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その昔、天狗様が抱卵に入る頃を見計らって毎年のように数週間ほど冬の道東に通っていた時期があった。

知床が世界自然遺産に登録されて以降はほとんど出掛けていないが、それでもオホーツクに流氷が流れ出すとそれなりに気になって、毎日に海氷情報を眺めている。

Canon EOS-1D MarkIII / EF70-200mm F2.8L IS USM / 網走より知床連山

Canon EOS-1D MarkIII / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM / プユニ岬より

Canon EOS-1D MarkIII / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM / オシンコシン崎より

Canon EOS-1D MarkIII / EF70-200mm F2.8L IS USM / 網走より海別岳

Canon EOS-1D MarkIII / EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM / オンネベツより藻琴山
Canon EOS-1D MarkIII / EF70-200mm F2.8L IS USM / 流氷原の落日

白い流氷原は内地に住む人には冬の景色だが、流氷が道東各地の海岸線に到達するのは春の知らせである。

小生にとってタンチョウは特別に思い入れのある鳥である。

そもそも鳥に興味を持ったきっかけが池中玄太80kgという、西田敏行が主人公の通信社のカメラマンを演じるテレビのホームドラマであった。

その劇中で主人公が北海道にツルを撮影に出かけるシーンがあり、そこで登場するタンチョウに心惹かれたからに他ならない。

そこから鳥に興味を持ち、色々調べるうちに近所に巨大なワシが生息していることを知ってツルから天狗様へと至って現在に至る。

話をドラマに戻すが、劇中で主人公の死に別れた妻が鶴子といって、それ故にタンチョウを特別視している設定だったのだが、位牌と一緒に飾られていた雪原で求愛ダンスをするタンチョウの写真が、その道では先駆者として知られていた林田恒夫氏撮影のものであったのは知る人ぞ知るである。

旧千円札の裏面のデザインに使用された写真も氏の撮影したものである。

その林田先生が先日亡くなられたということで、感傷的に昔のことをちょっと思い出していた次第。林田先生は阿寒で何度かお見かけしたことがあるが、何よりご冥福をお祈りしたい。

カメラ不明 / PROVIA100

これは使用機材からしておそらく1990年代始めの頃。憧れのタンチョウを撮影するために阿寒に足を運んだときのものだ。当然時代はフィルムカメラである。

Canon New F-1 / New FD800mm F5.6L / Velvia

デジタルカメラしか知らない、一日で何百枚何千枚と撮る今の時代の若い人には想像もできないだろうが、秒間5コマ程度しか連写できないカメラで、良いタイミングで36枚撮りきらないように大事に慎重にシャッターを切っていた古き良き?時代だ。

今となっては自分でも信じられないがラックピニオン式のMFでピンを合わせていたのだから、自分で言うのも何だが神業だなw

ただノスタルジーとしては良い思い出の範疇であるが、この時代に戻りたいかと言われると機材的にはまあ微妙ではある。

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何やら長渕剛が「北海道の土地を外国人に売らないでくれ」とかヘイトまがいの排外主義かまして拍手喝采みたいな動画を観てしまったが、その理由が「開拓民たちが一生懸命開拓した土地だから」的な話で、まあ何というか呆れ返ったとしか言いようがないな。

その開拓民とやらと開拓使がアイヌの土地を勝手に収奪した歴史を知らないわけもなく、何を勝手なこと言ってやがるというという感想しか無い。

北海道の土地が外国人に売られているという事実があるのは知っているが、右でも左でもこの手の身勝手な自己主張で拳あげられても、それを利用して聴衆の愛国心に付け入るような人気取りにはまったく迎合できないな。

それに当の外国人もまさか煮ても焼いても食えないような原野を買わされたとは思わなかったろうから、最初に攻めるは原野売買ブローカー的な連中だろう。

待ちに待ってた金カム第4期がスタートしたこのタイミングでこの話題とは、やれやれだぜ。

FUJIFILM X-H2 / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

蝦夷ネタ絡みというわけではないが、一週間ほど途切れていた移動途上のエゾビタキが久しぶりに姿を見せた。例年の感じだともう少し続くかも。

それにしても高い。900mm相当でもこの大きさ。そして暗い。でもX-H2の被写体認識はこの暗さを物ともせず、苦もなく目の位置にAF枠を合わせてくるな。

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一昨日、北海道の羅臼でヒグマが有害駆除されたというローカルニュースが流れていた。

道内のヒグマの出没状況は近年は増加傾向にあるので、それ自体はそう珍しいことでは無いのだが、駆除された個体が体長2.1m、体重はなんと400kgというからこれにはかなり驚いた。

2002年だったかお隣の斜里町で捕獲された個体がやはり400kg級で、それまで知床にはそのクラスはいないと言われ続けていたので当時もかなり話題になっていた。

20年ぶりと言えばそうなのだが、生息数が過密と言われる知床にもまだこのクラスが残っているという話であろうか。

クマの仲間は地域によってかなり個体差があり、ヒグマで言えば日本のエゾヒグマは大陸産に比べれば小型と言って良く、せいぜい150〜240kgぐらい..本州のツキノワグマは大きくても100kg前後..とされているので、400kg級がどれだけのものかは推して知るべしだ。

先の斜里の例では対峙したハンターが軽自動車並みと言っていたのは何となく記憶にある。

Canon EOS-1n / EF500mm F4.5L USM / PROVIA / Katmai N.P

クマに限った話ではないが、生きものの大きさに地域差があるというのは食事事情に他ならない。

アラスカ辺りのヒグマの例で言えば、例えば内陸部の個体ならほぼほぼ植物食中心で、時々はオオカミの上前をくすねたカリブーの死体などにありつくことはあれど、せいぜいジリスを襲う程度の肉食事情だ。

その点、南東アラスカなど沿岸部や川沿いに生息する個体群ならば、時期を分けて遡上する豊穣のサケや海岸に打ち上がる鯨類や鰭脚類の死体にありつけるので、食事メニューの中をかなり多くの肉食が占めることになる。

実際、南東アラスカのヒグマは軽く500kgを超える個体がいて、特にコディアック島の個体群などは600kgをゆうに超える個体もいるらしく、ここまでくると世界最大と言われるホッキョクグマをも凌ぐサイズである。

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愛知県で捕獲された野犬からエキノコックスが発見されたことが話題だ。

エキノコックス症は多包条虫に寄生され肝機能障害を引き起こす感染症で、最悪の場合は致死となる可能性が高い。感染症と言えば今どきだと新型コロナのようなウィルスを想像するかもしれないが、本件は寄生虫から引き起こされる。

エキノコックスは国内では緯度の高い北海道ではよく知られていて、イヌの仲間であるアカギツネ(キタキツネ)の糞から媒介されることが判っていて、野外で生水を直接飲むことは非常に危ういこととされている。

幼虫に寄生されたエゾヤチネズミをキツネや野犬が捕食し、体内でから成虫の糞が排出されるという流れだ。

愛知では実は2014年の発見が最初だが、本州の他地域でも青森や山形、さらに東京や沖縄でも発見例はすでに何件も存在する。

もともと本州にはエキノコックスは存在していなかったが、北海道に犬連れで渡道した旅行者経由で持ち込まれたと言うのが、現時点での専門筋の見立てのようだ。イヌはよほど丁寧にしつけない限りなんでも拾い食いする習性があるので、さもありなんである。

個人的によく北海道に通っていた時期があるのでエキノコックスについてはそれなり注意を払っていた。アラスカとアフリカで野宿もやっているので、たとえそれがエキノコックスの発生地でない山中出会っても、生水をそのまま飲むと言うこともやらない。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

半月くらい前に近所の牧草地で見かけたキツネ。この後、人の眼のまえでこれ見よがしにモリモリウンコしていたなw

拙者がエキノコックスについて最初に知ったのは実は北海道ではなく、小学生の頃に読んだ手塚治虫のブラックジャックのエピソードである。

記憶ではオーストラリアの原野で生水を飲んだ主人公が症状に見舞われ、野外で自身に対し施術するという話があって、そのことを妙に痛々しく憶えていたから。

湧水や樹上の木の実ならいざ知らず、あまりワイルドぶって地面に落ちているものや地表を流れ下るものを口にしないほうが良いということだな。

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総裁選で永田町がゴタゴタしているさなか、狩猟で使われる鉛弾を使用禁止にすると小泉環境大臣が発表した。

「意外に知られてないかも知れませんが、鉛弾って鉛で出来ているんですよ」って言ったかどうか定かではないがw、あの我らがセクシー担当大臣にしてはなかなかの英断ではないだろうか。

狩猟に鉛弾が使われることで、山野に放置された残渣を糧とする生きもの、とりわけ大型猛禽類の鉛中毒問題が以前から取り沙汰されてきた。

特に北海道ではオジロワシやオオワシの越冬時期が猟期と重なって被害が多く出ていたので、道では鉛弾の使用は独自に禁止にしてきたものの、道外からやって来るハンターの中には依然として鉛弾を使用し続けている不届き者が多くいるのである。

水鳥猟が盛んなオランダや北欧のスウェーデンではすでに先行して禁止となっているが、鳥類の鉛中毒問題を理由に全国一律に規制が適用されるのは珍しい。

惜しむらくは、施行は2025年から段階的に行い、2030年中に鉛中毒ゼロを目指すという何とも悠長な話なので、ここさらに前倒しで進めほしいところである。

環境省には風発や太陽光発電の乱立に伴う自然破壊への対処などもっと率先して取り組んでほしい事案はあるが、経産省と業界団体との調整が簡単に進むとは思えないので、まずは省独自に判断できて周囲に影響がない..利害関係が少ないとも言える..鉛中毒問題からと言ったところだろうか。

ただ、ようやくセクシー担当大臣が仕事で目に見える成果を上げようかというタイミングではあるものの、前述の通り永田町界隈はそれどころではなく、総理大臣が代わることそれイコール新たな組閣となり、まあおそらくは環境大臣も代わるだろうなということで、後任がまたいつものごとく「誰がやっても同じ」大臣職に成り下がることが心配である。

Canon EOS-1D MarkII N / EF500mm F4L IS USM

道東の原野でエゾシカの死体にありつくオジロワシ。この時のシカの死因は不明。

オジロワシやオオワシも普通に狩りをして餌を確保するが、目の前に動物の死体があれば何の躊躇もなく食べる。それが餌が乏しくなる厳冬期ともなればなおさらで、交通事故による轢死体であろうがハンターの狩りの残渣であろうが関係ないのである。

こういったスカベンジャー的な行動は年齢に関係なく見られるが、経験値の低い幼鳥にはより強くその傾向があるようだ。

個人的な観察でも、最初に警戒心なく幼鳥がついばんでいるところへ、遠目に様子を見ていた成鳥があとからやって来て幼鳥を追い払い、ゆっくりと食事をするという光景を何度も観ている。

我らが千葉真一に続いて、仏のジャン・ポール・ベルモントが亡くなった。

ベルモントはコメディもやっていたが、千葉真一と同様にアクション俳優の印象が強い。ノースタントで走行中の車の屋根にへばりついたり、ヘリからぶら下がったりするなど、トム・クルーズなどアクション系俳優なら今どきは普通だが、その元祖はベルモントとだろう。

1980年に先に亡くなってしまったが、当時ノースタントのアクションではスティーブ・マックィーンと双璧だったな。

戦時を除けば、事故や病気でもなければ人の死は年齢の順番ってことになるので、自分より年寄りが先になくなるのはこれ真理なりか。

こればかりは自分が歳を取ったらから仕方ないことだが、子供の頃憧れた著名人が次々に亡くなっていくのは寂しいものだ。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

富士山が初冠雪し、北海道の大雪ではウラシマツツジの紅葉が見頃との報あり。富士山はともかく、この時期に大雪には一度登ってみたいな。

普段決して耳にすることはないが、どこかで聞き覚えのある涼やかな鳥のさえずりが聞こえてきた。

それは高原をイメージさせる旋律ではなく、冷涼なオホーツクの風を記憶の端から呼び覚ますような感覚である。

周囲を見渡すと、ほどなくすぐ目の前の草むらによく目立つ赤い斑点が見え隠れしているのを発見、双眼鏡を覗くまでもなくすぐにノゴマだと判って思わず「おー!」と声を上げてしまったw

北海道の夏の原生花園ではおなじみのノゴマ。その昔よく北の大地に通っていた頃はよく耳にしていたので、不意を突かれたものの当時のシーンだけがおぼろげに蘇った感じだ。

場所は家から300mも離れていない空き地で、例の若いキツネが営巣しているところでもある。

当然ながらなんでこんな場所にという感じではあるが、移動の途中に休息で立ち寄った場所で目撃される例は普通にあるので、この個体もそういうことだと思われる。実際、午後にもういなくなっていたし。

その昔、と言ってももう30年以上前の話だが、軽井沢の森の中でやはりGW明けぐらいの時期にも遭遇しているので、本州ではこれで2回目ということになる。

ということで、今年の初夏のハイライトはノゴマだ。

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

OM-D E-M1 MarkIII / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

高校生の頃に鳥を観始めて、当時は特にまだ見ぬ北海道の夏鳥に憧れていたが、シマアオジと並んで憧れの双璧だったのがこのノゴマだ。

その一見地味な体色に反してよく目立つの喉の赤さが際立つが、原生花園に流れるそのフルートのようなさえずりが素晴らしい。

今はまだ遠出もままならぬ状況で、今回はたまたま偶然の出会いであったが、また夏の原生花園の舞台でノゴマに出会いたいものである。

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