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先週の大寒の前、冬とは思えない暖かい日が続いたときがあった際、仕事場の窓の外でホオジロが一筆啓上とさえずっていた。

気温が高いと鳴き出すことがあるのはシジュウカラなどと同様で、恋の歌という風情ではなく、何となく春めいてそういう気分が盛り上がるのだろう。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / CLASSIC CHROME

X-H2SはVer.3.00の新ファーム。

手前にナツツバキの枝が被っているが、アウトフォーカスから難なくホオジロを認識して一発でフォーカスを合わせ、そのまま安定してピント位置を維持している。

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小生にとってタンチョウは特別に思い入れのある鳥である。

そもそも鳥に興味を持ったきっかけが池中玄太80kgという、西田敏行が主人公の通信社のカメラマンを演じるテレビのホームドラマであった。

その劇中で主人公が北海道にツルを撮影に出かけるシーンがあり、そこで登場するタンチョウに心惹かれたからに他ならない。

そこから鳥に興味を持ち、色々調べるうちに近所に巨大なワシが生息していることを知ってツルから天狗様へと至って現在に至る。

話をドラマに戻すが、劇中で主人公の死に別れた妻が鶴子といって、それ故にタンチョウを特別視している設定だったのだが、位牌と一緒に飾られていた雪原で求愛ダンスをするタンチョウの写真が、その道では先駆者として知られていた林田恒夫氏撮影のものであったのは知る人ぞ知るである。

旧千円札の裏面のデザインに使用された写真も氏の撮影したものである。

その林田先生が先日亡くなられたということで、感傷的に昔のことをちょっと思い出していた次第。林田先生は阿寒で何度かお見かけしたことがあるが、何よりご冥福をお祈りしたい。

カメラ不明 / PROVIA100

これは使用機材からしておそらく1990年代始めの頃。憧れのタンチョウを撮影するために阿寒に足を運んだときのものだ。当然時代はフィルムカメラである。

Canon New F-1 / New FD800mm F5.6L / Velvia

デジタルカメラしか知らない、一日で何百枚何千枚と撮る今の時代の若い人には想像もできないだろうが、秒間5コマ程度しか連写できないカメラで、良いタイミングで36枚撮りきらないように大事に慎重にシャッターを切っていた古き良き?時代だ。

今となっては自分でも信じられないがラックピニオン式のMFでピンを合わせていたのだから、自分で言うのも何だが神業だなw

ただノスタルジーとしては良い思い出の範疇であるが、この時代に戻りたいかと言われると機材的にはまあ微妙ではある。

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生きものの名前というのは奥が深く、昔から人の生活に馴染みがあると粋で風流な名前が付いていたりする。鳥のオオルリ(大瑠璃)なんて如何にもって感じで。

だが多くの場合は近代になって分類や識別が進んだことで付いた種が多く、昆虫や鳥類のシギ・チドリや海鳥の仲間などには少々味気ない名前の生きものも多い。

例えばカラフトアオアシシギのように場所と特徴が列挙されているだけみたいにね。

小さい昆虫や、人知れず遠い海原で生活していたり、遠くに集団でいて識別困難などまさにこのケースである。顕微鏡もなければ双眼鏡もなく、遠い大洋など出かけるすべもないのだから当然だ。

さて、ちょっと前にふとゴジュウカラの名前の由来が気になって調べたら、「昔は40歳で初老、50歳で老人と言われてゴジュウカラの青い羽毛が老人のようだから」という説が広まっていて、マジっ?てなってしまった。

そもそも青い羽毛がなんで老人なのか意味不明だしw

シジュウカラは地鳴きの聞きなし「チジゥ」「シジゥ」から付いた説がそれっぽく、そのシジュウカラに似ているのでゴジュウカラって言うのが一番しっくり来るけどね

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

意外に人懐こいゴジュウカラ。フイフイフイという調子のさえずりが聞こえたらそこは早春の森だ。

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先週X-H2Sの新ファームが公開された。

AIによる被写体認識精度とAF-Cの動体予測アルゴリズムが向上しているとのことで、Ver.2.10→3.00とメジャーバージョンも上がってメーカー側の自身のほどがうかがえる。

PVを観る限り確かにイイ感じに仕上がっているようで、特に対逆光性能は期待できそう。

それに自動認識される被写体に昆虫とドローンが加わったのも特筆。特に昆虫はOMDSに先駆けてであり、PVでは蝶を認識していたが、どの程度の種類が有効になるのか気になるところ。

ま、この点は当地では春を待たねば検証できないけど。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

画面内に占める割合が小さい物体でも認識率が上がったのことで、かなり遠くを飛ぶ鳥(ハシブトガラス)にも小さい認識枠が現れ捕捉し続け、拡大して見てもバチピンである。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

ピンの合ってないぼやけたアウトフォーカス状態でAFオンで、枝被り状態の鳥を認識、こちらも拡大して見てツグミの目にバチピンである。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

150m以上離れた先をゆっくり歩くキツネをAF-Cで狙ったが、これも終始キツネを捕捉し続ける認識枠が表示され、ピンもしっかり来ていた。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / ETERNA / 4K120Pから切り出し

4K120Pの動画に切り替えたのがこちら。更に180mほど離れキツネと背景に距離差がないのでピンは許容範囲ということになるが、動画でも写真と変わりなく終始キツネを捕捉し続ける認識枠が表示されていた。

この距離感で背景があってもキツネを捕捉し続けるのは素直にスゴイ。

PVでは激しく動き回るバスケットプレーヤーなども難なく捕捉していたので、OM-1の新ファーム同様に当方が使う程度の状況なら特に不満のない性能ではないだろうか。

今月は業務で平野部に出張る機会があるので、その際に時間があればもう少し動体を狙ってみたい。

この日は取り立てて鳥を撮ることを目的とはしてなかったが、山で休憩中に人を恐れずすぐ目の前までやって来られると、さすがにシャッターを切らずにはおけまい。

OM-1の新ファームVer.1.3を試す機会がなかったのでちょうど良かった。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

動画も試したが、例の「認識はしているがピンは来ない」的な変なクセはかなり改善していると言って良い。

特に3枚目は手前に枝かぶりした状態からの飛び出しで、カメラを左に振りつつAF-CでSH2連射した途中のカットだが、50コマ以上撮ってほとんどピンが来ており、4枚目がその最後のほうのカット。

もともとOM-1の被写体認識は定評があったので、ここまでピンが来れば特に文句もない。まあ最初からこれで出していれば良かった話ではあるのだが。

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一応初雪

2022/12/14

昨日の朝に一応今シーズンの初雪となって庭がそこそこ白くはなったのだが、お昼を待たずにすぐに解けてしまった。

例年に比べて一ヶ月以上遅い記録ではあるが、一応初雪だったということで。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

1枚目は庭先で日の出前に撮った写真で、 X-H2Sの鳥認識は最初は真ん中のスズメに認識枠が現れたが、AFオンで一番奥のツグミにピンが行った。

2枚目の場合は中央上のカワラヒワに認識枠が現れそのままそこに合焦。

アルゴリズムは不明だが、Ver.1.2以前のOM-1のように取り敢えず一番近い距離を選ぶ仕様ではない模様。対象が複数いた場合の挙動のクセを知ることは重要。

世界初の動物認識は富士フイルムが10年前に出した「FinePix F80EXR」だったというのは以前書いたが、レンズ交換式カメラでは後発組であり、時流に乗ってX-H2Sにもようやく被写体認識を搭載してきた。

今の季節では生きものはやや端境期に当たるため検証例は少ないのだが、今のところ印象としてなかなか良い。と言うかOM-1のそれ..このネタの下書きを書いた先月時点ではVer.1.3の改善ファームはまだない..よりは安定している印象である。

明らかに検出アルゴリズムが異なっており、極端な話OM-1は画面内でそれっぽく見える物体を片っぱしから検出して知らせて来るが、X-H2Sではそこまで誤認識?も少なく無駄なくマークしてくる感じ。

情報量の多い構図でフレーミングした時、OM-1では検出枠が忙しくなく画面内を動き回る..相当に演算速度が早いとも言える..が、X-H2Sではピンポイントでいきなりそこを指し示すという挙動である。

で、ここが肝心なのだが、以前から言っている例の「認識はするがそこにピンが来ない時がある」という独特のクセがOM-1にはあるが、X-H2SではAFモードがゾーンであばれ検出した物体にピンを合わせに行くので、挙動としてはX-H2Sのほうが結果的に安心していられるというのがある。

ちなみにAF-Cのカスタム設定をメーカー出荷時のままではなく、ゾーンエリア特性を「手前」にするのを忘れずに。これを設定するだけでX-T4でもイイ感じでAF駆動されるはず。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

X-H2S最初の被写体認識は仕事場の窓から撮ったうちの居候スズメ。連中は人の気配を感じるとすぐに逃げ隠れするのだが、その刹那でもX-H2Sに被写体認識されてAFが素早く合焦した。

無印H2も同じAFシステムと言われているが、認識速度もAF駆動もSのほうが明らかに早いのは体感的にもすぐ分かる。フジのカメラで生きものを撮る人にはX-H2Sのほうがオススメだ。

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PureRAW2

2022/12/2

マイクロフォーサーズのOM-1は画質面で35mmフルサイズと世間で言われるほど差などないが、さすがに高感度域では分が悪い。

そこでノイズ除去に優れたサードパーティ製のPureRAWの出番となり、これがまた非常にスグレモノであっという間にノイズレスでクリーンな画質を出力してくれ便利なのである。

若干エッジが立って見た目解像度が上がったように仕上がる傾向があるが、ISO12800とかが普通に使えるようになるので、ひと手間増えるがこれを使わない手はない。

が、OM-1・GH6以降はPureRAW2でないと使えない状況だったため、しばらく様子見していたところ、2がX-H2Sに対応..無印X-H2も対応予定あり..したので、ブラックフライデー?で安くなったところでバージョンアップしてみた。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA / ISO6400

先日のシメ画像は記事にも書いた通り真っ暗けでISO6400を使ったのだが、そもそもX-H2Sの積層型センサーは読み出し速度重視で高感度には強くないので、暗部を持ち上げるとノイズが浮いてくる。

そこで試しにPureRAW2に通してからトーンカーブで暗部を持ち上げ、シメを中心にトリミングしたのが上の写真。元の写真の状況を考えればここまで復元できれば御の字であろう。

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Nレポにも上げておいたが、今朝方ベニマシコとシメを近所の防風林でこの冬初認。

両種ともうちの近所だと年によってバラつきがあるので定量的なデータはないのだが、県内各地のフィールドでの遭遇も例年よりは遅めの印象だ。

ま、いずれうちの庭にも姿を見せるだろう。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA / ISO6400

シメは日の出前で肉眼では完全シルエットの状態。写真はトーンカーブをいじって暗部を持ち上げている。

驚くべきはX-H2Sの鳥認識で、こんなに暗くても目の位置に小さい認識枠が現れて、シメが横向いたりこっち向いたり動くたびにちゃんと追随する点である。

同じ場面で試したわけではないので気のせいかもだが、同じ物体認識を搭載しているX-H2だとここまで応答性が高い感じはしない。

OM-1もそうだが、今どきのミラーレスカメラの物体認識は明らかに人の能力を超えているね。

人のコロナもなかなか落ち着かない状況にあるが、この冬は早くも鳥インフルが各地で感染拡大を始めている。

ナベヅルとマナヅルの世界最大の越冬地である出水平野では、すでに50羽近くの陽性率9割を超える衰弱または死亡個体が回収されているとのこと。時期にしても感染ペースにしても過去に例がないほどで、この後のピークも予想できないと専門家も言っている。

以前から出水のツルの一極集中は懸念されており、万が一にもここでパンデミックが発生すると、両種ともに種自体の存続が危ぶまれる事態となる。

周辺の養鶏場ではニワトリの殺処分による防疫措置が取られているようだが、ウィルスだけに直接目に見える脅威ではないので、予断を許さない状況が続くことになる。

追加情報として、昨日とうとう北海道のタンチョウと四國でコウノトリで国内の初感染例が報告されている。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

夏季は林冠を移動する姿をチラ見する程度のアオバト。留鳥として通年生息しているのだが、その姿を目にできるのは木々が葉を落としたこの時期ならではだ。

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