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NIKON Zはまだ発売されてはいないが、市場価格を調べるとZ7がボデのみ約40万、Z6が同25万となっている。

専用のZマウントレンズは当面3本しか予定がないので、マウントアダプタでFマウントレンズを付けるしかない現状では、特にZ7のコストパフォーマンスの悪さが際立ってしまう。そもそもFマウントレンズを使う前提であれば、D850の約32万というのが一番幸せになれそうな感じがしないでもない..

とにかく新しいカメラが好きとか、24-70mmですべての撮影をまかなえる人か、撮影データのバックアップなんか無くてもOKな人とか、「ナイコンのフルサイズミラーレスカメラを待っていた!」人にしか響かないのが、当面のNIKON Zの立ち位置ということになろう。

しつこいようだが、天下のナイコン様である。ボディと同時に専用の大三元を年内発売するくらいの意気込みが欲しかったね。そうすればソニーαをダッシュで抜き去って、一気にフルサイズミラーレスのカテゴリでトップに立てたはずである。逆に単焦点なんて後から出しても遅くないのだよ。

ちなみに、ガチンコするソニーのα7RIIIとα7IIIは市場価格がそこそここなれてきて、それぞれ約30万と約23万。こう見るとα7IIIが売れている理由がよく分かるが、Z6はそのボリュームゾーンにぶつけてきているというのも逆によく分かる。

で、未だダンマリで音沙汰なしのキヤノンだが、こちらもそろそろアナウンスはあるだろうと言われている。ナイコン贔屓のメディアや論客が多い中、同じ月にガチンコで発表したのでは不利なことは明白なので、恐らくキヤノンの発表はフォトキナの直前だろう。

そしてこれは推論の域を出ていないが、商売上手なキヤノンがまず投入するのは前述のα7IIIやZ6と同じボリュームゾーンで、EOS M5の上位機だと思われ、これはあながち間違いでないとも思っている。

と、こういう書き方をするといかにもキヤノンなら上手くやりそうな雰囲気だが、某C社がナイコン以上に市場の空気が読めてない..というか意図的に無視している?..メーカーだということを忘れてはならない。今回も盛大に出し惜しみ番長の面目躍如となるのは、案外既定路線かもしれないw

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

早朝に農道を歩くと、路傍から一斉にアキアカネが飛び立って右往左往する。

一時期より数も増えて、電柵に列をなして留まっているが、警戒心が敏感でちょっとでも影が近づくとこれまた一斉に飛び立ってしまう。

NIKON Zを実際に触ったわけではないが、エレキカメラ然としたソニーαと違って、カメラとしての作り込みや操作フィーリングに関しては問題はないと思われる。と言うか、Zマウントレンズの高画質さ含めそこを期待しているナイコンユーザーが相当数いるはずので、さすがにそこは裏切らないでしょ。

そのNIKON Zの発表会をネットのライブ放送で観ていたが、新製品発表に伴う明るい未来志向的なものがあまり感じられず、何かこう悲壮感の漂う背水の陣のような雰囲気が漂っていたと思ったのは、何も拙者だけではあるまい。

ピッチへの登壇で比較の引き合いに出される代表格は、何と言ってもApple社の元カリスマCEOであった故スティーブ・ジョブズであろう。聴衆を引き込む無駄のないシンプルなメッセージの発信は、業種を問わず参考になるものである。

日本人はとかく自己表現が下手と言われており、社風からして旧態然としていそうな三菱グループのナイコン社社長や役員に、ジョブズ並みのアジを求めるのは詮無きことだが、それにしてもあのカンペ棒読みのお通夜のような発表は、日本を代表する映像機器カンパニーとして残念至極であり、海外に向けてやや恥ずかしい感ありである。

背水の陣のようなと先に書いたが、某C社の背中を追いかけつつ背後にはソニーが迫ってきている現在、実際のところナイコン社の内部はそんな感じだろうとは想像できる。ニコ爺..ニコZィか?..こと盲目的ナイコンユーザーを除けば、すでにあちこちから叩かれている通り、市場が期待していた製品とはやや乖離した部分が見受けられ、恐らくガッチリ競合するであろうソニーの関係者は密かにほくそ笑んでいることだろう。

新規のラインアップなのでZマウントレンズが揃ってないことはある意味仕方ないとは言え、ボディ単体で40万を超えるような高価格な製品..特にZ7のほうね..なのに、メディアはシングルスロットの上にSDカードでなくXQDであるとか、専用のバッテリーグリップは開発が間に合わなかったとか、にわかに信じられない話である。バックアップの撮れない時点で報道やブライダルの分野はお呼びでない感じだ。

同時にZマウントレンズのロードマップも発表されているが、14-24・24-70・70-200の大三元が揃うのは2020年とか呑気な話になっていて笑える。レンズが揃ってないとか何とか叩かれていたソニーαの当初の醜聞をまったく糧にしてないのが、いかにも我が道を往く天下のナイコンらしい。

それにしてもだ、ソニーがα7を出した5年前ならいざしらず、このタイミングでやや中途半端感漂う製品..あくまで個人的感想ねw..を世に放つには相応の理由があると推察するが、ユーザーというより市場、つまり株主に向けたメッセージが強いのかなと勘ぐってみるw

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

庭先のヤマボウシの実を求めて、オナガの群れが連日のようにやって来る。群れは今年生まれの若鳥が中心のようだが、やたらと警戒心が強くてなかなか撮影を許してくれない。上の写真は網戸越し..

オナガはうちの辺りでは夏の繁殖期に見かけるだけで、ムクドリと同様に秋が深まると里に降りてしまう、いわゆる漂鳥である。通年庭に居着いているいつも賑やかなヒヨドリからすれば余所者なのだが、多勢に無勢なのかオナガがやって来るとヒヨドリは静かなもんである。

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世の中のニコ爺、いやカメラファンが待ちに待ったナイコン初のフルサイズミラーレス機が発表された。その名もNIKON Z。

拙者の世代では「ゼェェェェェェット」とつい叫んでしまうw、というどうでも良いことはさておき、またまた名前の付け方で迷走しそうな感じがしないでもないナイコンよ。

Z7とZ6はZ7のほうが上位機に当たるようだが、Z7程度の仕様ではとてもプロ用とは言えない。恐らくレンズが出揃う2020年以降にフラッグシップ機が登場..ナイコンは東京五輪はレフ機で勝負ということだ..するだろう。

問題はその名前だが、今までのナイコンであれば一桁機は1が最初だが、今回はなぜか6始まり。しかも上位機は数字が1つ多いという謎。もしかしたらソニーαに倣ってフラッグシップをZ9とかにして、次のモデルから某C社式にMarkxxを付けたりして。

ちなみに「Z7」ではなく「Z 7」だそうだ。お判りかな?にわかに信じられないことに、Zと7の間に空白があるのである。このネット検索のご時世に、そこに空白を空けるか!

試しに「Z 7」と「Z7」でググってみると良い。正式名より後者のほうがより上位に製品ページが並ぶはず。もちろんGoogleの検索結果は生きものだから日々変動していくものの、マーケ部隊の責任者って判ってやってんのかね、これ。っていう製品の本質とは違うところについつい目が言ってしまうのはWeb屋としての性なのさw

さて、はたしてNIKON Zはカメラ業界にそびえる黒鉄の城になれるか!って、しばらくこのZネタで遊べるw

FUJIFILM X-H1 / XF10-24mm F4 R OIS / CLASSIC CHROME
LUMIX G9 PRO / LUMIX G VARIO 14-140mm F3.5-5.6 ASPH. POWER O.I.S.

空にそびえる黒鉄(くろがね)の城と言えばマジンガーZだが、現実の世界ではそこはやはりSLに敵うものはないだろう。漆黒の鉄の塊が疾走していく様は、重厚な走行音と共に力強く迫力がある。

日中の暑さがぶり返してきているが、夜の空気はすっかり秋の高原のそれである。マツムシの秋の声に誘われ、仕事場の窓を開け放って空を見上げると、淀みのない大気に月齢10の月が浮かんでいた。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

G9 PROでEXテレコンに設定(約2倍)して撮影。撮影後にトリミングしたほうが自由度も高く好結果が得られるが、画質の低下がほぼなく..ただし画素数は減るが..手軽に焦点距離を伸ばせるのは、JPEGしか取らない人には便利であろう。

個人的にはEXテレコンは動画用だと思っている。動画も編集時にトリミングはできるが、画像のように画素補間ができずジャギーの目立つ荒い絵になってしまうので、撮影時に必要な焦点距離で収録するのがベストである。

パナ機のEXテレコンは4KでもFHDでも必要な解像度は維持したまま焦点距離を伸ばせるので、動画の望遠野郎には非常に有効である。

オリンパスのフィッシュアイボディーキャップレンズ BCL-0980。海野先生の小諸日記を読んでいて、そう言えばうちにもそんなレンズ..いやボディキャップかw..あったなと思い出して、久しぶりに使ってみた。

どこに仕舞ったかしばらく思い出せなかったが、結局パナのGM1に文字通りレンズキャップ代わりに装着され、本棚の途中に放置されていたのを発見した。

iPhone 6

BCL-0980は製品名通りボディキャップ並みの薄さで、パナのG9 PROに装着するとグリップのほうが突出して目立つことになる。m4/3規格で尚且電気的な信号のやり取りもないので、パナ機でも何の問題なく使用可能だ。

スペックとしては9mm F8 Fisheyeということで、いわゆる魚眼レンズに分類される。ただ、m4/3では18mm相当になって、普通に遠景を撮ると歪みの目立つ安っぽい超広角レンズという写りになるので、使い方としては近接域で広角マクロとして使うのが正しい。

LUMIX G9 PRO / OLYMPUS 9mm F8 FISHEYE

最短20cm付近まで寄って撮影。この時の撮影倍率は35mm換算でも0.1倍にも満たないので、いわゆる接写を目的としたマクロレンズ的に使うのは厳しい。

BCL-0980はMF専用レンズだが、当然のようにヘリコイドの類はついてなく、レバー操作で無限遠と20cm近接で固定して使用する。なので無限遠の場合はピント合わせはパンフォーカスに期待することになる。

最短付近ではさすがに背景がボケるので、カメラ自体を前後させてピントを探ることになるが、GH5やG9 PROではMF時にピントの合った場所を強調するピーキング表示ができるので、EVFでも背面モニターでもピント合わせは容易である。この辺りはミラーレス機の恩恵と言えよう。

LUMIX G9 PRO / OLYMPUS 9mm F8 FISHEYE

庭のアサガオに同じく最短20cmで近接。花の直径は8〜9cm程度。背景を選べば特有の歪みもさほど気にならないだろう。

LUMIX G9 PRO / OLYMPUS 9mm F8 FISHEYE

前述した通り普通に構えて遠景を撮ると水平が歪んでしまうので、一般的な撮影としては魚眼の特性を活かしたこんなアングルからの使い方が良い。小売価格8千円程度のレンズで、ここまで写れば必要十分と言える。

夏の午後遅い日差しの中、青田の中をSLみなかみ号が行く。

穂が出始めた田んぼで案山子に見送られながら、というシチュエーションで夏らしいSLの情景を狙った。

登り坂なら蒸気モクモクとなるところだが、光を優先すると上りの運行..ややこしいが状況は下り坂..となるため、まあそこはやむ無し。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

この時期の西日の斜光で稲が透過気味に写ることを想定して場所を選んでいるが、この光線状態だと黒い機関車は黒く潰れてしまう。

フイルム時代なら諦めるしかない状況だが、今はデジタルの時代。レタッチでシャドウを持ち上げ少しHDR風に仕上げれば意図した通りに。ただ、このカットはX-H1をVelvia&Dレンジ優先(強)に設定しての撮って出しである。

今になって昔の作品を整理してつくづく感じることだが、RAWで撮っておけば後でどうとでもなると思っていても、撮影時の意図を何年も後まで覚えていることなど不可能。鉄は熱いうちに打ての格言通り、撮影時にできることは撮影時に済ませておくのが良い。レタッチするにしてもその日のうちがベストである。

想像してみて欲しい。何万枚も撮り溜めたRAWデータを、後年になって一枚一枚モニターで確認しながら現像・ゴミ取り・レタッチして仕上げていくことを。恐らくそれは苦行僧の如き忍耐の伴う作業を強いられるのは間違いない。

話のついでに言うと、そもそも業界的にレタッチで追い込むことを好む風潮がある..それを推奨することで商売が成立している市場があるのだ..が、レタッチ耐性だの高解像度のトリミング耐性だの小難しい話は別にして、レタッチ前提に撮るならカメラなどどこのメーカーのものでも良いということになる。

以前は別の意味でRAWを残すことにこだわっていたが、富士フイルムのカメラ..正確にはフィルムシミュレーション..を使うようになって以降、撮りっぱなしのJPEGで済むならそれに越したことはないという考え方に変わった。以前なら納品はTIFFでお願いしますなどと聞いたふうなことを宣う編集者もいたが、今やJPEGで何の問題もないのである。

もちろん業務の関係ともなれば話は別で、当然のように同時記録でRAWも残しておくが、それはあくまで保険ってことだ。JPEGで済むならそれで良し、成果物としてお金をもらう以上、要求に基づきRAWから現像後にレタッチして仕上げることも仕事のうちだからね。

SL夏の情景

2018/8/6

夏空に蒸気なびかせ鉄橋を行くSLみなかみ号。

個人的にSLには雪景色が似合うと勝手に思っているのだが、そうは言っても今は夏、思いっきり夏らしいSLの情景を狙って。

FUJIFILM X-H1 / XF10-24mm F4 R OIS / Velvia

超広角レンズの醍醐味はその強烈なパースの効き具合だ。

グワッと低く寄って手前から奥へと奥行き感を出したり、森の中から樹冠を仰ぎ見てその空間を広く画角に収めたりと、とにかく人の視覚を超えた表現ができるのが面白い。

とりわけ直線で構成された人工的な構造物を写すのには最適だ。そのためには周辺部まで歪むこと無く、真っ直ぐなものを真っ直ぐに表現できる性能が必要。

XF10-24はフジノンでは最も超広角となるズームレンズだが、画角の隅々まで実に良く写るレンズである。ソフトウエアによる補正なしでレンズのみで歪曲を抑えている同単焦点のXF14には及ばないものの、F値を抑えて小型化している割に収差もよく補正されている。

フジからは年内にXF8-16mm F2.8というスーパーな超広角ズームが発売され、ようやく本当の意味での大三元ズームが揃うことになるが、XF8-16は約800gと重さもスーパー。XF10-24の重さはその半分しか無いので、XF8-16を手に入れた後も並行して運用するつもりだ。

ここ一年ほど、昔撮った過去の作品を引っ張り出して順次整理しているのだが、まあ何というかゴミの写り込みが結構目立つ。

時代が古いので致し方ないが、某C社の1D系を筆頭に特にフルサイズの5Dは顕著で、その後の5D2・5D3にはセンサークリーニング機構が付いていたものの、どうにもオマケ程度の気休めでしかない。

レンズ交換式のデジタルカメラのセンサーゴミは、当時こそ宿命のごとくそんなものかと受け入れ、チマチマとゴミ取りレタッチがデフォルト作業だったが、ここ5・6年..フジ・パナのミラーレス機がメインになって以降..のカットではその必要性はあまり感じられない。

パナのGHシリーズはマイクロフォーサーズということもある..回折の影響を避ける意味であまり絞り込むことがないため..が、センサーユニット全体をパッケージ化した概念を持っているので、そもそもセンサーに直接ゴミが付きづらいということと、ゴミ取り機能がかなり強力なので、余程のことがない限り撮影後にゴミ取りレタッチをする機会はない。

ゴミ取り機能の自動化は同じマイクロフォーサーズ陣営のオリンパスがパイオニアだが、動画撮影におけるゴミの写り込みは致命傷になりかねないので、パナ機もその点はよく作り込まれていると言えよう。

フジのX-T1・2それにX-H1のゴミ取り機能もよく働く。空を撮影する際、EOSの時代は1カット試し撮りして背面モニターで拡大チェックしてから本番撮影していたが、フジになってからはセンサークリーニングを実行してから撮影すれば、まず目立つゴミが写り込むことはない。これはパナも同様だ。

ただ、そうは言っても昔からの習慣で、野外でのレンズ交換には気を使う。まずボディからレンズを外す際は必ずマウント側を下に向けるのと、絶対に風上を向いてレンズを外さないようにしている。

さらに言えば砂塵や目に見えて埃っぽい空間、それに強風下でのレンズ交換は極力避けるようにしている。この程度に気を使うだけでも結構ゴミの付着は防げるものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

こんなに連日夕焼けになる年も珍しい。暑いイコール好天続きというのが要因だ。

一眼レフとの違いにおいて、ミラーレスカメラの特徴に顔認識機能がある。これは主にビデオカメラの分野からのフィードバックなので、当然のようにソニーとパナが強いと言われている。

通常の撮影業務における人物撮影では顔認識は常にONにしており、昔を思えばそのピント合わせの歩留まりの高さには舌を巻くものがある。知り合いの婚礼スナップカメラマンも昨年からソニーα7R3を使うようになり、もう一眼レフには戻れないと宣っているくらいだ。

先月の学校イベント撮影では、基本的に撮影位置がスタンドやコート脇からなので、望遠レンズを使って被写体からやや離れての撮影であった。一応、顔認識機能をONにしておいたのだが、パナとフジでは挙動の違いが顕著だった。

使用レンズはG9 PROがパナライカ100-400、X-H1がXF50-140+x1.4で、結果から言うとG9 PROの圧勝である。

G9 PROが凄いのは、ファインダー内で人と認識できる時点でその大きさを問わずAFが追随する点である。しかも人物が後ろを向いていたり、横向きであってもAF測距の枠が人を囲うように表示され、いかにも捕捉している感がある。顔認識以前にオブジェクトとして人を認識するようだ。

その上、ベンチ前に並ぶ選手に向けると、そこに写り込む人のほぼすべて..正確には最大15人らしい..を認識するのである。その中のどの人をメインとするかの判断はまだ改善の余地はあろうが、とりあえずハッキリと顔をこちらに向けているか、一番手前にいると判断した人物を追いかける仕様のようだ。

そしてバストアップのようにファインダー内である程度顔の占める割合が高くなると顔認識が働き、よりカメラ側に近い目にピントを合わせる仕様である。この時点でメガネを掛けていようが帽子を被っていようが関係なく、ピントを合わせ続けてくれる。

次にX-H1の場合、G9 PROのような人物認識機能はなく、明らかに顔と認識できた時点でないと顔認識は働かない。まあ当たり前といえば当たり前なのだが、G9 PROの凄さを知ってしまうとやや期待ハズレと言わざるを得ない。

唯一、そんなX-H1がG9 PROに勝っていると思われるのが、瞳AFの融通さであろうか。前述の通りG9 PROではほぼカメラ任せになってしまうのだが、X-H1ではどちらの瞳に優先的にピントを合わせるかを事前に選択できる。

X-H1の瞳AFの芸の細かさは、ポートレート撮影のようにカメラマンとモデルが一対一で向き合うケースで強みがあると思われるが、今回のような全身を撮影するスポーツシーンではどうでも良い些末な差だろう。

結果的に現時点ではパナの人物認識と顔認識に一日の長がありそうだが、モデルのポートレート撮影に限ればフジの顔認識でも問題はないだろう。何となくメーカーの設計思想または想定シチュエーションの違いとも考えられるかな。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

まだ一輪だけだが、庭のヒマワリが咲いた。うちのヒマワリは冬のヒマワリレストラン用に植えているものの他に、畑の隅に勝手に自生しているものがある。

写真のはその前者で、後者は種をちょろまかしているハタネズミか、レストランの常連組が途中で落としたものだ。

まあよくここまで連日のように猛暑が続くと感心するが、日中の屋外での撮影では、金属とエレキの塊でもあるカメラ機材への影響も気になるところだ。

先月、久しぶりに学校イベントの撮影を行った。以前同種の撮影を請け負ったときはEOSの1D3や7Dの時代だったが、今回はG9 PROとX-H1のミラーレス機を持ち込んで対応した。

1日8時間程度、延べ3日間、日陰のない炎天下のグランドで、両機とも連写多用で連日2000枚少々撮影したが、結果ノートラブルであった。特にG9 PROはボディの温度がさほど上がることもなく、何のストレスもなく淡々と動作していた。GH5同様に4K60Pの動画収録を可能とする..GH5と違ってG9は時間制限があるが..だけあって、さすがの放熱性能である。

X-H1も基本的に動作自体は問題なかったが、2日目の午後の最も気温が高かったと思われる時間帯に、1回だけ黄色い温度警告が背面液晶に表示された。黄色は画像にノイズが増える可能性ありで、赤色は連射性能などパフォーマンスが落ちるというアラートである。その時は確かにボディが熱くなっていたのを感じていたので、念の為電源を落として10分ほど放置してから再度使用したが、その後は特にアラートもなく最後まで動作した。

今時のミラーレス機に残る懸念は電源であろう。バッテリーがあまり持たないという問題もさることながら、常時流れている電気量は一眼レフ機よりは多いはずなので、自ずから熱量も増幅することになる。スポーツシーンでは屋外炎天下での撮影はデフォルトであり、特に今年のような尋常でない暑さの中での撮影はこれからどんどん増えていくことだろう。

そういった過酷さクリアしてこその各社フラッグシップ機であるが、今回の撮影でパナのG9 PROとフジのX-H1の両機はそれを証明したことになる。さすがにタフネスさをウリにしているだけのことはあるというものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR x1.4 / PROVIA

試合の合間に見上げた空に、暑さを物ともせずツバメの若鳥がスイスイと飛んでいた。グランド上でプレイする子供たちもそうだが、若いってだけでも耐暑性能も運動不足のオッサンよりは高いようだw