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お願いだから動画は横位置で撮影して欲しい。できればそういう法律を作って規制してでも何とかして欲しい。と、まあ後者は半分冗談だが、縦構図で撮影された動画ほど見づらく不快なものはないのは事実だ。

スマホの普及とSNSの台頭で、今や一般人が撮影した写真や動画が情報として溢れかえっている。特に速効性の必要なニュース系では、現場に居合わせた人の撮影した写真や動画を日常的に目にする時代になった。どんなに撮影技術が高いプロカメラマンであっても、現場にいなければ撮影はできないから、それは至極当然のことだろう。

スマホは縦長であり、片手で保持するときも縦に構えるほうが自然なので、そのまま撮影すれば縦位置構図の写真となるのは自明の理である。横位置構図で撮りたければスマホを横に構えれば良いだけの話だからだ。これは専用機であるカメラで写真を撮ることに置き換えれば判りやすいだろう。

が、それを意図してない限り、ビデオカメラを縦位置構図で構える習慣はない。なぜなら出力装置であるテレビやモニターは、これまた意図してない限り横位置で眺めるものであり、それは歴史的に見ても恐らく今後も変わることはない..デジタルサイネージとかは意図したものなので別の次元の話だ..だろう。

それに人の目は動いているもの、もしくは映像を見る場合、眼球の構造からも判る通り、左右方向の動きへは無理なく追随できるが、上下方向の動きには適していない。それが冒頭の「動画は横位置でお願い」の理由なのだ。

ただ、スマホは縦に構えることが自然であると前述した通り、インターフェイスとしてそれは間違っておらず、この問題は撮影する側に起因するのでない。基盤に配置したセンサーからの情報を、何も考えずに単純にそのまま記録して格納する仕様を良しとしている、世の中のスマホ全メーカーの責任に他ならない。

百歩譲って、映像文化自体ろくに理解していないであろう中韓のメーカーや新興ベンチャーはしかたないとしても、放送機器やビデオカメラ、出力装置であるテレビまで販売しているS◯NY..伏せ字になっていないか(笑)..でさえこの体たらくなのだから、こいつらもう何も深く考えてない、絶対にアホちゃいますか、って感じである。

写真には絵画同様に構図という技法があり、それは文化と言っても良い。が、動画にはそんなものはない。誰が決めたって?何をどう言われようとも無いものはない、見づらいものは見づらい。そんな簡単ことも判らず、頭の悪いメーカーの設計者は、漫然と間違ったインターフェイスのデバイスを今日もせっせと考えているのだ。

スマホは出来ることはやり尽くして、もはや安定期に入ったとか言っているメーカーの話も耳にするが、冗談ではない。世界初4Kスクリーン?掌に収まるような小さなデバイスで、そんなもの一体誰が違いが判るというのだ。目を付けるとこそこじゃねぇべさ。YouTubeとか眺めていると酷いもんだが、映像文化がこれ以上無法地帯と化してしまわないよう、是非とも早急な対応を望みたい。

じゃあどうするかって?そりゃ簡単な話だ。

縦で構えようとも横で構えようとも、動画の場合は横位置構図で記録すればいいだけだ。そしてそれはデフォルトであり、意図して縦位置構図で撮りたければ、その時は設定で変更すればいいだけの話である。こんなことはハードにはまったく依存しないので、ファームアップで明日にでもすぐに対応できるはずだ。

さあこれを読んでいる全スマホメーカーの設計担当者たちよ、いますぐ立ち上がって行動せよ!

20150921

写真は一枚の絵として完結したものであり、表現方法として縦位置構図で撮ること自体に意味がある。

カテゴリ:映画・映像