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タカ渡る山上

2023/9/25

先週末もNレコのフィールドテストで近所の山へ。

Nレコはフィールドノートアプリなので山に登る必要性はそこまでないのだが、別のアップデートが波及してGPSと地図周りにも手を入れており、その関係でクイック入力の検証にはウロウロと歩き回るアクティビティがテスト環境としては一番適当。

山は通信条件が不安定というのもテストには良い。Nレコはオフラインでも使えることを売りにしているので。

iPhone 13 mini

前回は赤城だったので今回は榛名という脈絡で歩いてきたのだが、見晴らしの良い尾根上で休憩していると、思わぬ所をひっそり抜けていくハチクマの一群を眼下に確認。

10分ほどの間に16羽が山際に沿って西へと移動して行ったが、恐らくここに留まって観察していればそこそこの数が通過していったかもしれない。

今はまさに秋の季節移動真っ盛りで、特に山ではタカ渡りの季節。県内はまとまった数が集まる目立ったポイントが無いので、こういうのはまさにタイミングというのがよく分かる。

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この夏、某所でよく見掛けた頭頂部が妙にオレンジなのが特徴のカモシカ。同じ流域の伐採地や草地を見つけては張り込みし、イヌワシの狩場探索をしているとわりとよく出会う。

最初はこちらを警戒する素振りを見せていたが、無視すると決め込んだようで最近はほとんどこちらに興味を示さない。

写真だと平地に見えるが実際はそこそこの傾斜地。こちらはいつも斜面上端の林縁で張り込んでいて、1回だけカモシカがいる時に小生との間にクマが出たことがあったが、こちらが風上だったのですぐに藪に逃げんでしまった。

OM SYSTEM OM-1 / M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO

尚、張り込み対象は谷を挟んだ向かいの新しい伐採地で、写真の草地ではない。さすがに狩場に人の気配があってはイヌワシは上空は飛んでも下に降りてこないので。

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奥山のイヌワシの繁殖確認の大変さよ。

地形に阻まれ巣に近づくなど叶わず、巣内の様子を知るすべはない。秋に求愛を確認、冬に巣材を運び、春に獲物を運び、夏に三つ星が出現、再び秋に親子で飛ぶという一連の繁殖ステージを麓から遠く観察して、初めて繁殖成功と判断できるペアのほうが圧倒的に多い。

小生のような在野のワシ観察者にとって、巣内育雛をつぶさに観察できるのは理想。産卵はいつ?孵化は?兄弟殺しは?餌の種類は?餌量は十分か?羽衣の変化は?等々がモニターの前で確認できるなど夢のような話。

当初の目的は異なるしまだ試みの段階だが、伊吹山の件のライブ中継はそれを実現したと言えよう。

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ただ、巣内雛の成長過程が赤裸々に視えてしまうので、今シーズンのように上手くいきそうにないケースに冷静に対応できるかは重要だ。

可哀想という感情論に負けて、放鳥できない飼育個体を単純に増やすのはイヌワシ保護としては本筋ではない。希少種とはいえ、野生の生きものに対して相応の接し方をすべきとは思う。

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SNSで話題となっている、イヌワシの伊吹ペアの今シーズンの繁殖失敗は残念な話だが、イヌワシの繁殖成功率の低さは今に始まったわけではない。

伊吹山のワシだけが特別なわけではなく、全国のワシの繁殖活動の中で起きているのは知っておいたほうが良い。それが絶滅の危機に瀕しているニホンイヌワシの置かれた状況なのである。

件のライブ中継は巣に近づく馬鹿カメラマン対策で始まったことだが、図らずも目に見えて分かりやすい形で餌不足が浮き彫りになった。

イヌワシの繁殖成功率の低さは、適当な狩場を含む繁殖適地の減少が最たる要因。当たり前だが食べるものがなければ生きることはままならないのは、どの生きものでも一緒なのだ。

イヌワシの保護活動で重要なのは、個体そのものの保護の前に繁殖に適した生息地の保全である。個々の巣内雛の保護に力を注いでも、巣立ち後に行き場がなければ結局は落鳥してしまう。

何より巣内の雛を保護しても、親から狩りの仕方を教えられていない時点で野生下で生きることは不可能。

人工給餌で生命を取り留めたとしても、結果放鳥できないのでそれは籠の鳥も同然。余生は動物園など飼育施設の中で過ごすことになる。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA / 夏空を飛ぶイヌワシ

合わせてライブ中継の是非も取り出たされているが、ライブ中継とイヌワシの繁殖失敗に因果はないので、そこは切り分けて考えなければならない。

個人的には特に孵化直後の貴重なシーン..巣を観察することはあるがなかなか巣内を明瞭に観るのは難しい..を観察できたことは意義があると思っている。

その上であえて苦言を呈するなら、野生動物に名前を付けて無用にチャットを煽った点はアウトだろう。

野生動物に愛玩要素を持ち込んだ時点で世論形成は予測できたことであり、結果伊吹ペアの雛だけが特別視され、救出劇が美談化するという痛々しい流れになった。

今後ライブ中継を続ける場合、巣内で弱ったと判断された時点で捕獲・保護が余儀なくされ、その点で好ましくない事例となったのは残念な話である。

関連して「西日本の遺伝子継承」というワードを目にした。確かに地域個体群という考え方はあるが、イヌワシが巣立ち後に地域を離れ遠く分散することは、日本イヌワシ研究会の調査で明らかになっている。

本来は特定の地域というより、ニホンイヌワシとして種の存続が守られるべきな話だろう。

繰り返すが、イヌワシの保護は生息地の保全と永続的な狩場の創出が喫緊の課題であり且つ対策の最優先である。これをやらずしてニホンイヌワシを絶滅から守るすべはない。

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隣家の屋敷林で繁殖しているハシブトガラスが、日中は我が家の周辺でよく屯している。

そのカラスたちが文字通りカーカーと騒いでおり、特に仕事場は天井裏がないのでカラスが屋根で騒ぐと結構音が響いて、その度にネコが仕事場に上がってきて警戒モードに入る。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

訝しがるネコはとりあえず放置して、カメラ持ってベランダから見上げると、ハイタカが夏空をスイーッと旋回中であった。

すぐにカラスたちが迎撃に飛び立ってハイタカの周辺を飛び回りだしたが、ハイタカはお構いなしにそのまま近所の防風林へと入っていった。

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先週、農道に沿って5mくらいの低空で羽ばたきながら接近する鳥影に気が付いた。30m先でこちらに気付いてやや高度を上げ道から逸れたが、すれ違う時に視線が合ってハヤブサと確認。

利根川沿いで繁殖するハヤブサがいるので、飛来方向からしてもその主だとは思うが、朝早くに耕作地を低空で飛ぶのも珍しい。

尚、昨年同じ場所で若鳥に遭遇しているが、今回のは成鳥であった。

iPhone 13 mini

何はなくとも双眼鏡。どこに行くにも双眼鏡。

前述のハヤブサは肉眼で十分識別できたが、カメラ忘れても双眼鏡は忘れるな、これ生きもの系フィールドワークの基本なり。

写真のライカトリノビット10倍は30年近く前に手に入れたうちにある双眼鏡では最古参の部類。スワロが天下取る前は光学製品と言えばライカが主流だった、そんな時代の逸品である。

「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」を観てきた。小生は自他ともに認めるインディファン。何しろそれが理由でインドまで行ったくらいだしw(半分嘘)

絶賛上映中でネタバレは書けないが、すでに公開されている情報だけ。

まず主な設定が1969年のアポロ計画時ということで、いよいよ小生がすでに生まれている時代になったという感慨。関連して過去の因果で戦時中まで遡るが、これが例のAI技術でハリソン・フォードが一作目「失われたアーク」の設定当時までに若返るというもの。

撮影時に79歳だったハリソンが30代後半までディエイジング可能になったのは、ジョージ・ルーカス率いるILMが若い時代のハリソンの実写映像を沢山持っていたことによるとのこと。言われてみれば一作目のハリソンは36歳だったし、メジャーデビューしたスター・ウォーズも然り。

その他、インディの常連協力者のサラーも健在で、驚いたのはアントニオ・バンデラスが友人役で登場していた。昨今の流れるようなアクションではなく、いわゆるインディ・ジョーンズ的な古典的でコミカルなアクションも期待通り。

これ以上踏み込みのはネタバレ域に入るのでこの辺にしておくが、トップガンのトム・クルーズ然り、若い頃に観た大好きなシリーズ作品で同じ俳優が同じ役を演じているのは感動ものである。

これでハリソンが演じるシリーズは終了となるが、スター・ウォーズと言いハリソン・フォードには感謝しか無い。

OM SYSTEM OM-1 / LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm F4.0-6.3 ASPH. POWER O.I.S.

関東某所にて。毎朝日の出の頃にキィーキィー鳴きながら同じ鉄塔に出勤してくるハヤブサ。この日は朝飯を持参していた。

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サシバの探餌

2023/6/18

サシバは奥山にも生息していると以前書いたが、関東周辺だとその多くが集落近くの谷戸地形に集中している。

営巣はスギやヒノキの人工林で、餌場はそこに隣接する雑木林の林縁や谷戸の中の田んぼであることが多く、畦の脇に立っている電柱や家屋に止まって探餌している姿が見られる。

LUMIX GH6 / Super Telephoto System / 4K120P静止画切り出し

電柱の上から田んぼの周辺で餌探し。

LUMIX GH6 / Super Telephoto System / 4K120P静止画切り出し

谷戸内の構造物に立っているアンテナで餌探し。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

上の写真は幹線道路脇の標識に止まって探餌しているところ。恐らくは道を横切る生きものや、途中で車に轢かれた轢死体を狙っていると思われる。

そこまで交通量は多くはなかったが、自身も交通事故に巻き込まれる可能性も高いので、眺めていてヒヤヒヤものであった。

この辺りの習性はカンムリワシによく似ていて、西表島では実際にカンムリワシが交通事故に遭うケースが少なからず報告されている。

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いつの頃からか猛禽類を背面から撮る行為を背撃ち(または背打ち)と呼ばれるようになった。小生は年齢的に写歴だけムダに長いのだが、昔はそんな言葉は使ってなかった。

その単語を使う輩に知り合いはそれなりにいるのだが、小生より年齢が上、白または黒の超望遠の長玉に迷彩..カモフラが日本に合ってないぞ..のレンズカバーを装着し、服装はお揃い?のこれまた迷彩の上下という出で立ち。

都市公園の通路を大型三脚と椅子で占拠するなど日常茶飯事。希少な鳥の巣や巣立ち雛の真下に陣取って営巣行為を阻害するという必殺技まで併せ持つから始末が悪い。

ほぼ共通しているのが凋落寸前だったナイコンや某C社の一眼からクソにぃαに移行しているか、一度白いレンズに変えたもののZ登場でニコ爺ぃに戻っているという経歴。無駄に金持っているのであっちにこっちにと風見鶏というか渡り鳥のようだ。

おおよそIT弱者の代表のような老害ジジィなので、自慢の写真コレクションをサービスサイズに焼いたプリントを小さいアルバムに入れて持ち歩き、誰彼なく見せびらかす迷惑千万な行為を常套手段としてる。

そのクセ、珍しい鳥が出るとすぐにスマホでほうぼうに電話掛けだし情報をバラまく、まあハッキリ言ってもっとも迷惑で嫌いな連中である。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

眼下を飛んだトビのカットを見ていて、そんなつまらん話を思い出した次第。

昔も今もそして将来もそんなアホ連中と関わることはまず無いのだが、場所によっては目にする機会もなくはないので、まあ無駄にムカつくなとw

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大きな鳥

2023/6/8

よく「物凄く大きな鳥が河原で魚を捕っていた!イヌワシに違いない!」と、所属する研究会の問い合わせに送られてくる情報はほぼトビである。

イヌワシとトビではその大きさは1.5倍以上違うが、一般の人からすればトビも十分に大きい鳥ということだ。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

問い合わせの7割が残念ながらトビで、残りはノスリかハチクマまたはクマタカである。

特にハチクマは識別が難しいようで、野鳥の会の会員レベルでも間違えるまたは識別困難..もしかしてイヌワシですか?的な..のようである。

まあかく言う小生でも5kmぐらい先の陽炎の中を飛ぶハチクマを時々誤認することはあるので、エラそうに言えた義理ではないのだけどね..

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