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コンデジの動画撮影機能は、割りと黎明期の頃から標準装備であったが、それこそオマケ機能の粋を出ておらず、お世辞にも積極的に使おうというレベルのものではなかった。それが何時頃からか、フルHDの解像度(1920×1080)を記録できるようになって、WebやYouTube的にはまったく気にならないレベルになってきているカメラもある。

コンシューマ向けのハイビジョンカメラの歴史は2004年にHDVから始まったが、その頃のビデオカメラに比べれば、今どきのコンデジ動画もそんなに悪いものではない。専用機でないため、音声収録やスチルカメラ然とした操作性による問題はあるものの、メモ代わりに記録すると考えれば必要十分だったりする。

で、ご多分に漏れずP900でも動画の撮影は可能である。センサーはスチルカメラであるため3板ではないが、サイズは1/2.3型なので少し前のコンシューマ向け専用機と同じである。フレームレートも今どきフルHDは当然としても、生意気にも1080/60pで記録できる辺りは、運動会やアクティブな撮影領域もターゲットにしているのだろう。特に本機の特徴である24-2000mmという83倍ズームは、趣味性の高い分野では強力なセールスポイントになっている。

そんなとんがった異端児P900で、フッテージ屋としてはあるまじき行為..意図的に狙わない限り映像素材は三脚が必須..である手持ち撮影を試してみた。特に2000mmを手持ちで撮影するという禁断の行為が、どの程度視聴に耐えるうるか、という点がサンプル映像の主旨である。

まずは畑でさえずるヒバリを2000mmで撮影。犬連れで歩行途中という条件であったが、やはり2000mmの画角を安定的に保持するのは難しい。中央に位置するAFフレームで捉え続けないと、すぐに背景にAFが引っ張られてしまうので、撮影中の意識はどうしてもそこに集中してしまい、かえって画面が小刻みに動くという結果である。

なんてタイトル付けると、流行遅れの話題に乗ったのかと思われそうだが、これはれっきとした映画のタイトルである。あ、いやそっちの米の国の雪女の話ではなく(汗)、昆虫写真の大家、栗林慧氏が撮影と総監督を務める3Dネイチャードキュメントのことである。

栗林氏は、私のようなアニマ世代にとっては言わずと知れたNPS..ネイチャーフォトスタジオのことでナイコンのプロサービスではない..創設メンバーであり、押しも押されぬ昆虫写真分野では世界的名声の高い写真家として知られている。

大光量ストロボによるハイスピード撮影技術の開発に始まり、超被写界深度接写レンズ、通称「アリの目レンズ」を備えた特殊カメラの開発など、今現在、自然科学の分野で当たり前のように使われている技術を確立したのも同氏である。

そして40年以上も自然科学分野で活躍してきた実績が認められ、科学写真のノーベル賞と言われるレナート・ニルソン賞を受賞(2006年)されたのは日本人では初であり、生物写真の分野で紫綬褒章を受賞(2008年)された写真家も栗林慧氏が初めてである。

映画「アリのままでいたい」は、そんな同氏のお膝元である長崎県平戸を舞台に、ドイツの最新型内視鏡カメラを改造して撮影された、アリの目線から見た昆虫の世界を3D映像でまとめた作品である。最近は虫に興味を持つお母さん方もにわかに増えていると聞き及んでいるので、昆虫少年の夢を掻き立てるような本作を、是非とも親子ともども夏休みにご覧になっていただきたい。勿論、お父さんにとっても昔取った杵柄で、父親復権の役に立つことうけあいだ。

■映画『アリのままでいたい』
■監督:鴨下 潔/撮影監督:栗林 慧/音楽:菅野祐悟
http://www.ari-no-mama.com/introduction/index.html

20150510

先日、これまた動物写真のその世界では有名な飯島マサさん..もNPSメンバーのお一人..の紹介で、栗林先生にお会いする機会を得られた。前述したとおり、私にとってはアニマ時代からの憧れの写真家で、それはまさに雲上の方なのである。御年75歳!とは思えないその颯爽とした佇まいと、経験からくる言葉の重みに、すっかり酔うことも忘れて少年に成り下がった私であった。

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ハリウッドゴッジーラのフィーバーに沸く夏休みということもあって、以前のオリジナルシリーズに続いて、平成ガメラ3部作をBSで流している。

円谷プロ時代の昔から続く怪獣ものやウルトラマンシリーズに共通して言える点は、その目線の高さ、つまり撮影アングルである。もともと怪獣映画にリアルさも何も無いもんだが、我々が体長数十メートルにもなる怪獣たちと同レベルの目線になることなどないわけで、そこを人の目線に揃えてあると嘘っぽさが幾分か軽減するのである。ガメラを見るときはやや見上げで、アングルを上げる際はやや引いて撮るわけだ。

特にCGとちがって特撮ものは編集で合成となるので、撮影時の光源の違いからなかなかリアル感は出せないのだが、目線の高さというのは鑑賞者には結構効きてくるものであり、平成ガメラシリーズはそこに少し気を遣っているようである。

何より自衛隊の全面協力のおかげで、登場する戦車も飛行機も自衛艦もすべて本物であり、実際の攻撃で使われる装備も実在のものなので、従来のゴジラシリーズよりは設定がより現実っぽく感じるのだ。そういう意味では先日観たハリウッド版ゴジラの世界観は、平成ガメラのそれに近い感じを受けた。

世界観と言えば、平成ガメラシリーズの一作目は1995年であり、作品内も同年代を設定してあったのだが、その中の視点が20年近く経った現在とそう変わらないのが興味深い。

■科学で栄えた古代文明が怪獣を生み出し、そのせいで自分たちも滅んだ。
→現代社会も核を生み出しその利用方法で論争になっている。
→プルトニウムの半減期は約2万4000年とほぼ手に負えない数値。

■自衛隊の先制攻撃のためには新たな法案を必要とする。
→怪獣相手の自衛権と言えど先制攻撃は許されていない。
→市街地上空でミサイル攻撃はできない。

■希少生物である怪獣の保護を目的として捕獲を試みる。
→レッドデータ的な生きものを殺すのはいかがなものか的な発想。
→米ゴジラ映画でもムートーとかいうヤツを研究してたっけ。

■でも結局は人に害を為す生きものは力で排除しようとする。
→人里に出て人を傷つけるクマは即捕殺する。

■急激な環境の変化が怪獣の生息に適した環境を生んだ。
→地球温暖化など人為的な環境改変が生きものの生息分布を変えている。

などなど。ま、驕る平家は久しからず、ってところですかね。

20140827

しかしまあよく雨の降ること。それもバケツの水をひっくり返したようなという形容がピッタリするドシャドシャした振り方で、熱帯のスコールよりも激しいのではないかと思う。

今日も夕方には一旦止んだと思ったが、西の方からみるみる雨のカーテンが近づいてくるのが見えた。

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米ゴジラ寸評

2014/8/20

ちょっと前にハリウッド版ゴジラを観てきたが、前評判ほどの面白さもなく今ひとつな出来栄えで、大金掛けたCGの凄さだけが目立つシロモノであった。

相変わらずのチャイニーズ風ジャパンの扱いはまあ仕方ないにしても、やたら宣伝マンよろしくあちこち露出していた世界のケン・ワタナベのアレは何だったんだろうか。何をするわけでもなく、常に画面から一歩引いた位置で、眉間にシワを寄せているだけなので、単なる説明要員と化していたのには参った(苦笑)。オリジナル版で世界を救った芹沢博士はどこ行った!

ハリウッド映画の常で、米軍全面協力だからその活躍場面はある程度仕方ないにしても、冗長的且つ中途半端な家族愛..そして吹き替え版の声優のヘタレ加減は半端ない..など蛇足以外何ものでもない。しかも半世紀以上前のオリジナル版に込められた反核のメッセージを真逆に盛り込むっていうのは、アレはありなんだろうか。日本人として脳天気にゴジラ、ゴジラと騒げない複雑な気持ちになったのが正直な感想であった。

まあそれでも前作?で魚食ってた巨大なイグアナのバケモノに比べれば、いわゆる正しい怪獣映画であったのは確か。米軍の活躍とか書いたものの、その攻撃はまったく刃が立たない設定は日本の怪獣映画の王道でもある。やはり怪獣映画はその圧倒的な強さで人間の無力さ、愚かさを表現するぐらいでないと面白くない。そしてそれを倒す力もまた人智を超えたものでないとね。

人智を超えたもの、そう、同レベルの生きものや強大な自然の力、それに宇宙人だね。前者ならモスラやキングギドラ、後者は言わずと知れたM78星雲からやって来た光の巨人とかかな(笑)。とまあ冗談はさておき、すでに続編らしきものも決まったらしいので、次回は是非とも怪獣大決戦的なカタストロフィでお願いしたい。

20140820

とにかく蒸し暑い。気温はそんなでもないのだが、湿度が高いのがいただけない。思考能力が平時の50%を切っているようで、人としてのパフォーマンスすら落ちてきている。

と、今日は午後遅くに久しぶりに夕立がやって来た。まるで台風並みに横殴りの風雨であったが、止んだ後はすこぶる過ごしやすくなった。夏はやっぱ夜仕事するほうが効率がいいね。

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空飛ぶクジラ

2014/6/29

GoPro続きでもう一つ。こちらは海の中を飛ぶように泳ぐザトウクジラ(英名 Humpback Whale)の空撮映像。だ。

大きくけたたましい有人ヘリコプターではなかなかここまで空から近づくことはできないが、小型ドローン..いわゆるラジコン操縦の無人ヘリのこと..ならご覧の通り。巷ではいろいろ言われるレンズの歪みも、かえって海原の雰囲気を誇張していて悪く無いと思う。

ところで今流行のドローン撮影だが、今後は結構規制がかかりそうな感じだ。風光明媚な観光地や景勝地では、順次許可制になっていく可能性が高い。米国のヨセミテ国立公園ではすでに禁止になったようなので、早晩他の国立公園でも同様の事態になるであろう。

実際に墜落事故も各地で起きていて、小型とはいえ人混みなどで落ちれば人身事故にもなりかねないので、まあ当然といえば当然だ。それに美しい景色を眺めているそばから、エンジン音響かせた飛行物体が目の前を飛んだ日には、興冷め以外の何物でもない。人はドローンを観るために景勝地を訪れるわけではないのだから。

それにしても、映像を撮るものとしてやはり空撮には触手を伸ばしたいと常々思う。鳥のように空から俯瞰して眺めるという非日常的な絵こそ、オープニングやエンディングなどインサートカットとして申し分ないのだ。GH4クラスの小型カメラなら普通に飛ばせる製品もあるので、4K空撮は是非とも撮ってみたい。

ただそこで問題なのは、万が一墜落した場合、ドローンとカメラの両方を同時に失う可能性がかなり高いという心配だろうか。先のザトウクジラの映像など、落ちれば真っ逆さまに海の中なので、ヘタすれば回収すらできない状況になる。そんなわけで、ドローンによる空撮を実現するためには、投資と勇気を天秤にかけ、うまいことそこに気持ちの折り合いを付けなかればならないようだ(苦笑)。

20140629

クジラに限らず、海の中を泳ぐ生きものは、視点を変えてみれば空を飛んでいるように見える。海の中から上を見上げればまさにそれがそのシチュエーションなのだが、それにしても空撮同様に素人には一筋縄ではいかない世界なのは確かだ。

海のクマ

2014/6/28

日本には生息していないが、シロクマのイメージとして動物園では馴染み深いホッキョクグマ。私がペンギンの仲間と並んで野生種として一度は観てみたいワイルドライフの筆頭である。

ホッキョクグマは20万年ぐらい前にヒグマから分かれた、ほ乳類としては比較的新しい種である。そういった事情からか、ヒグマとは見た目の印象はだいぶ違うものの、互いに交雑してもハイブリットとして生活していけるほどいまだに近縁であり、実際にそういった事例はカナダ北極圏では散見される。

餌資源をアザラシに依存するホッキョクグマが、その生活史ともども海に依存しているの知られた事実である。そんな彼らと陸棲のヒグマの接点が増えているということは、海で餌が獲りづらくなったことの裏返しでもあるわけだ。

地球温暖化の影響と言われるように、北極海で通年を通して氷が減少、または海の開ける時期が早まっている事実はここでは割愛するが、海に閉ざされる期間が短くなることは、北極海に航路を求める人間にとってはありがたいことであっても、その為に進化してきたホッキョクグマには迷惑千万な話であることは明白である。

このまま氷が減り続けると、再びヒグマに戻るか種として絶滅するか、そんな選択が彼らを待ち受けていることになる。訳あって分科した種が、その求めた環境の変化によって絶滅に向かうことは、地球の歴史の中で何度も繰り返されてきた事実ではあるが、我々人類の生活圏の拡大によって引き起こされるとするならば、ワイルドライフを愛するものとしては複雑な気持ちにならざるを得ない。

あくまでGoProのプロモーション映像だが、最近観たショートムービーとしては秀逸な出来だと思う。ホッキョクグマの学名「Ursus maritimus」は海のクマを意味するが、まさにそれが短い映像の中に表現されている。

ただ、この映像を見てホッキョクグマは単にお泳ぎが上手いクマなんだな、で終わってはいけない。どんなに泳ぎが上手かろうとも、海を終の住み処とするアザラシには到底及ばないのだ。ホッキョクグマが泳ぎに優れたクマであるのは、あくまで海氷間を移動するために習得した能力であり、これをもってアザラシを狩るわけではない。

もし、アザラシを狩るためには海が凍るという状況が必要なんだ、そんな深読みがこの映像からできるようになれば、ワイルドライフのその圧倒的な生きざまを映像に残すという作業自体、途方もなく手間のかかることだとしても、意味があることだと思えてくる。

20140628

旭山動物園のホッキョクグマ展示室の廊下に描かれた絵もまた秀逸だ。展示の斬新さに話題が集まる同園だが、そこに至る導線への配慮も忘れてはならないだろう。

魅惑の王国

2014/6/8

今更感もあるが、映画「ネイチャー」のことを少々。


20140608

あまり事前に情報を集めず観に行ったのだが、観てすぐに気づいたのは邦題への違和感である。

ネイチャー(自然)などとはあまりにも大仰で抽象的なタイトルだなと思ってはいたが、案の定、大雑把でいい加減な邦題タイトルであった。もちろん邦題なんて日本の配給会社が付けるものだが、日本人をナメてんのかと言いたくなるようなセンスの極みである。原題は「Enchanted Kingdom 3D」なので、「3Dで魅せる魅惑の王国」とかいうのが正しい表現だろうか。

制作はアース、ディープ・ブルーでお馴染みのBBC EARTHで、これでもかってくらい金が掛かっているのがヒシヒシと伝わってくる映像である。滝クリのナレーションとやたら押し付けがましいBGMが少々耳障りではあったが、ハリウッドの3D特撮技術がつぎ込まれているので、ゼログラビティ同様に観るなら絶対3Dがお勧めだ。YouTubeの同チャンネルを普段から観ていると、どこかで見たようなシーンが出てくるが、映画館の大きなスクリーンではやはり迫力が違う。

しかし、ネイチャーなんて聞いて映画館に足を運ぶと、アースのような世界の自然映像が観られると勘違いする人が続出しそう..自分がそうだったからね(苦笑)..だが、映像の舞台はアフリカ大陸とその周辺の海洋である。BBCはアフリカにずいぶんとお金を落としている..元宗主国がいっぱいあるしね..ので、この手の手の込んだ映像制作ならアフリカが一番やり易いだろうと思われる。

鑑賞中はいつもの悪いクセで、これはどうやって撮っている..メイキングを見る限り撮影は4Kカメラを2台並べて撮っているようだ..のか、といった映像制作者の視点につい立ってしまうことが多いが、さすがに4K3Dの美しくそして驚きの映像群には思わず引き込まれてしまう。しかも特撮なので、アングル、時間軸、距離感などは非日常の世界であり、普通に生活している限りまずお目にかかれないシーンの連続である。プロモーションで史上最高の地球旅行と銘打っているが、「地球」の部分を「アフリカ」と置き換えれば、確かにそういった風情の映画である。

ちなみに基本的なストーリーは、生きものが生きるために必要とする要素の一つ、水がテーマとなっている。雨、川、湖沼、海、氷など、そしてそこで繰り広げられる生きものたちの世界が描かれている。

「ネイチャー(原題:Enchanted Kingdom 3D)」予告編

こちらはメイキング映像。映画館ではエンディングロールの後に4分弱のメイキングを観ることができる。

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4Kの使い道

2014/6/3

4Kを放送やビデオのフォーマットと捉えると、それは先日記事にした通りなのだが、映像素材として捉えると、実はいろいろ使い道が広がったりして面白いのである。

まず、現在標準のフルHD..つくづく妙な日本語だが、これはすべてソニーとパナが悪い..は約2Kである。単純に考えても4Kは面積比でその4倍の解像度があるため、最終フォーマットが2Kであるなら、編集の際に最大で1/4にトリミングすることができる。簡易的に望遠効果を上げたり、演出上のズーミングやドリーショットなどショットトランジッションを編集段階で行えるわけだ。

もちろん、予め準備して撮影に挑むのが本筋ではあるが、特機など使わずに低コストで映像制作をする点で、すでに業界内では使われている手法である。

また、4Kから2Kへのダウンコンも画質面では有利に作用する。HDからSD(主にDVD)へのダウンコンは期待したほど機能せず、最初からSD画質で撮ったほうが総じて良い結果となったが、4Kの場合はその圧倒的な情報量が功を奏し、2Kで撮った映像より4Kからダウンコンした2K映像のほうがきれいである。それに関連してノイズ対策に有利に働くことも、高感度で撮影したデジタルカメラの画像をより小さいサイズに縮小してみればすぐに判る話だ。

動画ではないが、4Kになって静止画の切り出しも実用的になった。4Kはその情報量から必然的にプログレッシブなので、1フレームが1コマを現すことになる。4K動画の任意の1コマを切り出した静止画は、その時点で立派な800万画素のデジタル画像となり、すでに一頃のデジタルカメラと同等である。800万画素もあれば雑誌の見開きや広告には必要十分であり、時間軸の流れの中から適切なカットを選び出せるのは、ある意味革命的でもある。

ただ、静止画の切り出しには注意が必要である。動画は撮影時のシャッター速度に制限があり、概ね1/30〜1/100程度が望ましい。しかし、実際に動画から静止画を切り出してみると判るが、被写体が動いている場合は大抵ブレているのである。動画の場合はそのブレが自然な動きを見せる..目の錯覚を利用しての話..のだが、静止画の場合はそれでは都合が悪い。

そこで、二兎を追う者は一兎をも得ずということで、静止画の切り出し前提の場合は、通常のスチル撮影同様に明るいレンズでシャッター速度をなるべく早くして撮るのがベストだ。動画ではタブーのパラパラ漫画状態を意図的に作り出し、4K30Pなら800万画素秒間30コマの超高速連射機として使うわけである。

4Kはまだまだ過渡期のものであり、今後もしばらく2Kと共存していくと想像する。ちょっと前に業界こぞって3Dを持ち上げて見事に失敗した..映画の世界では生き残ったけどね..が、使い方の面では3Dは時代の徒花だったと言えるだろう。その点、4Kまたは8Kは素材としてジワジワと浸透していくように思う。

4Kだから4Kフォーマットの映像を出力しなければならないのではない。4Kだから動画を撮らなければならないのではない。4Kから高画質の2K映像を出力しても、はたまた4K動画から高画素のデジタルスチル画像を切り出してもいいのである。要は使い方次第なのだから..

20140603

今、キリの花が見頃である。その独特の青い花は、田舎の初夏の風物詩だ。

田舎の里山環境で、民家の周囲にクワなどと並んでよく見られる木にキリ(桐)がある。木材としては軽く、湿気を通さないため狂いが少なく、しかも燃えにくいという性質が知られているため、古くから家財道具の材料として使われてきた。成長も早いので、女子が生まれると庭先にキリを植え、結婚時に嫁入り道具としての箪笥を作るという風習は、その代表的な例であろうか。

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4K始めます

2014/6/1

と言ってもうちの業務の話ではない。

鳴り物入りとは到底言えないような状況で、いよいよ明日から4Kの試験放送が始まる。放送はNHKやCSチャンネルなど一部の中のほんの一部に過ぎず、4K放送..試験放送と一応は銘打っているが..始めましたという既成事実づくりにほかならない。

視聴のためには4Kテレビや専用チューナーに別途投資が必要という事実を前に、3年前に地デジ化を余儀なくされた消費者の、一体誰がそんなものにホイホイと手を出すというのだろうか。4Kの次、2020年の東京五輪の頃にはスーパーハイビジョンの8Kの影もちらついているしね。

肝心の放送局が4K投資に及び腰で、4Kコンテンツなどまったく揃っていない。今回の試験放送もスポーツ中継をダラダラ流すだけの手抜きであり、とてもそれだけのために40万も50万も出せないというのが実情だろう。

機器の現実的な価格帯への推移と、視聴者の望む適切な4Kコンテンツが揃わない限り、地デジ化の時の再来とはならないのは明白だ。恐らくは現在の2K放送がこのまま変わらずスタンダードとなり、望む人たちだけ4K放送を試聴する、そんな時代になるのだろうと想像する。

20140601

近所でもレタスが巻き始めた。5月前半の気温が低くて農家が心配していたが、先週辺りから急激に暑くなって、いろいろが帳尻を合わせ始めている。そう言えば、今朝方、半月遅れでエゾハルゼミが鳴き始めた。

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写真にしろ映像にしろ、これは一体どうやって撮ったのだろうか、そう観る側に思わせたなら、それは一流のエンタテインメントと言っていいだろう。

VFXのような編集上の技術ではなく、アングルも含めたカメラワークでそれが実現できれば、それがドキュメンタリーというカテゴリであっても、そう異論はないだろう。

クレーンで釣ったりヘリで空撮してみたりと、昔から様々な撮影技術が考え出されてきたが、それら特機のような大げさなものでなくても、小型で高性能なカメラが出現したことで、コストをかけずに大胆なアングルでシーン演出することが可能となった。

GoPro HEROシリーズなどはその先鞭をつけた代表的なカメラだが、PVとはいえ率先してメーカー自身そのソリューション的な映像を配信しているあたりは、さすがだといつも感心している。

これは先日発表された新型モデルHERO3+のプロモーション映像で、既視感もあってどう撮っているかなど手の内はすでに判り切ってはいるが、それを差し引いてもエンタテイメントとしては尚秀逸だと思う。

カットのつなぎも素晴らしく、観ていて良い勉強になるしね。

20131003

今日は昼頃から風が強くなって予定していた外ロケは中断。

その帰りに村内で道を横切るカモシカに遭遇したが、親子だったせいか珍しく撮影前に足早に逃げられてしまった。