カテゴリ : 花・植物

portfolio

クリ

2018/7/2

里山でカキの木と並んで双璧なのがクリの木だろう。ヤマボウシやホウノキより遅いがミズキよりはやや早く、赤城高原では今がちょうど花期なので、周辺にはあの独特な匂い..まあ何というか誰しも嗅ぎ覚えがあるアレの匂いだw..が漂っている。

昔から農村の家々の庭先や道端には、大抵そのどちらかが植わっているものである。赤城高原は標高が高く基本的に寒冷地なので、カキよりはクリのほうが圧倒的に多い。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

その細い紐状の花から、あの毬を想像することは難しい。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

当然、その蜜を求めて昆虫たちも集まってくる。スジグロシロチョウも今はクリの花にご執心だ。

カナカナ鳴く

2018/6/28

昨日と今日と終日蒸し暑い日が続いたせいか、夕方遅くになってから近所でヒグラシが鳴いた。例年だと梅雨後半に鳴き始めるのだが、今年はちょっとフライング気味かもしれない。

北に上がっていた前線が下がり始めたが、やはりこの夏は梅雨明けが早いような気がしてきた。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA

これは朝露ではなくスギナの蒸散作用だ。ちょうど5年前に似たような投稿をしているので、詳しくはそちらをご覧あれ。

カテゴリ:季節感, 花・植物|タグ:

白い葉っぱ

2018/6/27

梅雨時のこの季節になると、路傍や林縁部に白い葉っぱが目立つようになるが、これはマタタビの葉である。

決してうどんこ病のような病気の類ではなく、開花期に伴う植物としての戦略の一環なのである。要するに虫媒花として昆虫を引きつけるために、いっそのこと葉っぱごと目立ってしまおうということのようだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

知らない人が見ればさもペンキでもこぼしたのかという感じだが、実際のところは白く変色しているのではなく、表皮とその下層の間に隙間?があって、光の反射具合で白く見えているだけなのだ。つまりこの状態での表皮自体は透明ということになる。

で、葉緑素自体は残っているので、花期の終了ともに何事もなかったように再び緑色に戻るという仕掛けなのである。

カテゴリ:花・植物|タグ:

螺旋の花

2018/6/22

里山の休耕地は小さな生き物たちの憩いの場だ。人にとっては無益であっても、命のつながりの中では無くてはならない空き地と言える。

そんな空き地に咲き乱れる野草の花々には、風まかせにやってくるもの、たまたま通りがかったもの、終日そこで過ごすもの、その甘い蜜を求めて昆虫たちが集まってくる。中でも目立つのはやはりチョウの仲間だろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

ネジバナに集まっているチョウたち。左がベニシジミ、右がモンシロチョウ。

日本では古くはモジズリと呼ばれていたネジバナ。学名のSpiranthes sinensisはギリシャ語で言うところの「螺旋の花」を意味するらしいので、まさに言い得て妙だ。

ネジバナは、休耕地など日当たりの良い土地の中でもある程度湿り気のある場所を好んで生える。時期的に梅雨時の今が花の盛りなのも、そんな事情があるのだろう。野草だが観賞用に古くから栽培も行われていたようだ。

梅雨寒

2018/6/16

今週半ば、季節外れの換気が流れ込んで北海道の石北峠が雪という話だったが、赤城高原もその頃から気温が上がらず、長袖にフリースを着込む日々が続いている。

ここ2日ほど仕事で上京していたが、流石にお江戸は湿気蒸し蒸しで暑かったけどね。まあちょっと空梅雨っぽい雰囲気もあるので、雨が続いてくれないと水不足の騒ぎが大きくなりそうで怖い。

FUJIFILM X-H1 / XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR / PROVIA / ムラサキツメクサ

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA / ハルジオン

てっきりアカツメクサかと思っていたが、それは俗称であって正確にはムラサキツメクサなのね。学名を調べていてつい最近知ったぞ..

ワールドカップのロシア大会が明日から開幕だそうだが、事前の様子ではほとんど期待はできそうにない。世代交代の時期なんだろうが、そこを変えていこうとする動きとそれを良しとしない動きが土壇場でせめぎ合った印象は否めない。

こちらは特にサッカーファンというわけではないので、結果含めまあどちらでも良いと言えば良い話なのだが、どうしても公私の区別なく話題の俎上には上ってくるので、状況は知っておかねばなるまいのぉ..

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

サッカー日本代表といえば、当ブログではおなじみのヒオウギアヤメの登場となる。今年もこの時期、路傍の林縁にサムライブルーが高原の風に揺れている。

朴葉

2018/6/12

ホウノキは樹高が高く成長することで知られており、高いものでは優に30mを超える高木も見られる。その上さらに葉も大きく、トチノキと並んで日本産では最大だ。

大抵は単独で生えていることが多く、森の中でもよく目立つが、樹高が高いこともさることながら、周囲に他の木々が生えていないことがその理由だろう。これはホウノキが出す他感作用の影響で、他の植物の成長が阻害されることに起因する。

いわゆるアレロパシーというやつで、ハリエンジュ(ニセアカシア)やアカマツなども同様に他感作用を示す。それ故にいずれも単独種で林を形成するが、面白いことにホウノキの場合は他感作用が自分自身にも影響するのか、ホウノキ林というのは見たことがない。

他の植物を寄せ付けないというのは、生き残りを掛ける意味では当然の戦略だが、この場合何となく策士策に溺れる的なものを感じでしまうのは拙者だけだろうか。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S. / 開く前の花

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S. / 開いた花
FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / 葉は日本産では最大

高木故になかなか花を近くに見る機会がないのだが、このホウノキはまだ樹高も5m足らずと低いので、花を近くで撮ることが出来た。

カテゴリ:花・植物|タグ:

奥山のブナの森を空から眺めてみると、春から初夏への季節の移ろいは、見る者を置いてきぼりにするかのようにあっという間の出来事だ。

キツツキのドラミングがこだましていた雪解けの森は、エゾハルゼミの大合唱にあふれる萌黄の森へと移り変わった。生きものや植物の息吹あふれる季節の進みは待ったなしである。

DJI Mavic Pro(1枚目は4Kから静止画切り出し)

森の中からドローンを上げるにはそれなりの技術を必要とする。上空に障害物となる木々の枝が張り出してないか慎重に確認することが求められ、闇雲に離陸させると幹や枝にプロペラを引っ掛けて墜落の憂き目に遭うことは必定だ。

例えそれが芽吹き前の明るい林内であっても、枝の張り出し自体は展葉期と変わらない。逆にそこに枝があることに気が付かない..細い枝には障害物回避センサーは反応しない..ため、プロペラの破損、ひいては機体の破損につながる可能性が高いのである。

低山の森で開けた空間を探すのは一苦労だが、奥山のブナの森には倒木更新が見られる。大木となって枝を大きく張り出したブナが何らかの要因で倒れると、そんな場所にはポッカリと樹冠が空けている..ギャップとも言う..のである。

一般的にブナは単層林を形成することが多く、それ1本で森の中の空間を広く支配している。そんなブナが倒れるということは、自分の立ち位置を他の植物に譲ることになり、追っ付け光を求めてブナも含めた生存競争が始まるのである。そのきっかけが倒木更新なのだ。

森の中に特機のクレーンを持ち込むなど想定外であるため、そんな倒木更新で空けたギャップを利用させてもらうことで、林内からドローンを森の上空へと離陸させることが出来るのである。

但し注意が必要なのは、芽吹き前は多少ドローンを移動させても下から捕捉することが出来るが、展葉期は空いた樹冠以外は空が見えてないため、上下降以外の動きをドローンにさせるのは危険である。飛行可能エリアであっても、目視外飛行のためには専任の監視要員が必要なのと、そもそもその監視要要員からドローンが見えている必要がある。

折りたたみ式で携行性の高いMavic Proの登場で、こういった単独シチュエーションでも空撮が出来るようになったが、安全面での配慮を怠ってまで飛行させることが出来ないのは言うまでもない。

ミラーレス一眼を2台..フジのX-H1とX-T2..にその交換レンズ、小型トラベラー三脚、それに空撮用のドローンを一つのバックパックに収納して運用中。

別のパターンでは、X-T2の位置に対生きもの用にG9 PRO+パナライカ100-400が収まる場合もあるが、終日撮影の場合は食料他の収納も必要なので、歩行中の速写性の観点からもG9 PROはトップローダー式のショルダーで下げている場合が多い。

何にせよ写真に動画にしかも空撮まで、こんなコンパクトな機材で運用できるのだから、つくづく良い時代になったもんだとしみじみ。

210mmのF1.4

2018/5/30

近年非常に元気の良いシグマから、F1.4シリーズのDGレンズとして105mmが発売される。件のレンズ、EFマウント版であればアダプター経由でマイクロフォーサーズにもフジにも使えるので、ちょっと気になっている。

今年のCP+を見てきた友人にも聞いていたが、見た目もさることながら重さも1.6kg超えというから中望遠としては尋常ではないサイズ感だが、特にマイクロフォーサーズで利用すると換算で210mm F1.4となって、ISO感度の低さを補う明るさを得られるのは興味深い。

その昔、キヤノンのFDとEFの双方にF1.8の200mmがあったが、まさにそれの再来感がある。あまり寄れないようだが、マイクロフォーサーズなら最大撮影倍率も倍になって、暗い森の中の生きものを狙うにはちょうど良いのではないだろうか。何よりキヤノンのやつより価格が安いしね。

FUJIFILM X-T2 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR / Velvia

最初にムシカリで教えてもらったので今でも名前はムシカリと出てくるが、オオカメノキのほうが正式のようだ。漢字では「大亀の木」と書き、葉が亀の甲羅に似ているのでこの名前がある。

ではムシカリはとは言えば、こちらは「虫狩」と書くらしく、上の写真でも判る通りハムシの類が好んで葉を食べ、虫食い状態になることからそう呼ばれているらしい。

虫が植物の葉を食べるのはこの木に限ったわけではないのに、なぜにムシカリなのかは謎である。

先日X-T2のファームがV4にアップされた。事前に告知のあった通りフォーカスブラケット機能が追加されたので、いつもならファームアップはしばらく様子見を決め込む拙者でも、早速これには飛びついた。

フォーカスブラケットは連写機能を利用して画面内のピント位置を少しずつづらしながら一度に撮影する機能で、オリンパスやパナではすでに同様の機能が実装されている便利な機能である。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S. / ホトケノザ

フォーカスブラケットについてはまた後日に譲るとして、フジのXシリーズではX-H1にも同機能の追加が事前告知されているが、まずは先行してX-T2から来たわけだ。が、早々にその該当ファームに不具合があったとして公開を中止、一旦V3相当に戻した新ファームであるV4.01を新たに公開した。

拙者は案内された不具合に遭遇したわけではないので、本件はトラブルに当たるまで放置とするが、問題が判っている時点で対応にそう時間がかかることも無かろうとの判断である。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PRO Neg. Std / クロフネツツジ

ファームアップで新機能を追加して既存ユーザーにも手厚いサポートをすることは、今どきの企業戦略としては正しい姿勢であろう。最初からすべて実装して出せという意見もあるようだが、ファームアップは何も新機能のためだけにあるわけではない。その時点で判っている細かいバグ取りまで含めてのことなので、可能な限り早期にファームを済ませるのが良い。

トラブルはけしからんとの意見もあろうが、写真機たるデジタルカメラは、今や巨大なソフトウエアの塊に制御されるキャプチャーデバイスである。現役のシステム屋としてソフトウエアプロダクツのコードも書いている身としては、そこはまあ致し方なしと思っている。

そう、人の手による限りソフトウエアのバグは必然なのだ。問題はその後のフォローを以下に迅速に対応できるかに掛かっているのである。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA / アマドコロ

某CとN、それに最近ではSを含めた3大カメラメーカー辺りは、ファームアップで新機能追加などどこ吹く風で、釣った魚に餌などやってなるものかとばかり、既存ユーザーへのサポートは放置プレイ状態..Cが7Dで大きく機能追加した例があるくらいだ..であるが、これは裏を返せばそれだけ完成された製品を造っているという見方もできる。

さらに深読み..穿った見方とも言うw..すれば、ファームアップで機能追加などせずともユーザーは離れないという自負の現れとも受け取れるが、裏の裏、いやまっとうな読みをすれば、3大メーカー以外の弱小メーカーは、そこまでしないとユーザーを繋ぎ止められないとも言えるかもしれない。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA / ブルーベリー

ということで、本日の記事と写真には何の関係もないのであしからず。