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林道脇が伐開された見晴らしの良い場所から周囲の景色を眺めていたところ、目の前の斜面下から草をかき分けて上がってくるけものの気配を感じた。

まだ周囲の草丈が低いことと、ガサゴソとしたわりと忙しない動きから、大型獣でないのは想像がついたが、ここで停車中の車に戻る動作をすると目立つので、ポケットからiPhoneと取り出してしばし待つ。

当然、少し離れたところに飛び出してくるものと考えていたが、ガサゴソの主は目の前の縁まで上がってきて、そこでようやくこちらに気付いたとばかりに足を止めた。ここでチラッと主の顔が見え、それがイタチであることはすぐに判った。

この後どういう行動に出るのか興味があったが、まさか以前のアナグマのようにこちらの足元を通り過ぎることはないだろうとは思いつつ様子を見ていると、フフンと鼻を鳴らして1mばかり迂回の後、一気に飛び出して反対側の斜面へと消えていった。

「野外では常にカメラを携行すべし」を信条とはしているものの、さすがに小用の時まではね(笑)。仕方なくスマホで撮った次第だが、現行のiPhoneは1080/60Pで記録される..4Kでも撮れるがさすがにそれはメモリーの無駄だ..ので、地上波レベルなら十分視聴に耐えられる。便利な時代になったもんだ。

イタチは在来種であるニホンイタチと、一回り大きい大陸産のチョウセンイタチといるが、西日本だと勢力的に後者が強く、関東でも平野部ではやはりチョウセンイタチが多いようで、在来種は山間部に追いやられている。

チョウセンイタチは言わずと知れた侵略的外来移入種であるが、それを広めたのは人の欲深さ..毛皮目的で養殖したものが逃げ出し自然繁殖している..が原因なので、大陸産に罪はない。が、在来種の生息域を脅かす厄介ものであることには違いない。

20160428

映像の個体は大きさからしてニホンイタチの雄のようだ。さらに言えば大陸産は体と尾の率が50%近いので、その辺りも野外での識別ポイントになる。

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某国営放送はこともあろうに、生きもの系の看板番組であるワイルドライフでもやらかしてくれた。

今週はイギリス北部のスペイ川の話で、ストーリーはサケを中心としたものであった。スコットランドが舞台ということもあって、天狗様が出るのではないか期待していたところ、ユキウサギの場面で空からの捕食者として登場した。

が、確かにユキウサギのシーンの前後に繋いだ個体は若いイヌワシであったが、最後に飛び去るシーンでは思いっきりオジロワシの若鳥であった。オイオイそれはちゃうやんけとツッコミの後、さすがにこれは許せんとばかりに前橋放送局..何故前橋だ(笑)..に文句を言おうとしたが、そこは大人げないので止めておいた。

イギリスの話だったのでいつものようにBBC辺りから買ったのかと思ったが、エンドロールを見る限りBBCではなかった。天狗様本家のお膝元であるBBCでそんなミスはないだろうから、日本語訳の段階で間違えたか、そもそもメタデータが間違っていたか。何やってんだかねぇ..

20160308

今日は日中は暖かかった、いや、暑かったというべきか。この季節はまだ手放せないアンダーウエアも、今日はさすがに必要なかった。

朝のニュースで東京は朝霧に包まれていたが、それは利根沼田も同じ。赤城高原から下は雲海の底に沈んでいた。

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真田丸は戦国時代を舞台とした大河ドラマであるため、鷹狩目的と思われるオオタカがよく登場する。ドラマではさすがに日本産を使うわけにはいかないだろうから、大陸系の白っぽい大きな個体であることが多い。さしずめどこかの鷹匠か、動物プロダクションの所属なのだろう。

今宵も小道具の一つとして場面場面によく映っていたが、場面転換で飛んでいるシーンではノスリに変わったり、事もあろうに今宵はトビになったりして、動物番組を抱えているNHKとは到底思えない、いい加減な扱われ方であった。

オオタカの飛翔シーンなど得意のアーカイブスにいくらでも収蔵されているであろうに、いかに制作現場の横のつながりが無いかがよく判るというものだ。時代考証も然り、セリフ回しは方言指導など専門的な分野の人が付いているのだから、生きものの扱いもそれなりに考証してほしい限りである。

そう言えば、何回か前の真田の里のシーンでは、主人公の背後でガビチョウが鳴いていたことがあった。今はアフレコより現場で同録が多いので、さすがに籠抜け飼鳥が鳴いたからといってNGを出すわけにもいかないだろうが、それ以前にそもそも環境音としてそのまま使っている辺りは、単に知らないだけなのだろう。

あ、そうそう、ついでに言うと、ミンミンゼミが鳴いているような季節に、フクロウがゴロスケホーコーと鳴くのもおかしいぞ(笑)。

20160306

啓蟄も過ぎ、こんな景色が見られるのももう最後だろう。そう言えば今年はほとんどダウンを着ることがなかったなぁ。

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今どきの若い人は、皇居が徳川家の居城であった江戸城の跡地であるということ知らないらしい。

昨年の暮れだったか、20代の若いエンジニアと話をしていた驚いた。まあ何れは日本が太平洋戦争をおっ始めたことすら忘れてしまう時が来るのだろう。歴史が繰り返されるというのは、古い記憶が薄れていくことに他ならないからね。

そしてその江戸城であるが、本丸天守閣は家光の時代に築かれた寛永のものが最後であって、それが明暦3年(1657年)のいわゆる明暦の大火で焼失して以来、350年以上再建されていない、ということも意外に知られていない。

よく時代劇の舞台になるのは元禄以降の江戸中期が多いのだが、例えば暴れん坊将軍こと吉宗が、池の鯉に餌を撒きながら家来と話をしているようなシーンで、背景に白い天守閣..姫路城を代役として映していることが多いが、そもそも江戸城は黒壁だしね..が映っているのは明らかな間違いなのだ。幕末もので江戸城無血開城のシンボルとして、勝海舟と西郷隆盛が天守閣で向き合うシーン、あれもあり得ない話である。まあ作り話にそう目くじら立てることもないのだが、歴史好きとしてはやはり史実にある程度は沿って欲しいと思うのである。

正月に、江戸の初期の天文暦学者であった渋川春海を描いた映画、天地明察(制作は角川、原作は冲方丁)を観た。観測により古い暦を廃して新しい暦を作ったという話で、そこには上毛かるたに「わ:和算の大家関孝和」と読まれている藤岡出身の数学者、関孝和も登場するなど興味を引くところがあったが、一番惹かれたのは江戸城のシーン。インサートカットとしてほんのチラッとしか映らないのだが、史実に忠実に天守閣は描かれず、焦げ跡残る天守台のみが表現されていた。話の舞台は明暦の大火の後なので当然といえば当然なのだが、角川もよく判っているではないかと思った次第だ。

そう言えば、2020年の東京五輪までに江戸城天守閣を再建しようという動きがあるらしい。総工費約350億円というから相当な費用が必要となるが、例のドタバタ競技場に比べればかわいいものである。観光シンボルとしては言うに及ばず、再建には国産の木材を使うという話なので、不振を極める国内林業への特需も期待できよう。何より、日本伝統の木材建築技術を世界に知らしめる、いい機会ではないだろうか。

20160106

まるで火事でもあったのかというほどの朝焼け。三が日は荒れもせずによく晴れたが、今週末辺りから冬型に戻るようだ。

お願いだから動画は横位置で撮影して欲しい。できればそういう法律を作って規制してでも何とかして欲しい。と、まあ後者は半分冗談だが、縦構図で撮影された動画ほど見づらく不快なものはないのは事実だ。

スマホの普及とSNSの台頭で、今や一般人が撮影した写真や動画が情報として溢れかえっている。特に速効性の必要なニュース系では、現場に居合わせた人の撮影した写真や動画を日常的に目にする時代になった。どんなに撮影技術が高いプロカメラマンであっても、現場にいなければ撮影はできないから、それは至極当然のことだろう。

スマホは縦長であり、片手で保持するときも縦に構えるほうが自然なので、そのまま撮影すれば縦位置構図の写真となるのは自明の理である。横位置構図で撮りたければスマホを横に構えれば良いだけの話だからだ。これは専用機であるカメラで写真を撮ることに置き換えれば判りやすいだろう。

が、それを意図してない限り、ビデオカメラを縦位置構図で構える習慣はない。なぜなら出力装置であるテレビやモニターは、これまた意図してない限り横位置で眺めるものであり、それは歴史的に見ても恐らく今後も変わることはない..デジタルサイネージとかは意図したものなので別の次元の話だ..だろう。

それに人の目は動いているもの、もしくは映像を見る場合、眼球の構造からも判る通り、左右方向の動きへは無理なく追随できるが、上下方向の動きには適していない。それが冒頭の「動画は横位置でお願い」の理由なのだ。

ただ、スマホは縦に構えることが自然であると前述した通り、インターフェイスとしてそれは間違っておらず、この問題は撮影する側に起因するのでない。基盤に配置したセンサーからの情報を、何も考えずに単純にそのまま記録して格納する仕様を良しとしている、世の中のスマホ全メーカーの責任に他ならない。

百歩譲って、映像文化自体ろくに理解していないであろう中韓のメーカーや新興ベンチャーはしかたないとしても、放送機器やビデオカメラ、出力装置であるテレビまで販売しているS◯NY..伏せ字になっていないか(笑)..でさえこの体たらくなのだから、こいつらもう何も深く考えてない、絶対にアホちゃいますか、って感じである。

写真には絵画同様に構図という技法があり、それは文化と言っても良い。が、動画にはそんなものはない。誰が決めたって?何をどう言われようとも無いものはない、見づらいものは見づらい。そんな簡単ことも判らず、頭の悪いメーカーの設計者は、漫然と間違ったインターフェイスのデバイスを今日もせっせと考えているのだ。

スマホは出来ることはやり尽くして、もはや安定期に入ったとか言っているメーカーの話も耳にするが、冗談ではない。世界初4Kスクリーン?掌に収まるような小さなデバイスで、そんなもの一体誰が違いが判るというのだ。目を付けるとこそこじゃねぇべさ。YouTubeとか眺めていると酷いもんだが、映像文化がこれ以上無法地帯と化してしまわないよう、是非とも早急な対応を望みたい。

じゃあどうするかって?そりゃ簡単な話だ。

縦で構えようとも横で構えようとも、動画の場合は横位置構図で記録すればいいだけだ。そしてそれはデフォルトであり、意図して縦位置構図で撮りたければ、その時は設定で変更すればいいだけの話である。こんなことはハードにはまったく依存しないので、ファームアップで明日にでもすぐに対応できるはずだ。

さあこれを読んでいる全スマホメーカーの設計担当者たちよ、いますぐ立ち上がって行動せよ!

20150921

写真は一枚の絵として完結したものであり、表現方法として縦位置構図で撮ること自体に意味がある。

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風景写真家の新井幸人氏撮影によるタイムラプス映像『Time Lapse of OZE』をYouTubeで公開中。

タイムラプスの撮影機能は今やカメラに標準で組み込まれるスタンダード機能であり、YouTubeなど眺めているとまさに百花繚乱だ。特に海外のアーティスト系の作家の作品は手間暇掛かってるものが多く、見ていて飽きない。

微速度撮影という日常的な視覚の域を逸脱した映像なので、いつも目にしている眺めでもそれなりではあるが、前述した海外の例でも判る通り、やはり美しい景色を時間をかけて映し込んだ映像のほうが見栄えがする。

観てよし歩いてよし撮ってよし。尾瀬は自然景観では文句なく国内屈指の環境を誇るが、そんな尾瀬を朝に夕にそして夜..さらに鳥のように空からも..にと時間を早めて眺めるのは実に新鮮である。

 
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ありそうでなかった、ドローンによる尾瀬のエアリアルショット映像『OZE Aerial Shoot』をYouTubeで公開中。撮影は尾瀬を中心に活動する風景写真家の新井幸人氏によるもので、先行して今年の正月に群馬テレビで特番も組まれた。

新井幸人 尾瀬 空撮映像

ドローン絡みの事故や事件のせいで、都市部ではすっかり肩身が狭くなったマルチコプターによる空撮だが、大自然の中ではその能力を遺憾なく発揮して、大空を舞う鳥の気分で尾瀬の高層湿原を高みから眺めることが出来る。

事前に所管する環境省の許可を得たのは当然のことながら、撮影は早朝など人影の少ない時間帯やシーズンを微妙にずらすなどして、景観を楽しみに訪れている行楽客の迷惑にならないようなるべく配慮して行われている。それと共に期待された効果として、湿原中央部など通常木道から観ることが出来ないエリアを撮影することで、以前から問題になっているシカの食害による植生被害の状況も明らかになった。

先日新装開店なったネイチャー・イメージングでは、番組制作やCM向けに新井幸人氏の映像集をフッテージとして取り扱っているので、その筋の方々に是非ご利用いただければと思う。

 
ネイチャー・イメージング

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4K、8Kと騒がれて久しいが、いつ頃世の中には普及するんだろうね、という話をよく聞かれる。この質問の真意はいつ頃「テレビ放送」されるのだろうか、という意味で概ね間違いないだろう。

が、そういう意味ではテレビ放送が2011年のFHD化(いわゆる地デジ化)のように、国策で一気に押し進むようになることはない無いと見て良い。少なくても私の世代が現役でそれを迎えることはない、というのが個人的な見解である。

私らは言わずと知れたテレビ世代であり、テレビ放送が国民的娯楽だった時代に観て育ってきている。が、インターネットが普及してから以降、何かコンテンツをモニターやスクリーンで愛でて楽しむという行為は、今やテレビという枠に囚われることなく、PCやスマホなどスマートデバイスに様々に広がっているのである。それが今日テレビ放送業界で嘆かれる、視聴者のテレビ離れの原因の一つに他ならない。

話を4Kに戻すが、面積比で2倍の4KはFHDの4倍の情報量を持つ。この膨大なデータ量を現在地デジに使われている通信帯域で出力する事は不可能なため、ここを解決するために国策の発動となるのだが、2011年の地デジ化でそれをやって国民に負担を敷いたばかりでまた同じことを行うのは、いかにも国民を愚弄するというもの。そこで業界こぞって期待するのが映像コンテンツ最大の祭典、東京五輪であろう。

ちなみでここ言う業界とはテレビ放送業界のことではなく、4K・8Kテレビを買って欲しいメーカー各社のことである。何しろ地デジ化特需の最大の恩恵を受けつつ、その後の買い控えの影響で業績不振に陥っているのはそのメーカー各社なのである。4Kテレビを何としても買って欲しい業界にとって、東京五輪は心待ちにするイベントなのだ。

が、その4K・8Kの普及で、一番被害を被るのはその為の過剰な設備投資を求められるテレビ局であり、テレビ離れがより深刻になると思われる未来において、どうしてそんな投資をしなければならないのだというのが本音だろう。テレビ放送が4Kになったからといって、視聴者が急にテレビの前に戻ってくるほど甘いものではない。見飽きたお笑い芸人の顔を高画質で観て何が楽しいというのだ。

つまり4K普及の鍵は、その高画質を活かせるコンテンツの提供にかかっているということだ。放送で流せない..一応、2020年迄のロードマップでは可能となっているが、それは対外的な問題である..となると、ではどこで4Kコンテンツを観るのかという話になるが、それが可能になるのはケーブルテレビやインターネットでのVODサービスが今のところ有力である。

VODとはビデオ・オン・デマンドのことで、試聴する側が観たいときにコンテンツを選んで観るというサービスのことである。BS波で放送している有料サービスのWOWOWなども、インターネット上でVODサービスを行っており、同様に既存のテレビ局でも少しずつ試行錯誤が始めっているところだ。

そして普及に向けたもう一つ鍵が、DVDやBlu-rayと同様のディスクメディア規格である「Ultra HD Blu-ray」だろう。前述のVODサービスがあれば十分だろうという向きもあろうが、金を払ったコンテンツを手元に置いておきたいという購買心理と同時に、通信帯域を気にせず本来の高画質を楽しめるという点では、Ultra HD Blu-rayに分がある。

もちろん、規格が決まってもそれ相当の優良コンテンツを提供できなければ後がないという点では、放送と同じであることは言うまでもないが。

20150809

7月に入ってからキジバトがヤマボウシで子育てを始めて、しばらく様子見..というか今回は意図的に無視していた..していたが、残念ながら今年も失敗に終わった。巣を造った枝も昨年とまったく同じ場所で心配していたが、今年もノラにやられたようである。雌が抱卵中に雄がよく家の前の電線で鳴いていたが、そういう行為を見逃さないのが野生の世界なのだろう。

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避暑トンボ

2015/7/21

20150721

避暑トンボが庭先を飛び交っている。梅雨の間はひっそりと枝先や草の先っぽに留まっていることが多いが、梅雨明けを察知して朝からスイスイ飛び回っている。体色はまだオレンジ色であるが、ひと夏を過ごして外界に下る頃には、名前の通り赤く成熟していることだろう。

犬連れ散歩中に道脇のアキアカネを手持ちハイスピード撮影。アキアカネは一旦飛び立っても、虫を無事に捕食するとまた同じ場所に戻ってくるので撮影は容易い。ただ、この後試しにホバリング中の個体を狙ってみたが、P900ではそれはさすがに無謀というものであった..

P900は一応ハイスピード撮影が可能である。ただし、メーカーの製品ページでもそこにはまったく触れていないので、特筆すべき機能ではないし、そもそも仕様を見ればああそうね的なものに過ぎないのはすぐ判る。先日記事に書いたソニーのサイバーショットRX10 IIとそこは一線を画していると言ってよい。

フレームレートは480で4倍、720で2倍となり、ハイスピード感を期待できるのは当然480のほうだが、4Kの影がチラチラしているこの時代に、今更480はねぇよな、というのが普通の感覚であろう。

出掛けに10分程度、軒下のツバメの巣でちょこっと試してみたが、それでも手持ちで超望遠領域のハイスピード撮影ができるのは大したものだ。Web等で資料映像として使うには、まあこんなもんだろうといった感じである。

20150623

恐らく2回めの繁殖であろうか。そろそろ巣立ちも近いだろう。