カテゴリ : 猛禽

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先週の後半は黄砂の襲来で視程が得られず、商売上がったりといったところ。

すぐその辺なら双眼鏡でも辛うじて視えなくもないが、スコープやコリメートだとほぼ絶望的。何せ大気の層を圧縮して眺めているので、ヘイズなど浮遊物が多いほど視界が効かなくなる。

それに野外に終日突っ立ているのもいかにも体に悪そうな空気で、花粉対策も兼ねて二重のマスクは必要だ。

LUMIX GH6 / Super Telephoto System / 4K120P静止画切り出し

条件が良ければ2km少々離れていてもこのくらいの個体情報は得られる。この日は気温も低く午前中は陽炎の影響も少なかったのが功を奏した。

飛んでいるのはクマタカで背景は富士山の残雪。

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山サシバ

2023/4/15

ピックィーという他の猛禽類とは明らかに異なる独特な鳴き声が、まだ田起こし前の田んぼが広がる山里周辺に響き渡る。

サシバは先月末に南関東で今シーズンの初見しているが、東北や北陸などにも続々渡ってきているのを観察している。

ペアが形成され本格的に営巣に入るまでは、渡来したての今の時期は縄張り争いで賑やかだ。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO + MC-14

サシバは里山の猛禽のイメージが定着しているが、意外に雪深い奥山の渓谷沿いでも繁殖しており、特に日本海側のイヌワシ生息地ではイヌワシにまとわり付く姿をよく見掛ける。

我々ワシ屋の間ではそんな個体群を山サシバと呼んでいる。

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30年前に国を相手取って、誤った植林政策によるスギ花粉被害の裁判が起こされたことがあったそうで、その後に原告が取り下げたので裁判自体の白黒は付いてないという主旨のニュースを目にした。

取り下げの理由は因果関係の立証や、原告の数など含め色々あるようだが、今なら国民3人に1人と言われる発症者全員が被告で集団訴訟すれば、彼の国のように勝てるのではないだろうか。

で、勝訴のあかつきには金銭的な補償より、放置しっぱなしで荒れ放題の林野を国有民有問わず、問答言わせず順次植え替えさせればどうか。

それに戦後の拡大造林事業の被害者は人だけではない。特にイヌワシはその最大級の被害者と言ってよい。植林事業が活性化すればイヌワシは狩場創出の恩恵を受けることになるので、花粉症対策との一石二鳥と言える。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

先週出張った県南の天狗フィールドでは、流石に目のかゆみを感じるようになった。これはいよいよ花粉症の症状が本格化するのかと戦々恐々である。

視界の範囲で杉の植林は殆どなかったが、ゴヨウマツの立つ尾根上で風に吹かれていたので、どこからか花粉が運ばれてきていたのだろう。

取り敢えず花粉ガードのスプレーで防御しつつマスクでしのいで観察を終えたが、今週は県北のフィールドにしたほうが良いかと思案中。

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ひたすら尾根向こうの山並みを眺めている合間、時折眼下を見下ろしていて、谷の中に幾筋ものノウサギの足跡を見つけた。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

ノウサギは谷の左岸側から降りてきて一度灌木に立ち寄ってから走って右岸側へ移動している。灌木では採餌した可能性もあるが一度身を隠したと思われる。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO

イヌワシの生息地で晴天下の日中にこの行動は命取りになるので、トレース自体は夜間のものだ。それ故に足跡も急いではいないのが分かる。

イヌワシはクマタカのように止まって餌を探すこともあるが、多くは飛翔を伴う探餌を行う。

写真のような谷地形の上を時間を空けて繰り返し旋回することで自身の姿を晒し、獲物が慌てて飛び出してくるのを狙う。

イヌワシがペアで狩りを行うのも他の猛禽類にはない特徴。

谷の上を通り過ぎる先行個体をやり過ごし、獲物が安心して姿を現したところへ時間差でやって来る背後の個体が襲いかかるという連携プレーを見せる。

iPhone 13 mini

日当たりの良いオープンな場所はノウサギの採餌適地でもあるが、危険も多い場所でもある。

ハイタカ

2023/1/18

尾根に立っていたところ、少し離れた林の中がにわかににぎやかになった。ちょっと前に目の前をカラ類の混群が通り過ぎていったが、鳴き声からしてその連中が騒いでいるようである。

喧騒の辺りを凝視していると林の中から先ほどのコガラやシジュウカラ、エナガなどが出てくるのが見えたので周囲に視線を巡らせていると、眼下の谷中にハイタカが飛び出していくのがわかった。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

ハイタカは少し若い雄で狩りには失敗したようで、ゆっくり旋回上昇してから何を思ったかこちらの頭上までやって来てまた谷の方へ戻っていった。

頭上まで来たタイミングでOM-1を振り上げて枝越しに連写してみたが、手前の障害物に引っ張られることなく、最初に捕捉した被写体にピンが来たままなのはやはり新ファームの恩恵と言ったところ。

OM-1もX-H2Sもファームアップで期待した以上の性能になったのは良き。

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冬でも日傘

2022/12/29

先週ドカ雪が積もる前に県北へは足を運んでいるので、この日は県南エリアの今年最後の天狗詣に出撃。

谷奥への林道の支線の状態を一通り確認してから、機材背負って夏以来の尾根定点へ上がって終日観察。

午前中はそれこそ鳴かず飛ばずであったが、昼飯食ってすぐにペアで出現し、目の前で割と長めの探餌を行った後に巣材を運んで谷奥へとロストしてこの日は終了。

今年最後とはあくまで暦の上での話なので、年明け来週以降も引き続き地元ペアの行動確認を行う予定。

iPhone 13 mini

朝は氷点下で午前中は3℃ぐらいまでしか気温は上がらなかったが、ピーカンで日差しが強く南向きだったため、やむなく日傘で対応。

県南は冬の関東平野の気候そのものなので、真冬でも晴れるとこんな感じになる。

カテゴリ:季節感, 猛禽

季節が冬へと移り変わるこの頃を境に、行動圏を北部・東部の山域から県西部・県南部へと徐々に変えることになる。

理由はいくつかあるが、県北は積雪によって行動が制限されるのと、天狗様の繁殖シーズン突入で彼らの動きがより活発に目で追えるようになるからである。

秋は鳥類にとって繁殖地から移動始める季節移動のタイミングになるため、その時期に個体を目撃してもそれが定着しているのかの判断は難しいのである。

天狗様は留鳥ではないか?とよく聞かれるが、幼鳥は基本的に巣立てば繁殖地からは追い出される立場なので、季節移動ばりに全国各地へ放浪し始めることになり、そういった個体を誤認しないために次の繁殖シーズン開始まで待つことになる。

県北に比べて県南は昔は居たが今は居ない..時々見かける程度を含め定着していないの意..というエリアが多いので、この時期にそういった過去の繁殖地で観察調査をすることになる。

まあ毎年その多くは徒労に終わるのだけどね..

FUJIFILM X-H2 / XF10-24mmF4 R OIS WR / Velvia

FUJIFILM X-H2 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / Velvia
FUJIFILM X-H2 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / Velvia

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / Velvia

県南の低山の紅葉は今が見頃。予想通り今年は赤く色づくカエデ系が美しい。

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少し距離があったが、南の方角で猛禽類が旋回しているのが見えた。渡りの時期なのでそういう目でしばらく追っていると、個体は期待した南へは向かわずにこちらに向かって滑翔してきた。

翼型からすぐにハヤブサと分かったが、近づいてきてさらに若い個体と判明。近所に営巣地があって今年は繁殖成功していたので、その巣立った子供かもと思っていると、いきなり目の前で反転急降下してビックリ。

と、狙いは防風林の針葉樹に留まっていたトビだったようで、数回繰り返しモビった後、再び北進して飛び去っていた。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

とんだ迷惑だったのはトビだ。朝日を浴びてのんびり朝の暖気中だったところを、通りがかりのヤンキーに絡まれた形となったわけだからw

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観察行為だけなら65mm口径のフィールドスコープとトラベル三脚程度で済むのだが、記録としてムービーを撮影する場合はそうもいかず、その場合は天狗様仕様の超望遠システム一式と大型三脚を荷揚げする必要がある。

若い時は毎日機材背負って天狗谷に張ったブラインドまで通ったこともあったが、今やそんなことは体力的にままならずで、週に2・3日がせいぜいである。

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これが現在の天狗様仕様の標準山装備というか商売道具一式。水やら食料やら簡易ブラインドを兼ねた雨具やらで約15kg程度。もちろんスチル用にいつものマイクロフォーサーズセットも込みで。これにさらに三脚一式の約5kgが加わるw

この季節は林道が開いているので天狗谷近くまで車でアプローチできるから楽だが、残雪期の県北フィールドは延々と雪上歩きを強いられるのでそれがまあなかなか大変。荷物もスノーシューやアイゼンが追加されるし。

さらに谷の入口から観察場所まではいわゆる登山になるのだが、これはもう生息地によって千差万別で、標高差が100m未満で済むところもあれば、500m以上登らないとならない場所もあって、当然後者の場合は一日がかりとなってしまう。

その登りも一部を覗いて登山道ではないのでまったく整備されておらず、特に県南フィールドはところどころ岩場が多いので、うっかりすると帰らずの人になりかねないので最新の注意を払って行動している次第。

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どちらかと言えば動画機に寄せているGH6の背面モニターは一応バリアングル型..パナではフリーアングルと称している..という位置づけになるが、チルト式としても使用できるスグレモノで、評判の良いS1Hのものを継承している。

可動式の背面モニターがバリアングル式かチルト式かという話は、好みがまっぷたつに分かれるある種の宗教じみた論争になるが、おおよそムービー派は前者でスチル派が後者という分かれ方になるようだ。

最初に使ったチルト式はX-T1だったが、3方向チルトで縦構図にも対応したのはX-T2からで、その頃はチルト派だった。

チルト派はモニターがレンズと同軸にないと不便という意見らしいが、拙者はハイビジョン以前からビデオカメラを使用してきているので、同軸とならないバリアングル式でもそう気にならず、今はその辺はどちらでも良いと思っている。

余談だが、自他共に認めるキヤノン使いだったが拙者がC社に見切りをつけた理由の一つにこの可動式モニターの存在がある。

今でこそEOSも可動式を採用しているが、当時は世界が滅んでも絶対に可動式は採用しないもんねと言わんばかりに、頑なに背面モニターを固定していたC社に嫌気が差したというのがあった。

昔からC社は殿様商売なので、自分たちの考えを使う側に押し付けてくるところがって、それが鼻に付くのである。言い方を変えればC社のカメラはどこか使わされている感があるのだ。

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GH6のチルト式は天狗様仕様の超望遠システムの時にプチ便利。待っている間、楽な姿勢で少し離れて見ていられる。これが以前使っていたGH5やG9のバリアングルだと、横に載せている双眼鏡と干渉して上手く開けないのである。

GH6はバリアングル式に横開きにした場合はEVFと背面モニターは動的に切り替わる..同時表示も可能..が、チルトした場合はEVFは表示されない。どのみちモニター起こしたらEVFは覗きづらくなるので、節電の意味でもそれが合理的である。

ちなみにモニターに映し出されているのは巣立ちした小天狗様。2km少々離れたN谷を見下ろすピーク付近で親天狗を探しているところ。

今週に入ってようやく県内生息ペアのすべての繁殖確認が済んだので、これでしばらく山通いから開放される。

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