月別アーカイブ : 2016/04

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GWに冠雪

2016/4/30

さすがに氷点下にはならなかったが、今朝の赤城高原は結構冷え込んだ。北海道では冬に逆戻りしたかのように、平野部でも積雪があったようだ。

これで明日は夏日超えとか言われているものだから、いくら春とはいえジェットコースターのような天気の移り変わりには、人も動物も目を回す勢いである。

20160430

雪雲に包まれる上州武尊山。谷筋を除けば残雪などとっくに無くなっていたのだが、中腹から上はそれなりに降雪があったようだ。

カテゴリ:季節感

林道脇が伐開された見晴らしの良い場所から周囲の景色を眺めていたところ、目の前の斜面下から草をかき分けて上がってくるけものの気配を感じた。

まだ周囲の草丈が低いことと、ガサゴソとしたわりと忙しない動きから、大型獣でないのは想像がついたが、ここで停車中の車に戻る動作をすると目立つので、ポケットからiPhoneと取り出してしばし待つ。

当然、少し離れたところに飛び出してくるものと考えていたが、ガサゴソの主は目の前の縁まで上がってきて、そこでようやくこちらに気付いたとばかりに足を止めた。ここでチラッと主の顔が見え、それがイタチであることはすぐに判った。

この後どういう行動に出るのか興味があったが、まさか以前のアナグマのようにこちらの足元を通り過ぎることはないだろうとは思いつつ様子を見ていると、フフンと鼻を鳴らして1mばかり迂回の後、一気に飛び出して反対側の斜面へと消えていった。

「野外では常にカメラを携行すべし」を信条とはしているものの、さすがに小用の時まではね(笑)。仕方なくスマホで撮った次第だが、現行のiPhoneは1080/60Pで記録される..4Kでも撮れるがさすがにそれはメモリーの無駄だ..ので、地上波レベルなら十分視聴に耐えられる。便利な時代になったもんだ。

イタチは在来種であるニホンイタチと、一回り大きい大陸産のチョウセンイタチといるが、西日本だと勢力的に後者が強く、関東でも平野部ではやはりチョウセンイタチが多いようで、在来種は山間部に追いやられている。

チョウセンイタチは言わずと知れた侵略的外来移入種であるが、それを広めたのは人の欲深さ..毛皮目的で養殖したものが逃げ出し自然繁殖している..が原因なので、大陸産に罪はない。が、在来種の生息域を脅かす厄介ものであることには違いない。

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映像の個体は大きさからしてニホンイタチの雄のようだ。さらに言えば大陸産は体と尾の率が50%近いので、その辺りも野外での識別ポイントになる。

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夏鳥続々

2016/4/27

今朝は、クロツグミが朗々と美しい声でさえずっているのを聞きながらの起床となった。しばらく日本海側に遠征している間に、夏鳥が続々渡来してきたようだ。

その他、オオルリ、キビタキ、サンショウクイ、ヤブサメ、センダイムシクイを一気に初認。これだけ一度に、しかもこの遅さというのは初めてのことである。あとはトケンの仲間だが、ツツドリは先行して某所で聞いている。

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あらよっと言った感じで写ってしまったシジュウカラ。飛ぶ瞬間を狙って、うっかり電子シャッターで切ってしまった。こういう動きのある被写体には、まだまだ電子シャッター..ローリングシャッターであれば尚の事..はダメだね。

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掃除屋

2016/4/25

トビやカモメは、カラス同様に自然界のスカベンジャー(掃除屋)の地位を築いている。アフリカのサバンナにおけるハイエナ..実はそこまで掃除屋ではないというのが専門家の認識だが、ここではあくまでイメージとして..やハゲワシと同じポジションと言えば判りやすいだろうか。

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トビは山の中でも普通に見かける猛禽類の仲間だが、海辺や河川湖沼には特に多い。それだけ水辺には餌となる食べ物が多いわけで、動物の死骸や人の生活圏から出されるゴミを隙あらば狙っている。

死骸やゴミを漁ると聞くとあまり耳障りは良くないだろうが、こういった役割の生きものがいるおかげで、我々は普段から生きものの死骸に接することなく生活できるのである。

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もしスカベンジャーたるトビやカモメ、カラスがその役割を放棄したなら、我々は日夜ロードキルされた野良猫やタヌキ、浜や川岸に打ち上がった魚の腐乱死体の臭いに悩まされることこと請け合いだ。

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青い鳥

2016/4/24

海が近いということで、これまた海無し上州ではお目にかかれない種類の生きものが見られたりする。

イソヒヨドリもその一種で、国内では海岸線の磯など岩場を中心に生息する。姿が似ているという理由でヒヨドリと名に付くものの、分類上はツグミの仲間..単独でイソヒヨドリ属を構成する..である。

また、世界的には3000m級の高山帯に生息する種類であって、何故か日本産は標高の低い海岸線に分布している変わり種なのである。

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青い鳥が幸せを運ぶか否かは、見る人の日頃の行いによるだろうか。ただ、九州で地震の被害に遭われた方々には、まんべんなく幸せを運んで欲しいものである。

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20160423

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海無し県に住む上州人にとって、海は非日常の景色。

広大で果てしなく、生命あふれる水瓶であり、命生れ出づる源でもある、畏れるべき巨大な水たまりだ。

人は海へ漕ぎ出し、海を渡り、陸へ帰り、時に海へ還る。

水平線を知らない上州人にとって、海は非日常の世界。

カテゴリ:独り言

一目散

2016/4/22

何やらお急ぎだったようで、ダダッと小走りにキジのおとつっぁんが休耕田を駆け抜けて行く。一目散という言葉があるが、まさにそんな感じ。

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このまま100m程を一気走りの後、谷戸の反対側の畦に駆け上がって、お決まりのようにケーン、ケーンとドラミングを披露。見ているこちらもオッサンなもんで、息切れとかしないものかと感心することしきりだ。

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ご近所ノスリ

2016/4/21

不意に仕事場の窓の外を大きな影が横切った。

慌てて窓辺に常備してある双眼鏡で追いかけると、カラスに追われながら逃げるノスリであった。おそらく近所の雑木林で繁殖中のペアのどちらかだろう。

時々家の前の電柱に留まっていることもあり、馴染みといえば馴染みの個体である。先日もオオタカの営巣確認に行った帰りに近くに寄ってみたが、結構な勢いで鳴いて威嚇されてしまったので、こちらも繁殖は順調のようである。

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100mほど離れた畑を挟んだ枯れ杉に留まって、しばらくハシボソガラスにまとわりつかれていたが、カラスが飽きて?去った後、窓辺に望遠レンズを付き出してしばらく様子を見ていると、クルッと首を横に向けた。

一見すると左の方を見ているように見えるが、鳥が横を向いている時は、案外こちらを気にしていることが多い。

カテゴリ:猛禽|タグ:

小さな春

2016/4/20

県北のフィールドでは春が足早に通りすぎようとしているが、足元にはまだまだ小さい春を見つけることができる。

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ホトケノザとオオイヌノフグリは里山の小さな春。暖かい平野部なら早ければ2月には咲くが、北関東の山間部では今が盛りだ。

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気の利いた農家だと畑の畦に水仙など植えている。スイセンは畑に彩る黄色い春だ。

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雑木林や防風林などの林縁では、ダンコウバイに続いてキブシが小さな黄色い花を付ける。小さくひっそりと花をつけるので、足の早い登山客など気が付かず見過ごしてしまうだろう。

県南のフィールドに出掛ける道すがら、朝一で妙義山さくらの里へ寄ってみた。

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ここの桜も本来は4月下旬が見頃なのだが、県北同様に10日近く早くに満開を迎え、ソメイヨシノなどはすでに花を散らしていた。それでも、45種類、5千本の桜が標高差をもって植えられているため、他よりも長い期間桜が楽しめる。とは言え今年はGWではさすがに遅いだろうけどね。

天狗様を観察するのにはお昼から午後の時間帯が確率高いが、この季節は春霞の影響をモロに受けるため、写真でも動画でも撮影には朝一から10時ぐらいまでが適している。

太陽の輻射熱によって暖められた空気が上昇気流となって、地上の塵や埃を大気中に舞い上げるのがヘイズであり、いわゆる春霞である。逆に言えば、撮影に不適なヘイズの原因である上昇気流も、天狗様など大型猛禽類にとっては省エネ飛行をするために必要な気象現象となるのである。

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妙義山を東側から望む。いわゆる表妙義と呼ばれ、上信越道などから眺める姿もこれである。中腹まで新緑に覆われているのが判るだろうか。

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