カテゴリ : 写真・カメラ

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着雪

2018/1/14

北部フィールドの空は仕事場の窓からほぼ見えているので、出かける前から天気が悪そうなのは判っていたが、着いてみたらやはり雪模様。

昼前には回復するとは聞いていたが、別件で近くに用があったので、小一時間ほど森の中を歩き回って着雪した木々を撮影してから引き上げた。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

昨今はスマホ文化がカメラの世界にも浸透してきて、背面の液晶モニターをタッチ操作できる機種が、上位モデルにもジワジワ増えてきている。

さすがにコンデジ系のようにタッチ操作を主体とする機種は上位モデルにはないようだが、タッチ操作大いに否定派の拙者としては、冗談じゃねぇぞと気が気ではない。

何が悲しくてカメラまでナデナデお触りしなければならないのか、昭和カメラ親父としては意味不明である。カメラの操作は断固ダイヤルクルクルと相場が決まっているのだ、とフジのカメラを見ながら常々思うのである。

大体、冬季の寒々冷え冷えした氷点下の屋外において、操作の度に手袋を外すなどとは自殺行為に他ならない。と、首から下げたiPhoneが鳴るたび悪態をつくことになるのだが、そんなスマホ的軟弱なUIをカメラの世界にまで持ち込むなんて、声高に断固反対なのである。

冷え冷え

2018/1/13

大寒はまだ一週間ほど先ではあるが、列島に襲来している大寒波の影響で、赤城高原でも連日最低気温を更新しており、今朝は氷点下13℃まで下がった。

外気がこのくらいまで下がると、ストーブを焚いてもなかなか家の中が温まらない。いつもなら日の出前から餌台に集まっている鳥たちも、出勤は日が上ってからになる。

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

タイムラプスで谷川岳のモルゲンロートを撮ろうとしたが、バッテリーが少し減った状態で始めたら、アッという間にドロップして止まってしまった。

X-T2に限らないが、ミラーレス一眼の弱点はバッテリー消費の早さだろう。この辺りはビデオカメラによく状況が似ているので、動画屋として個人的にはそんなもんだろうと思っているのだが、一眼レフからの乗り換え組には辛いところだろう。

にしてもやはりX-T2単体ではバッテリーのもちが良くない。消費量が多いというより、小型さを優先してそもそもバッテリー容量が少ないのが原因だろう。なので冬季の撮影ではX-T2にブースターは必須である。ブースターを装着することで、バッテリー容量が一気に3倍になるからね。

米CESで発表されたGH5sが話題だ。見た目はGH5そのものだが、センサーと画像エンジンはまったくの別物で、ISO51200を常用感度域とし、さらに設定でISO204800まで拡張できる。

米サイトでサンプル映像を観たが、フルサイズの低画素で高感度性能を謳うソニーのα7Sと比べ、動画だと同等、静止画ならGH5sの動画から6Kフォト切り出しのほうがノイズがなくクリーンなのだから恐れ入る。

フルサイズに比べてセンサーサイズが面積比で1/4程度のマイクロフォーサーズが、既存のどの市販カメラより高感度性能が高い、まさに高感度番長の時代が来るとはよもや思いもしなかった。

ただ、高感度に特化したこととバーターで、今どきのスチルカメラとしての性能は抑制されている。センサーサイズはマイクロフォーサーズでも画素数は約1000万画素と二世代前の水準に戻り、GH5で搭載されていたIBIS(ボディ内手ブレ補正)も付いていない。見た目はミラーレス一眼のそれだが、中身は動画専用機で割り切れというメーカーの主張がスペックに見え隠れしている。

それでも似通ったスペックで飽和しつつあるデジタルカメラ市場において、そういう尖ったカメラはアリだろう。常に動画ミラーレス一眼の先鞭をつけてきたパナの面目躍如だ。画素競争の果に高価なレンズを買い換えさせようとするのではなく、オンリーワンを目指そうとうするパナの姿勢は評価できる。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

GH5sに大口径単焦点レンズの組合せでどんな絵が撮れるのか楽しみだ。が、その前にマイクロフォーサーズの大口径単焦点レンズも手に入れなくてならないという問題もあるw

昨年は新しい機材に手を出すことはなかったが、今年は色々動きがあって面白い。何はともあれ、まずはGH5sは個人的には買いのカメラだ。

木星と火星

2018/1/11

明け方の南東の空に、月に寄り添うように星2つ。明けの明星(金星)かと思っていたが、それにしては小さい。

調べてみるとどうやら金星ではなく木星と火星らしい。大きい方が木星で左下の小さいほうが火星のようで、火星は木星より地球に近いところを周っているので、日々時間帯で見える場所は異なるとのことだ。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

最も稼働率の高いフジ大三元の一翼を担うXF16-55は、全域F2.8の大口径ズームと言われているが、夜間や夜明け前においてはF2.8は決して大口径ではない。

その点で、開放F1.4から躊躇なく使用できる単焦点のXF35やXF16の前では、2段も暗いレンズということになろうか。高感度性能の優れたX-T2との合せ技では、両単焦点レンズともこの程度の暗さは何ということもない。

最後の撮影

2017/12/31

今年最後の撮影を空撮で締めくくるべく、冬の凍えた森でドローンを飛ばしていた際、モニター代わりに使っているiPhoneが突然シャットダウンして使えなくなり、一時機体をロスト。

すぐに双眼鏡で天狗号を探し、20秒ほどでロスト位置よりやや北に移動した辺りでホバリング中を無事発見。商売柄、小さな飛翔体を斜面や森をバックに探すのは得意技であり、こういう時に経験が活きるので助かる。

障害物の有無を確認の後、コントローラのホームボタンを押して即刻帰還させ、事なきを得た。山中なので墜落や不時着されると見つけるのは困難になるのと、それまでに撮影していた映像も失うことになるので、こういう時は迷わずゴーホームが基本である。

それにしても、モニターが使えなくなり状況が判らずとも、ボタン一つで離陸ポイントへ勝手に帰ってくるDJIの制御ソフトは秀逸だ。

DJI Mavic Pro

車脇ならiPad Proをモニターとして使うのだが、スノーシューで林道を辿って奥山へ入るため、荷物を軽くすべくiPhone 6を使ったのが仇になったようだ。

恐らくは巷で噂の低電圧でピーク性能を下げるという、古いiPhone問題が関係しているのだろう。これは8かXに替えろという森の精霊の思し召しと受け取るべきだろうかw

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

赤城西麓と利根沼田の大地に2017年最後の日が沈む。さて来年はどんな年になるのだろうか。

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よく冷え込んだ日の明け方、日の出直前のほんの一瞬に魅せるこの微妙な空のトーンが出せるのはフジだけ。

そしてご来光となれば上越国境はいつものモルゲンロートに光り輝く。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

FUJIFILM X-T2 / XF16mm F1.4 R WR
iPhone 6

某所より粋な頂きものが届いた。安っぽいプラスチック製かと思ったら、意外にも耐熱性の陶磁器であった。

ここだけの話、バリバリのC社ユーザーだったのは今は昔。でも一応まだ左側の白レンズと、コースターの型のモデルであろう機種は現役だけどねw

お歳暮..かどうかは定かではないがw..など滅多にもらうことはなく、仮に貰っても右から左へ流しているのだが、何れまたC社機材がメインになることもあるだろうから、戒めの意味も込めてこれは自分で使うことにしよう。

今年もこの季節がやって来た。冬はワイルドライフの行動トレースが簡単でステキ。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

iPhone 6

2軸可変機構というギミックを備えたX-T2の背面液晶モニターもステキ。パナ等に見られるバリアングルモニターでも良いが、この角度で縦位置構図を撮れるのは更に素晴らしい。

今どきウン十万円もふんだくるお高い一眼レフで、液晶モニター一つ動かないどこかの某C社は見習いなさい。え?最近はバリアングルモニターがつく下位モデルもある?殿様商売しやがってやること遅せぇーんだよ、まったく。

ちなみにこの足跡はキツネ。急いでいたのか少し小走り気味。

遅まきながら、フジからRAWデータ現像ソフトがリリースされた。まずはMac版で、Windows版は来年の予定である。

RAW現像ソフトは、ナイコンやC社のように自前で用意しているところもあれば、各社RAWデータに対応したサードパーティのSILKYPIX(市川ソフトラボラトリー製)をバンドル提供しているケースもある。

しばらくEOSデジタルユーザーであったため、現像にはDPPという同社製の無料ソフトを使っていたが、パナを使うようになってからはデータが混在し始めたため、PhotoshopのAdobe Camera Rawを使うことが多くなっていた。

ただ、ACRの問題点は、決して純正の画像エンジンが生成するJPEG画像..カメラが撮影時に出力すると同意..と同じ絵にならないという点である。

初めからレタッチして画像を加工するケースではここは問題にならないのだが、フジのカメラを使う最大のメリットは同社独自のフィルムシミュレーションにあるので、このパラメータがいじれないのでは魅力半減以下なのである。

正確には、色情報やホワイトバランスなど絵作りに必要な情報をいじれないこともないのだが、何度試してもフィルムシミュレーションと同じ色にすることは不可能であった。

もちろん、画像データをSDカードにコピーしてカメラ内現像を行えば、後からでもフィルムシミュレーションを含む撮影時情報の変更を行えるのは他のメーカーと同様であり、面倒でもこれまではそんなことを繰り返してきたのだが、専用の現像ソフトがリリースされたことでその煩雑さからようやく解放されることとなった。

FUJIFILM X RAW STUDIOの特徴は、MacやPC上でフィルムシミュレーションを変更できることで、広大な4Kモニター上で変更状態の前後を見比べながら処理を施せることだが、その処理自体をUSB3.0で接続したカメラ本体に肩代わりさせることである。

カメラボディの画像処理エンジンを使うことで、MacやPCのCPU性能に依存せず無駄なリソースを使わないため、バッチ処理による一括現像が圧倒的に早いのである。DPPを使っていた頃の「現像待ち」ということがほぼほぼないのはありがたい。

まだ初版がリリースされたばかりなので、ソフトとしての使い勝手などは問題あり..拙者はアプリ開発者でもあるのでそういう点にどうしても目が向いてしまうw..なのだが、フジはユーザーに対してのフォローが他社にないほど手厚いので、こういった改善は期待できるであろう。

LUMIX GH5 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

明け方近く、布団の中でウトウトしていると近くの林でフクロウが二声鳴いた。鳴き交わすと思って耳を澄ますものの、その後は鳴き止んでしまった。

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昔から焦点距離50mmは標準レンズと言われてきた。距離感で言えば中望遠である70〜80mm付近だが、画角的に人の目の視界に近いのは対角46°の50mmであろう。

ズームレンズ全盛の今でも、各メーカーとも自社レンズの指標的存在として50mm単焦点をラインナップしており、ZeissのPlanar辺りを除けばレンズ設計でも無理をすることのないレトロなガウス型が多く、F1.2とかF1.4など明るいレンズが多いのも特徴。

F3.5とかF5.6とか、今時のデジタルカメラの高感度性能なら日常使用で何ら問題ないが、やはりF1.4の明るさは捨てがたいし、何より近距離でのボケが全然違う。

FUJIFILM X-T2 / XF16mm F1.4 R WR

ライカ判フルサイズ..このフルサイズという表現には抵抗があるがその辺りはまた別の機会に..の50mmは、APS-Cのセンサーで言えば35mmが画角的に同等となり、当時フジのX-T1と一緒に最初に手に入れたこのXF35/f1.4がそれに当たる。

カメラボディと一緒に単焦点の標準レンズを買うなど、初めて買ったカメラであるキヤノンAE-1以来というくらい久しい話だったが、このXF35/f1.4の作例を海外サイトで見たのがフジのカメラとの馴れ初めであることは間違いない。

今でもキヤノンのFD50/f1.4とナイコンのAiニッコール50/f1.4は持っているが、この当時のF1.4はただ明るいというだけで、正直なところ実際の撮影では使うことをためらう描画性能であった。特に周辺画質は酷いものである。

その点、非球面レンズを用いるなどして、アウトフォーカスのボケにこだわって設計しているとメーカーが喧伝するとおり、XF35/f1.4は開放から十分使える周辺画質性能を持っているので、特に近距離でのマクロ撮影的な使い方で出番が多い。

個人的には、昆虫や花などをクローズアップする撮り方をほぼしないので、マクロ撮影といっても撮影倍率にこだわることはなく、野外ではむしろこの程度のワーキングディスタンスが丁度良い。

仕事では圧倒的にXF16-55/f2.8だが、日常的には同じF1.4ということもあってXF16/f1.4とのコンビが多い。同社の35mmにはより小型のF2モデルも存在し、シャープさでは後発で最新設計のF2のほうが良いという話であるが、C社..なぜここで急に隠語w..EOSを使っている身としてはF1.4モデルでも十分小型である。

巷ではジーコジーコと音を立ててAFが駆動する様が難点と言われているようだが、スナップ用途にはF2モデルが存在するし、個人的にこのレンズに速写性を求めてないのでそこは問題ではない。アウトフォーカスのとろけるようななだらかなボケ方は、その昔好んで使っていたAME(Leica APO-MACRO-ELMARIT 100/f2.8)に匹敵するほど秀逸なのである。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

これらは先月の在庫から。左はF2まで絞り込んで撮影。右はF1.4開放で。うまい具合に切り株に刺さっていた落果、というのは嘘でw、落ちていたいがを適当に置いて演出したもの。

以下余談だが、日本人は箱庭や枯山水を好む反面、なぜかヤラセ..人為的にある行為または事象を再現したもの..を否定的に見る人が多い。生きもの系で言えば餌付け撮影などがまさにそれだ。

逆に海外では普通に行われていることであり、BBC辺りの撮影方法を知ったら、ヤラセを否定する連中は卒倒するのではないだろうか。ヤラセ=後ろめたいではなく、それは演出であると理解すれば良いのである。

藤原の大先輩など、エンターテインメントだと常々言ってはばからないが、大きなインパクトや不可逆的に回復不能なほど現状変更しない限り、映像作家として演出は必要だと思うのである。何事も程度の問題なのだ。

最近記事にフジの機材ネタを書くことが増えたせいか、C社からフジに鞍替えしたのかとよく聞かれる。事実としてフジの機材を使用しているのは間違ってはいないのだが、考え方としてそれは正しくない。

そもそもフジを使い出したのは昨日今日の話ではなく、X-T1と同時なのですでに3年以上は経っている。それにフジ以前に動画機としてパナを7年は使ってきているし、ナイコンなど何をか言わんやで、C社以外という意味ではいつの話だという事になる。何よりC社の機材はまだ所有しているし、仕事では現役なのだから。

考え方が正しくないというのは、現状ではどこか1社の製品系列に縛られることはないというのが今の拙者のスタンスなのであって、それがたまたまフジの製品を好んで使っているという状況に過ぎないからである。

なので間違ってないという前段で言えば、今はC社よりフジとパナを贔屓にしているわけで、C社が拙者の必要と思われる機能を適切な価格で提供すれば、またC社がご贔屓さんになるということだ。そしてそれはSO社もしかりで、現状なら新型α9などはその筆頭であろう。

デジタルカメラ全盛のこの時勢、何も特定のメーカーの枠に囚われる必要などなく、そんな考えは実にもったいないと思うのである。レンズマウント?そんなものはマウントアダプターで何とでもなるし、いざとなればオークションでもフリマでも利用すれば良い。

むしろ新しいテクノロジーやイノベーションを率先して導入する方が、人生楽しく過ごせるのではないか、という達観に至っている次第である。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R (左:マツヨイグサ) / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS (右:ミゾソバ)

南関東では前線の影響で朝から大雨で騒ぎになっているが、赤城高原はシトシト雨程度で終わりそうだ。