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小生にとってタンチョウは特別に思い入れのある鳥である。

そもそも鳥に興味を持ったきっかけが池中玄太80kgという、西田敏行が主人公の通信社のカメラマンを演じるテレビのホームドラマであった。

その劇中で主人公が北海道にツルを撮影に出かけるシーンがあり、そこで登場するタンチョウに心惹かれたからに他ならない。

そこから鳥に興味を持ち、色々調べるうちに近所に巨大なワシが生息していることを知ってツルから天狗様へと至って現在に至る。

話をドラマに戻すが、劇中で主人公の死に別れた妻が鶴子といって、それ故にタンチョウを特別視している設定だったのだが、位牌と一緒に飾られていた雪原で求愛ダンスをするタンチョウの写真が、その道では先駆者として知られていた林田恒夫氏撮影のものであったのは知る人ぞ知るである。

旧千円札の裏面のデザインに使用された写真も氏の撮影したものである。

その林田先生が先日亡くなられたということで、感傷的に昔のことをちょっと思い出していた次第。林田先生は阿寒で何度かお見かけしたことがあるが、何よりご冥福をお祈りしたい。

カメラ不明 / PROVIA100

これは使用機材からしておそらく1990年代始めの頃。憧れのタンチョウを撮影するために阿寒に足を運んだときのものだ。当然時代はフィルムカメラである。

Canon New F-1 / New FD800mm F5.6L / Velvia

デジタルカメラしか知らない、一日で何百枚何千枚と撮る今の時代の若い人には想像もできないだろうが、秒間5コマ程度しか連写できないカメラで、良いタイミングで36枚撮りきらないように大事に慎重にシャッターを切っていた古き良き?時代だ。

今となっては自分でも信じられないがラックピニオン式のMFでピンを合わせていたのだから、自分で言うのも何だが神業だなw

ただノスタルジーとしては良い思い出の範疇であるが、この時代に戻りたいかと言われると機材的にはまあ微妙ではある。

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赤城の大沼は通年ワカサギ釣りで賑わっているが、特にはやはり結氷後に氷に穴を穿ってを釣り糸を垂らすのが有名である。

さらに沼が凍ると湖上を往来できるようになるため、週末ともなると釣り客以外の人出もあって賑やかである。

そんな全面結氷からまだ人が湖上歩き回る前の僅かなタイミングで、アイスバブルの写真が狙えることが近年知られてきたため、覚満淵と並んでカメラマンの姿を多く見かけるようになった。

沼は最初に湖面から凍り始めるため、そのタイミングで湖底からガスのような気泡が浮かんでくるとそのまま凍りつくことになる。

ガスの種類は火山性のものや湖底のバクテリアから発生するメタンガスなど種類があるようで、赤城の大沼・小沼がどの性質のもの中は不明。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / CLASSIC CHROME

アイスバブルを撮りに行ったわけではないが、小沼の積雪が少ないところで細かい気泡の凍結が見られ、さながらマイクロアイスバブルといったところだ。

Google Pixel 5

冬山のシーズンなので上毛三山より北側の山々ではアイゼンの出番が増えてきた。

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今冬最強の寒波が襲来とのことで、この週末からグッと気温が下がりそうだ。

朝夕の気温が下がって周囲の山々がよく焼ける眺めが見られるのはこの季節ならでは。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / Velvia

モルゲンロートに染まる谷川岳

FUJIFILM X-H2 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / Velvia

アーベントロートが映える上州武尊山

生きものの名前というのは奥が深く、昔から人の生活に馴染みがあると粋で風流な名前が付いていたりする。鳥のオオルリ(大瑠璃)なんて如何にもって感じで。

だが多くの場合は近代になって分類や識別が進んだことで付いた種が多く、昆虫や鳥類のシギ・チドリや海鳥の仲間などには少々味気ない名前の生きものも多い。

例えばカラフトアオアシシギのように場所と特徴が列挙されているだけみたいにね。

小さい昆虫や、人知れず遠い海原で生活していたり、遠くに集団でいて識別困難などまさにこのケースである。顕微鏡もなければ双眼鏡もなく、遠い大洋など出かけるすべもないのだから当然だ。

さて、ちょっと前にふとゴジュウカラの名前の由来が気になって調べたら、「昔は40歳で初老、50歳で老人と言われてゴジュウカラの青い羽毛が老人のようだから」という説が広まっていて、マジっ?てなってしまった。

そもそも青い羽毛がなんで老人なのか意味不明だしw

シジュウカラは地鳴きの聞きなし「チジゥ」「シジゥ」から付いた説がそれっぽく、そのシジュウカラに似ているのでゴジュウカラって言うのが一番しっくり来るけどね

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

意外に人懐こいゴジュウカラ。フイフイフイという調子のさえずりが聞こえたらそこは早春の森だ。

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ハイタカ

2023/1/18

尾根に立っていたところ、少し離れた林の中がにわかににぎやかになった。ちょっと前に目の前をカラ類の混群が通り過ぎていったが、鳴き声からしてその連中が騒いでいるようである。

喧騒の辺りを凝視していると林の中から先ほどのコガラやシジュウカラ、エナガなどが出てくるのが見えたので周囲に視線を巡らせていると、眼下の谷中にハイタカが飛び出していくのがわかった。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ハイタカは少し若い雄で狩りには失敗したようで、ゆっくり旋回上昇してから何を思ったかこちらの頭上までやって来てまた谷の方へ戻っていった。

頭上まで来たタイミングでOM-1を振り上げて枝越しに連写してみたが、手前の障害物に引っ張られることなく、最初に捕捉した被写体にピンが来たままなのはやはり新ファームの恩恵と言ったところ。

OM-1もX-H2Sもファームアップで期待した以上の性能になったのは良き。

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X-H2とX-H2Sそっくり問題がついに終結。

小生の影響でX-T4から富士フィルムを使い始めたカメラマンが周辺に増えているが、そのうちの仕事仲間の一人がスタジオ用に有線LANと高速無線接続機能のあるFT-XHを導入しVG-XHが不要になったとのことで、遠慮なく貰ってきた。

まあ正確には彼のWebサイトを少し修正してあげてその見返りという位置付けだけどね。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

もはや見た目からして意匠が異なるし、サイズ感が別物なのでこれでこの問題は解決を見たかな。

基本的に大きいカメラはあまり使いたくはないのだが、バッテリー一つしか入れないwので見た目ほど重量感は感じない。

ちなみにVG-XHを装着するとボディ内と合わせて最大3つバッテリーを運用できるが、重さはなかなかのものになる。長時間の連続運用が必要ならモバイルバッテリーから給電するほうが良い。

ま、ボッタクリ価格を払う気は毛頭なかったが、タダなのでありがたく使わせてもらおう。

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先週X-H2Sの新ファームが公開された。

AIによる被写体認識精度とAF-Cの動体予測アルゴリズムが向上しているとのことで、Ver.2.10→3.00とメジャーバージョンも上がってメーカー側の自身のほどがうかがえる。

PVを観る限り確かにイイ感じに仕上がっているようで、特に対逆光性能は期待できそう。

それに自動認識される被写体に昆虫とドローンが加わったのも特筆。特に昆虫はOMDSに先駆けてであり、PVでは蝶を認識していたが、どの程度の種類が有効になるのか気になるところ。

ま、この点は当地では春を待たねば検証できないけど。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

画面内に占める割合が小さい物体でも認識率が上がったのことで、かなり遠くを飛ぶ鳥(ハシブトガラス)にも小さい認識枠が現れ捕捉し続け、拡大して見てもバチピンである。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

ピンの合ってないぼやけたアウトフォーカス状態でAFオンで、枝被り状態の鳥を認識、こちらも拡大して見てツグミの目にバチピンである。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

150m以上離れた先をゆっくり歩くキツネをAF-Cで狙ったが、これも終始キツネを捕捉し続ける認識枠が表示され、ピンもしっかり来ていた。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / ETERNA / 4K120Pから切り出し

4K120Pの動画に切り替えたのがこちら。更に180mほど離れキツネと背景に距離差がないのでピンは許容範囲ということになるが、動画でも写真と変わりなく終始キツネを捕捉し続ける認識枠が表示されていた。

この距離感で背景があってもキツネを捕捉し続けるのは素直にスゴイ。

PVでは激しく動き回るバスケットプレーヤーなども難なく捕捉していたので、OM-1の新ファーム同様に当方が使う程度の状況なら特に不満のない性能ではないだろうか。

今月は業務で平野部に出張る機会があるので、その際に時間があればもう少し動体を狙ってみたい。

Nレコのニュースフィード(季節の便り)に落葉と開花が同時に並んでいるのはこの時期ならでは。まさに季節が混沌としている証である。

特に一昨日からこの時期に珍しく雨が降ったことも早春を感じさせる。もちろんそれは一過性のものであって寒さはこれから厳冬となるのだけど。

左iOS版(シンプル表示) / 右Android版(標準表示)

気象庁公式の生物季節観測では観測樹種が決まっているが、Nレコが連携するNatureRecordは特定種に限らず世間一般の季節の便りを配信するサービス。

こんな花が咲いたとかこんな鳥がさえずったなど、自然センサスを集めて共有することを目的としている。

フィールドノートを付ける習慣がない方でも、季節の移ろいを感じたり発信するのにご利用いただければと。

◆Nレコ iOS版はこちら
https://apps.apple.com/jp/app/id1605321258

◆Nレコ Android版はこちら
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.nature.record.nrec

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赤城高原では夜な夜なノウサギが森から畑へ採餌に出てくるので、雪上にはおなじみのケンケンパの足跡が残されている。

のだが、よく見てみると時折どうやったら足跡がこの付き方になるのか不思議に思う場合がある。

iPhone 13 mini

畑から畑に移動する際は一旦農道を渡ることになるので、上の写真のように素直に電柵の下を通り抜けることになる。

iPhone 13 mini

問題はこの写真。農道から来たのは間違いないのだが、道から最初の足跡までが離れているのが気になる。

ノウサギの跳躍力を考えればわけはない距離ではあるが、手前に丁度いい高さで有刺鉄線と電柵が張られているので、そうスンナリ飛び越せるのかという純粋な疑問が。

走ってきて上手い具合に間を通り抜けた考えるべきなのだろうが、それにしてもちょっと不思議な感じではある。

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この日は取り立てて鳥を撮ることを目的とはしてなかったが、山で休憩中に人を恐れずすぐ目の前までやって来られると、さすがにシャッターを切らずにはおけまい。

OM-1の新ファームVer.1.3を試す機会がなかったのでちょうど良かった。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

動画も試したが、例の「認識はしているがピンは来ない」的な変なクセはかなり改善していると言って良い。

特に3枚目は手前に枝かぶりした状態からの飛び出しで、カメラを左に振りつつAF-CでSH2連射した途中のカットだが、50コマ以上撮ってほとんどピンが来ており、4枚目がその最後のほうのカット。

もともとOM-1の被写体認識は定評があったので、ここまでピンが来れば特に文句もない。まあ最初からこれで出していれば良かった話ではあるのだが。

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