カテゴリ : 花・植物

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今週、シロヤシオが見頃と聞いて久しぶりに奥日光の男体山へ。今回はいつも調査山行ではなく純粋な登山行為であった。

男体山の登山道はひたすら真っすぐ..今は途中につづらの林道を挟む箇所があるが..で、直登で標高差約1200mとなかなかエグいのだが、実際に登ってみると白毛門ほどの斜度はないので、数字で感じるほどではない。それでも1km近く続く岩場はさすがに難儀したけど。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / PROVIA / 傍らにミズバショウ

アカヤシオはすでに終わっていたが、 シロヤシオとベニサラサドウダンツツジの競演が観られた。中禅寺湖ブルーと相まって良い季節である。

赤城高原にある我が家の御神体とも言うべきは赤城山。その赤城と男体山はライバル関係にあり、その昔それぞれの神が大ムカデと大蛇に化けて中禅寺湖を巡って争った地が奥日光の戦場ヶ原である。

男体山は二荒山神社の境内なので、入山を届けるとお守りが貰える。今回図らずも双方のお守りをぶら下げて歩いたが、取り敢えず揉め事は起きなかったw

前述の伝説の戦いの決着だが、男体山の神の末裔である矢の名手に射掛けられて遁走した赤城山の負け。で、その時の血で染まったのが現在の赤沼の辺り。麓の二荒山神社が正月に赤城山の方角に向かって矢を射る神事を行うのはこの流れである。

ということで、赤城山の住人にとって男体山はアウェイ感満載なのである。

尾瀬は厳冬期を除き、映像記録の仕事などで残雪期から初冬まで何度も足を運んでいるので、近年はいわゆる混雑するオンシーズンは避けるようにして出かけている。

行ったことある人は分かると思うが、ミズバショウやニッコウキスゲのシーズンなど木道をハイカーが間断なく連なって歩いているため、落ち着いて景色を眺めることができない。

では平日にと出かけても、今度は尾瀬学校なるイベントとかち合うと、観光客が学生に変わるだけで状況はあまり変わらない上に、要らぬあいさつ攻めを受けて辟易させられる。せいぜい先頭の一人が挨拶すれば良いものを、全員がするもんだから煩わしいったらありゃしない。指導教員が前後に付いているが、そもそもその教員自体が挨拶しないのだから教育もなにもないぞ。

ということでそうなると初夏のミズバショウ前か、真夏の花期の終わりか、晩秋の草紅葉の後というのがうちの定番シーズンとなっている。

この日は平日ではあったが、週末の直前ということもあってお昼ごろにテン泊ハイカー組が結構出張ってきていた。それでもあの目もくらむような込み具合からしたら天国ではあるけどね。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / PROVIA

折しもこの前日に氷点下3℃という5月も下旬とは思えない寒さに見舞われたらしく、ちょうど顔をのぞかせ始めていたミズバショウの先遣隊は軒並み霜枯れてしまっていた。

この日も多くのハイカーがダウンを着込んで行動する冷え込みで、ヤマアカガエルこそ鳴いていたものの池塘の中はアカハライモリの姿も見られず閑散としていた。

鳥類はカッコウ、ホトトギス、ノビタキ、ホオアカ、オオジシギ、ヒバリなど夏の尾瀬定番は一通り確認。年々渡来数が減っているように思えるのが気がかりではあるが、高層湿原にカッコウの声が響き渡るのはいつ聞いても良い。

余談だが、2枚目の写真を見て水平が出ていない!とケチを付ける水平風景ジジィがいるが、尾瀬ヶ原は北東に向かって緩やかに傾斜しており、写真の左奥でヨッピ川と沼尻川が合流して只見川となるので、燧ヶ岳を背景にした場合は左下がりのように見えるのが正しい。

もし同じようなカットで水平が出ているようであれば、逆にそれがおかしいということになるのは知っておいて損はない尾瀬トリビアである。

太平洋側の標高300mほどの山中で、南東向きで陽当たりの良い林道脇にエゴノキか咲いていた。エゴノキの実はヤマガラなどが好んで食べることで知られている。

iPhone 13 mini

でそのエゴノキの下に立っていると、風が吹いているわけでもないので時々小さな文が落ちてくる。

調べるとエゴツルクビオトシブミというのがエゴノキに常駐しているらしいのだが、同種は完全には切り落とさずに葉に残したままにするとも聞くので、この文が誰仕業なのかは不明のままだ。

タンポポは一面に花が咲けば黄色い絨毯の如きと称され、綿毛になればファンタジー要素が高まる。

茎の根元に妖精やら小人やらが立つイメージが組み合わされば、そこに如何様にも物語が創作されることだろう。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / PROVIA

が、田舎ではそんなウエルカムな状況になることはまずあり得ず、タンポポが咲く春から初夏は皆憂鬱になるのである。

抜いても抜いても駆逐されることはなく、草刈りで地上茎を刈った途端に残された花は翌日にはすべて綿毛へと変異して、すぐに次世代のタンポポの準備が整うのである。

田舎で無駄に広い土地など買うものではない。この時期は黄色い絨毯を見るたびにそう思うことしきりである。

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雪国は初夏へ

2023/5/18

裏仕事の東北ラウンドから南関東ラウンドへ転戦の後に、人が足らないと雪国へ数日召喚されていた。

件の雪国は一ヶ月ぶりで前回はまだ早春の雰囲気だったが、すっかり初夏の装いへと移り変わっていた。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / Velvia / ヤマフジ
FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / Velvia / タニウツギ

尚、赤城高原では昨日の早朝にホトトギスの初鳴きを確認。例年よりやや早いかな。

みちのくの休耕地の畦でスプリング・エフェメラルたちが我が世の春を謳歌中。

スプリング・エフェメラルとは、春のはかない命とか春の妖精という意味で、植物的には春に花を咲かせて夏以降は地下で翌春まで過ごす春植物のことを指す。

iPhone 13 mini / カタクリ

もう少しあおって撮りたいが、機材満載のザックが重くてこれ以上屈めないw

iPhone 13 mini / キクザキイチゲ

こっちのスプリング・エフェメラルは起き出したばかりでまだ少し眠そう。

iPhone 13 mini

ユキツバキの群落。ツバキの多くは冬に咲く種類が多いので春植物というわけではないが、本種の花期は春。

近縁のヤブツバキは太平洋側だが、ユキツバキは東北の日本海側や北陸の固有種。

今週は裏仕事の東北ラウンドで南東北を徘徊していた。

iPhone 13 mini / フキノトウ

ちょっと前に雪解けしました!って雰囲気がそこかしこに漂っていて、時計の針を一ヶ月巻き戻された感じ。

iPhone 13 mini / ミズバショウ

基本的に人里離れた奥山ではあるが標高はさほど高くないので、林道脇の湧水では見頃の水芭蕉が。

iPhone 13 mini

沢に近い森の林縁の水たまりにトウホクサンショウウオの卵塊が沢山ある。ユキツバキの落花と一緒と言うのはいかにも雪国。

ミツバツツジ

2023/5/12

初夏はツツジの季節。山では名前の通りヤマツツジが赤い花を風に揺らしている。ただGW前の標高の高い山では、ヤマツツジよりアカヤシオのほうがよく目立つ。

そしてよく観るとそのアカヤシオに紛れるように、より赤みの強いミツバツツジがひっそりと咲いているのが見つかる。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / Velvia

ミツバツツジも種類があるが、我が県の山ではトウゴクミツバツツジが多い。

4月後半から断続的にフィールワークで山野をウロウロしていたので、GWの後半戦は家に引きこもってコード書きつつ野良仕事などに従事。

好きなことをして金を稼ぐフリーランス稼業なので、勤め人のようにわざわざ人混みに飛び込むような酔狂な真似はしない。

あと撮り溜めた録画や新作配信など片っ端から観ないとね。

FUJIFILM X-H2S / XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR / PROVIA

FUJIFILM X-H2 / XF16-55mm F2.8 R LM WR / Velvia

春があっという間に通り過ぎてしまったため、近所の桜も今年はあまりウォッチしている暇がなかった。

と言いつつ、とても初夏とは思えない寒さに連日フリース着込んでコタツに入る生活なんだけねw

GWは関東のこんな辺境の地でもにわかに人出があって賑わうので、基本的に山には近づかないようにしているが、昨日はGW前にギリギリ好天に恵まれたので予定変更して県境の山へ足を伸ばした。

今はアカヤシオの季節で例年なら今頃が見頃なのだが、ご多分に漏れずヤシオツツジの類も開花が早かったので、先日の換気で遅霜が降りて少なからず影響が出ている感じ。

FUJIFILM X-H2 / XF18-120mmF4 LM PZ WR / Velvia

それでも標高の高いところまだこれから見頃を迎えるので、探せばそれなりにイイ感じであった。

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