桜咲くなり法隆寺。
斑鳩の里にも桜前線到達。
と言っても何もめでたい事があったわけではなく、文字通りサクラが咲いていたのである。
本来ならサクラ(写真はソメイヨシノ)が咲くのは春なのだが、時々このように季節外れに花を付けることがある。ただそれも秋に咲くことが多く、夏場は珍しいことではあるが。
植物が季節外れに花を咲かせることを狂い咲き..気象用語では不時現象だ..と言うが、サクラの場合は先祖返りとも言うらしい。
日本のサクラの原種はネパールだと言われているが、ネパールでは秋に花が咲くので、気温が高い日が続くと昔を思い出すのではないか?ということらしいが、まあ定かではない。
季節を外れて花を付ける理由として、台風などで葉が落ちてしまうことが主な原因と言われている。アメリカシロヒトリなどいわゆる害虫による食害もまた然りだ。
葉がすべて無くなってしまい、尚且つ暖かい日が続くと、擬似的に春が来たと勘違いしてしまうというのがその理屈で、花が早くに咲いたり、紅葉が遅いとかそういったことも含め、本来のサイクルで成長できずにリズムが狂ってしまうのだろう。
この時期に花が付くと、来春この枝先には花が見られないことになる。
写真で判ると思うが、実はこの木、特に葉が落ちてしまっているとかそういったことはないので、前段の説明の裏が取れてなかったりするから困る(苦笑)。
昨日の大雨でヘイズも洗い流され、今日は久々に上越国境の主稜線が拝めた。
と言っても開花は一週間ほど前のこと。遅咲きのヤエザクラも季節の動きには正直だ。
Golden Weekはデスクワークが目白押し。長時間収録された4K UHDの動画を、画質劣化なく適当な長さにカットする作業を延々と行うはめに。
そもそもH.264のデータを劣化なくカット(トリミング)するのに、Macでは適当なアプリがない。ま、こんな時のためにMac内にWin環境も飼っているので、スマートレンダリングに対応したカット編集専用のエンコーダの出番である。
そう言えば、昨今うちの業界はAppleがWindowsでのQuickTimeのサポートを終了するという話題で持ちきりである。脆弱性を残したまま終了するということで、WindowsユーザーはQuickTimeプレーヤーのアンインストールを余儀なくされることになる。
今どきQuickTimeプレーヤーなど使っている人もいないだろうが、問題は中間コーディックとしてProResが読めなくなるという点だ。業界は長らくAppleのFinal Cut Proに支配され、コーディックといえばProResだったので、そこに替わる新たなコーディックが必要になる。
業界御用達であったFinal Cut Proも、Xになってかなりユーザーが離れていて、今はAdobe Premiere Proが取って代わろうとしている。そのAdobeがここに来て押しているのが、GoPro CineForm..GoProと名が付くがGoPro製ではなく、CineFormを買収したのだ..という汎用コーディックなので、Appleの次の一手次第では、業界汎用はGoPro CineFormがその座に収まることになるのだろう。
しばらくはMacでは問題もなく特に何も変わらないのだが、クライアントがWinの場合にMOVでデータを渡すという訳にはいかないケースが今後は出てくるだろう。ああ、なんかとっても面倒だなぁ。
と言うことで、今年も相変わらず色々Golden “Weak”なGWである。
県南のフィールドに出掛ける道すがら、朝一で妙義山さくらの里へ寄ってみた。
ここの桜も本来は4月下旬が見頃なのだが、県北同様に10日近く早くに満開を迎え、ソメイヨシノなどはすでに花を散らしていた。それでも、45種類、5千本の桜が標高差をもって植えられているため、他よりも長い期間桜が楽しめる。とは言え今年はGWではさすがに遅いだろうけどね。
天狗様を観察するのにはお昼から午後の時間帯が確率高いが、この季節は春霞の影響をモロに受けるため、写真でも動画でも撮影には朝一から10時ぐらいまでが適している。
太陽の輻射熱によって暖められた空気が上昇気流となって、地上の塵や埃を大気中に舞い上げるのがヘイズであり、いわゆる春霞である。逆に言えば、撮影に不適なヘイズの原因である上昇気流も、天狗様など大型猛禽類にとっては省エネ飛行をするために必要な気象現象となるのである。
妙義山を東側から望む。いわゆる表妙義と呼ばれ、上信越道などから眺める姿もこれである。中腹まで新緑に覆われているのが判るだろうか。
沼田発地のヒガンザクラは樹高、枝張りともに20m近く、樹齢500年を越えていると言われている。例年なら4月下旬近い田起こしの時期に花を咲かせるので、苗代桜とも呼ばれている。
今年は桜が早いのは周知の事実。先週、沼田公園の御殿桜で失敗しているので、少し早めにと足を延ばしてみれば、県指定の天然記念物でもある苗代桜は見事に満開の様相。いつもよりは10日は早いだろうか、危うく花期を逃すところであった。
通常、この手の景勝地は週末や休日に撮影に来ることはないのだが、この時期だけは仕方なし。開花時期もあるが何より春は天候との戦いなので、風なしのこのタイミングを逃す訳にはいかない。
観光客がやって来る前にと8時には現着したのだが、撮影中にどやどやとカメラ爺婆がやって来て、まあいつものように賑やか、いやハッキリ言ってうるさい事この上なかった(苦笑)。やはり休日に無事に動画撮影が完遂できるほど甘くはなかったね。
昔は肩乗せ式のビデオカメラ然とした機材を構え、さらに「撮影中だ近づくんじゃねぇよ」オーラを出していたのだが、今や動画撮影機材は一眼ミラーレスカメラで小ぢんまりしてしまって、撮影していてもレンズの前を平気で横切ったり、スチルと勘違いして延々と話しかけてくるのには困ったもんである。
おい爺さん、何ちゃらコンテストに入賞した大事な写真は仕舞っとけ。あー、自慢のD4sが凄いのは判ったからタム◯ンの高倍率ズームを何とかせいや。そこのオバサン、ホットシューに載ったガンマイクが目にはいらんかい、頼むからマイクの前で氷川きよしの話はやめてくれ。あ、オッサン、鼻をかむならもっと遠くでお願い。おいおいボーズ、俺のカメラバッグの中に飲みかけのペットボトルを仕舞うのはよせやい..って、わずか40分の間にいやはや疲れたのなんのって(苦笑)。
最後のは同じく発地にある天照寺のシダレザクラ。こちらは苗代桜ほどは人気がないので、まあまあ静かで助かった。何より通りがかった近くのおバアにリンゴひと山貰ったしね(嬉)。
昨晩、熊本でマグニチュードのわりに大きな地震が起きた。震源が浅い分、震度だけ見ると東日本大震災と変わらない数字となったようである。被害も広範囲というよりは局所的な感じがして、東日本大震災とはかなり雰囲気の異なる地震である。九州は火山は多いがそんなに地震の多いイメージがなかっただけに、少々驚いたのは事実だ。
原因となった断層の先には、国内で唯一稼働中の川内原発があり、今回は特に事故には至らなかったが、どうしてまあそんなところに原発があるのか不思議でならない。再稼働が認められて以降、桜島や阿蘇山の噴火が続き、霧島周辺も不穏な動きがある。そして今回の大地震ときて、何かこう自然界を通して暗示的なものを感じざるを得ない。
ところで、福岡と大分に知り合いは何人かいるが、知人の一人が熊本に単身で転勤していたのをFacebookで知ってびっくり。遠い九州の出来事が急に身近なことと感じられてしまった。被害に遭われた方にはお見舞い申し上げたい。
今日は風が強くて参った。しかもまた冬型のような北風が吹き荒れたため、予定していた撮影は中止となった。風が強風のレベルだと、とてもではないが動画の撮影は無理である。
ということで今日の写真は数日前の小野子の桜。ここも今日の大風で桜吹雪となってしまっただろう。