月別アーカイブ : 2018/02

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氷上の舞い

2018/2/18

先日も書いた通りスポーツを観戦する高尚な趣味はないのだが、五輪とかワールド何とかの国際大会ともなれば、さすがにその結果は気になる。

ということで、先日の羽生結弦選手の2大会連続金メダルにはちょっと感動。前日のSPと合わせてフリーの演技を観ていたが、直前の怪我からの復帰戦でスポ根マンガばりの復活劇に目を見張ると同時に、同じ年頃の子供がいる親としては、かくもメンタルが強いのかと驚きだ。

それとこれは飲み屋の親父的話題になるが、銀メダルだった宇野昌磨選手にはちょっと同情。過去のフィギュアスケートから考えると銀メダルで十分過ぎる結果だが、金の羽生選手が同時代にいなければ宇野選手が金だったわけで。

たらればの話なので詮無きことなれど、同じく昨日競技があったラージヒルの日本勢のジャンプを観ていて、競技は公正であろうと理解するものの、運不運に結構左右されるもんだなぁと思った次第。そもそも五輪は4年おきという世代の問題もあるしね。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

優雅な氷上の舞いではないが、コハクチョウたちが凍った沼地の上で何やら揉め事の様子。この後、胸合わせの小競り合いの後、2羽は別々の方向に去っていった。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

そして仲裁者のみ1羽寂しく残ったとさ。

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BLUE ICE PILLAR

2018/2/17

天狗様を探しに某所へ出掛けた帰り道、Project AKG/From AKGの一環で梨木の氷壁を眺めてきた。ここは地形的な関係で日中でも日が射し込むことがないため、年明けぐらいから見事な氷壁が見られる。

赤城山の東側は自身の噴石が堆積した地層であるため、その火山砕屑物である軽石の層を通り抜けてきた地下水が染み出しているところがいくつか見られ、梨木もそのうちの一つである。

その湧き水が凍りついて幾重にも重なる氷柱が見られるのだが、氷柱群が所狭しと並び立つことで、さながら碧き氷の壁のごとき造形を見せてくれる。

FUJIFILM X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS
FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR

季節は確実に春へ向けて動いているが、寒さはまだまだ厳しい日が続く。

気の早い人は春を探し始めるが、向こうから近づいてこない限りまだ春を探すことはしない。もう少しだけ、厳しい冬の景色を狙って押さえておきたい。

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上州で雁行?

2018/2/16

日本最大の流域面積を誇る利根川水系の源であり、首都圏の水がめとして機能する群馬は水には事欠くことはないのだが、自然湖沼が少ないためか、大きな水鳥の越冬地は少ない。

赤城の大沼や榛名湖などは比較的大きな湖だが、山上のカルデラ湖であるため冬季は凍結してしまうし、何より餌場となる水辺や休耕田が近くにないので、水鳥達が好んで立ち寄る場所ではない。

それでもカモの仲間は平野部の人工池やため池に休息の場を求めて集まってくるが、大型のガン類の姿を見ることは殆どなかった。そんな中で、東毛の多々良沼界隈はコハクチョウが越冬する..それも人口給餌が理由であることは否定しない..ことで知られていて、時々ではあるが迷鳥的にマガンが入ることもあった。

とは言え、やはり群馬でガン類を観るというのは稀なことであり、雁行目当てにはるばるみちのくの伊豆沼まで出掛けていくのが常道で、拙者もフィルムカメラの時代に足繁く通ったこともあった。

そんなマガンたちではあるが、日本の越冬地が改善してきたのか、そもそも数が増えて飽和状態なのか、関東近隣でも小群が越冬する姿を見かけるようになり、館林の城沼含め多々良沼周辺でも、数に変動あれど毎年のように越冬個体が入るようになったようである。

先日も着いてすぐに東の方から「カハン、カハン」とよく通る鳴き声が響いてきたと思ったら、50羽程度の群れがパラパラと凍った沼に落雁さながら降り立った。以前に2〜3羽程度なら観たことがあったが、さすがにこの数には驚く。

先に日本の越冬地が改善かとは書いたが、越冬ガン類の胃袋を満たせるだけの落ち穂を拾える環境が整ってきているものなのか、ちょっと興味のあるところである。東毛の湖沼でも朝夕の雁行が観られるようになれば、それはそれで面白いからね。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ガンの仲間は水鳥の中でも大柄なので飛翔姿が絵になる。それにカモやハクチョウの仲間と違って人に媚びて人口給餌に群がることもないので、野生動物然としていてそれが良い。

そう言えば、今年越冬している群れの中にはカリガネが混ざっているとのことで、先日もそれ目当てらしき喧しいカメラマンが何人か来ていた。時折こちらの機材を眺めてはあーでもないこーでもないと話しかけ始めたので、こちらはその後に予定があったのであまり時間も取れなかったし、何より動画も撮っていたのでしゃべくりが煩いカメラ爺(と婆さまもいた)は勘弁である。

申し訳ないが業務上の営業行為でもない限り、知的でない低レベルの会話を強いられるのは人生において無駄以外の何ものでもないwので、このケースでは逃げるように機材を片付け引き上げたのは言うまでもない。

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小鳥の撮影でG9 PROの連写性能と画質については実証できたが、AF性能はどんなものかも検証しておく必要がある。

とは言えさすがに至近距離を飛び交うカラ類をAF-Cで追いかけるのは困難極まる..例え一眼レフの位相差式であっても..ので、ここは少し離れて狙える水鳥系が良いだろうと、館林に仕事で出かけたついでに多々良沼で試してきた。

データはすべてメカシャッターでプリ連写はなし、AFはAF-Cでゾーンはマルチカスタム、焦点距離は35mm換算で800mm相当である。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

まずは旋回しながら着水のために降下体制に入った状態。空抜け高コントラストのこの程度のシーンであれば、今どきの普通のAF一眼ならどんな機種でもピンを外すことはない。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ちょっと露出不足で絵としてはアレだがw、コントラストAFにとっては鬼門のシーン。

密生したヨシを背景..しかも背景のほうが被写体に近い..にしてもなお、歩留まり良くAF-Cが連続してピンを合わせ続けてくれる辺り、G9 PROのDFDのAF性能は向上しているといってよい。GH4辺りでは間違いなく背景に引っ張られる。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

前の連写の続き。さらにさざ波だつ水面が加わっているが、それでもコハクチョウを追い続ける。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

同じく前の連写の続き。追っていたコハクチョウの成鳥の手前にいきなり幼鳥が被ってきたが、さすがにこれはより至近の幼鳥にピンが切り替わった。まあこればかりはDFDとは言えコントラストAFの宿命であろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

高速で飛翔してきたオナガガモの降下直前の1シーン。このちょっと手前からEVFで狙っていたが、中央に捉えてからAFをオンでシャッターを切っている。

ガンやカモの仲間は着水の直前に減速のために左右に体を振ってトリッキーな動きをする場合があるが、AFゾーンをマルチカスタムでやや広めに設定しておくと、被写体が左右に逃げても無難にAFが追い続ける。

さらに言うと、800mm相当の画角を手持ちで撮影できるのはマイクロフォーサーズ機ならでは。大型三脚に載せたEOS-1DXとEF800mm、それにD5とAF-S600mm..両機の組合せのカメラマンが何人か居合わせた..では、瞬間は狙えても至近での着水まで連続して捕捉し続けることなど困難だろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

手前に向かって移動してくる被写体のスケール速度は相当な速さである。至近になれば見かけ上の速度はなおさら早くなるので、これを手持ちのAFで追い続けるには、それなりのAF性能とそれを捕捉し続ける相応なフレーミング技術が必要だ。

また、一昔前のEVFでは遅延問題が常に足かせとしてあったが、ここまで撮れればスポーツ報道でも問題ないだろう。この時はG9のEVFは0.7倍でアイポイントを長く取って、スポーツファインダー的に使用している。

冬季五輪

2018/2/13

平昌で冬季五輪が始まって選手たちの活躍が連日伝えられている。熱狂するほどスポーツに入れ込む習慣はないが、放送の中継自体が起きている時間帯なのでそれなりに見入ってしまうのはまあ自然の流れだろう。

ただ、韓国とは時差がないのだからもっと早い時間帯に競技をすれば良いと思うのだが、近年の五輪は商業五輪と巷で揶揄されるほどスポンサーに気を遣うようなので、莫大な放映権料を支払っていると言われる米のテレビ局の意向に沿う必要があるようだ。

選手ファーストかと思いきや、ガチガチのスポンサーファーストだと思わせるIOCのやり方には何とも興ざめである。

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

おらが村のブルーモーメントな景色。高原状の地形を利用してやや北国チックに。

カテゴリ:季節感|タグ:

首都圏で積雪があると決まってニュースで流れるのは滑って転びそうになる人や、転倒している人の映像だ。北海道や日本海側ほどは積もらないにせよ、赤城高原でも雪があるのは普通で、自ずからそれに対応した生活をしているものからすると、失礼ながらちょっと滑稽ではある。

滑りやすいソールの靴でというのはそもそも論として置いておくとしても、積雪がある場合は踵から着地するような歩き方を止めて、まっすぐ上から足を下ろして着地するようにすれば、かなり防げる話ではある。と言っても普段からそのように慣れておく必要はあるので、なかなか即実践とはいかないのかもしれないが。

先に生活で対応とは書いたが、生きものを探して山野に分け入ったり、写真を撮るために野山を歩くという時点で、一般人とはそもそも雪に対する耐性に違いあるのも事実だろう。そして、実際の行動ではそういう場面に対応すべく、道具の用意もしているのである。

iPhone 6

新雪や深雪時にはスノーシューがデフォルトだが、そこまでではないが斜面を登り降りするような場面では、写真のようなスパイクを防寒長靴に装着している。

このスパイク付きソールはもうかれこれ四半世紀近く使ってきている。インターネット通販などまだまったく一般的でなかった頃に、雑誌の広告を見てカナダから個人輸入したもので、未だに破損することなく現役で使えているので、ビブラムソールは伊達ではないということだろう。

製品名もその購入元ももう忘却の彼方だが、確かカナダの郵便配達の現場で使用と商品キャッチに書かれていたと記憶している。21本の大小のボルトがスパイク代わりに埋め込まれており、アイゼンのような爪ではないため、積雪はないが凍結しているアスファルト路面の上でも歩くことができるのが良い。ちょっと移動なら外すことなく車も運転できる。

ガッチリ固定されるようなアイゼンを始め、類似品は着脱が面倒なものが多いのだが、本製品の脱着は非常に用意であり、スノーシューと合わせて携行するのに何の支障もない。

同じようなコンセプトの商品を時々探してみるが、これだけ様々な商品で溢れかえる時代においても、なかなか類似のものは無いようである。なのでもう少しこのスパイクソールには頑張ってもらわければならない。

カテゴリ:写真・カメラ

雪少なめ

2018/2/11

福井の豪雪にある通り、北陸や西日本で雪が多い年は県北は意外に雪が少ない。ただ、寒波の影響で連日気温が低いため、赤城高原では降った雪が解けずに残って景色だけは白銀ではある。

FUJIFILM X-T2 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR

と言うことで、県内も行くところによって雪の量に大きな差がある。天狗様の狩場としては雪は無いよりはあったほうが良いのだが、観察に行く者の都合としては無いほうがありがたい..重い機材背負って長々と林道を歩かなくても済むので..という本音もあるw

FUJIFILM X-T2 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR

昨年暮れに天狗父が巣材を運んだのを確認していたので、年明けから定期的に調査中。その時は行動からどうみてもハンティングだと思っていたが、斜面に飛び込んで暫くして姿を見せたら、何故か巣材を運んでいったのである。

現在は抱卵中なのでそっちには近づかないようにしているが、こっちの谷筋にも天狗父が時々姿を見せるので、日当たりの良い対岸の林道脇から観察続行中。

カテゴリ:季節感, 猛禽|タグ:

憂鬱な如月

2018/2/10

2月も中旬となってしまって、3月の年度末に向けて早くも気持ちにゆとりがなくなってきている。世の中、ダブルワークとか何とか言う言葉もあるようだが、しがない自営業者はそれどころか3つも4つも仕事が平行して流れているので、広げた風呂敷を畳む間もない。

この冬も来シーズンのために撮っておかなねばならないシーンがまだ残っているのだが、なかなか思うように取材の時間も取れないのは如何ともしがたい。時間の流れは誰しも平等なれど、歳を取ったせいで季節の移ろいも早く感じる。今の状態だとこのまま春に突入と言った感強しだ。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

CPSからの招待状横目に見つつ、もしかしたら今年は出張とタイミングが合えばCP+に足を運べるかも。と、誰に言っているコレw

カテゴリ:季節感, 独り言|タグ:

浅間も活発

2018/2/9

先月の草津本白根山の噴火に関連しているのか不明だが、近隣の浅間山もやや活動が活発的になっているようで、気象庁の発表も依然として噴火警戒レベル2のままである。

50km以上離れた赤城高原からも、最近は噴煙が多い様子が見て取れる。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
カテゴリ:|タグ:

GH5の手ブレ補正も結構使いでがあって、仕事でもジンバルに頼ること無くお世話になることがあるが、G9 PROはそれをも上回る6.5段分の補正能力があるという。ならばそれを試してみたくなるのが心情というもので、しかも800mm(35mmmフルサイズ換算)という超望遠レンズで動画を手持ちで撮ったらどうなるか。

ちなみにG9 PROの動画性能だが、連続無制限というモンスター気味なGH5のスペックには及ばないものの、10分連続して4K/60Pを記録できる(30Pなら約30分)点では他社製品の比ではない。FHDなら180fpsのハイスピード撮影が可能な点もGH5譲りで、4Kでも60Pで撮って30Pに編集すれば1/2スローが可能である。

メーカーはG9 PROを写真のフラッグシップモデルと喧伝しているが、動画でも他社機を上回る性能があるということだ。

まずはヤマガラ。この時はG9 PROの手ブレ補正の揺り戻しのクセを掴んでなかったので、ちょっとフラつくこともあるが、ヤマガラがヒマワリの種を突く仕草は十分見て取れるだろう。

次はアトリでチャレンジ。撮影状況としては、両足で真っ直ぐ立ってカメラを構え、ファインダーを直接覗きながら撮影しているが、普通に呼吸するとさすがにカメラが揺れてしまうので、記録中はほぼ息を止めている状況で、4K/60Pの10分制限以前にそんなに長くは撮っていられないw

どちらの動画も比較用にAdobe Premiere Pro CCのワープスタビライザーを適用した尺を追加してある。そのままでも短い尺なら何ら問題ないが、ワープスタビライザーの適用後は逆に風で揺れている程度にしか見えないだろう。

三脚無しでの動画撮影というのはフッテージ屋としてはほぼないのだが、生きものの撮影で車の中から窓枠に固定してちょっと撮るようなシチュエーションではなかなか使いでがある。実際GH5ではそのように撮った映像も結構あるので、G9 PROの動画撮影ではなおのこと機会が増えると思われる。

それに噂ではGH5の春の新ファームで、G9 PRO相当まで手ブレ補正の性能が上がるという話なのは朗報。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

サンプルとして上記動画から1フレームを静止画として切り出した画像(6K/4Kフォトではない)も掲載。4Kからの切り出しで800万画素あるので、ブレがなければ雑誌やWebでは特に問題もない。この辺りもGH5と同様なのはやはり60Pであることが大きい。

6K/4Kフォトで起きる論争に、動画から切り出した静止画を写真と呼ぶのか?というのがあるのは知っているが、写真家として原理主義を貫くのか、表現者として結果を重視するのか、その辺りの立ち位置の問題なのでこの論争に円満な着地点はないだろう。

ただこれだけは言える。プロの仕事は結果として成果物に対し対価を支払ってもらうことであり、その過程に対する評価ではないということだ。どう撮ったか、何で撮ったかという部分にこだわるのは本人の勝手であり、そこを主張する時点でそれはアマチュアリズムの自己満足なのである。