本州中部の名の知れたとある温泉地に滞在中。
標高は850m前後でそんなにうちの村の上段と変わらないのだが、雨が上がっても寒冷前線でも通過したかのような寒さに震え、山岳用のインナーダウンとフリースの手袋、首にはタオルを巻いて防寒させられる状況に陥った。
5月も中旬を過ぎたのに的な安っぽい表現は使いたくはないが、さすがにアルプスに隣接する地域は気候も違う。
巻いていたガスが上がり始めると、新緑に萌える美しい山肌に心が洗われる。
菜の花というのはアブラナ科の仲間を総称する言葉で、アブラナの他、水菜や小松菜、ブロッコリーやケール、それにキャベツ辺りも遠縁である。ちなみによく勘違いされるが、レタスはキク科だ。
菜の花の仲間は、春から夏にかけて小さな黄色い花を咲かせ、休耕田や草地、河原などでよく見かけるが、人為的な生産物でない限り、多くは外来移入種として勢力を拡大しているハルザキヤマガラシであることが多い。
ハルザキヤマガラシは群馬の神津牧場が最初の定着地と聞いたことがあるが、原産は欧州だそうだ。うちの近所では食用にしており、名前の通り辛味が強くてクレソンによく似た食感である。
近所の牧草地に群生するハルザキヤマガラシに、蜜吸目的でベニシジミなど蝶が集まっていた。
繁殖に勢いのある種というのにはそれなりに理由があるものだ。ハルザキヤマガラシに限った話ではないが、植物の多くは昆虫が集まりやすい何らかの物質を発散するなどして、花粉を媒介してもらうという他人任せの戦略をとっている。
モンシロチョウがキャベツなどアブラナ科を好むのも同じ理由である。
少し古い話で恐縮だが、春先に映画「エヴェレスト 神々の山嶺(原作:夢枕獏)」を観た。
主人公が懐かしきCanon New F-1を使っていたのは、1980年代という時代背景からして当然だろうか。当時の実際の山岳シーンなら、Nikon F2とかだろうけどね。
フィルム時代のマニュアルカメラを用意したのは良いが、残念な点というかあと一歩というか、そこまで小道具にこだわったのなら、是非ともクランクノブは回して欲しかった。主人公が一生懸命巻き上げレバーを操作するのだが、軍艦部のクランクが回らないため、フィルム入ってねぇじゃんって、ついつい突っ込んでしまうのである(苦笑)。
まあ今どきのデジタルカメラしか知らない若い人には何の話か判らないかもしれないが。
それとこれはまあ昔から映画やドラマではお約束というか、単焦点レンズを使っているのにファインダー像がズームアップしたりね(苦笑)。山行取材で望遠レンズにレフレックスミラーの500mmを交換するまでは良いんだけど。
余談だが、劇中アベちゃんがエヴェレストの山頂に立つシーンあり、思わず「8850mになったぞ」とつぶやいてしまった。主人公の俳優はちっちゃい人だったが、阿部寛はデカイよね(笑)。
岩櫃山からこんにちわ。ブログ記事をFacebookにも飛ばしているので、たまにはドーンと本人登場。でも流行りの自撮りじゃないよ(笑)。
山頂からの眺めはなかなか絶景だ。標高で言えば大したことはないのだが、何しろ山頂直下は断崖絶壁であるため、実際の高度感はヒシヒシと感じる。眼下に広がるは東吾妻町の郷原などの集落。写真中央奥が浅間山、右奥のなだらかな山容が四阿山(あずまやさん)で、いずれも長野との県境である。
山頂を隣のピークから眺めるとこんな感じ。鎖とハシゴで狭いピークに立つ辺り、さながらミニ槍ヶ岳といった風情だ。混雑時はピーク下で順番待ちとなる点でもよく似ている。
麓から眺める岩櫃山。標高は802mと決して高い山ではないが、安山岩が風化して削られたその山容の荒々しさは、西上州の妙義山同様に景勝地として人気がある。
現在の岩櫃城本丸跡地。いわゆる山城であるため、お堀や石垣のような遺構は残されておらず、500年の月日を経て今は雑木林の中である。
岩櫃山と言えば岩櫃城、岩櫃城と言えば上州真田氏、真田氏といえば真田丸。真田の長男である大泉洋、もとい真田信幸は沼田城と岩櫃城の城主で、沼田界隈同様にここ吾妻も真田丸に便乗中。でも舞台は大阪編へと変わってしまい、少々トーンダウン気味であるのは否めない(苦笑)。