photrest banner

渡りの意味

2016/10/1

生きものの渡りという行為は季節移動を現すが、一般的な鳥類では繁殖活動のために移動するケースがほとんどである。

繁殖行為には親も子も相当なエネルギーを必要とするため、高タンパク質な餌を大量に確保できる時期に合わせて移動するのが常である。逆に言えば、自分たちが必要とする餌が、移動先のその時期にそこに大量にあるということでもある。

冬になって寒くなったからという、気候的な理由で移動しているのでは無い。極端な話、冬でも餌が確保できるなら、わざわざ危険を犯してまで長距離を移動するリスクなど負うはずはないのだ。

過酷な3000m級の高山に、通年を通して留まるライチョウの生活史を見れば判る通り、自分の生活圏において、季節に合わせて餌を確保するすべを持つ生きものは季節移動などしなくても済むのである。

20161001

渡りをする蝶として知られているアサギマダラ。我が家周辺だと例年は9月中旬頃に姿を見せるが、今年はやや遅れて到着した。

水鳥のように季節移動する鳥類は、長時間長距離を移動することに長けた種類が多い。しかし、どうにも風まかせでしか飛べないであろう蝶が、一体どうやって方向を定めて飛行するのか不思議なものである。

また、前述の鳥類の例では一年間の移動は必ず春秋で往復するのだが、アサギマダラは移動中に繁殖稼働を行いつつ、冷涼な季節になればその時点で越冬に入り、温暖な季節に羽化を果たして再び戻ってくるという行動を繰り返すのである。

全国的に愛好家も多く各地でマーキングされているので、その不思議な生活史は徐々に解き明かされてきているが、季節移動フェチの視点では尚まだ摩訶不思議な生きものに映る。

カテゴリ:小動物, |タグ:
ポートフォリオ
portfolio
ネイチャーフォトサービス
photrest site banner
最近の記事
2018/11/15
狩猟解禁
今年も猟期がやって来た。鉄砲打ちも高齢化が進んでサンデー毎日な人ばかりなので、平日だと言うのに解禁日 ...
2018/11/14
ドローンで野生動物を狙うのは難しい
先日、ロシアで撮影された雪の急斜面を必死で登る子グマの映像が、良い意味でも悪い意味でも話題になってい ...
2018/11/13
ほんのり薄紅色
今日は近所の防風林でシメを初認。これから南下していくのか、越冬個体として定着するのかはまだ不明だが、 ...
2018/11/12
お若いのに
この秋はシカをよく見かける。シカは近所に通年いるので珍しくもないが、明るくなって目視できる時間帯にオ ...
2018/11/11
近所の紅葉
備忘録的に季節の動きを少しアップしておく。 FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2 ...
2018/11/10
人は見かけによる
あまり一般の人が休日の時に動きたくないのだが、久しぶりに晴れたのでちょっとフィールドに出撃。 夏場は ...
2018/11/9
新興中華侮りがたし
某社の新型カメラの企画会議で、次にカメラに搭載する新たな機能について意見を募ったところ、「電話機能を ...
2018/11/8
家の周囲にハイタカ
先日林道で冬羽のカシラダカを見掛けた。少し前にマヒワの小群にも遭遇しているが、今年はまだツグミがやっ ...
2018/11/7
立冬って感じがしない
今日は立冬だが、早くからこの冬は暖冬と言われてきているので、こう暖かい日が続くとさもありなんである。 ...
2018/11/6
食うことも命がけ
先日の記事で、こんにゃく芋には野生動物も手を出さないと書いたが、中には味見を試みるチャレンジャーがい ...
  • 当サイトはプライバシー保護のためSSL暗号化通信によって保護されています。