アフリカゾウの不審死
アフリカ南部にあるボツワナのオカバンゴ・デルタで、4月ごろからこれまでにアフリカゾウ350頭以上の大量の不審死が見つかっているそうである。
アフリカゾウは常に象牙目当ての密猟者に狙われているので、当然のように最初は人為的な殺戮が疑われたが、死体にはどれも象牙が残ったままだったので、その辺りの事件性は薄いとのことだ。
オカバンゴ・デルタはその名通り、雨季にオカバンゴ川がカラハリ砂漠に作り出す内陸デルタ地帯のことである。死体はその湿地帯によって形成される彼らの水飲み場周辺に70%が集中しており、その水を飲むことで今回の事件が起きている可能性が示唆されている。
直接的な原因は未だ特定されていないようだが、その場ですぐ急死した例の他に、しばらく周辺をうろついて..ゾウが円を描いて歩き回る行動は神経障害の兆候..から死んだような痕跡も残されているのことで、何らかの未知の毒素の可能性があるようだ。
その原因究明が進まない理由は今まさに進行中の新コロナが理由とのこと。ボツワナ国内で検体サンプルの輸送もままならず、そもそも検査機関自体が満足に機能していないので、検査結果が出るにはまだ時間がかかる見通しのことだ。
アフリカや南米アマゾンの自然界には、まだまだ未知の菌やウィルスがあるというのはよく聞く話だ。シベリアなど北極圏の永久凍土や南極大陸の太古の地層や氷もまた然りで、地球温暖化の影響含めそういった未知の脅威が表沙汰になるという事実が、まさに物語の世界だけでは留まらない現実を見せつけられていることになる。
アフリカゾウは地上に生息する生きもの中では最大の種である。動物園で眺めていてもその存在感は圧倒的だ。
そしてマサイの戦士ですら「シンバ(ライオン)は怖くない」「怖いのはゾウとカバだ」と言うくらい、実はゾウは恐ろしく怒ると凶暴な生きものなのである。
我々もマサイのガイドのアドバイスに従いケニヤのサバンナでは一定の距離を保って撮影していたが、意図せず不意に出くわした..ブッシュの陰から突然ブラフチャージを受けた..時はもう人生終わったと思ったくらいビビったw
自分たちの乗っている車よりデカイ生きものに、突然目の前まで迫られた恐怖感たらそりゃ推して知るべし、まさにジュラシック・パークでティラノサウルスに襲われたあんな感じだ。