったのではないかと、専門家の間では懸念と批判が多い。

国内の森林環境に適応して細々と生き延びてきた我らが天狗様ことイヌワシの悲観的な繁殖状況を考えたとき、伐採地が広がることで餌場環境が提供される点では望ましい。

だが問題は伐採後の再造林、つまり森林の再利用が循環して行われない限り、伐採地はその後の自然再生によって有効利用できるのは1回限りの可能性が高いのである。温帯湿潤な日本の気候において、自然植生の回復は意外に早いのだ。

伐採後、植林して手入れを行い、半世紀後に再び伐採という循環が起きて、定期的に餌場環境が創出される状況こそが、イヌワシにとっては理想的な環境と言えるのである。

そしてその時こそ、東南アジアや北欧、北米など海外の森林から無用に資源を調達する必要もなくなり、国内林業の再生という本来の目的が達成されるはずである。

政府の話では「売れる林業」を目指すということらしいが、絵に描いた餅に終わるか、さらなる問題を引き起こすのか、注視していく必要があるだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ACROSS

昨秋の台風で荒れ放題だった村内の植林地に、ようやく春頃から手入れが入り始めた。予定された伐採ではないため、恐らく間伐材として利用されることになるだろう。

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畑にピンテ

2019/6/4

ピンテと言えば山屋ならピンクのテープを指すことは言わずもがなだろう。登山道などで道が不明瞭な個所がある場合、迷わないよう近くの木の枝などに目印として巻くアレである。

そんなピンテだが、年明けよりやたら近所の畑で目にするようになった。巻くどころか畑の周囲に張り巡らし、場所によっては電柵の更にその外側に張っている場所もある。

どうも聞くところによれば、ピンクのテープがシカ除けに効くという話がまことしやかに口コミで広がったようで、元々はどこぞの肥料屋がネタ元らしい。

張ってから半年近く経ったので、効果のほどを近所の農家に聞いてみる限り、皆が言うほど効き目があるとは思えないと皆口を揃えて言っている状況だ。

シカが避ける理由はピンクのテープが光の加減でチカチカと光ることらしいのだが、そもそも生きものなので慣れてしまえばそれまでの話である。田んぼのかかしにスズメ除けの効果が殆どないのと同じだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

せっかく苦労してピンテが張り巡らしてあっても、効果がないのは一目瞭然だ。

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何とも胸糞の悪くなる話である。環境省は、国内ではすでに絶滅したはずのトキを、中国から再移入して順調に増えたからと、絶滅から絶滅危惧(1A)に指標を下げるというのだ。

過去に起きた絶滅という事実を、あたかも無かったことにしようとしているその行為には納得がいかない。それならば、どこかに同じ種がいるから、もし国内で絶滅してもそこから連れてきて放せばオッケー、という考え方を助長しかねないのだ。

今回の話、増やすことに努力してきた人達には朗報であっても、絶滅を回避しようと努力する人達にとっては愚行でしかない。

そもそも大陸産のトキは、過去に日本にいた個体群とDNAレベルがまったく同じではないはずだ。例え分類上で種として同じであっても、DNAレベルで異なる個体群を連れてきて、さらに増えたからとそれをもって復活とできる考え方は何とも危うい話である。

その理屈を他の生きものにも当てはめて見れば判るが、シカが増えたからと大陸産のオオカミを放てば、シカの駆除と絶滅したオオカミの復活の一挙両得だという、そら恐ろしい論法に加担することになる。

我らが天狗様ことニホンイヌワシでも、保護増殖事業に関係して雛の移入という行為を行ったことがあるが、あくまで国内に生息する個体の第二雛..大抵は兄弟殺しで死んでしまう..に限るという大前提があった。間違っても大陸産の個体群の雛を使うことはありえないのである。

トキやコウノトリが増えたことは喜ばしいことだ。それだけ日本の米作り..両種とも良好な湿性環境が必要..が安心・安全な状況に改善したことを意味するからね。だが、増えたのはあくまで移入元の個体群であって、絶滅した日本の個体群ではないのである。

穿った見方をすれば..裏の理屈を知る側としてせざるを得ないのだが..保護増殖事業の予算と人を維持したいお役所論理の世界感なのである。そして今回の目論見は、その計画した事業がどうあっても成功したことにしたいお役人たちの、浅はかなる行動と言わざるを得ない。

絶滅した種は絶対に復活しない。復活しないから絶滅なのである。なのでそもそも絶滅しないように保護することに努力・尽力しなければならないのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

榛名山から八ヶ岳まで遠く見通せるのは冬ならではだ。ここ二日間ほど雪模様であったが、どうやら大晦日と元旦は晴れそうな雰囲気である。

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先日、政府から日本がIWC(国際捕鯨委員会)から脱退することが表明された。

日本は商業捕鯨の再開を目指して調査捕鯨を続けていたが、ここにきて調査捕鯨..主には南極海周辺での..を中止し、それと同時に日本近海での商業捕鯨を再開するというものだ。

以前からオーストラリアや米国など反捕鯨国から日本は反発され、シーシェパードなる過激な自然保護団体からは執拗に調査活動の妨害を受けるなどされてきた。

主要な問題では国際協調を標榜する日本が、国際的な組織から脱退というのは珍しいこともあるもんだと思ったが、政治主導の決定という報道があることから、どうやら政治家特有の事情のようである。

国民が期待すべき政治主導が、一部の地域の事情..地元もしくは関係者..だけに作用するというまさに現在の日本の構造問題の産物のような気がしてならない。

確かに日本人は鯨の肉を食べてきた歴史があるが、少なくても内陸の海無し県にそんな食文化は存在しない。あたかも捕鯨が日本人全体の文化であるかのような言い回しは納得出来ないぞ。

で、それはそれとしてだ。例のごとくマスゴミのミスリードにも困ったもんだが、あたかもIWCの意向に日本だけが反発しているかのような論調で捉えられているが、IWC参加国内で言えば、実は反捕鯨国と捕鯨国の割合は五分五分だったりするのである。

声の大きいヤツの意見ばかりが目立つ典型的な例だが、商業捕鯨を再開したい国..つまり日本の次の動きに期待する国..は結構いるのである。

個人的に捕鯨をどう思っているかについては、10年前の古い記事で恐縮だが以下に書いている。当時もちょっと話題になっていて、古いブログでコメント欄も開けていたので、通りすがりの意見wも入ってきていたようだ。

■捕鯨の是非
http://bigdipper.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_a51a.html

先の記事でも書いているが、鯨の肉を食べることに特段抵抗はない。が、わざわざ南極など遠方へ漁に出て行ってまで食べるほどではないといったところが正直なところだ。生活の中でスーパーの店頭に鯨の肉が並んでなくても困ることはまったくないしね。

では保護のために必要かと問われれば、そりゃ絶滅が危惧されるのであれば当然保護は必要だろう。同じ鯨類で言えばシャチやベルーガ、イッカク、そにれセミクジラやシロナガスクジラなどがそれに当たろうか。

だが、もし生息数が多く人の生活や生産活動に影響が出ているのであれば、そこは資源管理が行われて然るべきだ。シカやカンガルーは数が多いと駆除するのに、鯨類だけがなぜ保護されるのか意味不明である。

ましてや知能が高い..鯨類でもとりわけイルカなどはエコーロケーションで意思疎通を図っていると言われている..的な理由での保護自体無理筋であろう。

逆に言えば知能が低い場合は食われても仕方ないという論法になるので、もし高度な文明を持ったバルタン星人が地球に攻めてきて人類が食われても、それは仕方のないこととしてを受け入れなければならないぞ。

兎にも角にもだ。豚、牛、羊、鶏、鹿、カンガルーは問題にならなくて、鯨類だけ問題になる理由が聞きたいものである。それから「日本人の食文化」を都合よく全面に出して、議会に諮ることなく政治の力で押し切った連中にもね。

カイト凧

2018/12/17

果樹園などでよく見かける鳥追い用の凧。正式名は何というのかよく判らないが、カイト凧という商品名が多いかな。

カイトというぐらいだからモデルはトビのようだが、絵柄は何パターンかあるようで、オオタカやフクロウっぽいのを見たこともある。

当然だがこれで追い払えるのはカラスや小鳥だけで、地を行くものは対象外だ。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

風が強いと結構ダイナミックに動いて、動体撮影の練習に良いかも。

大した値段ではないので、うちの庭にも飛ばそうかと思ったが、そうすると小鳥たちがやって来なくなりそうで止めた経緯ありw

夏場は青々としてみずみずしい高原レタスの産地も、本格的な冬の到来を前に農閑期に入りつつある。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / CLASSIC CHROME

薄っすらと霜が降りた標高約800m付近のSさんちの畑。肥料が鋤き込まれ整地された耕作地を踏み荒らしているのは、近隣の森に住み着いているシカたち。

そろそろ恋の季節も落ち着いて、単独行動から集団行動に移りつつある。さて、足跡の状況から何頭くらい通ったか判るかな?

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ETERNA

こちらは近所の県有林。農道に沿って防鹿柵が張り巡らせてあるが、途中で切れているのでほとんど意味なし。シカもイノシシもクマも自由に往来している。

写真は複数のイノシシが餌..恐らくミミズだろう..を探した食痕。この調子で柵に沿って50m近く土木作業よろしく鼻面で掘り起こしてあった。

昨日は無かったので、昨晩から今朝にかけての作業と思われる。道脇ということと、柵を背に背負っているので連中に逃げ場なく、もし対峙していたらちょっとヤバそうな状況だ。

怪しく光る

2018/11/28

日の出前のまだ暗い時間帯、フクロウ調査を終えて森から出ようとしたところ、林道に怪しい2つの光。LEDフラッシュライトを消して待ち伏せていると、見掛けない軽トラックが林道を通り過ぎて行った。

乗っていたのはオレンジベストを着たハンター二人だったが、こんなに早くに出張ってくるのも珍しい。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

2枚目はまた別の日だが、今度は日没後の夕方で、また怪しいハンターかと思い待ち構えていたら、顔見知りの鉄砲撃ちで、イノシシの有害駆除に仕掛けた罠を見回りに来たとのこと。

もう猟期に入ってイノシシも警戒して耕作地に近付かなくなっているので、罠は回収しているそうだ。雪が積もれば林道奥も車で入れなくなるので、そんな人の事情もあるようである。

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