タグ : マイクロフォーサーズ

portfolio

小鳥の撮影でG9 PROの連写性能と画質については実証できたが、AF性能はどんなものかも検証しておく必要がある。

とは言えさすがに至近距離を飛び交うカラ類をAF-Cで追いかけるのは困難極まる..例え一眼レフの位相差式であっても..ので、ここは少し離れて狙える水鳥系が良いだろうと、館林に仕事で出かけたついでに多々良沼で試してきた。

データはすべてメカシャッターでプリ連写はなし、AFはAF-Cでゾーンはマルチカスタム、焦点距離は35mm換算で800mm相当である。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

まずは旋回しながら着水のために降下体制に入った状態。空抜け高コントラストのこの程度のシーンであれば、今どきの普通のAF一眼ならどんな機種でもピンを外すことはない。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ちょっと露出不足で絵としてはアレだがw、コントラストAFにとっては鬼門のシーン。

密生したヨシを背景..しかも背景のほうが被写体に近い..にしてもなお、歩留まり良くAF-Cが連続してピンを合わせ続けてくれる辺り、G9 PROのDFDのAF性能は向上しているといってよい。GH4辺りでは間違いなく背景に引っ張られる。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

前の連写の続き。さらにさざ波だつ水面が加わっているが、それでもコハクチョウを追い続ける。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

同じく前の連写の続き。追っていたコハクチョウの成鳥の手前にいきなり幼鳥が被ってきたが、さすがにこれはより至近の幼鳥にピンが切り替わった。まあこればかりはDFDとは言えコントラストAFの宿命であろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

高速で飛翔してきたオナガガモの降下直前の1シーン。このちょっと手前からEVFで狙っていたが、中央に捉えてからAFをオンでシャッターを切っている。

ガンやカモの仲間は着水の直前に減速のために左右に体を振ってトリッキーな動きをする場合があるが、AFゾーンをマルチカスタムでやや広めに設定しておくと、被写体が左右に逃げても無難にAFが追い続ける。

さらに言うと、800mm相当の画角を手持ちで撮影できるのはマイクロフォーサーズ機ならでは。大型三脚に載せたEOS-1DXとEF800mm、それにD5とAF-S600mm..両機の組合せのカメラマンが何人か居合わせた..では、瞬間は狙えても至近での着水まで連続して捕捉し続けることなど困難だろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

手前に向かって移動してくる被写体のスケール速度は相当な速さである。至近になれば見かけ上の速度はなおさら早くなるので、これを手持ちのAFで追い続けるには、それなりのAF性能とそれを捕捉し続ける相応なフレーミング技術が必要だ。

また、一昔前のEVFでは遅延問題が常に足かせとしてあったが、ここまで撮れればスポーツ報道でも問題ないだろう。この時はG9のEVFは0.7倍でアイポイントを長く取って、スポーツファインダー的に使用している。

G9 PRO最大のセールスポイントは、電子シャッターによる秒間60コマ、またはAF追随で20コマという連写性能だろう。これまでマイクロフォーサーズ最速だったオリE-M1 MarkIIの18コマを抜き去り、現時点で一眼デジの連写番長となった。

生きものを撮影するのだからさぞ連写するのだろうと思われがちだが、実は個人的には世の中が思うほど連写することはない。まあ、そもそも鳥など好んで撮っていたのはもう15年以上前の話であるし、その頃でも秒間5コマも撮れれば御の字だった。なので例え倍の10コマに上がったからと言ってそのありがたみを感じることもなかったのだが、それが秒間60コマともなるとさすがにこれは事情が変わってくるというものだ。

AF追随であれば有効画素数が近いソニーのα9がすでに秒間20コマで同等のスペックではあるのだが、α9の場合は使用レンズがかなり制限されていて、お高いG Masterレンズが必要というコスト面でのオチがあるのと、AF固定ながらも秒間60コマという韋駄天性能はない。

さらにG9 PROにはシャッターを全押しする前の24コマ..AF追随の場合は8コマ..を記録する「プリ連写」があり、これはオリのE-M1 Mark IIのプロキャプチャーと同等の機能である。そしてプリ連写による高速連写は、同時にファインダーをブラックアウトから開放してくれた。連写中も途切れること無く被写体をファインダーで捉え続けることができ、例えるなら「動画を撮るように連続写真を撮る」という感覚が味わえる。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

まずは普通に餌台からの飛び出し方向を予測、ISO3200でシャッター速度は1/16000秒で飛び出しと同時を狙ってシャッターを切る。秒間60コマ切れるとは言え、拙者程度の反応速度では連写してもこの位が限界。

そして次の3枚がプリ連写機能で全押し前のコマから合成した結果。注目ポイントは止まっている背景にあり、撮影時に流し撮りなどしていなことがお判りだろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

飛び出し直後からフレームアウトまで、1コマ0.01666667秒の刹那が見事に捉えらている。これが仮に秒間10コマなら1コマ写っていればマシな方だろう。しかもこの例では数mという至近距離での撮影なので、鳥などの飛翔シーンを狙った人ならば、この合成カットの意味する難しさは容易に想像つくはずだ。

使ってみて気になる点としては、RAWと同時記録の場合、電子シャッターによる高速連写時の撮影コマ数は最大で50コマ..JPEGのみだと600コマ..までなので、プリ連写との合わせ技でシャッター半押し状態のタイミングによっては、全押し後の撮影コマ数が半分になってしまうので、この辺りは慣れが必要と思われる。が、ここぞのタイミングでシャッターを切って、その少し前から記録できるというのは、時間の流れを操作しているようでなかなか面白い機能だ。

ちなみにパナには6K/4Kフォトがあって、そっちも秒間60コマだという向きもあろうが、6K/4KフォトはあくまでMP4動画として記録し、その中のコマを複数合成して静止画を切り出すという動画ギミックである。何よりチョコチョコ繰り返し連続して撮影するのはまったくの不得手で、書き込み動作中のダンマリも使い方によっては困る場合がある。その点で、普通に写真を撮るのとそう変わらず、秒間60コマでRAWまで同時記録できるG9 PROの連写性能は凄い。

目下の問題は、無駄カットの膨大なる山..6K/4Kフォトの場合は無駄な動画..が出来上がることだろうか。プリ連写したからと言ってすべてのカットが有効になるわけではない。見越し撮影では総じて半分以上は目的の被写体が写ってないことが多く、撮影後にひたすら有効なカットの選別を強いられることになる。

そしてもう一つ、このプリ連写機能をさらに有効とするためであろうか、シャッターフィーリングがかなりフェザータッチとなっており、GH5など従来機の感覚だとかなり無駄打ちをすることになり、これにはさすがに未だ慣れていない。

とは言え、人の技を遥かに超越した連写性能とブラックアウトフリーは、動体撮影では大いなる武器となろう。パナとしては2020年東京五輪に向け、プロ機として大きなシェアを持つC社とナイコン、さらにα9で猛追しようと目論むソニーに対し、マイクロフォーサーズで一矢報いたいと考えているのかもしれない。

G9 PROに搭載された目玉機能の一つに、連続して撮影した写真を合成して1枚の高解像度の写真に仕上げるハイレゾモードがある。

ハイレゾモードはIBIS(ボディ内手ブレ補正)の機能を利用してセンサーを1/2ずつシフトさせて8枚の写真を撮影しこれを合成するというギミックで、2000万画素が都合4倍となって実質的に8000万画素(4:3の場合)という高解像度な出力が得られることになる。パナは本機が初だが、ペンタやオリの一部の機種にはすでに同様な機能が備わっている。

ただ、8枚は同時でなく連続して撮影..と言っても処理としては1シーケンスなので連写するわけではない..するので、動体など被写体に動きがあるとそれなりにブレた状態で合成されてしまう。三脚必須なのは言うまでもなく、さらに屋外では使う場面を選ぶことになるが、意図して流動感を出すなどするのでなければ、風などの影響を受ける点ではどのみち1枚でも条件は一緒だろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

無風の状態から上越国境の仙ノ倉山を撮影。無風と書いたが仕事場の中なので当たり前だが、撮影対象は遥か彼方なので、ハイレゾモードの検証として正しいかはやや疑問w


その一部を2000万画素から切り出したものがこちら。


そしてハイレゾモードの7000万画素(3:2の場合)からほぼ同じところを切り出したものがこちら。Web上の話なので解像度は正確ではないが、比較する限り差は歴然だ。

フルサイズの1/4しかないマイクロフォーサーズのセンサーに、3000万画素とか5000万画素などという高解像度は現在の技術では望むべくもない。そういう意味では高解像度が必要な向きにはフルサイズしか選択肢はないのだが、常に絶対的な高解像度が必要でないケースへの答えが、パナの場合はこのハイレゾモードということになる。

IBISと電子シャッターによる高速連写無くしてハイレゾモードは実用的に成立しないのだが、最初にこの技術に目を付けた技術者は賞賛に値すると言っていい。一つのブレークスルーがさらに二次的な作用を生むという、まさに好循環の結果の産物である。

GH5sを手に入れたであろうという大方の期待を裏切って申し訳ないが、実は手元にやってきたのはパナがGH5sと同時に世に放ったダブルフラッグシップモデル、G9 PROのほうであるw

GH5sの導入宣言的なことを言っては見たものの、よくよく考えてみると今のところどうしても高感度撮影に用があるというわけでもないので、取り敢えずGH5sは様子見とし、それよりパナ渾身のマイクロフォーサーズ機がどんなものか試してみたくなった次第。ま、GH5sは何れ、ねw

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

事前に調べてあったので判りきっていたことだが、箱から出しての第一印象はGH5の時と同様でデカイである。GH5の大きさに慣れてしまったのでまあこんなもんかと言った感じだが、純粋にマイクロフォーサーズのカメラとしては大きく且つ重いというのが実際のところだろう。

スペック上のサイズだけ比べれば、フルサイズのソニーα7Rシリーズより大きく重い。センサーサイズで1/4しかないのに妙な現象ではあるが、α系は逆に小さすぎてバッテリーグリップを装着しないと望遠レンズは厳しいと皆口を揃えるし、何よりあの小ささが祟って4Kで熱を逃がす術がない。

逆にG9 PROはその特徴的な大型グリップのお陰で、比較的大柄な100-400など望遠ズーム装着時でもバランスはよく、バッテリーグリップの必要性は感じない。GH系にしてもその大きさを憂う声が多いのは確かだが、一眼システム全体としてみればフルサイズ系のシステムより遥かにコンパクトで済むので、ボディの大きさだけで比較しても詮無きことだろう。

バッテリーはうちに沢山転がっているGH系と同じBLF19なので、他の予備を入れて即電源オン。設定もいつものパナの系譜なので特に説明書を読むまでもなくセッティング完了。と、ここまでは特に違和感ないのだが、とにかく見た目からしてGH5とはかなり異なる印象だ。

背面の操作系はGH3の頃からそう変わってないのは好印象だが、軍艦部のそれはパナ機では見るからにやや異端な感じ。モードダイヤルが左肩に移動したことと、その理由でもある右肩のLCDがどこかで見たような印象を受ける。そう、EOSなど一眼レフ機のアレなのである。

LCDが配置されたとは言っても、右肩のボタン配置も思っているほどは変わっておらず、カメラを構えて右手で操作する分には違和感がなかったりする。で、操作系で一番変わったのは電源スイッチであろう。ここはモードダイヤルが左に移動したことで、ナイコン辺りと同じシャッターボタン周りに変わり、より即応性の高い操作となった。ただ、お陰でGH5と異なるという厄介な副作用が出ているのだが..

ということで、まずはセンサーサイズとは裏腹なその広大なファインダー倍率に戸惑いつつも、何はともあれ、ようこそブラックアウトフリーの世界へ。

いやぁ、久々に面白いカメラが手に入った。まだ色々テスト中の段階だが、今まで使ってきたカメラでここまで楽しいものは無かったのではないか、などと思わせる性能には感嘆するばかり。

近年は遠ざかっていたあれやこれやの被写体にも、これならあらためて挑んでみるのも面白いかと思い始めているところ。まさにマイクロフォーサーズの夜明けと言っても良いかもしれない。

と言いながら、記事の写真が全然別のカメラで撮ったものだったりするのがいかにもこのブログらしいw

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

Project AKG/From AKGの一環で、冬の関東平野に昇る日の出を赤城山麓より撮影。それにしても、寒かったぁ..

現在のデジタルカメラの性能面でセンサーサイズなど論じても意味は無いことは先日書いた通り。ではどうしてかくもフルサイズマンセーの状況にあるのか。

何が何でもフルサイズでないとという輩は、メーカーの提案するマーチャンダイジングのヒエラルキーにまんまと乗せられていることに気付いていない、まさしく大砲巨艦主義の帝国海軍そのものと言えるだろう。

コンデジがスマホに食われてしまって市場が縮小する中、カメラメーカーが活路を見出しているのは高級路線である。が、レンズ交換式の一眼タイプにもヒエラルキーを作らないと、マーケティングの都合上、自社製品にも差別化を図れない。

そこで編み出された錬金術が「いつかはフルサイズ」というキャッチなのである。写真趣味の人達の中に何となく蔓延する、フルサイズ=高級とかプロ、APS-C・マイクロフォーサーズ=アマチュアみたいな意味不明なアレである。

今どき声高にフルサイズ一番などという論調を発している輩はメーカーの回し者、広告塔と言って良い。今はインスタグラムに代表されるような写真SNSが台頭する時代で、国民一億総カメラマンである。昔ほど写真集のような作品が売れる時代ではないので、誰も彼もが雑誌でカメラ機材のレビュアーやテスターなどでしかメシが食えないのである。

そこそこ名のしれたカメラマンがライター代わりに使われ、フルサイズ最高を言葉にして発することが、提灯記事で溢れかえる売れない雑誌の現状を如実に現している。マーケットが縮小して雑誌自体が売れなくなっているこの辞世、カメラメーカーのスポンサードは必須だとは言え、そこに主義主張のかけらも何もなく、かくも錬金術の片棒を担がされているわけだ。

そもそもフルサイズって何ですか?と手伝っている写真教室的な集まりで若い人に聞かれるのがことの始まりである。正確には35mmライカ判と言うべきで、カメラの歴史上では事実上のスタンダードになってきているため、そこがすべての基準なのである。

レンズ累計何千万本達成!という自慢げなキャッチを踊らせたい古参メーカーにしてみれば、フルサイズの否定は自社の歴史の自己否定となってしまい、今まで連綿と売り続けてきたレンズ群まで頭数に含めてのメーカー戦略であること自明の理であろう。

言い換えれば、フルサイズが素晴らしく良いという話なのではなく、フルサイズで使える沢山のレンズ群..フィルム時代の大半のレンズはデジタルでは使いものにならないが..が資産としてあって、それを売りさばきたいというメーカー都合のゴリ押しと、フルサイズ最高を演出して高価格な客単価を取り戻したいメーカー戦略こそが、「いつかはフルサイズ」の錬金術の根源に他ならない。

FUJIFILM X-T2 / XF35mm F1.4 R

大寒を過ぎたばかりだが、庭のコブシの冬芽が膨らみ始めてきた。餌台にやって来るシジュウカラも、陽気が良いとツツピーツツピーと鳴いている。

今日は午後辺りから南岸低気圧の影響で関東は大雪と言われているが、庭先ではほんの少しずつ春を感じさせる景色もちらほら見かける。

仕事に使うにはAPS-Cやマイクロフォーサーズでは心許ない、やっぱり写真はフルサイズだとか何とか言う論調をよく聞く。

趣味の世界でアマチュアが何を言おうとそれは自由だし、むしろ大金はたいて無駄に..もとい高級志向で高い機材を揃えるのは、景気高揚の意味でも大いに意味がある。若い人は知らないだろうが、その昔は贅沢税と言われた物品税が日本にもあったほどだしね。

話が逸れたが、今どき写真を飯の種にしていて、APS-Cやマイクロフォーサーズでは仕事ができないと言うならば、それは自ら撮影技術がないことを逆宣伝しているだけなので、老婆心ながら営業センスが無いと言わざるをえない。

全倍以上の展示物の仕事..実質的な鑑賞距離を考えるとそれさえも疑問だが..でもない限り、センサーサイズの違いなどまず判らないと断言していい。仕事柄様々なカメラの画像を元に、ポスターからチラシまで印刷物の編集作業を請け負ってきているが、デジタルカメラの黎明期を除けば、未だかつてフルサイズでないから困ったことなど、ただの一度もない。

黎明期の時でさえ、フルサイズかどうかではなく絶対的な解像度の問題のほうがはるかに大きかった。そしてその解像度でさえも、雑誌なら800万画素、ポスターサイズでも倍の1600万画素もあれば、今の印刷技術を持ってすればおつりが来るほど必要十分なのである。

フルサイズで4000万画素以上などというのは、もはや自己満足のレベルでしかなく、HDDなどストレージの肥やしであり、生涯掛かってもその必要性の意義など見出すことなく消えていくことだろう。

撮影テーマが星とか夜とかとにかく暗いので常用高感度での性能が高いほうが良いという実質的な理由はさておいても、いやいや、クライアントの前で小さいカメラでは面目を保てないので、なるべく大きなカメラでおいらは仕事してまっせと主張する必要があるwとか、味のあるオールドレンズを本来の画角で隅々まで使いたいとか、まだそういった理由でフルサイズを使うと宣うほうが潔くて判りやすい。

FUJIFILM X-T2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

再びBLUE MOMENT。暖かいとは言ってもそれは日中の話であって、日が沈むと急速に冷え込んでいく。

例年だと積雪と共に姿を見かけなくなるジョウビタキだが、この冬は近所に数個体が残っており、このまま越冬しそうな勢いである。

秋の渡って来たては警戒心が強く近寄らせてくれなかったが、今の時期は待っていれば向こうから気にせず近づいてくる。この辺りの性質は近縁種のルリビタキとよく似ている。

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

FUJIFILM X-T2 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

ISO12800で撮影。GH5と言えどマイクロフォーサーズだとさすがに使うのをためらう..せいぜいISO6400が上限だろう..が、フジのX-Transセンサーは十分に解像しているのが判る。

日の出前でかなり薄暗いのだが、EVFの恩恵でジョウビタキの姿をファインダーにしっかり捉えられる。一眼レフのファインダーではこうはいかない。

ただ、低照度のためAFが背景に引っ張られることもあるので、こういうケースではMFに切り替えて撮影するのだが、X-T2はX-T1同様にMF時はEVFを二分割表示して、片方にAF測距点を中心に拡大表示してくれ、さらにピーキングも働くので、MF時のピンの山が非常に掴みやすい。

ミラーレス機のバッテリー消費の速さには閉口するが、そのご利益には十分預かっている次第である。

米CESで発表されたGH5sが話題だ。見た目はGH5そのものだが、センサーと画像エンジンはまったくの別物で、ISO51200を常用感度域とし、さらに設定でISO204800まで拡張できる。

米サイトでサンプル映像を観たが、フルサイズの低画素で高感度性能を謳うソニーのα7Sと比べ、動画だと同等、静止画ならGH5sの動画から6Kフォト切り出しのほうがノイズがなくクリーンなのだから恐れ入る。

フルサイズに比べてセンサーサイズが面積比で1/4程度のマイクロフォーサーズが、既存のどの市販カメラより高感度性能が高い、まさに高感度番長の時代が来るとはよもや思いもしなかった。

ただ、高感度に特化したこととバーターで、今どきのスチルカメラとしての性能は抑制されている。センサーサイズはマイクロフォーサーズでも画素数は約1000万画素と二世代前の水準に戻り、GH5で搭載されていたIBIS(ボディ内手ブレ補正)も付いていない。見た目はミラーレス一眼のそれだが、中身は動画専用機で割り切れというメーカーの主張がスペックに見え隠れしている。

それでも似通ったスペックで飽和しつつあるデジタルカメラ市場において、そういう尖ったカメラはアリだろう。常に動画ミラーレス一眼の先鞭をつけてきたパナの面目躍如だ。画素競争の果に高価なレンズを買い換えさせようとするのではなく、オンリーワンを目指そうとうするパナの姿勢は評価できる。

FUJIFILM X-T2 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

GH5sに大口径単焦点レンズの組合せでどんな絵が撮れるのか楽しみだ。が、その前にマイクロフォーサーズの大口径単焦点レンズも手に入れなくてならないという問題もあるw

昨年は新しい機材に手を出すことはなかったが、今年は色々動きがあって面白い。何はともあれ、まずはGH5sは個人的には買いのカメラだ。

赤と青

2017/12/23

いつもの防風林を通り掛かると、頭上でけたたましくアカゲラが騒ぐ声が響いた。最初はこちらを警戒しているのかと思ったが、それにしてはヤケに執拗に鳴いている。

いよいよ我慢できなくなったのか、不意に飛び立って近くの太い幹の裏に隠れたかと思うと、今度はそこからアカゲラより一回り大きいアオゲラが飛び出してきた。

キツツキにどの程度縄張り意識があるのか知らないが、繁殖期でもないこの時期に、しかも同属とは言え別種を追い払うというのもなかなか珍しいことである。

結局アオゲラが身を引くことで争いは落ち着いたようだったが、アカゲラはアオゲラと同じ方向に飛び去ったので、あの後まだ追いかけて行ったのかもしれない。

LUMIX GH5 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX GH5 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

それにしても、まだ日が昇るかどうかという時間帯。こんな薄暗い状況でも何とか写真が撮れてしまう..上の写真は何れもISO5000で撮影..あたり、デジタルカメラの恩恵は実にありがたい。

フルサイズ機に比べれば高感度性能が低いマイクロフォーサーズ機なれど、フィルム時代を知っている身にはそれでも十分なものである。