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先日お盆なのに暑いと書いたばかりだが、打って変わって今朝は涼しいを通り越して寒くて目が覚めた。昨晩寝る前に予感がして薄い羽毛布団にしておいて正解である。

終日北風が吹いていたせいもあるが、日中も晴れていたものの実に過ごしやすい晩夏の1日だった。

一昨日辺りからオナガの若鳥が群れでやって来て、入れ替わりヤマボウシの実をついばんでいく。まだ熟しきってはないのだが、そんな人の味覚の都合などお構いなしといったところだ。

そして北海道大雪の黒岳では、観測史上最速で初雪が降ったという知らせも入り、ボチボチ山の方では秋の便りが散見される季節になってきたかな。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

旧赤城村や南面の旧粕川村、それに東の旧黒保根村辺りだと、傾斜を利用した棚田が見られる。まあ棚田と言ってもカメラマンが好むような風情のある古いものではないが。

ただ、同じ赤城山麓でも赤城高原周辺は水の確保が難しいので水田がない..同じ村内でも利根川や片品川沿いなら田んぼはある..ため、Project AKGの一環で定期的に足を運んでいる。

写真は勝保沢近くの鈴ヶ岳を望む水田で、さすがにまだ稲穂は青々しているが、ここが黄金色になるのももうすぐだ。

カテゴリ:季節感|タグ:,

先日、若手のカメラマンたちと話をしている際、「TMさんの写真ってすごくエモいですね!」と若者に言われて、オジさんはちょっと固まってしまった。

エロいとかキモいとかそっちの方の意味かと思ったがw、盆で帰省していた倅に聞く限りエモーショナルを語源とする表現らしく、SNS界隈ではそんなに新しい言葉でもないらしい。

言葉は時代に合わせて変化していくものと考えているので、別に日本語を正しく使えなどと言うつもりはないが、普通に「感動した」とか言えないもんかね。

SNSを天気予報とニュース速報の収集ぐらいにしか使ってないオジさんからすれば、せいぜいイイねぐらいで勘弁しといて欲しいねw

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

色温度の低い時間帯にVelviaで撮ると、どうやらそのエモい感覚を呼び起こすらしい。つまりエモいのは拙者の腕ではなく、フジのフイルムシミュレーションということだ。

もちろん、RAWからレタッチを施してさらならエモさを追求することもできるが、昨今流行りのインスタばえごときの盛り方は好みではない。自然を撮る以上、写真ジャンルでもネイチャーって言うぐらいだから、コントラストの微調整程度で丁度よいのだ。

カテゴリ:独り言

盆の中日

2018/8/15

例年ならお盆の頃から過ごしやすくなるのだが、まだ湿度が高くて蒸し暑い日が続いている。

お盆なので実家を行ったり来たりと人並みだが、田舎暮らしの県内移動ゆえに帰省ラッシュには縁がない。

それでも山から平野部に降りると地獄の業火ような暑さが何とも堪えるが、実家にはエアコンという文明の利器があるので助かるね。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

湿度が高いことを証明するかのように、連日裏山に入道雲がモクモク湧いて、隣県に夕立ちを降らせている。

そう、赤城に湧く積乱雲の行く先は東の栃木なのだ。

カテゴリ:季節感|タグ:

サルが出たらしい。盆休みのさなか、しかもうちのすぐ近所で。目撃者の話では1頭ということで、恐らく雄のはぐれザルと思われる。

もちろん赤城山麓にサルは生息しており、北から東にかけての根利や黒保根では農業被害もある。が、南から西にかけては大きな群れの報告はなく、特にここ赤城高原での農業被害はまだない。

とは言え以前から村内でもサルの目撃は時々あり、群れでの侵入許すまじの声も耳にするが、シカやイノシシ同様に実際の被害が出てみないとなかなか意見も広まらないものだ。

その辺りが人的被害も予想しなければならないクマとの違いと言えよう。

北海道渡島の森町にて / Canon IXY DIGITAL 200

クマと言えば、北海道の島牧村のヒグマ出没騒動がニュースになっている。

島牧村のある渡島半島は知床半島と並んでヒグマの生息密度が高い地域だ。なので何をいまさら感が強く、「こんなところにクマが」という地元の人の声を聞いてちょっと意外に思っている。

3m・300kgのヒグマの比較映像でミスリードするマスゴミのくだらなさには相変わらず辟易させられるが、映像を見る限りまだ若いクマと思われ、連日のように周辺を賑わせるハンターやマスゴミに慣れてしまった感がありありしている。

食べ物を求めてという理由付けは生きものである以上当たり前のことなのだが、問題はそこが人の生活圏に入ってしまっている点である。出現はほぼ毎日ということで、すでに人家周辺の餌..生ゴミか漁港が近いので産廃か..に誘引されているのは間違いない。

この手のクマ..保護政策の影響下で人と人の生産活動を怖がらない新世代クマ..にお仕置き放獣がどの程度効力があるか未知数であるし、そもそも状況的に行政として悠長なことは言ってられないので、残念な話だが駆除されるるのは時間の問題だろう。

うちの村でも先月まで連日クマの目撃情報が有線放送で流れて賑やかだったが、有害駆除されたという話は聞かないので、うろついていた個体がそれぞれ山へ戻ったのか、ここ一週間ほどはパッタリと静かになっている。

サルにせよクマにせよ、今の時代は共存の道を探ることが望まれているわけで、商業的な切り口でも良いのでどうにかそこに人手を割ける仕組みができないものだろう。お金が動けば人も技術も投入できるので、必ず道は開けよう。

野生動物も人も、食うためには皆貪欲なのだから。

朝の光を受けて、家の前の路上でアサギマダラが暖気中。いつもなら人影や振動ですぐに高く飛んで逃げてしまうのだが、こういう状況ではそうもいかないのは昆虫共通である。

標本的に横から上からしばらく撮影させてもらったが、このまま道の真中では朝採りレタスのトラックに轢かれてしまうので、落ちていた枝を拾って退かそうかとした途端、フラフラと高く舞い上がってから道脇の雑木林に消えていった。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

それにしても、うちの近所で盛夏にアサギマダラを見かけるのは珍しい。例年だと秋の渡りの時期が多いのだ。

羽根も一部が破れ、全体的に少々くたびれた感じなので、渡りの途上であるのは間違いないだろうが、風任せでの移動に頼らざるを得ないので、先日のような変則的なコースを辿る台風とかに運ばれてきた可能性もありそうだ。

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緑の中を疾駆するSLみなかみ号を流し撮り。この日の担当はC61だ。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR/ PROVIA / Dレンジ優先(強)

やはり蒸気モクモクの力強さを狙うなら登坂のある下りの運行だよね。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR/ PROVIA / Dレンジ優先(強)

開け放った車窓に肩肘載せて風を切って走行しているが、機関車の運転台はさぞ暑かろうと思うぞ。何しろ熱源たる蒸気機関の釜を目の前に抱えており、エアコンなど装備している近代車両とはわけが違う。

同じ鉄道車両でも運転には特殊な技術を必要とするので、JRの運転士なら誰でもとはいかず、そもそもこの地獄のような猛暑では好きでもなけれな好んで運転台に立つこともないだろう。

とは言え、望遠レンズで眺めていると意外に若そうな人が運転しているようにも見えるので、それなりに色々な意味での技術の継承は行われているようではあるね。

カテゴリ:乗り物|タグ:,

先日、県の防災ヘリ「はるな」の墜落という痛ましい事故が起きた。残念なことだが、乗員9人は全員死亡とのことである。

しかも今日は山の日のイベントとして、県境稜線トレイルの全線開通に合わせたセレモニーが開催される予定であったが、それも事故を受けて中止となったようだ。山の日の前日にその山で事故が発生するとは、何とも皮肉な事態である。

県内のヘリ事故といえば、昨秋に上野村で起きた事故がまだ記憶に新しいが、今回の防災ヘリを委託されて運行していた民間会社は、上野村の事故を起こした会社と同一というから、機体に何か問題でもあったのではないかという線を疑う声も耳にするが、その辺りの真相は事故調査委員会の方で何れ明らかになるであろう。

ちなみに県境稜線トレイルのセレモニー中止に関しては、開催地がみなかみ町ということもあって、昨今ニュースを賑わせていたセクハラ問題に端を発する何とも恥ずかしいゴタゴタもあって、そもそも事故以前に開催できるのかが危ぶまれていた。

事の重大さに天と地の差あれど、色々トラブルは続く時は続くものだ..

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR x1.4 / Velvia

上信越国境に連なる県境稜線トレイルは、赤城高原の我が家からすべて見渡せる。写真はその中間付近に当たる平標山と仙ノ倉山で、今日は滝雲に西日が当たってなかなか良い感じであった。

県境稜線トレイルについては、天狗様の件で関係者から意見を聞かれアドバイスを出しておいた。まあそれはさておき、くれぐれも山行そのもので事故がないようにして欲しいものだ。

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水少な!

2018/8/10

天狗様を見に行った帰りに諏訪峡を覗いてみたが、上流部のダムで放流していないので、河の水量が異常に少ない。最上流の矢木沢ダムで貯水率43%というから、ちょっと危機的状況だ。

すべては台風の進路次第だが、先日の13号のように東に逸れて行ってしまうと肝心の水瓶に雨が降らないので、どうにもしようがない。9月以降、下流域の皆様は取水制限を覚悟したほうが良いかも。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / PROVIA

これが流量で日本一を誇る坂東太郎とは思えない眺めである。川底が露岩してしまっているので、自慢のラフティングツアーも空荷で名物の岩場をやり過ごしている。

この後、みなかみから月夜野にかけて強い夕立ちが降ったが、焼け石に水といった感じだ。

カテゴリ:季節感, 景勝地|タグ:

夏の午後遅い日差しの中、青田の中をSLみなかみ号が行く。

穂が出始めた田んぼで案山子に見送られながら、というシチュエーションで夏らしいSLの情景を狙った。

登り坂なら蒸気モクモクとなるところだが、光を優先すると上りの運行..ややこしいが状況は下り坂..となるため、まあそこはやむ無し。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

この時期の西日の斜光で稲が透過気味に写ることを想定して場所を選んでいるが、この光線状態だと黒い機関車は黒く潰れてしまう。

フイルム時代なら諦めるしかない状況だが、今はデジタルの時代。レタッチでシャドウを持ち上げ少しHDR風に仕上げれば意図した通りに。ただ、このカットはX-H1をVelvia&Dレンジ優先(強)に設定しての撮って出しである。

今になって昔の作品を整理してつくづく感じることだが、RAWで撮っておけば後でどうとでもなると思っていても、撮影時の意図を何年も後まで覚えていることなど不可能。鉄は熱いうちに打ての格言通り、撮影時にできることは撮影時に済ませておくのが良い。レタッチするにしてもその日のうちがベストである。

想像してみて欲しい。何万枚も撮り溜めたRAWデータを、後年になって一枚一枚モニターで確認しながら現像・ゴミ取り・レタッチして仕上げていくことを。恐らくそれは苦行僧の如き忍耐の伴う作業を強いられるのは間違いない。

話のついでに言うと、そもそも業界的にレタッチで追い込むことを好む風潮がある..それを推奨することで商売が成立している市場があるのだ..が、レタッチ耐性だの高解像度のトリミング耐性だの小難しい話は別にして、レタッチ前提に撮るならカメラなどどこのメーカーのものでも良いということになる。

以前は別の意味でRAWを残すことにこだわっていたが、富士フイルムのカメラ..正確にはフィルムシミュレーション..を使うようになって以降、撮りっぱなしのJPEGで済むならそれに越したことはないという考え方に変わった。以前なら納品はTIFFでお願いしますなどと聞いたふうなことを宣う編集者もいたが、今やJPEGで何の問題もないのである。

もちろん業務の関係ともなれば話は別で、当然のように同時記録でRAWも残しておくが、それはあくまで保険ってことだ。JPEGで済むならそれで良し、成果物としてお金をもらう以上、要求に基づきRAWから現像後にレタッチして仕上げることも仕事のうちだからね。

先日、鎌倉の海岸に打ち上げられたクジラの死体が、シロナガスクジラと判明したとのこと。日本の沿岸での記録は初で、そもそも近海には生息していないと言われていたので、これ自体珍しい話であろう。

シロナガスクジラは地球上に現存するあらゆる生物の中で最大で、体調は優に30mを超える個体もいる。さらに言えば、太古の地球に生息していた恐竜を含めても、その大きさの右に出る生きものはいない。

漂着した死体はまだ生後数ヶ月の子供のものらしいが、それでも10m以上あるらしいので、この時点ですでにツチクジラ並みの大きさなのには驚くばかりだ。

海上から見ると白っぽく..というか灰色か?..見えるので和名では「白長須鯨」であるが、英名では青いクジラとして「Blue whale」と呼ばれている。ハーマン・メルヴィル(米)の小説「白鯨」に登場する巨大な白いクジラを本種のことだと思っている人がいるが、モビィ・ディックのモデルはマッコウクジラ..のアルビノ?..である。

シャチを含め、クジラの仲間は過去にアラスカで何度か観た程度なので、ペンギンと並んでしっかり観察してみたい生きものである。いつの事になるやらだが、一度はバハ・カリフォルニアや南極海に行ってみたいものだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

夕方、北東の空にクジラのような雲が湧いていた。入道雲の出来損ないのような積乱雲だったが、結果的にこの日は県内に猛烈な雷雨が発生した。

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