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貴重な晴れ間

2021/6/26

基本的に週末は山へは出かけないことにしているが、貴重な梅雨の晴れ間だということと、何よりワシ屋にとってこの時期はまさに寸暇を惜しんでの行動が肝要である。

ということで今日は良い天気なので天狗谷へ直行であるぞよ。

FUJIFILM GFX100S

写真はスクエアな在庫から。

やるかやらないか、やるとしても無観客の線でというような議論だったと思ったが、いつの間にやら5千人か1万人かという入場者数の問題に置き換わってしまっているのが、何ともなし崩し的でいかにも日本っぽいな。

ただこの人数問題も政府お得意の詭弁に踊らされてはいけない。1万人という数字ですらあくまで1会場辺りの上限に過ぎず、実際は1日に複数会場で競技は並行して行われるので、合計すれば最大で20万の人が東京近郊で動き回ることになる。

本来危惧されている人流拡大という意味では、1万人すら事態を矮小化しようとする意図が見えか隠れしているぞ。

今夏のデルタ株による感染拡大が危惧されているさなか、2週間の大会期間中に300万人近い人流が起きることを考えると、遅々として進まないワクチン接種の現状を憂う人も多いだろう。

五輪の開催に関しては個人的にはどっちでもよく、バカソーリが壊れたテープレコーダーのように繰り返す「安心安全」がその通りに担保されるならやれば良いと思うが、一部報道にあるような「賭けに出た」というようなイチかバチかみたいな非科学的な判断だったとするなら、その賭けが裏目に出た時の責任は相当に重いということは肝に銘じとけって話だ。

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / ETERNA BLEACH BYPASS

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / ETERNA

梅雨前線が日本列島付近に停滞し始め、いよいよというかようやくというか、入梅時の季節感の様相になってきている。

ここ数日はまだら状の雷雲によるゲリラ的な雷雨が続き、外仕事では頻繁に雨雲レーダーを眺めることになる。

カテゴリ:季節感, 独り言|タグ:,

普段決して耳にすることはないが、どこかで聞き覚えのある涼やかな鳥のさえずりが聞こえてきた。

それは高原をイメージさせる旋律ではなく、冷涼なオホーツクの風を記憶の端から呼び覚ますような感覚である。

周囲を見渡すと、ほどなくすぐ目の前の草むらによく目立つ赤い斑点が見え隠れしているのを発見、双眼鏡を覗くまでもなくすぐにノゴマだと判って思わず「おー!」と声を上げてしまったw

北海道の夏の原生花園ではおなじみのノゴマ。その昔よく北の大地に通っていた頃はよく耳にしていたので、不意を突かれたものの当時のシーンだけがおぼろげに蘇った感じだ。

場所は家から300mも離れていない空き地で、例の若いキツネが営巣しているところでもある。

当然ながらなんでこんな場所にという感じではあるが、移動の途中に休息で立ち寄った場所で目撃される例は普通にあるので、この個体もそういうことだと思われる。実際、午後にもういなくなっていたし。

その昔、と言ってももう30年以上前の話だが、軽井沢の森の中でやはりGW明けぐらいの時期にも遭遇しているので、本州ではこれで2回目ということになる。

ということで、今年の初夏のハイライトはノゴマだ。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

高校生の頃に鳥を観始めて、当時は特にまだ見ぬ北海道の夏鳥に憧れていたが、シマアオジと並んで憧れの双璧だったのがこのノゴマだ。

その一見地味な体色に反してよく目立つの喉の赤さが際立つが、原生花園に流れるそのフルートのようなさえずりが素晴らしい。

今はまだ遠出もままならぬ状況で、今回はたまたま偶然の出会いであったが、また夏の原生花園の舞台でノゴマに出会いたいものである。

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飲食店での酒の提供にはやたら制限をつけて自粛さえ要求しているのに、五輪会場での種類の販売はOKというこの二枚舌の危うさはなんだ。

それを問われて「ステークホルダーの存在があるので」と放言した担当大臣はありゃ何者だって話。

ステークホルダーってそりゃ利害関係者、つまりスポンサーに気を回したってことで、お飾りとは言え現役の大臣が公に「五輪は金のため」と言ったに等しいぞ。

そしてこのオチは一晩明けたら「やっぱり酒の提供はしない」って朝令暮改で、世論の猛反発食らって撤回というバカさ加減に呆れる。

口を開いて適当なことを放言する前に一旦立ち止まって考えりゃわかるはずだが、民意を汲み取れてない時点で国民の方をまったく見ていないことがよく分かるというものだ。

FUJIFILM X-T4 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA / アヤメ
FUJIFILM X-T4 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA / ガマズミ

先日の尾瀬ヶ原でも咲き始めをちらほら見かけたが、近所の農道の路傍ではアヤメが咲き始めた。

同じく防風林では高木の花は終わりつつあるが、ノイバラやガマズミなど低灌木の花が見頃である。

夏至

2021/6/22

昨日は太陽の南中高度が最も高く、日中の時間が最も長かったということになる。すでに1日過ぎているので過去形のわけだが、今日からは逆に昼の時間はどんどん短くなっていく。

もちろん太陽の周期的にはそれで正しいのだが、地球の気温は直射日光でなく地面や海面の温度で温められているので、気候的に気温が高くなるのはこれから2ヶ月程度のことである。

今年も暑い夏がやって来るのか、梅雨入りしたばかりの今の時点では予断を許さないな。

iPhone 11 Pro

奥山の林道でも整備が行き届いているところもあり、簡易舗装で足場が安定していると機材をフル装備出せるのでベターだ。もちろん見たい方向の視界が開けていれば観察地点としてはベストである。

ただ梅雨の晴れ間の日差しは強烈で、照り返しが厳しいのも事実。それでも前日まで雨が続いていると未舗装の林道は荒れてぬかるんでいるので、こういう時は対策を施した上で暑い方を我慢だ。

iPhone 11 Pro

なんか海賊王に俺はなる!って感じw

カテゴリ:季節感, 気象・天体

端境期の尾瀬

2021/6/21

梅雨の晴れ間に久しぶりに尾瀬を歩いてきた。目的は主に開発中のアプリのフィールドテストを兼ねてだが、まあそっちの話は追々。

ミズバショウが終わってニッコウキスゲにはまだ早い、そんな閑散期を狙っての行動で、その狙い通りに人出もまばらでヤマツツジが見頃を迎えた静かな尾瀬を歩くことが出来た。今回はレアな?当ブログの中の人の姿をw

iPhone SE / 尾瀬ヶ原を征く

話は逸れるが、尾瀬ヶ原の特異な景観と自然環境は置いておいて、その尾瀬の何が嫌かって、とにかくあの木道を列をなしてハイカーが賑々しく歩いている眺めである。過去、最盛期に足を運んで何度ゲンナリして帰ってきたことかw

まあそれはさておき、ついでに見たかったのはシカの食害対策の現状である。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO / ミツガシワ

尾瀬はこの20年余りのシカの食害被害が尋常でなく、ニッコウキスゲやミツガシワがだいぶやられてしまっている。

氷河期の生き残りと言われるミツガシワなど、昔は池塘や堀..尾瀬では川を指す言葉..の周辺に多数の群落が見られたが、15年ほど前に撮影仕事で入り浸っていた頃でもすでに数を減らしていた。

Google Pixel 5 / 下ノ大堀川

今回見たかったのはその対策現場。ミズバショウ群落と至仏山の撮影スポットである下ノ大堀川周辺を、ぐるりと防鹿柵..正確にはネット..で囲んだという話を聞いていたから。

高さ自体はこちらの背丈より低いので、この程度の柵はシカが本気を出せば飛び越えるのは簡単だが、ポイントは堀に沿って設置してある点だろう。この状況だと多くのシカは飛び越えるのは躊躇するはずである。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO / ミツガシワ

その下ノ大堀川で見られたミツガシワの群落。この10年のスパンだと、例えそこが木道沿いで人の往来があるところでもこのような群落は壊滅状態だったので、明らかに柵の効果が出ていると考えられる。

竜宮周辺にも同様の柵が掘りに沿って施してあったので、またキスゲの季節に確認に足を運んで確認したい。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO / コバイケイソウ

シカの食べ物という視点だと、コバイケイソウはシカが好まない毒があるので食害自体はない。ただ、年によって当たり外れがあるが、その点は今年は当たり年なのかな。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

狭間の閑散期だったが、奇跡的に前幕の主役であるミズバショウ(写真左)と、次幕の主役であるニッコウキスゲ(写真右)を確認できた。

特にニッコウキスゲは木道沿いではこの1本だけだった。もちろんシーズンはまだちょっと先であるが。

Google Pixel 5 / 富士見田代から燧ヶ岳を望む

閑散期とは言えすれ違う度に受ける挨拶攻撃..時期が時期なんだから少しは考えろよって感じ..には閉口していたので、帰路は竜宮十字路から富士見峠を経てアヤメ平を周ってきた。

しかし、この尾瀬ヶ原(約1400m)からアヤメ平(中原山で約1970m)は富士見峠を経由するとその標高差は600m近くあって、平らなトレッキングコースと思われがちな尾瀬にあって、実はなかなか気合の入るコースである。

鳩待峠から至仏山が標高差で約630mなんで数字的にはそう大差ない。まあ実際の直登は300m程度ではあるが。

iPhone SE / 至仏山を正面に横田代を征く

尾瀬も全体的に設備が色々整備され、竜宮と富士見峠間にも昔はなかった木道があって驚いた。その分、鳩待峠・富士見峠間の整備が放置されているようで気になる。

アヤメ平は尾瀬ヶ原ほど人気がないのでシーズン中でも人はまばらだが、こういうご時世なんでいつ人出が溢れるかわからない。昔のように踏み荒らされる前に木道の整備は急務だろうね。

ってよく聞かれるが、赤城山の中腹だと答えてもピンとこない人は県民にも結構いる。

中腹とは言っても北西麓にあたるので、高崎・前橋など関東平野からは物理的に見えず、まあその気持はわからなくもないけどw

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

写真中央の右に向かって、富士山よりも広いと言われる..群馬県民しか言っていないw..赤城山の裾野に沿って広がる高原状の地形が赤城高原..この言い回し自体が通り名みたいなものだけど..で、レタスなど高原野菜とコンニャク栽培のメッカである。

我が家も写真には写っているはずだが、GFXの1億画素ではないので、さすがにこの距離感ではピクセルの中に埋もれてしまっているだろう。

ちなみに仕事場からこの撮影地点のある尾根はよく見えているが、では向こうから見ていたら見つけられるかと言えばそりゃなかなか難しいかも。

あ、でも冬なら判るな。

カテゴリ:, 独り言|タグ:

SSP(日本自然科学写真協会)が主催、写真家の海野先生が実行委員長を務める「生きもの写真リトルリーグ(2015年〜)」の季節がやって来た。

昨年2020年度は新コロナ禍の影響で残念ながら中止となってしまったが、未だ収まらぬ渦中にあって今年はオンライン開催を目指しているものの、諸般の事情で特別協賛だったパナソニックが降りてしまった..パナのカメラ事業についてはこちらに詳しい..ため、今のところ開催可否は不透明ということである。

イベントの意義について拙者ごときががあらためて言うまでもないが、生きものに関わる写真文化の未来を紡ぐためにも、なんとか開催にこぎつけてほしいと思う。

スポンサーが降りたわけでぶっちゃけ資金難ということになるが、近年はクラウドファンディングによる資金集めは世間的に周知されてきているので、本件についてもそちらで支援を要請するということだ。

興味のある方は是非とも同プロジェクトの支援をお願いしたい。

FUJIFILM X-T4 / LAOWA 65mm F2.8 2× Ultra Macro APO / PROVIA

ノイバラに載っているのはキリギリスの幼生で良いのかな?

XマウントのマクロはXF60mmマクロがあるが、マクロレンズを謳っていながらマクロ域でのAFのピントの迷いには閉口するwので、どうせMFで使うならとLAOWAの65mmの出番が多い。

このレンズは35mm版換算で約3倍相当まで寄れるスグレモノで、胴筐が細くコンパクトなので、カメラバッグの隅に忍ばせて置けるのが良い。

それにしても、EVFで拡大された像がプルプルと揺れるのを見るにつけ、歳とって体幹が衰えてきたことをつくづく実感する。やはり若い頃のようなわけにはいかんなw

手ブレ補正が効いているとは言っても、マクロ域では前後方向へのピント移動が顕著なので、普段風景写真で三脚の必要を感じることは殆どないが、強拡大のマクロの世界では三脚はあったほうが良い。

若いカップル

2021/6/18

朝早く、ひと目もはばからず路上で仲睦まじくじゃれ合うキツネのペア。

我が家から300mほどの雑木林沿いに空き地があって、まだ小さい子どもたちが巣穴にいるはずだが、つかの間の息抜きかもしれない。

キツネの野生化での寿命は意外に短く、5年も生きられれば良いほうだろう。

同じイヌ科の飼い犬に比べるとかなり短い印象だが、餌の確保、交通事故、害獣としての捕殺など取り巻く環境要因はなかなか厳しい。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

近所に数ペアが縄張りを持っているのはわかっているが、この若いペアは新参で、今年に入ってからよく見掛けるようになった。

若いというのはあくまで個人的な印象なので正確なものではないが、少なくとも雄のほうはあまり人..この場合は拙者に対し..を警戒するふうがない。

人に対し警戒心が薄いと、こういう農村部では交通事故に遭う確率が高まるので、もう少し注意してもらったほうが良いな。人は怖いぞ。

カテゴリ:ほ乳類|タグ:

繁殖期を迎えて大半の鳥が子育てに邁進している時期なので、恋の歌をさえずる個体はもうほとんどいない。

今鳴いているのは縄張りの主張であることがほとんどであろう。

それでも例外はあって、例えばホオジロは繁殖期を過ぎてもソングポストでよく鳴いている姿を見かけるし、ウグイスなど逆に繁殖していない若い雄がこれ見よがし?にホーホケキョとやっていることもある。

それぞれに事情が異なるが、基本的に存在感を示すような行動を繁殖期を過ぎればしなくなるのは、捕食者の目にとまるようなことを控える意味でも重要だろう。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS + MC-14

トケン類は托卵の習性があるので直接子育てに関与しないため、この時期でも他の鳥に比べてよく鳴いている。

とりわけホトトギスはそのけたたましい鳴き声で一際存在感を示すが、姿を見ようとするとこれが結構難易度が高くなる。音源からして間違いなくそこにいるはずと断定できるが、展葉した樹冠付近では飛ばない限り見つけるのは困難である。

この時はたまたま樹冠を移動していた個体を捕捉していて、留まったところが運良く枝の隙間から一瞬見えたところだった。

もちろんこの直後に再び飛んで、こちらから見えない位置でトッキョキョカキョクとやっていたw

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