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餅は餅屋

2018/9/12

EOS Rを見ていて、キヤノンはミラーレスカメラだからといって何でもかんでも不必要な小型化に走らなかったのが判る。

RFマウントはEFマウントと同じ54mmという大口径であるし、そもそもフルサイズセンサーなのでレンズの小型化は見込めない。ミラーボックスとペンタプリズムが無くなったからと言って無理に小型化するとホールディング性が良くないことを、フルサイズミラーレスで先行しているソニーαが証明している。

今のところキヤノンの小型ミラーレスへの答えはEF-MマウントのEOS Mになる。フランジバックの関係でRFレンズはEF-Mマウントには物理的に装着できない..2mmしか差がないのでアダプタの類を挟む余地はない..のだが、最初から無理に小型化を目指す必要がない点で、RFレンズの設計の自由度はかなり高いはずである。

ここは製品を完全に別ラインに分けるほうが良いというのが、キヤノンのマーケ上の考えのようで、要は餅は餅屋ということだろう。

この点で、ニコワンを止めてしまったナイコンの場合、小型ミラーレスという本来なら売れ線の商品を欠いているので、ビギナーやカメラ女子への大きな販路を失ったに等しい。まあニコワンは売れなかったので仕方ないが。

ナイコンも何れAPS-Cのミラーレス..そう言えばDX何とかという製品ラインはどうなったw..を出すことになるだろうが、その時に55mmという大口径のZマウントが足かせになるかもしれない。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

北海道で2日続けて氷点下だという。昨日は稚内、今日は弟子屈と、9月の観測史上では初めてらしい。梅雨が早くに明けて夏が早かった分、それなりに冬の訪れも早いのだろうか。

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キヤノンのEOS Rは、6D相当っぽい中級機としては可もなく不可もなく、ある意味期待を裏切らない想像通りのスペックwであったと言って良い。

もともとの期待値が低い分w、まあ某C社はこんなもんだろうと割り切れるものがある点で、ティーザー広告しまくりで散々じらせて期待値マックスだったナイコンとは、世間の風当たり度合いがかなり違うと思われる。

ただ、この後にどうやらフルサイズミラーレスの先駆者ソニーによる、某C者のお株を奪うような痛烈な後出しジャンケンがありそうなので、そんな余裕かました出し惜しみ番長サマが、いつまで悠々と肩で風を切っていられるか見ものである。

それはそうと、今回のEOS Rは1987年のEOSシステム登場時..もうEOSも30年経つやんね..によく似ている。上でも下でもなくまずは真ん中の売れ線から品揃えを始め、徐々に市場を侵食していくいつもの作戦なのだろう。

意図しているのか原点回帰なのか、EOS R自体、最初のEOSであるEOS 650とどことなく面影が似ているしね。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / ETERNA(ちょいレタッチ)

強烈な夏の日差しもどこへやら。猛威を奮った殺人的な暑さもようやく一段落といった感じになった。

夏の最後の抵抗のように子持山の山稜に雲が湧き上がったが、もはや夕立ちを目論むほどの勢いもなく、西風に煽られて徐々に立ち消えていく。

季節の移ろいに突き動かされるように、太陽の軌道も少しづつ南に逸れはじめ、いつの間にか子持山の陰へ落ちていく。

水平を保て

2018/9/10

レタス畑の病気や防虫の薬剤予防散布の写真を頼まれたので、晴れた日に近所で撮影してきた。

赤城高原は赤城山の北西録に広がるなだらかな斜面地形のため、カメラ内蔵の水準器で水平を出して撮影すると、1枚目のカットのように斜めに写るのが正しい。

が、EVFで撮影しながら背景の木立を見て判断したところ、トラクターから伸びるブームを水平にしたほうが視覚的に安定感があるため、念の為にわざと水平を矯正したカットも撮影しておいたのだが、予想通り結果的にクライアントは2枚目のカットを選んだ。

水平線や地平線、それに建物など構造物が傾いて写り込むと、人は視覚的に不安定な気持ちになる傾向があるが、特に今回のような説明写真の場合でそれは顕著である。なので、意図して水平を作り出すことも必要なのである。

ちなみに今回のカットの場合は、垂直方向に違和感がないので可能であったことは言うまでもない。これで背景の木立や、電柱が斜めに傾いだ状態で写っていると、それはそれで不安定なカットとなるので、その場合はそもそも平らな場所で撮影すべきであろう。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS / PROVIA

ミラーレスカメラの恩恵の一つに、EVFまたはLCD上に表示されるデジタル水準器がある。特に業務での撮影での水平出しは重要なので、デジタル水準器にはかなり助けられている。

ただ、各社ともその表示方法には色々あって、パナの場合は画面中央付近に何やら余計なインジケータがゴチャゴチャっと表示されるので、動画撮影時以外は基本的に非表示にしている。

フジの場合はこれがまた素っ気なく、単純な水平線が1本表示されるだけなのだが、実はこの方式のほうが常時表示しておけるので、フジ方式が最も実用的と言える。

何か色々EVFに情報が表示される方が一見すると便利そうだが、撮影に集中できないほどの情報はかえって邪魔なだけなので、シンプルであればそれに越したことはない。

ナイコンと某C社のフルサイズミラーレスについては、時事ネタなので記事には書くが、今のところ言うほどは興味はない。どちらもレンズシステムが充実するであろう2020年以降が本番だろうから、導入を検討する機会があるならそれ以降で十分だろう。

ということで、富士フイルム同様こちらもしばらくは我が道を往くべきと悟るため、同社の根城FUJIFILM Imaging Plazaに乗り込んできた。

フジノン版白レンズ

iPhone 6

これが噂の富士フイルム製白レンズ XF200mmF2 R LM OIS WR だ。事前にネットで画像を見た時は白だと思っていたが、実際の塗装は白っぽいシルバーという感じで、フード先端部のグリーンと合わせて第一印象は往年の特撮ヒーロー「ミラーマン」みたいと一人合点w

焦点距離は200mmだが、XマウントはAPS-Cなので35mmフルサイズ換算で300mm F2相当になり、リニューアルされた新型1.4倍テレコンと合わせると、いわゆるヨンニッパになる。X-H1はこのレンズを支えるために登場したようなカメラだが、X-H1共々狙いはスポーツ報道分野であることは明白。特にはやはり東京五輪だろうね。

重さは約2.2kgとF2超望遠の大口径にしては軽量。バッテリーグリップを装着したX-H1との組み合わせでは重量バランスも悪くない。照明がやや暗いショールーム内でもAFの合焦が迷うことなくスパスパ決まり、三脚座がアルカスイス互換であることも好印象だ。

そしてこのフジノン版白レンズが200mm一本というのは考えづらく、この後順次超望遠の長玉が登場すると予想される。富士フイルムには是非600mm F4を出して欲しいね、と目の前のスタッフに要望しておいた。買うかどうかは判らんけどw

大三元超広角ズーム

iPhone 6

そしてこちらがこの日の本命「XF8-16mmF2.8 R LM WR」である。ずんぐりむっくりした見た目は独特のフォルムで、パッと見ではXF16-55と同程度のガサかな。

35mmフルサイズ換算で12-24mm F2.8という大三元レンズの超広角ズームで、Xマウントレンズでは大柄の印象..X-H1以外のボディでは特にそう感じる..だが、フルサイズの超広角ズームに比べればもちろん小柄である。

すでにネットで画像を見ていて分かっていたことが、前玉が大きく湾曲しているのでフィルタの類は装着できない。そういう意味ではXF10-24の存在意義は大きいだろう。

以前、某C社のEF8-15mm F4 L Fisheyeを使っていたことがあったが、あちらは魚眼レンズだったので、非魚眼である12mm相当の超広角レンズは初めてで、EVF覗いてズームリングをグリグリ動かして得られる画角の広さは新鮮である。

フジノンなんで画質は気にしていない。そもそもスタッフが星景写真で使ってほしいというくらいなので、その自信の程を伺えるというものだ。

X-T3見参

ちょっと驚いたのは、先日発表されたばかりのX-T3の実機がすでに用意されていたこと。上のXF8-16mmF2.8が装着展示されていたのは最初はX-T2だと思ったが、握ってみてバッテリーグリップに違和感があってX-T3と気が付いた。よく見れば脇にカタログもさり気なく置いてあったしw

しかしこんなに新鮮味の薄い新製品も珍しいw パッと見で新旧の見分けがつかないのは旧モデルユーザーにはありがたいのだろうが、買い替え需要の喚起にはまったく役に立っていない。中身はまったく別物に仕上がっているので、判る人だけに買ってもらえば良い的なマーケの意図でもあるのだろうか。

操作感もX-T2とまったく一緒で何一つ迷うこと無く操作できた。あの「フジのカメラのボタンは小さすぎて押せなーい!」で有名な押しづらいボタン類も気持ち大きくなっており、悪名高き「気持ち良いぐらいスムーズに勝手に動く視度調節ダイヤル」も、ようやくロック機構が付いて位置を固定できるようになった。

その他細かいインプレは実機を手に入れてからだが、見た目と違って中身はかなり突き抜けた性能のミラーレスカメラであることは間違いない。

何より、訪れたユーザーからガリバーたちのフルサイズ攻勢を眼前で問われても、うちはうちですからねぇと呑気に応対をするスタッフの余裕?が妙にシュールに感じられたw

パナを超えた世界初

フジのスタッフと話をしていて判ったことがあって、先日チョロっと書いたX-T3記事を訂正しておいた。X-T3の情報は正しいのだが、GH5の仕様を間違って書いていた。

GH5が4:2:2 10bitでSDカードに記録できるのは4K/30Pであって、4K/60Pでは4:2:0 8bitであった。HDMI出力では両機とも同等だが、SDカード記録では10bitのX-T3のほうが仕様上は上であり、動画番長たるGHシリーズを先行して世界初となっているのは凄い。

以下、余談。

動画は扱うデータ量が膨大になるため、マジメにすべての信号を記録していたのではメディアの容量がいくらあっても足らないし、そもそもプロセッサーの処理が追いつかなくなる。

そこで、言葉は悪いが適当に間引くことで全体的なデータ量を抑える圧縮という仕組みを用いている。さらに言えば、人の目は明るさの増減には敏感だが、色の違いには個人差はあれ輝度ほどは敏感ではないといった特性を逆手に取り、色情報についても適当に間引いて記録している。

4:2:2や4:2:0とは、このYUV..正確にはYCbCrとかYPbPrになるがここでは割愛..の色差成分を間引くフォーマットのことで、UVがライン毎に1セットまたかどちらか交互に記録されるのかで2または0となる。もっとも高画質になるのが間引きなしの4:4:4である。

10bitと8bitの違いだが、8bitが256なのに対し10bitは1024であり、これを4:2:2 10bitと4:2:0 8bitで計算すると、8bitに対し10bitは約128倍の色情報を持つことになるため、微妙なグラデーションの表現力に差が出ることになる。

とは言え、正直なところ家庭用のテレビでその差を実感できるかと言われれば、それはほぼ無理と言って良い。まったく同じ絵柄をじっくり見比べれば判ることもあるかもしれないという程度の差であって、映画やCMなどのポスプロ工程でカラーグレーディングなどレタッチ処理時に、より情報量が多いほうが良いという意味のほうが大きい。

ちなみに動画も写真のように高解像度が良いと勘違いしている人が時々いるが、出力サイズが決まっている動画の場合は、膨大なデータをどれだけ自然に見えるように取捨選択できるかがカギであって、大きなセンサーはそれだけ無駄なことをしているのである。

iPhone 6

朝イチで人と会うため、久しぶりに丸の内へ。何もかもがオシャレな造りの空間は、おらが村とは別世界いや異世界であり、緑以外あらゆるものが対極にあると言って過言ではないね。ついでに立ち寄ったFUJIFILM Imaging Plazaはそんなオフィス街の一角にある。

そういえば、この一角にこれまた懐かしいBrooks Brothersの店舗があった。サラリーマンだった頃に同ブランドのスーツを着ていたことがあったが、その頃は確か青山に店舗があったと記憶している。うーん、ちょっとバブルが懐かしいw

各社がフルサイズ、フルサイズと騒ぐ中、ひっそりとX-T3の事前リークが流れてきたが、富士フイルムはひたすら我が道を往くようだ。

まあそもそもXマウントがAPS-C専用ということもあるが、Gマウントという中版センサー機を別途ラインアップしている事情があるので、富士フイルムがフルサイズに開発リソースを割くことはないだろう。

それにしても、富士フイルムほど自社の製品ヒエラルキーを無視するメーカーも珍しい。漏れ伝わるX-T3のスペックを見る限り、X-T2の後継機というより、その時点でX-T2のボディサイズに見合う最新機能を、可能な限りすべて詰め込んだと言った感じが伝わってくる。

そこには、上位機であるX-H1を超えないようにするというような配慮も忖度も微塵も見られず、ボディ内手ぶれ補正やホールディング性の高さ、それに頑強性の高さを除けば、明らかにX-T3の方がスペック上はX-H1より上である。

細かいスペックは情報サイトを見てもらうとして、まず驚いたのは4K/60P 4:2:0 10bitをSDカードに記録できること。外部レコーダーを利用すればHDMI出力で4:2:2 10bitの出力も可能らしい。

これは動画番長たるパナのGH5に次ぐ動画性能..GH5は4:2:2 10bitをSDカードに記録できる唯一無二のモンスター..であり、他のミラーレス機を一歩、いや2歩くらい突き放すインパクトがある。X-T2と同等のボディサイズによくぞ4K/60Pを詰め込んだものだと感心するが、放熱処理や録画時間がどの程度なのかは製品発表を待って見極めたいところだ。
GH5の4:2:2 10bitは4K/30Pで、4K/60Pの場合は4:2:0 8bitなので、4:2:0 10bitで4K/60Pを記録できるX-T3のほうが仕様的には上であった。ただ、連続記録時間に制限のあるX-T3とは異なり、4K/60Pを無制限に記録できる点でGH5がモンスターであることに変わりはないけどね。(2018/9/8訂正・追記)

そして1.25倍クロップ..フルで2610万画素なので約1660万画素相当..ながら、秒間30コマでブラックアウトフリーの高速連写が可能なことが挙げられるが、さらに驚きなのは、シャッター半押し時点で「プリ撮影」と呼ぶ遡り撮影が可能な点である。これはオリのプロキャプチャーやパナのプリ連写に相当するものと思われ、スポーツシーンやワイルドライフ撮影では非常に強力な飛び道具である。

プリ連写でどの程度の撮影コマ数を遡れるのか、1.25倍クロップ時だけなのか、RAWの同時記録もできるのかなどなど気になる点があるものの、問答無用でX-T2の置き換えは必定だろう。

実はX-T2はX-H1に置き換えようと考えていたのだが、例のX RAW STUDIO問題と、やはりX-H1が大柄であるためサブ機は小型のX-T2のほうがベターという結論に至って、そのままX-T2併用となっている。出てくる絵はまったく同じであるし、ホールディング性が良くないのは小型の裏返しと割り切れれば、手ぶれ補正レンズを使うかぎりX-T2でも大筋で結果はそう変わらないしね。

ちなみに、今回のリークの中にバッテリーグリップが新型になるというのがあるのと、見た目X-T2と変わりがない割にボディの厚みが数字上では1cmほど増しているので、恐らくグリップ部が少し大きくなっていると考えられ、ホールディング性の問題はやや解決と思われる。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

今朝はやや雲が残ったものの、無事に台風一過となった。庭木のうちカラマツの割と太い枝が折れた以外、とりあえず我が家には目立った被害なし。が、地区内の防風林沿いには倒木があちこちにあって、その風の強さを思わせた。

ところで、パナのフルサイズ機の話で気になるのはマウントがどうなるのかであろう。

パナはマイクロフォーサーズからレンズ交換式カメラの分野に入ってきたので、独自のマウント文化を持っていない。それ故、今のところ何を言っても想像でしかないのだが、噂では協業しているライカのSLマウントではないかと囁かれている。

マイクロフォーサーズでライカのブランドを冠したレンズをラインアップしたり、ライカ社自体にコンパクトカメラをOEMしたり、昔からビデオカメラの分野でもその関係は深いので、SLマウントという線はあるかもしれない。ただ、ライカSLマウントレンズは一般人においそれと手を出せる価格帯ではないので、言葉は悪いが家電屋のカメラにはちと不釣り合いの印象はある。

また、パナはレンズを自社で生産する工場を持っているので、マイクロフォーサーズと上位互換の新たな独自マウントという線も当然ありうる。その際、N・C・Sの他のフルサイズ機メーカーと異なり一眼レフ用のレンズを持っていないので、当初のレンズラインナップが寂しい..専用を出せても例のごと3本とかそんなもんだろうからね..ことになるので、既存のマイクロフォーサーズ用レンズをクロップで使用できるようにする荒技は必要だろう。

そしてここにオリンパスが絡んでくると更に面白くなる。現状でもマイクロフォーサーズで共闘しているし、オリにも来年E-M1の上位機を出す噂があるので、これはあながち考えられない話ではない。

さらにこれは余談だが、ちょっと前にVARICAM LTという業務用のシネマカメラを製品化..この時のセンサーはスーパー35だ..した際、標準でEFマウントを採用しているので、もしかしてRFマウントという可能性もあるかも?などと個人的には夢想したりしている。まあこの線の可能性は著しく低いけどねw

パナの強みは動画なので、ベクトルとしてその方向に向いたカメラ..8Kを実現するためのフルサイズ参入と考えるのが自然だ..になるのは間違いない。その際の直接の競合はソニーということになるので、一部に噂のあるEマウントということはまずないだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

赤城高原では昼前から東風が強く吹き出したが、ここ20年でこれだけ強風なのは記憶にない。まさに今世紀最強の呼び声高い大型台風だ。

この記事を書いている時点ではまだ風だけで雨はほとんど降っていないが、これから夜半まで雨も強く振りそうだ。

自分で書いておいてアレだけど、今日はパナの進む道より台風21号の進む道が心配であるw

9月に入るやいなや、夜も明けぬうちにまたまたカメラ業界が賑やかになってきた。先月のナイコンZの狂想曲も覚めやらぬうちに、今度はキヤノンとパナが渦中の人となっている。

CのフルサイズミラーレスはEOS R?

ネットの情報サイトよれば、キヤノンはかねてからの噂..と言いつつすでに本物っぽい画像出回っているぞw..通り、近々フルサイズミラーレスを発表するようだ。

詳細は追々だが、新ボディの名称は「EOS R」で、デュアルピクセルCMOS AFの3030万画素センサー搭載、4K動画..フレームレートは不明だがまあ30Pが順当だろう..に-6EV(!)という低照度対応のAF、バッテリーはLP-E6互換とのことだ。

サイズ感はEOS M系より一回り大きいが、重量が約580gというのはかなり軽量ではないだろうか。

画素数からしてナイコンZ6やソニーα7IIIの競合機のようだ..5D4のセンサーを流用した上位機がでるかもね..が、気になるのはボディ内手ぶれ補正の有無と、ナイコンZが叩かれまくっているメディアのスロット数だろう。

そして最も関心の高いマウントであるが、RFマウントという新マウントでリリースされるようだ。内径54mmということで、これは想像通りEFマウントと同じと思われるが、当然のようにフランジバックはミラーレス仕様で20mmと短い..EF-Mと非互換みたい..ため、物理的にEFレンズの装着はできないだろう。

既存のEFレンズは他社同様に専用のマウントアダプタを介して装着できるが、このアダプタ類が複数用意されており、未確認ながらなかなか面白そうなギミックを搭載しているようだ。目を引くのは、何らかの機能を設定できそうなリング状のコントローラを装備したものや、ドロップインフィルタを挿入できるようなアダプタもある感じ。後者などは動画撮影時のNDフィルタ問題を解決してくれそうな予感ありだね。

当初予定されている専用のRFレンズは、ナイコン同様に数は少ないのだが、ナイコンと違うのはユーザーの思いをよく分かっている点だろう。標準ズームは将来出るであろう24-70mm F2.8と被らないよう24-105mm F4であるし、テーブルフォト系で活躍しそうな35mm F1.8という大口径の広角マクロレンズを用意しているのはさすがだ。

さて、これ以外に何か隠し玉があるのかは不明だが、もしボディ内手ぶれ補正とメディアのダブルスロットが未搭載なら、先日書いた通り「出し惜しみ番長」と揶揄されるのは必定。逆にその期待を裏切るようなスペックであれば、先日書いたことは撤回しなければなるまいぞ。

Pがとうとうフルサイズ参入?

そしてパナに関しては、事の真偽はまだ不明だが、パナもとうとうフルサイズに手を出すという話が出回っている。

パナはGH4に4Kを搭載した際、東京五輪の頃までに8Kを目指しているような話をしていたが、個人的にマイクロフォーサーズのセンサーに8Kを詰め込むのは相当厳しいと見ていたので、フルサイズ市場への参入..当時はスーパー35かなと思っていた..はそれほど意外ではない。むしろ、高級機路線ならライカブランドのレンズをさらに活かせるはずなので、戦略としては間違ってないと思われる。

ただ、今すぐにではないにしても、ここまで市場を作り上げてきたマイクロフォーサーズから手を引くのかどうかが気掛かりだ。製品ラインナップを整理するような話も聞いているが、システムとして小型軽量であることはフルサイズに対する優位点なので、オリンパスともどもその動向は注視せねばなるまい。

そのオリンパスも来年上位機を、みたいな噂も出ているし、この秋以降来春まで、カメラ業界は話題に事欠かないようだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

天気がすっきりしない。さすがに真夏のような暑さはもうないが、とにかく湿気ぽっくていかん。早く秋の清々しい空気感になってほしいね。

NIKON Zと一緒に何気に発表されたのは、噂のあったフレネルレンズを使用したコンパクトな500mm、AF-S NIKKOR 500mm f/5.6E PF ED VRだ。

500mmと言えばゴーヨンの愛称で呼ばれているF4が一般的で、口径がひと回り小さいF5.6というのは珍しい。記憶では以前トキナーのAT-Xシリーズにあったと思ったが、そのさらに昔の某C社FLレンズ時代にもあったかもしれない。

さて、このフレネル500mm、重さがPFでない通常のゴーヨンの半分程度の1.5kgという70-200 F2.8クラスと同等の軽さが何ともそそる。APS-C機では動体撮影最強と言われているD500との組み合わせで、換算750mm相当でバンバン手持ちで振り回せてしまうぞ。

ナイコンにはすでに200-500mm F5.6という人気レンズがあるが、それと比べても約800gほど軽いので、200-500mmで望遠端しか使わない人には大いに意味がある。モータースポーツや飛行機、それに鉄ちゃんなどにはズームのほうが利便性は高いが、鳥だとまず望遠端しか使わないしね。

拙者は某C社のDOレンズでフレネルレンズは懲りているのだが、あれから月日も経ちコーディング技術も向上していると思うので、ちょっとグラっと来ている自分が怖いw

それに望遠系ならNIKON Zにマウントアダプタで使える..というかZマウント専用の超望遠レンズは当分出ないと見ている..ので、投資として無駄にならないかも、と考えている時点で沼のほとりに立っているわけだなw

Z7には費用対効果の面で今のところ食指が動かないが、D500を上回る秒間12コマ連写が可能なZ6なら、低画素フルサイズで高感度性能も期待できて良い組み合わせではなかろうか。もちろんZ6のAF性能次第だが、D500と比べて遜色なければ、選択肢としてはアリだと思う。

と、ここまで書いてから何とZ6はローパスレスではないことが判明。何だよ今時そんなアリかね..

16年前の取材中の写真を発掘。構えているのは某C社EOS-1V+ヨンヨンDOである。

400mm F4でこのサイズは当時は確かに武器だった。まだフィルムカメラがメインの時代..この前年に初代EOS-1Dを使い始めてはいたが..なので、今のように暗いレンズでもISO感度を上げて対応、とはいかない時代だったからね。

当時はとにかく一つでもF値が明るいほうが正義だったので、超望遠レンズも大口径にこだわっていたが、ISO1600とかISO3200が常用できるデジタルカメラになってからは、通常の撮影領域ではまったくその必要性を感じることはない。

レンズ、特に超望遠域について言うなら今の正義は小型軽量、そこに尽きる。

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NIKON Zの発表を受けて、業界で目下の話題はキヤノンがEFマウント..正確には言えばここではEFレンズの意..を変えてくるかどうかということ。

EFマウントは口径が54mm..ナイコンのZマウントが55mmなのは1mmでもキヤノンを超えたかったからだろうw..とすでに十分な大きさがあり、ナイコンのようにレガシーに縛られること無く完全電子マウントなので、実はそのままでも大きな問題はない。

ただ、現行のEFレンズ群はミラーがあることを前提に設計されているため、少しでもボディの厚みを抑えてミラーレスカメラの恩恵を受けたくば、EF-Mのようにショートフランジバックに設計し直す必要があり、何よりレンズ設計の面でもその恩恵は計り知れない。ナイコンが開発発表している「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」などはその良い例..他に先に作るレンズあるだろう!って突っ込まれているけど..だろう。

ここでキヤノンのジレンマは、たとえEFマウントのままであってもショートフランジバックに設計し直したのでは、今まさにナイコンがZマウントで直面しているマーケティング上の問題..当面専用レンズをラインナップできない..と同じ悩みを抱えることになる。

キヤノンはナイコンと異なり、すでに先行してEF-Mマウントのミラーレス機を市場に投入している..あ、ニコワンは黒歴史らしいので見なかったことにw..が、同社の一眼レフ機に遠慮したかのような仕様であること、センサーがAPS-Cということで、プロやハイアマをターゲットとしていないことは明白であるため、自社の製品ヒエラルキーの思想からしても、ナイコン同様にフルサイズミラーレス機を投入する必要がある。

ちなみにそのEF-MマウントにEFレンズを装着するためにマウントアダプター EF-EOS Mが用意されており、そこはナイコンと同じというか、メーカーとしてマーケティング的に当たり前のことであるが、前述の通りAPS-Cであることと、そもそもマウントアダプタは強度的な制約など所詮は付け焼き刃的なものなので、いつまでもそんな子供騙しでユーザーを大人しくさせておくことは不可能だ。

30年前、FDマウントからEFマウントへドラスティックに変更し、ユーザー切り捨てとか未来を見据えての英断とか、その酸いも甘いも噛み分けてきたキヤノンだけに、果たしてどのように英断を下すのか、お手並み拝見である。

FDマウント最後のカメラはT-90だが、どちらかと言うとT-90はその後のEOSへのチェンジを暗示するようなカメラで、個人的にはこのNew F-1を挙げたい。

と言いつつ、装着されているレンズがLEICA ELMARIT-R 28mm/f2.8というのはご愛嬌。New F-1は高校時代にアルバイトで苦労して手に入れたカメラで、拙者が所有するカメラでは最も古いものである。

New FD500mm F4.5Lや同800mm F5.6Lと一緒に日本各地を旅して鳥の撮影に活躍してくれたが、EOSがメインになってから現在に至るまで、 LEICAやZEISSレンズの母艦として余生を過ごしている。

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先日、新しいラインなので最初はレンズが揃ってないのは仕方なしとは書いたが、やはり現在のナイコンが置かれた状況からすると厳しい..案の定ソニーがαのキャンペーン始めちゃったしw..のは想像に難くない。

Zマウントは従来のFマウントのトラウマなのか、とにかく35mmフルサイズとしてはマウント径が大きい。当然、マウントアダプタを介さないとFマウントレンズは使えないので、専用となるZマウントレンズの登場を待つしか無いが、当面はズーム1本、単焦点2本という虚しさで何をか言わんやであろう。

そして新マウントであることで問題になるのが、シグマやタムロン、トキナーなどレンズメーカーの動向なのだが、先日の発表会でナイコン役員はZマウントの仕様は外部公開しないと言い切っていた。そもそもFマウントも公開していないのでそこはまあ今さらなのだが..

これはつまり、レンズメーカー各社が独自にZマウントをリバースエンジニアリングして解析する必要があることを意味し、コスト抑えた低価格のZマウントレンズが市場に出てくるには、まだそれなりに時間が掛かるというわけだ。

ソニーはEマウントの仕様を公開し、レンズメーカーに自由にレンズを作ってねという戦略を取った。それ故、今や市場にはEマウントレンズが潤沢に溢れている状況である。これはレンズ交換式カメラでは後追いであることと、ソニー自体がセンサーやバッテリーなどのデバイスメーカー&サプライヤーとしての性格を持ち合わせていることが大きいだろう。

ナイコンはその供給を受ける側のメーカーであるし、旧態然とした古い囲い込み体質で懐広く構えられないというのがあるのだろうが、今このタイミングで新しいラインを発表しておいて、そのうちレンズは揃えるから待っててねでは、そりゃ叩かれるわな。

NIKON Z欲しさにまさかFマウントレンズをこれから揃えるマヌケもいないだろうから、早晩サードパーティからZマウントレンズが登場しない限り、NIKON Zは現ナイコンユーザーにしか響かない商品ということになる。それか、ナイコンからソニーαに浮気して出戻るヤツとかねw

Zマウントレンズは技術の粋を集めた革新のシステムだと声高に叫べば叫ぶほど、欲しいレンズはどこにあると市場からは叩かれ、それでいて栄光のFマウントレンズは過去のレガシーだと自分たちで証明することになり、結果自分たちの首を絞めることになる。

今のナイコンはマーケティング上で相当なジレンマと戦っていることだろう。自前で数を揃えられない以上、ここはやはりソニーの戦略を見習うべきではなかろうか。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR x1.4 / Velvia

この写真が日の出に見えるか、それも落日に見えるか、それは見た人の心理で変わるかも。もちろん、Zマウントには栄光のライジングサンであって欲いし、もし落日に見えても陽はまた昇るとも言うしねw

で、ちなみにこれは上信越国境に沈む晩夏の落日(って結局沈んでるかい!)。

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