台風5号の影響で朝のうちは連日もやに包まれている。高原なので爽やかな霧と言いたいところだが、南から何とも生暖かい空気が送り込まれてくるため、肌にまとわりつくと不快極まりない。
先週辺りは寒くて秋冬ものの布団を掛けて寝ていたのが、一昨日辺りから夏掛けに戻っている。台風が抜ければ本来の夏が戻るのだろうが、とにかくシケシケしたこの空気をなんとかして欲しい。
焦点全域でF2.8通しズームは、各社とも明確にプロからハイアマをターゲットとしており、セールス的にも売れ線..利益を稼ぐという意味で..であるのは間違いないので、自ずから各社ともそのレンジには力が入っており、まあ何れハズレはない。
ナイコンの同クラスのズームは使ったことがないが、C社では24-70のII型を持っており、仕事用レンズの筆頭として古くは28-80、それに先代24-70のI型を使っていたことがあり、何れも随分と稼がせてもらった。
そしてそのフジのいわゆる大三元の一角を担う大口径ズームレンズが、このXF16-55だ。
XF50-140の記事で同レンズを世間で言われるほど大きくはないと書いたが、さすがにXF16-55はフジノンレンズの中では大柄である。重さは650gでC社の24-70の800gよりは軽いのだが、X-T2ボディに対するアンバランスさからくる見た目上のサイズ感はあまり大差ない。
ただ、実売価格で1.5倍ほど高いLレンズ筆頭のEF24-70は価格に見合わず全体的にプラスティッキーで、金属感あってカッチリした造作..実際はエンジニアリングプラスチックだがそう感じさせない作り..のXF16-55に軍配が上がる。
ナイコンの最新型は手振れ補正を内蔵しているが、XF16-55はC社同様に画質優先を謳って手振れ補正は内蔵していない。その代わり事実上のキットレンズとなっているXF18-55には手振れ補正を内蔵しているので、手振れ補正が必要な人には選択肢がある。
フジが単焦点同等の性能を目指したと言うだけあって、開放F2.8から使うことを躊躇させない画質には感嘆する。35mm換算で広角24mm相当となる16mm側でも、周辺減光が抑えられコマ収差もほとんどなく、周辺部まで問題なく使用できる。
星空など星野写真では同単焦点のXF16があるのでそちらに分があるが、通常使用ではズームレンズであることを意識させないキレのある画質は、重さを気にしなければ逆に率先して使いたいレンズである。
八高線はその名の通り、東京の八王子から群馬の高崎まで、武蔵野から埼玉の西の山際を縫うように走る。
東京へ出かける際は例外なく上越新幹線を利用するが、先日所要で立川に泊まったので、久しぶりに八高線を利用して戻ってきた。
記憶では恐らく二度目の乗車だが、せわしなく新幹線を利用することがほとんどの身には、実にゆったりとした時間の流れが貴重であった。
実際は拝島から乗ったのだが、終点高崎まで乗車していた人はほぼ自分ひとりであったのが印象的。生活の匂い漂う関東のローカル線といった風情は健在であった。
GM1で車窓の景色を流し撮り。
荷物を少なくしたい時、マイクロフォーサーズのシステムは非常に便利である。特に世界最小のデジタル一眼を謳うパナのGM1は、発売されてからそこそこ年数が経つものの、その稀有な存在は未だ十分現役で使用できる。
とにかく小さいことはサイズとは裏腹に最大の武器だということだ。
その筋では神レンズと評判の高いオリのED40-150mm PROに負けず劣らず、フジノンのXF50-140も非の打ち所のない素晴らしいレンズだ。
ズームレンズとは思えないその画質は、1.4倍のテレコンかませて35mmフルサイズ換算で100-300mm相当にしても実用上何の問題もなく、それどころかほぼ現状それがスタンダードであり、光量を稼ぎたい時にテレコンを外すという使い方になっているほどだ。
過去に同クラスのC社とナイコンの70-200を使ったことがあるが、画質含め周辺減光や逆光耐性などフジノンのほうが明らかに上である。吸い付くように機能する5段分の手振れ補正の効き具合も素晴らしい。
フジのユーザーは声を揃えて大柄なレンズだと言うけれど、C社のフルサイズから移行した身とすれば十分軽量コンパクトな部類である。普段は三脚座は外して使っている。
価格も重量もフルサイズの半分近くでこの性能。フジのユーザーなら同じ赤バッジのXF16-55とセットで持っていて損のないレンズだろう。