今日は二十四節気で言うところの大寒。
本来なら一年のうちでもっとも寒い頃のはずだが、日中には8℃まで気温が上がって終日上着要らずの暖冬であった。
まあ何とも気の抜けた大寒だね。
そうは言っても日が沈めばそこは厳冬期。一気に気温が下がって外に長居は無用である。
瞬く星々が息を潜め、漆黒の闇に碧き帳が降りるが如く空にグラデーションが滲み始める。
やがて宇宙(そら)と地平の境に橙の光の帯が姿を魅せると、急速に世界は白み始め、そしていつもと変わりない喧騒の時が刻まれ始める頃、赤城山の夜が明ける。
何も見えないということがあらゆる雑多な日常から思考を遠ざける。夜が明けるということは、そのすべてが再び白日の下にさらされることであり、しかしそれは人が生きていく上で必然的な現実という常に当たり前の繰り返しでもある。
ダークからブルーへ、そしてブルーからアンバーへ。BLUE MOMENTの世界へようこそ。
ダークアンバーやオレンジと言えばソニーαシリーズのブランドカラー。公式には橙色ではないようだが、カメラやレンズにオレンジ系のワンポイントが入っていると、遠目にもαシリーズだなと思わせる辺りはソニーのイメージ戦略が成功している証拠だ。
先日ネットニュースを眺めていたら、マンフロットから「ソニーαシリーズ専用」と銘打った三脚が出るというのがあった。本来ユニバーサル仕様であるはずの三脚に、特定メーカーのブランド専用..と言っても三脚なの当然汎用的ではある..が出てくるのは驚きだが、それだけαシリーズが売れていることの証でもある。
実際、以前ならカメラ、特に一眼カメラはC社とナイコンでシェアを分け合っていたのが、すっかり2大メーカーと言えばC社とソニーに変わってしまった。ナイコンはD850で勢いを取り戻しているとは聞くものの、それとて一過性に過ぎないので、危うい状況にあることには変わらない。
現在C社がトップを走って業績も好調だが、仕事柄様々な場所でカメラマンを見るにつけ、先のαカラーのカメラを目にすることが多くなってきたのは現実的な話として実感している。実際、仕事仲間にもC社から乗り換えた人..でもレンズはそのままEFマウントを使用..を何人か知っているしね。
以前からC社も動画では強みを見せているので、2020年の東京五輪に向けて、両者のガチコン勝負がますます激しくなっていくのは当然の流れである。果たしてC社の白夜が続くのか、ソニーの新たな夜明けとなるか、もうどっちも関係ないw身としては傍観者として別の意味で楽しみである。
平昌で冬季五輪が始まって選手たちの活躍が連日伝えられている。熱狂するほどスポーツに入れ込む習慣はないが、放送の中継自体が起きている時間帯なのでそれなりに見入ってしまうのはまあ自然の流れだろう。
ただ、韓国とは時差がないのだからもっと早い時間帯に競技をすれば良いと思うのだが、近年の五輪は商業五輪と巷で揶揄されるほどスポンサーに気を遣うようなので、莫大な放映権料を支払っていると言われる米のテレビ局の意向に沿う必要があるようだ。
選手ファーストかと思いきや、ガチガチのスポンサーファーストだと思わせるIOCのやり方には何とも興ざめである。
おらが村のブルーモーメントな景色。高原状の地形を利用してやや北国チックに。
仕事に使うにはAPS-Cやマイクロフォーサーズでは心許ない、やっぱり写真はフルサイズだとか何とか言う論調をよく聞く。
趣味の世界でアマチュアが何を言おうとそれは自由だし、むしろ大金はたいて無駄に..もとい高級志向で高い機材を揃えるのは、景気高揚の意味でも大いに意味がある。若い人は知らないだろうが、その昔は贅沢税と言われた物品税が日本にもあったほどだしね。
話が逸れたが、今どき写真を飯の種にしていて、APS-Cやマイクロフォーサーズでは仕事ができないと言うならば、それは自ら撮影技術がないことを逆宣伝しているだけなので、老婆心ながら営業センスが無いと言わざるをえない。
全倍以上の展示物の仕事..実質的な鑑賞距離を考えるとそれさえも疑問だが..でもない限り、センサーサイズの違いなどまず判らないと断言していい。仕事柄様々なカメラの画像を元に、ポスターからチラシまで印刷物の編集作業を請け負ってきているが、デジタルカメラの黎明期を除けば、未だかつてフルサイズでないから困ったことなど、ただの一度もない。
黎明期の時でさえ、フルサイズかどうかではなく絶対的な解像度の問題のほうがはるかに大きかった。そしてその解像度でさえも、雑誌なら800万画素、ポスターサイズでも倍の1600万画素もあれば、今の印刷技術を持ってすればおつりが来るほど必要十分なのである。
フルサイズで4000万画素以上などというのは、もはや自己満足のレベルでしかなく、HDDなどストレージの肥やしであり、生涯掛かってもその必要性の意義など見出すことなく消えていくことだろう。
撮影テーマが星とか夜とかとにかく暗いので常用高感度での性能が高いほうが良いという実質的な理由はさておいても、いやいや、クライアントの前で小さいカメラでは面目を保てないので、なるべく大きなカメラでおいらは仕事してまっせと主張する必要があるwとか、味のあるオールドレンズを本来の画角で隅々まで使いたいとか、まだそういった理由でフルサイズを使うと宣うほうが潔くて判りやすい。
再びBLUE MOMENT。暖かいとは言ってもそれは日中の話であって、日が沈むと急速に冷え込んでいく。