カテゴリ : 写真・カメラ

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風景写真のようにそれ一枚で完成された作品を目指すのとは異なり、生きものの写真の多くはレイアウトするエディタ目線で言わせてもらうと日の丸構図が一番である。

写真集でもない限り、生きもの写真の利用目的の多くは図鑑や雑誌の特集記事の素材として使われることが圧倒的に多いはずなので、ピンが正確にきている点と、大きく露出を飛ばさないことに気を使えば、日の丸構図がベストなのだ。

この写真の善し悪しは別にしてw、一枚目は横位置のままページ見開き前提のトリミングで、二枚目はページ片面使用なので縦位置にトリミングしている。

ちなみに余白的な空間があると文字入れがし易くなる。横位置なら主題の逆側、縦位置なら上側など。縦構図で下を空けるのはデザイン上は狭苦しい感じが出るのであまりないかな。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO

そしてオリジナルがこちら。

これがドアップであったり、被写体が最初から上下左右のどこかの辺に寄せられていたりしたのでは、どうにも煮ても焼いても食えない写真となってしまうのである。

何が言いたいのかというと、なまじこだわりのあるフレーミングなどムダの極みであって、極論すれば横位置の日の丸構図が何より使い勝手が良いのである。

もちろん完成された一枚の写真としてフレーミングするのも自由ではあるが、これから生きもの写真で生計を立てていきたいと考えている懸命なる若手カメラマン諸氏なら、その写真がどこでどういうふうに使われるかをよく考えて撮ったほう良い、という余計なお世話的なお話。

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悩ましいH2S

2022/6/5

先日フジX-H1の後継機が4年ぶりに発表された。

情報管制が厳格に敷かれていたのか、用途別に2種類用意されているということ以外、あまり細かい情報が事前に漏れ伝わってこなかったが、昨今フラッグシップモデルでは流行りの積層型センサーの採用など、スペック的には何となく想像できた内容である。

開発上の都合なのかマーケティングの理由なのか定かではないが、スピードと動画重視のX-H2sが先に発表され、無印のX-H2がこの秋に発表という流れなのは不思議である。

X-H2sはフジX使いとして、OM-1とGH6を持ってなかったら真っ先に導入するスペックではあるが、正直なところ個々の機能で両機と丸かぶりになっているので、フィルムシミュレーションが使えるフジXであること以外に導入する動機が今のところない。

X-H1の時からその直線的な意匠と質実剛健な造作はもろに好みなのだが、こと動画性能はGH6で余りあるほど十分であるので、X-H2sの4K/120Pが1.39倍にクロップされるテレコン仕様..一般的にはデメリットと取られるが..と聞いても今のところまだ触手は動かない。

それとご多分にもれず、ようやくフジも物体認識AFを採用してきて、サンプル映像を見る限り最後発だけあってなかなか優秀な印象があるが、OM-1と比べてどの程度のアドバンテージがあるのか気になるところだ。

ただ、フジXはGFX同様にどちらかと言うと写真がメインとなるので、とりあえず秋発表予定の高画素版のX-H2を見てからの検討になるかな。APS-Cで4000万画素となるらしいので、恐らく8K/30Pはイケると予想している。そのための電動ファンが外付けアクセサリーと想像。

と言いながらも先のことは自身でも予想できないところがあるwが、とりあえず同時発表されたインナーズームの150-600mmとパワーズームの18-120mm、それにロードマップに上がった単焦点の8mmは良いね。

Google Pixel 5 / ミネザクラ

2000m級の稜線では冷たい風に揺れながらサクラが咲いていた。

パナのLUMIXにL.クラシックネオというフォトスタイルがあるが、これはG9PROやGH5にはなくS5以降から搭載されたようで、その方面では評判が良いと聞く。

実はS5は動画機としてしか使ってなかったので写真を撮ったことがなく、当然のようにL.クラシックネオを使ったことがない。というか存在自体を知らなかったし。てかそもそもLマウントレンズを持ってなかったなw

そのL.クラシックネオがGH6にも搭載されているのをつい最近知ったので、早速試してみた次第。

LUMIX GH6 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

ちょっと撮ってみた限り、カラーネガっぽいハイキーな調子に仕上がるようで、名前の通りノスタルジックなトーンを表現するフォトスタイルである。

彩度が抑えめの点でフジのフイルムシミュレーションであるクラシックネガに似た印象もあるが、クラシックネガはコントラスト高めなのに対し、パナの写りがもともと自然で柔らかいトーンなので、このL.クラシックネオのほうが明るく軽い印象となる。

フジのクラシックネガもそうであったが、自然風景や生きものの写真でここまで彩度を抑えて撮ることはあまりないので、出番自体は限られてくるが、たまには気分転換で使うのも面白いだろう。

それにしてもパナの画作りは意識的にか誇張した味付けがされておらず、他社に比べてニュートラルな感じで良い。以前はそれをどこか薄っぺらい印象と捉えていたのだが、世の中に出回っているレタッチ三昧でギトギトコテコテの写真を見せられているせいか、今は逆に好印象である。

素材として自然風景を撮るのにLUMIXの画作りは適していると思うのだが、何故かこの界隈はキヤノン使いが多い印象w

またぞろ35mmフルサイズがほしいと思っているが、最近評判のOM-1はどうだろうか?という相談を受けた。

またその話かと思う事案なので、いつものように「1mmでもフルサイズが気になっているならマイクロフォーサーズ(m4/3)は止めておいたほうが良い」「写真が上手く撮れないことをセンサーが小さいせいにして後悔することうけあいだから」と言っている。

何度も書いていることだが、35mmフルサイズだろうがAPS-Cだろうがm4/3だろうが、ブラインドテストしたらどれがどれかなど絶対分かりっこないと断言できるので、結局は撮影者の気持ちの問題ということに他ならない。俺様は35mmフルサイズで撮っているんだ!と悦に浸りたければ素直にそうすれば良いのである。

そもそも我々のような生きもの屋が好んでm4/3を使うのには理由があって、800mmや1200mmなどという超望遠域を含めても機材の携行コストは極めて小さく軽く抑えられるので、35mmフルサイズとは比較にならないのである。

さらに言えば金額的コストも然り。前述の質問者はナイコンZ9で野鳥や風景が撮りたいような話だったが、Z9..納期一年待ちらしいのでそもそも今シーズンは手に入らないだろうがw..に超望遠と大三元ズームの組み合わせでは軽く200万超えコースとなるが、例えばOM-1なら60万もあればそれなりに揃うのである。

Z9が現行ミラーレスカメラで最高性能であることは揺るがない事実であるが、OM-1と比べて値段に見合った差があるかと言えばそれは前述の通りなので、そこに70万払える人はZ9を買えば良いだろうし、目的が明確であればOM-1やGH6で何も問題ないのである。

Google Pixel 5

拙者の場合は天狗様仕様の超望遠システムの都合があってマイクロフォーサーズは手放せない。

昔と違って今は35mm版のボディも使えるアダプタを用意している..実際ちょっと前までS5で使っていたしね..が、GH6のようなm4/3機が存在する限りはまだまだm4/3を優先して使うことになる。

田んぼに集う

2022/5/28

平野部の田んぼなら渡り途中のシギチの類を見ることになろうが、県北ではそれは叶わず。

その代わりに田んぼ周辺で子育てしている鳥たちが入れ替わり田んぼに集まり、同じように春を待ちわびて田んぼに湧いて出てきた水棲生物を捕食、または巣に運んでいる。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20 / ダイサギ

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20 / ハシボソガラス

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20 / ムクドリ

ダイサギとハシボソガラスは4K/60Pからの切り出しカット。4:3で切り出していたら動画とはわからないだろうね。何よりどちらも1200mm相当の手持ち動画撮影である。

ムクドリはプロキャプチャ+SH2による連写。従来機に比べセンサーからの読み出し速度が早くなったとは言え、電子シャッターなのでそれ故の歪みは残るものの、それでもこれが簡単に撮れるのと撮れないのとでは雲泥の差がある。

新緑の渓流

2022/5/26

ミョーキンミョーキンとエゾハルゼミの鳴き声が響く奥山の渓流沿い。それに負けじとミソサザイとカジカガエルも恋の歌を奏でる。

高い梢ではオオルリが文字に置き換えるのは難しい美しく長い調子の歌を歌い上げ、初夏の渓流を盛り上げてくれる。

今シーズン初めて入る林道の途中に倒木があって仕方なくそこで車を降り、観察機材を背負ってさらに奥へと足を進める。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

折しも気温が上がって暑くなり、しばしの休憩中に流れに掛かる古い橋から見下ろして、新緑の水の流れをライブNDで手持ちスロー撮影。

どんなに高価な35mmフルサイズのフラッグシップ機を持ってしても、こんな芸当ができるのはm4/3のOM-1しか存在しない。

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山でこの時期、赤い花と言えばアカヤシオやヤマツツジがよく目立つが、林道など明るい林縁部で目を凝らせば、路傍でひっそりと咲くミツバアケビの小さな花を見つけられるはずだ。

どちらかと言うと赤よりは紫が強いので、日陰になっていると意外に目立たないが、透過光を通せばきれいな赤紫が浮かび上がる。

そうして花を見つけて記憶しておけば、秋には美味しい山の味覚にありつけるというわけだ。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

ミツバアケビは1cmにも満たない小さい花だが、1.4mまで寄れるZD300PRO(600mm相当)ならテレマクロ撮影が可能となる。

ズームレンズを含め600mmを超える超焦点でここまで寄れるのは、同じマイクロフォーサーズのZD100-400(200-800mm相当)を除けばZD300PROだけである。

ZD100-400にテレコンを併用すれば最大倍率はさらに上がるが、最短撮影距離付近での手ブレ補正の歩留まりはZD300が圧倒しているので、実質的にテレマクロ最強はZD300PROと言って良いだろう。

余談だが、旧オリンパスユーザー界隈ではフォーサーズ含め同マイクロフォーサーズマウントのレンズをZD(ZUIKO DIGITAL)と略式呼称するのが通例らしいので、それにならって今後は当ブログでもZDと表記することにした。

メジロの求愛

2022/5/15

メジロはカラ類同様に冬の間は群れで行動しているが、今は繁殖シーズンなのでペアまたは単独でうろついている。

うちの庭先でも毎年ヤマボウシに営巣しているメジロ。写真の個体が同じかどうかは不明だが、この時は雄が雌に求愛給餌を行って成功していた。

LUMIX GH6 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

OM-1ほどではないがGH6の被写体認識もG5やG9PRO同様にちゃんと機能している。

パナの無駄なこだわりでAFがDFDなので、OM-1のようにアグレッシブな性能は期待できないが、OM-1を知らなければこれはこれで十分だ。

コントラストAFというだけでパナ機を敬遠する人はいるが、動きの早いスポーツでも撮らない限り、特に動画ではDFDで十分である。

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今どきのカメラは上位モデルであれば独自のカスタム設定を複数登録できるもの多いが、OM-1もその辺りはご多分に漏れず。

前モデルのE-M1同様にC1〜4まで4パターン登録できるので、動体用に高速連写設定でSH2とプロキャプチャ+SH2をC1とC2に登録している。普段はほとんど連写しないので、必要に応じて切り替えるので十分である。

そのカスタム設定で一度に必要な設定に切り替わるのは非常にありがたいのだが、右手にしろ左手にしろ、いざという時に軍艦部のダイヤルを回すのは意外に手間だったりするので、さらにボタン設定にそのカスタム設定を登録したりしている。

iPhone 13 mini

カメラ前面のマウント脇のボタンにそれぞれ先のC1とC2を割り当てているので、カメラ構えてファインダーを覗き、人差し指はレリーズボタンに置いたままで右手の中指または薬指で操作でき、一瞬で高速連写設定に切り替えられる。

E-M1Xの頃は中指AF仕様だったが、OM-1は独立したAF-ONボタンが装備されたのと、グリップ形状の関係で自然と親指がAF-ONボタンに当たるようになったので、本機では前面のボタンはカスタム切り替えとしている次第。

さらに言うと、Fnレバー1にS-AF(AFエリアはsmall)、同2にC-AF(AFエリアはall)をそれぞれ割り当て、AEロックボタンに被写体認識のON・OFF切り替えを充てて、AF-ONボタンと併せて右手親指だけで主たるAF機能の変更が済むようにしている。

ちなみにC3と4には動画設定を登録しているが、その辺りはまた後日。

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キジの雄は派手な色合いからしていかにも目立ちそうに思うかもしれないが、それは偶然見つけられたからそう思い込んでいるだけであって、緑深き野においては保護色と言って良いほど案外目立たないものである。

そもそも「雉も鳴かずば撃たれまい」の言葉通り、ケーン・ケーンという鳴き声とともに派手に母衣打ちをするからその存在が分かるのであって、枯野にでもいなければ見つけ出すのは至難の業である。

ということで、OM-1の被写体認識を持ってすれば、その枯野にうずくまるキジのおとっつぁんなら格好の対象だ。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ではキジの雌のほうはどうか。こちらはもう完璧に保護色であって、近くの雄を見つけるか動いてでもいなければ、なかなかその存在を見つけるのは難しい。

雄とは逆に緑の野ではいかにも目立ちそうなのだが、その頃は子育てモードでステルス行動となって、雛が孵化して一緒に歩き回るようにならないとその姿を見ることはほとんどない。

ちなみにOM-1はそのキジの奥様方が枯野にあってもちゃんと被写体認識をして、しっかり目にバチピンであった。

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