日本最大の流域面積を誇る利根川水系の源であり、首都圏の水がめとして機能する群馬は水には事欠くことはないのだが、自然湖沼が少ないためか、大きな水鳥の越冬地は少ない。
赤城の大沼や榛名湖などは比較的大きな湖だが、山上のカルデラ湖であるため冬季は凍結してしまうし、何より餌場となる水辺や休耕田が近くにないので、水鳥達が好んで立ち寄る場所ではない。
それでもカモの仲間は平野部の人工池やため池に休息の場を求めて集まってくるが、大型のガン類の姿を見ることは殆どなかった。そんな中で、東毛の多々良沼界隈はコハクチョウが越冬する..それも人口給餌が理由であることは否定しない..ことで知られていて、時々ではあるが迷鳥的にマガンが入ることもあった。
とは言え、やはり群馬でガン類を観るというのは稀なことであり、雁行目当てにはるばるみちのくの伊豆沼まで出掛けていくのが常道で、拙者もフィルムカメラの時代に足繁く通ったこともあった。
そんなマガンたちではあるが、日本の越冬地が改善してきたのか、そもそも数が増えて飽和状態なのか、関東近隣でも小群が越冬する姿を見かけるようになり、館林の城沼含め多々良沼周辺でも、数に変動あれど毎年のように越冬個体が入るようになったようである。
先日も着いてすぐに東の方から「カハン、カハン」とよく通る鳴き声が響いてきたと思ったら、50羽程度の群れがパラパラと凍った沼に落雁さながら降り立った。以前に2〜3羽程度なら観たことがあったが、さすがにこの数には驚く。
先に日本の越冬地が改善かとは書いたが、越冬ガン類の胃袋を満たせるだけの落ち穂を拾える環境が整ってきているものなのか、ちょっと興味のあるところである。東毛の湖沼でも朝夕の雁行が観られるようになれば、それはそれで面白いからね。
LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.
ガンの仲間は水鳥の中でも大柄なので飛翔姿が絵になる。それにカモやハクチョウの仲間と違って人に媚びて人口給餌に群がることもないので、野生動物然としていてそれが良い。
そう言えば、今年越冬している群れの中にはカリガネが混ざっているとのことで、先日もそれ目当てらしき喧しいカメラマンが何人か来ていた。時折こちらの機材を眺めてはあーでもないこーでもないと話しかけ始めたので、こちらはその後に予定があったのであまり時間も取れなかったし、何より動画も撮っていたのでしゃべくりが煩いカメラ爺(と婆さまもいた)は勘弁である。
申し訳ないが業務上の営業行為でもない限り、知的でない低レベルの会話を強いられるのは人生において無駄以外の何ものでもないwので、このケースでは逃げるように機材を片付け引き上げたのは言うまでもない。