谷川三変化
何だか思ったほど雪が降らない新春である。西日本の日本海側では荒れているということだが、県北でもみなかみ藤原を除けば日に日に地面が露出し始めている。
雪が少ないと心配される雪不足に関しては、上越国境付近の山沿いにさえ雪があれば何とかなるが、いつぞやのように2月とか春先にドカッと降るのだけは勘弁して欲しいところである。
上から一昨日、昨日、今朝の順にここ3日間の谷川岳の三変化。
何だか思ったほど雪が降らない新春である。西日本の日本海側では荒れているということだが、県北でもみなかみ藤原を除けば日に日に地面が露出し始めている。
雪が少ないと心配される雪不足に関しては、上越国境付近の山沿いにさえ雪があれば何とかなるが、いつぞやのように2月とか春先にドカッと降るのだけは勘弁して欲しいところである。
上から一昨日、昨日、今朝の順にここ3日間の谷川岳の三変化。
冬に咲く花は少ない。どころか、すべてのものが凍りつく厳冬の山間地ともなればそれは皆無である。
グレースケールのモノトーンの景色の中で、辛うじて主張するものがあるとすれば、それは自然が創り出す繊細な雪の華だろう。
雪はこの世のすべてを覆い隠すように積もることもあれば、あらゆる物質に付着して、それはあたかも素っ気ない空間に花を添えるかの如く振る舞う。
耳が痛いほどキーンと張り詰めた早朝の空気の中、静かに森の中を歩けば、意図しない自然の造形の美しさに触れることになる。
古の昔は砂糖のような甘い甘味料がなかったので、甘いものと言えば熟した木の実と相場は決まっていた。中でも柿の実は古来から日本人には親しまれてきている木の実だろう。
街場では見かけなくなったが、田舎には昔の名残で未だに柿の木が残っている。まあそれとて食用でどの程度消費されているかは未知数で、里山の沿道や畔に植わっている柿の実の大半は、晩秋ならクマ、冬なら朽ちて鳥の餌になっているだろう。
柿は甘柿と渋柿があることが知られているが、絶対に甘くなる品種と、逆に絶対に渋くなる品種、そして状況によってどちらかに変化する中間品種とに分かれるそうだ。市場に柿の実として流通しているものは間違いなく甘柿だが、前述の田舎の周辺に植わっている半ば野生化したような品種は、ほぼ渋柿と言えるだろう。
状況によって変化するというのは、雄花の量で種が増えたりといくつか条件があるようだが、そもそも温暖地でないと甘くならない。利根沼田でも標高が高いところでは、まず間違いなく渋柿になっているはずだ。
そこで作られるのが干し柿である。干し柿は乾燥することで渋みのもとであるタンニンが渋くなくなる..難しいことは分からないが水分として溶け出してこなくなるらしい..ことを利用した保存食だ。うちの近所に残る柿の実はほぼ干し柿となって、村の直売所に並ぶことになる。
ちなみに、干し柿になるとは言ってもそこまで需要があるわけでないし、そもそも高いところの実は収穫もままならない。そういった実は秋からそのまま放置され、ちょうど今頃鳥たちの食べ頃になっているという次第。
色の薄れたモノトーンの冬にあって、穏やかなパステル調の橙は雪景色によく映える。まさに雪国の色と言えるだろう。
本日も再びSLレトロみなかみ号を撮影。と言っても昼前の下りだけで、午後は北部フィールドへ出掛けたので、本日は撮り鉄目的だけではない。
実は昨日、上りも撮ろうと夕方に岩本駅まで下がって待機していたのだが、定刻になっても待てど暮らせどやって来なかったのである。どうした世界に誇る日本のJR!と寒さの中30分ほど待って引き上げたのだが、雪の影響で上りが運休していた事実を夜になってからJR高崎支社のHPで知ることに。
どおりで誰も鉄ちゃんが居ないわけだw こういうところににわかと本職の違いが出るようで..
ということで本日も運行はみなかみ行きの下りだけなので、天狗様詣での行き掛けに寄り道した次第。撮影ポイントはこれまた昨年のうちにロケハンしておいた場所からで、近くには鉄ちゃん御用達らしい撮影ポイントがあった..沿線にわんさとカメラマンがたむろっていた..ようだが、怖いのでそちらには近づかず。
今日のステージもProject AKG/Around AKGなので、昨日同様に狙いはあくまで赤城山で、雪景色の中それも我が赤城高原バックである。
フッテージ屋として当然動画も押さえているのだが、GH5は三脚に固定して少し高いところに放置して長回し。録画はスマホから遠隔操作。
車両の走行音だけでは寂しいの汽笛でも鳴らしてくれないかと思っていたら、狙いすましたように繰り返し数回鳴らしてくれた。が、後で録画を確認したら、線路すぐ脇に立っている鉄ちゃんが避けそうになかったため、警笛として鳴らした様子が見て取れた。
その風体には見覚えがあり、実は車両通過前に線路を横断しようとしていた若い二人連れがいて、さすがに目の前だったので注意した、まさにその連中であった。その時は悪びれもせず逃げるように姿を消していたのだが、結局危険行為を繰り返している始末。
まあ一部とは言え撮り鉄は世間的には迷惑行為の常習犯と見られているわけだが、その二人連れなどまさにその一翼になっているのだろうね。
SLレトロみなかみ号の新春初走行と聞いて、昼前に冬のSL撮影を敢行。
県内を走るJR東日本のSLレトロ号..今日はD51でなくC61だった..は上越線と信越本線の双方あるが、冬季の上越線では正月明けの今日明日のみで、その後は春まで欠便するのである。やはり雪の影響があるのだろう。
ということで、沿線各地の知られた撮影ポイントは朝から本職の姿が多く、にわか鉄ちゃんには付け入るスキがない..
と言いたいところだが、こちらは静々と進行中のProject AKGの一環なので、車両自体が目的の人たちとはやや視点が異なる。特に同ステージのうち今日はAround AKGなので、狙いはあくまで赤城山と上越線。昨年のうちに高崎・前橋の行き帰りにロケハンをやっておいたので、本職たちと被ることなく撮影できた。
上越線は赤城山の西側の裾野に沿って利根川と並行して走る路線で、特に渋川〜沼田間はなかなか絵になる眺めの中を走っている。ただ、背景に赤城山を入れ込むにはヘイズの影響を受ける夏場よりも、空気が乾燥してクリアな関東の冬晴れが最適であり、そういう意味で今日明日しかチャンスが無いというわけだ。
さらに同じ車両を狙う場合、通常は路線の上り下りそれぞれ1ポイントだけになるが、SLレトロみなかみ号は渋川で30分停車するので、渋川手前で撮影の後に上手く移動すれば、沼田までのもう1ポイントでも撮影可能になる。
ドーンと赤城山をバックに。
利根川の鉄橋を渡る。背景は雪煙の上がる黒檜山と鈴ヶ岳。
今日のカットはHDR風に仕上げてみた。仕事でない限り基本的にHDR処理はやらないが、車両自体が漆黒の上に関東の冬晴れトップライト下なので、こんな時はHDRが良い。今流行のインスタ映えっぽい?
余談だが、請負仕事以外で鉄道目的のみで撮影に出たのは、35年を超える写歴で初のことだったりする。
この冬のヒマワリレストランは12月10日にオープン。例年は年始年末辺りからなので、過去最も早い店開きとなった。
早いことに特に深い意味はないが、12月に入ってすぐに物置の裏手から餌台を出してデッキに立て掛けておいたところ、早くにシジュウカラの斥候部隊が様子見に来ており、何となく急かされているような気がしたから、といったところである。
常連のスズメ、シジュウカラ、ヤマガラ、シメ、それにヒマワリに用はないが時々エナガが姿を見せる。年明けて雪が積もってからはカラ類は朝から引きも切らず。逆に庭の畑を漁っていたツグミたちはパッタリ姿を見せなくなった。
隣家の築山にはミヤマホオジロ、裏の法面にはベニマシコ、宵の口になると近所の防風林方向からフクロウの鳴き交わしが聞こえてくる。
それと、近所というわけではないが、大晦日に所要で下へ下っていく途中、ハイイロチュウヒのキレイな雄が低空でヒラヒラと耕地の上を飛んでいるのを目撃した。その後にカメラを持って数回見に行っているが、結局その時1回だけ。
もう赤城高原は一面雪に覆われてしまったのでさらに確率は低いのだが、下へ下る通り道なのでよく注意して見ている次第である。
裏山の北面道路は今日の午後で冬季通行止めとなる。県としてはもっと早くに閉めたいところだろうが、沼田や片品から大沼湖畔にある大洞の赤城神社に初詣に来る人がいるので、三ヶ日明けの4日に閉めるのは例年通りである。
一昨日・昨日の降雪は赤城山には結構降ったので、冬季閉鎖を早めるのではないかと勘ぐっていたが、さすがにそこは行政、律儀にたった1日のためにきっちり除雪してあった。
地蔵岳にファミリースキー場があるくらいなので、前橋方面からの南面道路は通年開いており、大沼や覚満淵へは冬でもアプローチできるが、赤城高原からは北面に比べれば倍近い時間を要するので、やや面倒ではある。
そんな覚満淵を空撮。氷雪の描く自然の紋様はかくも美しいのである。
大沼はまだ氷が薄い部分があるものの、ほぼ全面結氷している様子。この分だとワカサギ漁解禁も近いのかな。
そうは言っても三ヶ日過ぎているので赤城神社の参拝客はまばら。黒檜山への冬山登山客のほうが多いくらいだ。
小雪などと記事に書くと途端に雪が降る今日この頃。昨晩から断続的にゆるゆると降雪..おかげスーパームーンを撮り損ねた..となって、今朝は赤城高原でも30cm程度の積雪となった。
この程度なら放っておいても問題ない量だが、まだ今日明日とこの空模様が続くらしいので、取り敢えず家周りの雪かきを済ませておく。
降雪の様子を撮影する時、動画なら悩むこともないが、写真の場合は降り方によって止めるか振らすかの2択になる。
小粒の雪で且つ風が強ければ流動感を出す意味でややスローで流す(=振らす)し、風もなく深々またはハラハラと落ちるように降っているなら、やや逆光気味で止めるのがセオリーだろう。
何れの場合も背景は選ぶ必要がある。雪模様なら空でも地面でもほぼ白っぽい背景になってしまうので、森や木々、水面などを入れるのが適当だ。さらに言えば大口径レンズの開放付近を使って、背景は認識できる程度までぼかしたい。
みなかみ藤原など上越国境に近いエリアを除けば、小雪の続く利根沼田界隈。標高の低い林道であればジムニークラスのクロカン4WDなら少し奥までアプローチできるところもある。
鉄砲撃ちが付けたであろう雪の轍を辿って、サルを探してゆっくりと林道を流していると、割と近くで「ピィ、ピィ、ピェ〜」という甲高い猛禽類の鳴き声が聞こえてきた。
カメラを片手に長靴ツボ足でズボズボと支線を100mほど歩いていくと、声の主は沢を挟んだ対岸のスギ林付近にいるようである。しばらく探していると、最初の音源と反対方向のカラマツの横枝に、クマタカの雌が止まっているのを確認した。
距離にして50〜60m程度だろうか、向こうからはこちらは丸見えのはずだがほぼ無関心。当初より鳴いている声の主..この時点で音源が移動しているが判ったので飛んだのだろう..の方をジッと注視している。
やおらこの雌も2声ほど鳴いてから飛び立ち、一旦林影で見失うもすぐに3羽になって戻ってきた。うち1羽は昨年生まれの幼鳥、他2羽は先ほどの雌と雄のペアらしく、幼鳥を追い払うと言うほどではないが、特には雄のほうが何となく最初の止まり位置に近づけさせたくないような行動をしていた。
と書くと如何にもだが、このクマタカはよく見知っているペアで、割りと成績よく繁殖しているのである。今日の幼鳥も恐らく昨年のがまだ周辺をうろついているといった状況なのだろう。
ここ数回の繁殖に利用していた巣は把握していないが、以前の古巣は知っている。でもそれは今いる谷ではないので、今日の行動から今年はこの谷の先ほどの林を使うつもりなのかもしれないな、などと思いつつすぐに引き上げてきた。
本来なら一富士二鷹の順が望ましいが、今年は富士より鷹のほうが最初であった。でもフジで鷹を撮ったからそれでもいいっかw
もっと言えば、初天狗様より先に小天狗を観てしまうというのは思うところがないわけではないwが、まあ近年は以前のような原理主義を捨てて懐広く自然と接することを心がけているので、さもありなんだね。