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春の雪

2018/3/21

赤城高原は昼前から雪になった。空模様が芳しくない日が続くのは早春ならではといったところか。今週はこのまま少し冷え込むのかと思っていたら、明日以降は一気に春日に向かうという。既定路線と思われた花冷えは2日だけだったようだ。

季節の動きを何人たりとも邪魔はできないのだが、月末まで多忙な日々が続くので、桜前線にはまだしばらくジッとしておいてもらいたかったのが本音だが、どうやらそうは問屋が卸さないようである。

というどこかで読んだようなテキストだが、決して昨日の記事の焼き直しではないので念の為w

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR / ETERNA

結局ちょっと降っては止んでを繰り返していたので、庭先で10cmも積もってない。明日少し気温が上がれば、一瞬で解けてしまうだろう。

カテゴリ:季節感

ETERNAトーン

2018/3/20

赤城高原は昨晩から冷たい雨。空模様が芳しくない日が続くのは早春ならではといったところか。今週はこのまま少し冷え込むという話なので、既定路線?というかまあ結局花冷えになったようである。

季節の動きを何人たりとも邪魔はできないのだが、月末まで多忙な日々が続くので、桜前線にはまだしばらくジッとしておいてもらいたいのが本音だ。

FUJIFILM X-H1 / XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS

片品から引き上げてくる途中、昨年暮れにコミミズク(らしき物体w)を見かけた畑に寄り道。うちの辺りだと子持山がすぐそこという感じだが、この辺りだと上州武尊山がすぐ目の前に迫って見える。もちろんコミミがいると思って立ち寄ったわけではないが、ついつい棒杭の上とかを探してしまう。

昨日のビビッドな色合いから一転して誇張抑え気味にETERNAを使う。以前ならCLASSIC CHROME一択だが、日中ここまで光のない沈鬱な情景だと、CLASSIC CHROMEでは畑土のトーンが潰れてしまうので、ここはダイナミックレンジの広いETERNAがいい感じだ。

Velviaカラー

2018/3/19

日没直後、仕事場の西向きの窓が赤く染まる。開き気味だったブラインドを全開にして外に目をやると、子持山のスカイラインが怪しいほど赤く焼けた西の空に浮かび上がってた。

先だって色鮮やかさは程々にと書いたばかりだが、こんな情景ではフィルムシミュレーションはVelviaと相場は決まっている。とにかくVelviaの赤紫から群青へのグラデーションは秀逸なのである。

他のメーカーのビビッド系ではなかなかこのトーンは出せない。そしてここにもXシリーズを使う明快な理由が存在するのだ。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

春先にいい感じで夕焼けが出る要因はヘイズだが、特に今の時期は花粉かPM2.5の影響が大きい。そしてそれを裏付けるようにこの翌日は車が薄っすらと汚れていた。

春の霜

2018/3/18

下界で桜は咲いたが赤城高原では霜が降りた。

ただ見ていて面白いのは、畑の畦に射し込む陽の光の形に解けていること。放射冷却で冷え込んだとは言っても、今の時期の直射日光はそれだけ強いということだ。光が差し込む傍からみるみる霜が消えていく。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm F2.8-4.0 ASPH. POWER O.I.S
カテゴリ:季節感|タグ:

東京では例年より9日早く桜が開花したようが、これだけ暖かい日が続けば当然だ。これで季節外れの花冷えでも来ない限り、県内での撮影予定も一週間は早めないとならないだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR

と言いつつ、標高800m付近のおらが村のソメイヨシノはこんな感じ。暖かさに釣られて少しつぼみが膨らんできたかなという程度だ。

カテゴリ:季節感|タグ:

X-H1から「ETERNA」という新しいフィルムシミュレーションが追加された。ETERNAはもともとは映画用フィルムの名前で、ハリウッドを始めとして映画界では定番の銘柄だそうだ。永遠とか不朽とかを現すEternalという単語から来ており、「エテルナ」と読むのが正しい。

写真は表現技法としての組写真を除けば、基本的にそれ1枚で見せるものなので、往々にして記憶色が人気がある。フィルム時代に風景写真で一世を風靡した富士フイルムのベルビアや、コダックのエクタクロームE100VSなどは有名であろう。

デジタル時代になってからはメーカー各社各々でビビッドな色調のカラースタイルを適用できるようにしているし、何より昨今話題のInstagramの過剰なまでに「盛ってある」写真が無駄に盛況とくれば、自ずからその傾向はよく判る。

ただそれが動画となると話は変わってくる。短時間に消費されるYouTubeのようなネット動画は別として、動画は主題から目を奪うような色調は良しとされず、彩度低く中庸に表現する必要がある。ビビッドな色が激しく流れていく様は観るに耐えないからだ。

X-H1はプロフェッショナルで頑強なミラーレスカメラとして登場したが、実はフジがシネマカメラへの参入を明確に目指したエポックメイキングなモデルでもある。現在でもフジは放送用レンズの分野ではキヤノンとシェアを二分するレンズメーカーであり、実際、ソニーEマウント向けにシネマ専用のレンズを昨年発売したことから、カメラ自体の参入も時間の問題と見られていたのだ。

ビデオカムコーダーとして売ることは自社の客との競合になるので、パナのように敢えて一眼カメラスタイルで出したと穿って見えなくもない。

が、シネマの世界ではリグを組んで使用するのが通例なので、大げさなものよりスチルカメラのようなコンパクトな筐体のほうが適している。パナのGH系やソニーのα7系など、あそこまで動画に特化するならあの形である必要はないという意見はよく耳にするが、実はそれは逆の話なのである。

ということで、色鮮やかなビビッドな写真を好む人には見向きもされないだろうETERNAをX-H1に搭載してきたのには、シネマ業界への参入という大きな野望というか狙いがあるということに他ならないのだ。

以下、X-H1のフィルムシミュレーションで撮り比べたサンプル画像である


PROVIA


CLASSIC CHROME


Velvia


ETERNA

FUJIFILM X-H1 / XF16-55mm F2.8 R LM WR (すべて共通)

こうしてサンプル画像を並べてみれば一目瞭然だが、ETERNAは彩度を浅くして色調を広く取り、デフォルトでダイナミックレンジも400%広く設定されている。ビビッドなVelviaはともかく、スタンダードとされているPROVIA(ダイナミックレンジは100%)と較べてもその差はよく判る。

地味に見えるCLASSIC CHROMEよりさらに彩度が低く、コントラストの高いVelviaから比べれば一見眠い絵に見えると思うが、手前の雑木林のシャドウ部がしっかり表現されているのが判る。

ダイナミックレンジを広く取る関係でETERNAはISO800が基準となるが、フジのX-Transセンサーではまったくそこを感じさせない。むしろフィルムチックな粒状性まで再現しているのではないかと思わせるほどだ。

人の目はどんなカメラよりも遥かに優秀で且つダイナミックの広いセンサーを持っているが、記憶色というくらいなので人は映像を思い出す時点で勝手にフィルタをかけている。何より色鮮やかという時点で誰もがそれを否定しないこともあって、世の中過度なインスタ映え流行りであるが、実際にその場で見た景色は実はETERNAの情景が最も近い。

目的にもよるが、X-H1とETERNAの登場で、フジが誇るフィルムシミュレーションにまたは一つXシリーズを使う理由付けがされたと言ってよいだろう。

客足鈍る

2018/3/15

昨日に続いて今日も暑かった。午後に仕事で前橋に降りたが、敷島公園の通りでは早咲きの桜..河津桜だったかも..が何本か咲いていた。

道両脇に立ち並ぶソメイヨシノも何となく赤っぽく見えていたので、早ければ来週早々には咲き始めるのではないだろうか。

LUMIX G9 PRO / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ヒマワリレストランの来客数もかなり減った感じ。シジュウカラとヤマガラはまだペアでやって来るが、アトリはもう数羽しか見掛けなくなった。

下界で桜が咲き始めたら、そろそろ店仕舞いの頃合いだろうか。

カテゴリ:季節感, |タグ:

春に夏日

2018/3/14

何と今日の群馬の平野部は夏日だったとかで、下界は結構暑かったようだ。かくいう赤城高原も午後から一気に気温が上がって、フリースを脱ぐことになった。

いわゆるフェーン現象ってやつだが、つくづく昨日でなくてよかった。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR (2〜6枚目)
FUJIFILM X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS (1枚目、7枚目)

箕郷梅林は梅の他にも河津桜が植えられており、平野部ではとうに旬が過ぎているものの、標高の関係で白梅と紅梅、それに河津桜が皆一緒に咲くことで有名。

なので昨日はひと足早くに桜も撮ってきたが、この暑さが続くようではソメイヨシノの開花もかなり早そうである。

梅香る里の春

2018/3/13

急遽取材撮影のピンチヒッターを頼まれ、高崎の箕郷へ。この忙しい時にと口からは文句がこぼれていたが、目は嬉しそうだとSkypeしながら嫌味を言われたw

業務とあらば大手を振って撮影に出掛けられる大義が成立するではないか、そしてこの春麗しい季節に箕郷まで降りるとは何というタイミングだとほくそ笑みつつ、朝早くから梅香る箕郷梅林へ足を運ぶ。

そもそも平日ということもあってほとんど人はおらず、何より小うるさいカメラ親父の類がいないのがよろしい。現着してから本来の用事まで3時間少々撮影でき、ちょうど観光バスがやって来るタイミングで善地を後にした。

FUJIFILM X-H1 / XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR (1〜5枚目、7枚目)
FUJIFILM X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS (6枚目)

機材はX-H1にXF50-140、X-T2にXF10-24またはXF16という装備で、撮影は当然手持ち、両機の併用テストも兼ねてである。

まず、先日書いた通りX-H1のグリップ感はX-T系とはまったく違うので、そこはまあ含んだ上ので話としても、とにかくX-H1の剛性感とそこから生まれる安定感は半端ない。XF100-400は当然としても、XF50-140でもX-T2だとフロントヘビー感が否定できないが、X-H1ではそれがない。

そして一番の違いはシャッターフィーリングにある。ミラーレス機は当然ながらミラー動作がないので、一眼レフに比べて総じてシャッターショックは小さい。パナのGH2やX-T1を始めて操作した時にはそこに感動したもので、それはX-T2も同じ。

ところがX-H1はそれらを遥かに上回る静かさで、且つショックフリーともいうべきもので、電子シャッターか?と言ってしまうと言い過ぎだが、メカシャッターでもそれくらいショックを感じさせない絶妙なフィーリングだ。

それとシャッターを押す時のタッチも軽い。パナのG9 PROの半端ない軽さは未だに慣れないwが、X-H1のこの軽さはイイ感じである。G9 PROのメーカーの設計思想にもあったが、シャッターを押すという単純な動作一つでも、可能な限り手ブレの要因を排除したいというのがあったが、フジもそこはまったく同じと言っていいだろう。

解像度が1.5倍に増えたX-H1のEVFの広さと見易さも特筆モノだ。最大倍率こそG9 PROより低いが、見え味はX-H1の方が良いと感じる。X-T2もEVFは大きいが、サイズのわりに解像度が低いと感じていた。

操作性やメニュー体系はさすがに同じメーカーなので併用してもまったく問題なし。当初気になっていた露出補正も、迷うことなく意外に自然と使い分けできていたので、ここは取り越し苦労だったかも。

ただ、バッテリーライフはまったく改善されてない..従来と同じ型番のバッテリーである点は評価できるが..のは痛い。それどころかX-H1はさらに保ちが悪いと思われ、今日も半日待たずに1本が空になって、その後の仕事の方でちょっと冷や汗をかいた。3つバッテリーを利用できる専用のバッテリーグリップは必須だろう。

総じてミラーレス機はバッテリー食いが多いと言われるが、GH系や今回のG9 PROでは逆に恐ろしいほどバッテリーが持つので、そこはやはり電池メーカーでもあるパナに一日の長がありそうだ。フジは外部マイクなどはパナからOEM受けているのだから、いっそバッテリーもパナから供給を受ければいいのにねぇ。

X-H1の評価にAF性能の向上が挙げられる。関連してネットではAFスピードが早くなったというのがあるが、個人的にはそこを感じることはない。そもそもフジも公式でアナウンスしている通り、AFの測距スピードはX-T2と変わらない。

ただ、体感的に早くなったというのは確かにある。正確には早くなったのではなく、迷いが減ったという点だろう。そして恐らくそれが最もAFの良し悪しに繋がるのである。

目に見えてAFが迷う状況ということは、測距開始から合焦まで実測でも時間がかかっているということである。

EOSの頃からそうだが、AF測距点は個人的にはほぼ中央の一択である(ただし開けた空間を除いて)。そうなると、被写体を常に中央に捉えておけばよいという理屈になるのだが、XF100-400のような大柄なレンズを付けたX-T2でピンポイントで中央1点に合わせ続けるのは、特にAF測距点を狭くしている関係もあってなかなか難易度は高い。

そしてその理由は単純な話で、フロントヘビーの状態で取っ掛かりの少ない小さなボディを安定して保持するのは、結構至難の業なのである。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

確固たる目的を持って木々の中を移動してくるヤマガラは、先日のエナガ同様に右に左にと常に動き回っていて、ファインダーで捕捉し続けるのは難しい被写体だ。

ピントを合わせたい場所は当然目(もしくは顔)になるが、そこに中央1点の小さな測距点を合わせ続けるのに、フラフラとカメラを構えていては撮れるものも撮れない。

今回X-H1では大型のしっかり握れるグリップの装備と、剛性感のある頑強なボディとなったが、こういったシーンではその恩恵は計り知れない。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

メインとなる被写体とレンズの間に障害物..ここでは小枝だが意外にこれが侮れない..を挟んだ際、ちょっとでもAFを引っ掛けると見事に手前にピンが来るものだ。不意に手前に横切る物体を検知しても、AFが我慢する設定というのがX-T2にもあるが、問題はそこからのリカバリーの速さである。

AFが早く戻ればそれだけシャッターチャンスが増えるわけで、その点でX-H1はX-T2より明らかに復帰が早い。恐らくこういった地味だが堅実な性能向上が、AFスピードが早くなったという印象与えるのだろう。

FUJIFILM X-H1 / XF100-400mm F4.5-5.6 R LM OIS WR

小枝の隙間からほんの少しだけフレーミングをずらし、ヤマガラが飛び立つ直前にシャッターを切る。こういった繊細な動きは、やはりガッチリとボディを掴むことで成立するのだ。

ただ、他所のメーカーでは当たり前のようなことが、フジのカメラではようやくX-H1からできるようになったという見方もある。それは従来のフジのマーケットでは重要視されてこなかったからに他ならないが、X-H1の登場でいよいよフジもターゲットを外へ広げようとしているということだ。

デザイン性を優先するならX-ProやX-T系がある。X-H1には是非スパルタンな撮影領域を極めて行って欲しい。