わずかドライヤー3台分程度の電力で飛ぶ飛行機をご存知だろうか。
米Facebook社が「世界の残りの数十億人にインターネットを届ける」という大義の元、多額の研究予算をつぎ込んでテストフライトにこの度こぎつけたのである。
全福はボーイング737よりも広いと聞けば、実物はどんなにデカイ飛行機かと思うかもしれないが、重さは軽自動車よりも軽い程度のブーメランのような機体である。
Copyright(c) Facebook
翼上面の鳥で言えば雨覆に当たる部位に、所狭しと太陽電池パネルを取り付け、最終的には数週間とか数ヶ月のレベルで飛び続けることを目的としているらしい。
では何が目的なのか。ドローン?そうドローンであるのはその通りで、真の目的は飛ぶことでなく、その飛んでいる間、世界の情報通信網から隔絶された地域にWi-Fiを中継して送り届けることにある。
これだけ世の中にインターネットが普及しているのに、何が「世界の残りの数十億人」なのかと言えば、それは言葉の通りインターネットを享受しているのは、実はこの地球上では半分にも見たないという現実がある。
貧困とかそういう経済レベルの問題で、それこそスマホやPCなど持ち得ない状況では、インターネットどころではないのだが、そもそも通信インフラが存在しない場所ではそれ以前の話である。電波が通じない場所、電線の通っていな場所では、逆に通信機器を持っていても意味が無いということだ。
Facebookはご存知FacebookというSNSサービスの運営会社で、インターネットに接続できない環境の人たちは同社のマーケットから漏れていることになる。
資金を豊富に持っているIT関連会社が、将来への投資目的で研究費を費やしている例は今に始まった話ではない。GoogleやAppleが自動運転車の実現に並々ならぬ意欲を見せているのもその一つの例だ。
Faceboook社の場合、インターネットという世界的規模のインフラ財産を誰もが使えるようにしたいという思惑と、同社の商売上の利害が一致したことから、件のプロジェクト始めたと見るのが正しいだろう。
金儲けなど向かう先はどうであれ、実現された結果が世の中に貢献できる話というのは、過程を抜きにすればそう悪い話ではない。
ところで何故このブログでこれを記事にしたのか。その真の意味は、このプロジェクトで飛ばす機体名が「Aquila」であるからさ(笑)。
Aquilaはラテン語で鷲を意味するが、我らが天狗様ことイヌワシの学名は「Aquila chrysaetos」と言い、これは金の鷲、つまりGolden Eagleのことなのである。
ということで、お後がよろしいようで..
関連する記事はこちら