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G9 PRO最大のセールスポイントは、電子シャッターによる秒間60コマ、またはAF追随で20コマという連写性能だろう。これまでマイクロフォーサーズ最速だったオリE-M1 MarkIIの18コマを抜き去り、現時点で一眼デジの連写番長となった。

生きものを撮影するのだからさぞ連写するのだろうと思われがちだが、実は個人的には世の中が思うほど連写することはない。まあ、そもそも鳥など好んで撮っていたのはもう15年以上前の話であるし、その頃でも秒間5コマも撮れれば御の字だった。なので例え倍の10コマに上がったからと言ってそのありがたみを感じることもなかったのだが、それが秒間60コマともなるとさすがにこれは事情が変わってくるというものだ。

AF追随であれば有効画素数が近いソニーのα9がすでに秒間20コマで同等のスペックではあるのだが、α9の場合は使用レンズがかなり制限されていて、お高いG Masterレンズが必要というコスト面でのオチがあるのと、AF固定ながらも秒間60コマという韋駄天性能はない。

さらにG9 PROにはシャッターを全押しする前の24コマ..AF追随の場合は8コマ..を記録する「プリ連写」があり、これはオリのE-M1 Mark IIのプロキャプチャーと同等の機能である。そしてプリ連写による高速連写は、同時にファインダーをブラックアウトから開放してくれた。連写中も途切れること無く被写体をファインダーで捉え続けることができ、例えるなら「動画を撮るように連続写真を撮る」という感覚が味わえる。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

まずは普通に餌台からの飛び出し方向を予測、ISO3200でシャッター速度は1/16000秒で飛び出しと同時を狙ってシャッターを切る。秒間60コマ切れるとは言え、拙者程度の反応速度では連写してもこの位が限界。

そして次の3枚がプリ連写機能で全押し前のコマから合成した結果。注目ポイントは止まっている背景にあり、撮影時に流し撮りなどしていなことがお判りだろう。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

飛び出し直後からフレームアウトまで、1コマ0.01666667秒の刹那が見事に捉えらている。これが仮に秒間10コマなら1コマ写っていればマシな方だろう。しかもこの例では数mという至近距離での撮影なので、鳥などの飛翔シーンを狙った人ならば、この合成カットの意味する難しさは容易に想像つくはずだ。

使ってみて気になる点としては、RAWと同時記録の場合、電子シャッターによる高速連写時の撮影コマ数は最大で50コマ..JPEGのみだと600コマ..までなので、プリ連写との合わせ技でシャッター半押し状態のタイミングによっては、全押し後の撮影コマ数が半分になってしまうので、この辺りは慣れが必要と思われる。が、ここぞのタイミングでシャッターを切って、その少し前から記録できるというのは、時間の流れを操作しているようでなかなか面白い機能だ。

ちなみにパナには6K/4Kフォトがあって、そっちも秒間60コマだという向きもあろうが、6K/4KフォトはあくまでMP4動画として記録し、その中のコマを複数合成して静止画を切り出すという動画ギミックである。何よりチョコチョコ繰り返し連続して撮影するのはまったくの不得手で、書き込み動作中のダンマリも使い方によっては困る場合がある。その点で、普通に写真を撮るのとそう変わらず、秒間60コマでRAWまで同時記録できるG9 PROの連写性能は凄い。

目下の問題は、無駄カットの膨大なる山..6K/4Kフォトの場合は無駄な動画..が出来上がることだろうか。プリ連写したからと言ってすべてのカットが有効になるわけではない。見越し撮影では総じて半分以上は目的の被写体が写ってないことが多く、撮影後にひたすら有効なカットの選別を強いられることになる。

そしてもう一つ、このプリ連写機能をさらに有効とするためであろうか、シャッターフィーリングがかなりフェザータッチとなっており、GH5など従来機の感覚だとかなり無駄打ちをすることになり、これにはさすがに未だ慣れていない。

とは言え、人の技を遥かに超越した連写性能とブラックアウトフリーは、動体撮影では大いなる武器となろう。パナとしては2020年東京五輪に向け、プロ機として大きなシェアを持つC社とナイコン、さらにα9で猛追しようと目論むソニーに対し、マイクロフォーサーズで一矢報いたいと考えているのかもしれない。