スッキリしない天気もようやく先が見えてきた。これで秋雨の季節が過ぎれば、山や森は秋本番を迎えることになる。空気も澄んで遠くまで見通しも利くようになるので、終日フィールドに出ていて一番気持ちの良い季節の到来だ。
上越国境の稜線に滝雲が現れた。その名の通り雲が山の稜線を超えて滝のように流れ下る様を指すが、これが群馬側で見られるということは、新潟側は厚い雲海の下ということになる。
7月は1日が満月であったが、実は昨日の31日も満月という珍しい月であった。大気中のヘイズの影響で月が青白く見えることをブルームーンと言うのかと思っていたが、どうも暦月に2回目に見られる満月のこともブルームーンと呼ぶのだそうで、めったに見られないこと指す慣用句である「once in a blue moon」から来ているとのことだ。
月齢とタイムゾーンの関係もあって正確に満月になっているかという問題もあるようだが、まあ見掛け上満月に見えていればそれで良いんじゃないかと、2〜3年に一度の珍事?と勝手に決め込んでパシャ。
これは31日の話として記事にしようと思っていたが、ブルームーンならぬブルーレイ(Blu-ray)への書き込みがなかなか終わらず、図らずも気が付いたらカレンダーが1日進んでしまっていた。
Blu-rayディスクへの書込みが等倍速まで落ちているのには色々原因はあるのだが、そもそもエンコードの時点でガックリ遅くなっている理由は、フッテージに4Kが含まれていることが大きい。実際に4Kフォーマットでタイトルを制作するわけではないのだが、こんな田舎の映像屋でも4Kを扱うようでは、時代はもうそういう方向に移ってきたということだ。
一週間前の18号と同様に、今回の台風19号もアッという間に通り過ぎていった。関東では群馬と埼玉の間を夜間に通過していったため、台風を意識しなかった人も多いはずだ。リンゴなど果樹農家はホッと胸をなでおろしていることだろう。
虹を見ると、「俺、昨日さ、虹の近くまで行ったんだぜ」とか、「虹の下をくぐった」「虹の橋の袂まで行ってみた」みたいなことを言い出す奴、子供の頃、クラスに必ず一人や二人いたはずだ。虹の架け橋みたいな表現があるくらいなので、気象現象として何も知らないガキの頃なら、ある場所からある場所へアーチ状に架かっている..さすがに物理的な構造物があるとは思わないだろうが..と信じたとしても、これはしかたのないことだ。ただ、普段から変わり者扱いされていたりすると、皆にいじられるのはこれ必定なり(笑)。
虹は空気中の水分を太陽光が通過する際、その水滴がプリズムの役割をして光路を屈折するため、光の成分が波長によって分解され、それが反射して見える気象現象である。撮像用レンズ..複数のプリズムから構成される点で同意..でも同様の理屈で色収差が発生する場合があり、特に輪郭周辺がにじむことから忌み嫌われるが、景色として眺めるぶんには誰しもが目を留める美しい現象であろう。
ところで「虹は七色」というのが我々日本人の認識であるが、色の見え方というのは人種によって異なる..広義に見れば生きものの種でも異なる..ため、世界的に統一されて7色というわけではない。米国では6色、中国では5色、さらに日本でも沖縄では2色という例もある。実際、iPhoneでよく知られる米Apple社のロゴマークは、その名の通り単色のリンゴの絵柄であるが、以前Apple Computerを名乗っていた頃は虹色に描かれていた。その色の帯を数えると6本で、我々日本人の知るところの7色とは違うことが判る。
我々が見る色というのはとどの詰まり光の反射である。その光の反射率によって色の違いと濃淡を識別することで、リンゴは赤いとか空は青いとか、葉っぱは緑とかホッキョクグマは白いとか判断している。先日のブラッド・ムーンが赤く見える理由でも書いたが、波長が長ければ赤っぽく見え、短ければ青っぽく見えるわけだ。高周波になればなればるほど白に近くなり、やがては目にも止まらぬ波長となり、そしてそれこそ光の速さに相違ないのである。そう、光とは波長の短い電波のことなのだ。
仕事場の棚を見上げると、以前使っていて今は物入れになっているアルミケースが置いてあるが、そこに懐かしいApple Computerのステッカーが貼られている。ここ10年位で私と付き合い始めた人たちは、私が最近になってMacユーザーに変わったと勘違いしている人がいるのだが、私が私用で最初に買ったPCはMacintoshなのである。件のステッカーはその当時、新宿三井ビルの1Fにあったキヤノンのゼロワンショップでもらったものだ。バブルの頃、Macを買うならゼロワンショップか大塚商会、そんな認識だった頃が懐かしい。
誇張でも何でもなく、今日は真っ赤っ赤な夕焼けが見られた。
夕焼けが赤く見えるのは、波長の短い光よりも長い光のほうが多く届くからである。波長が短い光とは青系、反対に長い光とは赤系を指す。撮影用語で言えば前者は色温度が高く、後者は色温度が低いとなる。
ではなぜ青よりも赤が多く届くのかと言えば、波長の短い光は大気中の水蒸気や塵で錯乱して遠くまで届かないのに対し、波長の長い光は錯乱の影響が少なくより遠くまで届くからである。プラチナバンドがより繋がりやすい..電波が届きやすい..というあれと同じ理屈だ。
太陽光が上から射す日中は、大気全体に波長の短い光が反射するため、それゆえ空は青く見える。夕方になると太陽光は斜めに射すことになり、より大気の層を厚く透過してくるため、地表近くに浮遊する水蒸気や塵の影響を受けやすく、波長の長い赤がだけが届くことになる。
尚、よく晴れた日よりも、適度な雲量がある方が赤くなりやすい。さらに日中と日没時の気温差が大きいとなお良い。