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この時期の山野は鳥たちの巣立ち雛で賑やか。渓流沿いに立って眺めていると、キセキレイやハクセキレイ、カワガラスが終日雛に餌を運んで大忙しである。

巣立ったと言っても狭くなった巣から雛たちが出てきただけで、まだしばらくは親から餌を運んでもらわないとならない。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA / キセキレイ

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S. / ハクセキレイ

巣立ち雛は親の後を追ってあちこち移動してしまうので、子が多い小鳥の親は上流に下流にとその姿を探してなかなか大変なことである。

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蝶も塩分補給

2023/5/30

山野で汗をかくと蝶の仲間が寄ってくることがあるが、あれはミネラル求めて近づいてくるのである。

自然界でも山の斜面やそこから流れ出した湧き水、林道上の水たまりに集まることがあるが、動物の汗がもっとも手っ取り早いのかもしれない。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

カメラのシャッターボタン周りを舐めるのはキタテハ。この他にグリップ部や、フィールドスコープのフォーカスリングなども人気のスポットである。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

気がつくとよく車に止まっていたのはサトキマダラヒカゲ。こちらは恐らく車に付着している塩カルの残留物を求めてのことだろう。

光る田んぼ

2023/5/29

東関東のとある谷戸で田んぼの周辺を踏査。普段の生活圏も行動圏も基本的に山人間なので、水田が珍しいお上りさん状態となるのは例年この時期。

人口密集地なれどこういった谷戸地形が残された関東平野の東や南の端は、オオタカやサシバにとって重要な生息地とあらためて認識する。

iPhone 13 mini

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

田んぼは終日シュレーゲルアオガエルも鳴いているが、覗き込むとアマガエルのオタマジャクシでいっぱいだ。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

水田が珍しいので当然のように白鷺も珍しい。我が地元ではチュウサギの夏羽などまず目にすることはない超レアものである。

iPhone 13 mini

観察がメインなれど記録映像も必要なので、いつもの遠距離用コリメート重装備からGH6をコンバートし、スワロ65で拡大観察しつつ映像も記録。軽量セットなので谷戸内を担いで転戦できるのが良き。

観察用に使用しているスワロフスキーのSTS65HDはもう20年以上前の代物だが、ミラーレスカメラとつなぐことでデジタルフィールドスコープとして今でも十分に実用的である。

どんなに現時点で高性能なデジタルカメラでも2〜3年で陳腐化してしまうが、こういった観察用の光学機器は可能な限り良いものを手に入れておくことが永く使えて肝要である。

とは言え、昨今のスワロ製品..に限った話ではないが..は光学ならぬ高額機器になっているのも事実なので、それはそれで悩ましい問題ではあるが..

尾瀬は厳冬期を除き、映像記録の仕事などで残雪期から初冬まで何度も足を運んでいるので、近年はいわゆる混雑するオンシーズンは避けるようにして出かけている。

行ったことある人は分かると思うが、ミズバショウやニッコウキスゲのシーズンなど木道をハイカーが間断なく連なって歩いているため、落ち着いて景色を眺めることができない。

では平日にと出かけても、今度は尾瀬学校なるイベントとかち合うと、観光客が学生に変わるだけで状況はあまり変わらない上に、要らぬあいさつ攻めを受けて辟易させられる。せいぜい先頭の一人が挨拶すれば良いものを、全員がするもんだから煩わしいったらありゃしない。指導教員が前後に付いているが、そもそもその教員自体が挨拶しないのだから教育もなにもないぞ。

ということでそうなると初夏のミズバショウ前か、真夏の花期の終わりか、晩秋の草紅葉の後というのがうちの定番シーズンとなっている。

この日は平日ではあったが、週末の直前ということもあってお昼ごろにテン泊ハイカー組が結構出張ってきていた。それでもあの目もくらむような込み具合からしたら天国ではあるけどね。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / PROVIA

折しもこの前日に氷点下3℃という5月も下旬とは思えない寒さに見舞われたらしく、ちょうど顔をのぞかせ始めていたミズバショウの先遣隊は軒並み霜枯れてしまっていた。

この日も多くのハイカーがダウンを着込んで行動する冷え込みで、ヤマアカガエルこそ鳴いていたものの池塘の中はアカハライモリの姿も見られず閑散としていた。

鳥類はカッコウ、ホトトギス、ノビタキ、ホオアカ、オオジシギ、ヒバリなど夏の尾瀬定番は一通り確認。年々渡来数が減っているように思えるのが気がかりではあるが、高層湿原にカッコウの声が響き渡るのはいつ聞いても良い。

余談だが、2枚目の写真を見て水平が出ていない!とケチを付ける水平風景ジジィがいるが、尾瀬ヶ原は北東に向かって緩やかに傾斜しており、写真の左奥でヨッピ川と沼尻川が合流して只見川となるので、燧ヶ岳を背景にした場合は左下がりのように見えるのが正しい。

もし同じようなカットで水平が出ているようであれば、逆にそれがおかしいということになるのは知っておいて損はない尾瀬トリビアである。

昆虫認識発動

2023/5/27

林道脇に立っていると、大型の黒い蝶が頻繁に目の前を行ったり来たりしていて、時々何頭かがかち合うとそこでバトルというかチェイスが始まる。

アゲハチョウクラスになると大きさからしてよく目立つので、X-H2Sを向けてみたが、年初にあったVer.3.00のファームアップで追加された昆虫認識が機能したことを確認できた。

X-H2Sの昆虫認識は特にそれ用に切り替える必要はなく、鳥認識のままでOKだ。同じ設定で鳥と昆虫が同時に画面に入ることは想定できるが、それでどっちが優先されるのかは気になる。

と言いつつも、実際に現場で使ってみると切り替え式のほうが面倒なことに気が付いたので、AIで判定して「適切」なほうにピンを合わせてくれればそれで良しではあるかな。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

目立つ白い斑があるアゲハチョウはモンキアゲハ。あとこの日は同じ用に漆黒のオナガアゲハも確認している。

虫屋ではないので、野外で昆虫を見かけてもそれが何という種なのかすぐにはわからないことがしばしば。

可能な限り取り敢えず写真に撮っておいて、アプリを介してスマホに取り込んでGoogleレンズ先生にお尋ね申し上げることになる。

写真の画質次第では海外の種やこれは多分違うな?というのが素人目にも分かることもあるが、それでもITの力で同定できる世界線は凄いなと素直に思う。

だからと言って専門家が作った図鑑類が不要という話ではないので、後で専門図鑑で裏取りも忘れないようにする必要はあるけど。

種名が同定できたらNレコのフィールドノートに写真ともども記録しておくことで、次回の同定が楽になるはず。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-20

最初に撮った画像ではウラナミジャノメと判定されたが、翅を開いたカットではヒメウラナミジャノメと出てこっちが正解のようである。

昆虫は似たような種が存在するので、可能な限り翅を開くまで粘るようにしている。

チラッ

2023/5/25

渡ってきた直後は各々がテリトリーを主張し合うので、それこそ朝から日がな一日ピックィーと鳴いて賑やかなサシバだが、ペアリングが済んで営巣に入るとあまり鳴かなくなる。

営巣林に近付く若い個体や、近隣で同じく営巣中の他種を見掛けるとひたすら無言で追尾して追い回す排斥行動は相変わらずだけど。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

頭上を旋回するサシバに気が付いたのは、目の前の休耕地を行ったり来たりしていたハクセキレイが、不意に止まってチラッと空を見上げたから。

サシバが積極的に小鳥を襲うことは滅多にないが、ハクセキレイからしてみれば上空に天敵のタカが現れればそれは気になるところ。

でもハクセキレイもサシバは安全パイと知っている?ので、すぐに再び餌探しに戻ったけどね。これがオオタカやハイタカだとそううかうかもしていられない。

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太平洋側の標高300mほどの山中で、南東向きで陽当たりの良い林道脇にエゴノキか咲いていた。エゴノキの実はヤマガラなどが好んで食べることで知られている。

iPhone 13 mini

でそのエゴノキの下に立っていると、風が吹いているわけでもないので時々小さな文が落ちてくる。

調べるとエゴツルクビオトシブミというのがエゴノキに常駐しているらしいのだが、同種は完全には切り落とさずに葉に残したままにするとも聞くので、この文が誰仕業なのかは不明のままだ。

藪の中でケモノが争う声がしたと思ったら、突然アナグマ二頭が飛び出して来て、藪の林縁で組んず解れつの大喧嘩をおっ始めた。

何しろ雨の中それまで賑やかだったガビチョウたちが押し黙ったほどの大騒ぎに。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

そして何を思ったかいきなりこちらに向かって走ってきたため、ZD300mmPROの4mリミッターが効いていて..猛禽仕様だったので至近距離など想定の範囲外..近過ぎてピントも合わず。

さらに小生の足元で人の脚を挟んで唸りながら二頭で対峙しての大喧嘩。三脚にぶつかるは人の足にぶつかるわで写真も取れず仕舞い。

最後は停めてあった車の下に潜り込んで、さらに追い掛けっこの続きを始めて再び藪の中へ入っていき、しばらく遠ざかる二頭の唸り声を聞くことになった。

という何とも初夏らしい?珍事であったとさw

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タンポポは一面に花が咲けば黄色い絨毯の如きと称され、綿毛になればファンタジー要素が高まる。

茎の根元に妖精やら小人やらが立つイメージが組み合わされば、そこに如何様にも物語が創作されることだろう。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / PROVIA

が、田舎ではそんなウエルカムな状況になることはまずあり得ず、タンポポが咲く春から初夏は皆憂鬱になるのである。

抜いても抜いても駆逐されることはなく、草刈りで地上茎を刈った途端に残された花は翌日にはすべて綿毛へと変異して、すぐに次世代のタンポポの準備が整うのである。

田舎で無駄に広い土地など買うものではない。この時期は黄色い絨毯を見るたびにそう思うことしきりである。

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