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キリンはアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に分布する奇蹄類..馬やバクと同じ蹄が奇数ある..の仲間だ。

従来、キリンは地域によって亜種に分化しているが、基本的に種としては一種として扱われてきた。色味と模様に若干の違いあれど、見た目も形態的には違いが見られないからだ。

それが遺伝子解析の技術が進歩したことで、実はミナミ、キタ、アミメ、マサイの異なる4種に分かれるという新説がこのほどドイツの研究チームより発表された。

どうやら遺伝子レベルではヒグマとホッキョクグマの同程度の違いがあるらしく、全体の総数では数が多く見えても、種ごとになれば一気に数が少ないという判断になるため、従来とは異なるアプローチで保護政策を考える必要に迫られるとのことだ。

20160911

ケニヤのマサイマラNPで撮影したマサイキリン。夕景にその特徴的なシルエットが美しい。

アフリカのサバンナを旅していると、平らであるがゆえに広く遠くまで見通すことができる。平原にはたくさんの草食獣を絶えず見ることができるが、とりわけキリンはその首の長い体軀で、どこにいてもよく目立つ。

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先月の話になるが、南アフリカにあるクルーガーNPで、キャンプ場に侵入してきたハイエナに、家族と旅行中の少年が襲われるという事故が起きた。

少年は一人でテントに寝ていたところをハイエナに顔を噛みつかれ、そのままテントから引きずり出されたとのことである。幸い一命を取り止めたようだが、大型獣の骨をも噛み砕くハイエナに噛まれたとあって、顔の骨を骨折する重症を負ったようである。

クルーガーNPはそれなりに管理の行き届いた公園で、海外からの観光客のサファリツアーも盛んである。野生動物たちも昔から十分人の存在は意識しているとは思うが、文字通り一度牙を向けば人などたやすく襲えるという良い例であろう。

人は今でこそ様々な道具・武器・知恵を持って、地球上のあらゆる生きものの頂点に立っている..と勘違いしているのだけどね..が、祖先が二足歩行を始め、火を操るすべをもった時代においても、サーベルタイガーなど大型肉食獣の捕食対象であったことはよく知られている事実である。

折しも、日本でも秋田でツキノワグマによる人の殺傷と食害事故があったばかりで、大型の野生動物が人を餌として認識を持った時点で、我々は実に無力な生きものであることを証明している。

ヒグマやホッキョクグマと異なり、ツキノワグマは基本的に植物食の強い雑食なので、余程のことがない限り人を襲ってまで食べようとは思っていない。ただ、その秘めたるパワーは人の太刀打ちできるところを超えているのも事実なので、万が一の事態は十分考えられる。

余談だが、今回の秋田の事故は襲ったクマと食ったクマは別なのではないだろうか。襲ったクマはビックリそのまま遁走を図り、その後に偶然..と言うよりは匂いだろうけどね..通りがかったクマが死体にありついた、というのが想定される状況である。

人は怖い、でも死体となって転がっている時点でそれは肉塊である、という認識になると思うのである。

20140903

かくいう私もケニヤでサファリ中はキャンプであった。件のクルーガーNPのキャンプ場は一応柵があったようだが、写真のアンボセリNPなど当時は特に柵も何もなかったように記憶している。

20160704

こちらは観光客なので食料を現地調達というわけにはいかない。すべてナイロビで仕入れて持って行った。今考えると、我々がいつ現地でけものの食料になってもおかしくなかったのだとつくづく思う次第(苦笑)。

アフリカの大地に寝転んで、と言えば作文的には絵になるのだが、正直気持ちは落ち着かないものである。アンボセリはアフリカに渡ってから半月以上経っていたので多少慣れまたは気の緩みがあったが、最初のマサイマラではさすがにそんな状況になかった。

何しろ、日本の野外で怖いのはクマぐらいのものだが、アフリカはそれこそ肉食獣の宝庫である。それに山賊やゲリラとかそういう輩も普通に徘徊していて、尚且つそれが日常なのだから何をか言わんやである。

先月、ケニアのオルペジェタ自然保護区で1頭のシロサイが死んだ。シロサイはキタシロサイとミナミシロサイに分類されているが、確認されているキタシロサイはもう6頭だけになってしまったようで、ほぼ絶滅状態と言っていいだろう。ミナミシロサイもIUCNのレッドブックでは準絶滅危惧種(しかも近絶滅種)として扱われている。

サイの仲間は、アフリカ大陸にはシロサイの他にクロサイが、東南アジアにはスマトラサイとジャワサイ、インドにインドサイが生息しているが、その何れもが絶滅の危機にひんしている。生息地そのものの環境変化も一因だが、角を薬..漢方薬の原料として珍重されるが効能はない..として重宝する文化が根強く存在して高値で取引されるため、組織的な密猟の憂き目にあっているのが最大の原因である。

保護区内では角をわざと切り落として密猟から防ぐなどの対策も取られているが、シカや牛の角と違って骨ではない..組成成分は毛髪や爪と同じ角質である..ため、時間が経てば再生されるので、後手に回ると密猟されてしまう。ちなみにシカの角も生え変わるではないかと言われそうだが、シカの場合も角が途中で折れてもそこから再生することはない。

アフリカではビッグゲームの対象としてハンティングされていた時代もあるが、今はどの国でも保護の対象となっており、世界的にもその取引には高度な制限がかかっているので、一時期は生息数も回復に向かったこともあったが、主な生息国での内乱等で目が行き届かず、再び現在の危篤な状況になっている。

人の飽くなき欲望や生活圏の侵出によって、その住処や命を狙われる生きものは世にたくさんいるが、とりわけアフリカの大型獣の未来は暗い。やたら漢方を崇めたてまつり、象牙のハンコをありがたがる日本人がその絶滅の片棒を担いでいると言っても過言ではないのだ。それこそ判で押したように野生動物保護を宣う前に、実際に目に見えていない遠い海の向こうの事実を、よくよく考えてみる必要があるのではないだろうか。

20141101

サイはヒョウと並んでアフリカに言ったら絶対に見てみたい動物の一つだった。何しろその恐竜的な見た目からして他の動物とは違う。湖岸の草地をゆっくりと歩くその巨大な体軀を実際に見た時は感動したものだ。それまで動物園で何度か目にしてはいたが、やはり野生種の持つ圧倒的な存在感は違う。

写真はナクルNPで夕方撮影したシロサイだが、当時聞いた話では、絶滅対策としてミナミシロサイを南アフリカから連れてきたものだったらしい。それこそ最初はおっかなびっくり遠くから500mmで狙っていたが、少しずつ距離を詰めても逃げることなく近づけたため、最終的には70-200mmで十分であった。シロサイの仲間は他のサイに比べて性格がおっとりしているため、密猟するにも好都合だったのだろう。

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こちらはナイロビNPで撮影したクロサイ。クロサイははっきり言って怖かった。サイの仲間は目が悪く50mも離れると何も識別できないらしいが、とにかく音には敏感で、車で近づくと常にその方向を向いてくるので、いつそのまま走ってこちらに向かってくるかとビビっていたのを記憶している。何しろ体重はシロサイで最大3t、クロサイでも2t以上あるので、突っ込まれたらこちらは大破である。この時は万が一走って向かってきたら、即バックギアで速攻で逃げる体制だった(苦笑)。

余談だが、こうして写真を並べてみると、白っぽいからシロサイで、黒っぽいからクロサイと言われて、ああそうなんだと納得してしまうかもしれないが、実はシロサイという和名は聞き誤りが伝播して命名されたものである。サイの仲間は皆草食であるが、特にシロサイは草原で草を食むのに適した幅広の形状をしているため、ワイド(Wide)と言われたのを白い意味のホワイト(White)と聞き違えたのである。実際、英名もWhite rhinocerosであり、それをそのまま和訳したためにシロサイになったのである。

そしてもっとはた迷惑?なのはクロサイである。こちらも色が黒いからクロサイなのではなく、シロサイと区別するためにクロサイと命名されたのだから。漢方として重宝するなどありがたがるのであれば、もっと命名には気を使って然るべきだろうに。ああ哀れサイの仲間たちよ..

おこり病

2014/9/3

デング熱?と聞いて天狗熱かと思ったが、それは私のようなワシ屋がかかる重い病気のことだ(笑)。

という戯言はさておき、当のデング熱は昨今ニュースを賑わしている時事ネタであるが、折しも西アフリカでエボラ出血熱が猛威を振るっているため、マスゴミがこぞってネタに飛びつきお大騒ぎするいつものフィーバーである。

デング熱は何も昨日今日に日本に発生したものでなく、大きく人が動く動乱期に海外、特に東南アジアなどから持ち込まれ、それが拡散し流行る傾向にある流行り病のたぐいだ。近年ではアジアや大陸からの引揚者が大量に移動した太平洋戦争直後などに流行している。マスゴミが地球温暖化などを引き合いに、さも大騒動になるかのように連日煽っているが、報道されなくとも毎年200人前後の発症例はあるのだ。

同様な流行り病にマラリアがあり、これもハマダラカという蚊が媒介して広まるが、その熱帯を起源とするようなマラリアも、昔から動乱期に流行るもので、デング熱同様に終戦直後などに流行してる。古くは、病死とされる平清盛もその症状はマラリアそのものと言われており、衛生上問題のあった明治初期頃までは土着のおこり病と言われていたのである。

地球温暖化が影響ないのかという観点では、媒介者の蚊が通年生息できるようになれば話は違うが、夏の高温が続く日本といえど、季節による寒暖の差が激しい気候では、ウィルスを持った蚊が生き残る..正確には感染者の血を吸った蚊が発生し続ける..可能性は今のところかなり低いのではないかと思う。

ただ問題は、先の動乱期以上に感染者が簡単に移動する点であり、今回のデング熱騒動も代々木で行われたイベントに全国から参加者があって、その結果あたかも地方にまで広まってしまったように見える点だろうか。流行り病を防ぐのは水際でとはよく言われることだが、気付かず勝手に拡散してしまうのが一番厄介である。

マラリアと言えば、その昔、ケニヤのアンボセリ国立公園を車で走っていた時、後ろから走って追いかけてくるマサイの男がいた。事情を聞くと緊急でセレナ・ロッジまで乗せて行って欲しいというのである。肌が黒いので顔色を推し量ることもできないのだが、いつ通りがかりか判らないサファリを走っている車を待ち構えてまで急を要する用事とは何かと聞いてみれば、マラリアで高熱が出ているのでロッジの医者に診てもらうのだという。ええ!高熱ってアンタ今全速力で走って来なかった?みたいに驚いたことを思い出した(苦笑)。

20140903

ケニヤでのサファリは毎日テントで野天のキャンプをしていたので、マラリアを恐れて持参した蚊取り線香..向こうではモスキートコイルって呼んでた..をバンバン焚いていたが、雨季の終わりで季節的には若干涼しかったこともあって、一度も蚊には刺されずに済んだ。マラリアには決定的な予防薬がなく、それを謳っていた薬も一応現地で買ったものの、副作用が怖かったので使わなかったのである。

結局とどのつまりは媒介者である蚊に刺されないようにするのが最善の対策であるのだが、我々のように野外で活動する者にとってそれはなかなか難く、ましてや流行地の意識がなければそれは尚のことだろう。

カテゴリ:独り言|タグ:

謹賀新年

2014/1/1

20140101

砂伴霖を駆ける縞馬の如く、

荒ぶる時代を駆け抜けて行きましょう。

今年もよろしくお願いします。

カテゴリ:お知らせ|タグ:,

写真にしろ映像にしろ、これは一体どうやって撮ったのだろうか、そう観る側に思わせたなら、それは一流のエンタテインメントと言っていいだろう。

VFXのような編集上の技術ではなく、アングルも含めたカメラワークでそれが実現できれば、それがドキュメンタリーというカテゴリであっても、そう異論はないだろう。

クレーンで釣ったりヘリで空撮してみたりと、昔から様々な撮影技術が考え出されてきたが、それら特機のような大げさなものでなくても、小型で高性能なカメラが出現したことで、コストをかけずに大胆なアングルでシーン演出することが可能となった。

GoPro HEROシリーズなどはその先鞭をつけた代表的なカメラだが、PVとはいえ率先してメーカー自身そのソリューション的な映像を配信しているあたりは、さすがだといつも感心している。

これは先日発表された新型モデルHERO3+のプロモーション映像で、既視感もあってどう撮っているかなど手の内はすでに判り切ってはいるが、それを差し引いてもエンタテイメントとしては尚秀逸だと思う。

カットのつなぎも素晴らしく、観ていて良い勉強になるしね。

20131003

今日は昼頃から風が強くなって予定していた外ロケは中断。

その帰りに村内で道を横切るカモシカに遭遇したが、親子だったせいか珍しく撮影前に足早に逃げられてしまった。

20121114

言うまでもなく鳥は空を飛ぶ生きものである。

鳥はその大小にかかわらず、身体的な特徴として両腕を2枚の大きな翼として利用できるように進化してきた。そしてその2枚の翼を用いて、地球上の大空を自身の力のみで自由に移動できる点で、地べたを四肢で移動する以外に手段のない他の生きものとは大きな違いがある。鳥好きのその多くは、空を飛ぶことができるという能力にその魅力を見いだす人は多いはずだ。

飛ぶことがある意味当たり前な鳥にあって、空を飛ぶことで主たる生活の糧をえる種類には、高速で飛ぶもの、長距離を移動するもの、水中に潜るものなど、その能力がひときわ長けた仲間が当然のごとくいる。とりわけ、他の生きものを直接襲って餌とする猛禽類の飛翔能力の高さは、鳥の仲間の中でも特筆すべきものがある。

学名の Aquila verreauxii からも判るとおり、ブラックイーグル(現地での呼び名)はAquila属、つまり旧北区を中心に日本にも生息するイヌワシの仲間である。英名はVerreaux’s Eagle(日本名コシジロイヌワシ)で、生息地はアフリカ大陸。大きさやフォルム、それに生態はまさにイヌワシのそれとうり二つであり、全身黒色の羽衣に覆われ、背中から腰に掛けて和名の由来でもあるワンポイントの白が美しい。

写真集「GoldenEagle イヌワシ(平凡社)」の著者である、滋賀県在住の写真家須藤一成氏の撮り下ろしになる本作品では、そのブラックイーグルの巧みな飛行術を、余すところなく見事なカメラワークで捉えている。

猛禽類は小型になるほどその敏捷性は増す傾向にあるが、翼開長がゆうに2mを越す大型のワシが、空の高みから地表すれすれまで、重力を無視したかのようにアクロバティックでダイナミックな動きを見せるのは圧巻である。常にペアで行動すると形容されるほど楽しげに舞うディスプレイフライトや、餌の大半を占めるダッシー(ハイラックスの現地名)との攻防、そしてハンティングシーンなど。特筆は大型のワシではまず見られない宙返り飛行である。

撮影地であるジンバブエのマトボヒルズは、世界遺産にも登録されている貴重な場所だ。本作品では、その奇峰奇岩の太古の風景をバックに、悠然としてそれでいて力強い飛翔能力を魅せるブラックイーグルの姿を堪能できるはずだ。

The most beautiful flyer in the world.

世界で最も美しき飛行家。サブタイトルにある上記フレーズは、本作品で編集とDVDオーサリング、それにパッケージデザインを担当させてもらった私が贈った言葉だ。飛ぶことがすなわち生きることを体現する飛行術の先輩である鳥に対し、敬意を現す意味で、人類初の飛行に成功したライト兄弟の機体からお借りした言葉でもある。

空を飛ぶ生きもののその完成された美しい姿を、ワシ好きや鳥好きにとどまらず広くご覧頂ければ幸いだ。

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