すでに日が昇った冬仕舞いの畑を小走りに横切り、農道に姿を現したキツネ。この時間にうろついている個体も珍しいが、この辺りでは見かけない顔である。
残念ながら疥癬にやられているようで、少し野生の覇気が足らない感じであったが、この後はこちらの様子をうかがいつつ、ゆっくりと牧草地の中へと消えていった。
今朝は寝坊して駄犬の散歩催促に促されて出てきたのだが、寝坊は三文の得といったところか。
高崎の市街地にイノシシが出没してJK他が襲われたらしい。よくこの手の目撃談に「何でこんな場所に」というのがあるが、グンマーとはいえ周囲に山など一切ない、高崎の平地の住宅街なので、まさにその何でこんな場所ではある。
ただ、貝沢町ということで思い当たるフシはある。当地は榛名山麓に端を発する井野川が流れており、イノシシはその井野川沿いに移動してきた可能性が高い。
近年、長野市内にツキノワグマが出没したことがあったが、その時も犀川沿いに移動してきたことがわかっている。野生動物はそれなりに人目を避け、夜陰に乗じて移動するので、河川敷伝いというのは今後も十分ありがちな話であろう。
ちなみに井野川には、用水路である長野堰が合流している。群馬にあるのになぜ長野堰かといえば、榛名山麓の箕輪を領地として栄えた長野氏が作ったからで、その長野康業の子孫である長野業正の代で整備され今に至るのである。
長野業正といえば、時は戦国の世、甲斐の武田信玄と何度も戦った武勇の誉れ高い関東豪族であり、今をときめく真田幸村(信繁)の祖父、真田幸隆に攻められ滅んだことで有名である。
榛名山を形成する烏帽子ヶ岳のスカイラインが、見事なオレンジラインを描く。
キリンはアフリカ大陸のサハラ砂漠以南に分布する奇蹄類..馬やバクと同じ蹄が奇数ある..の仲間だ。
従来、キリンは地域によって亜種に分化しているが、基本的に種としては一種として扱われてきた。色味と模様に若干の違いあれど、見た目も形態的には違いが見られないからだ。
それが遺伝子解析の技術が進歩したことで、実はミナミ、キタ、アミメ、マサイの異なる4種に分かれるという新説がこのほどドイツの研究チームより発表された。
どうやら遺伝子レベルではヒグマとホッキョクグマの同程度の違いがあるらしく、全体の総数では数が多く見えても、種ごとになれば一気に数が少ないという判断になるため、従来とは異なるアプローチで保護政策を考える必要に迫られるとのことだ。
ケニヤのマサイマラNPで撮影したマサイキリン。夕景にその特徴的なシルエットが美しい。
アフリカのサバンナを旅していると、平らであるがゆえに広く遠くまで見通すことができる。平原にはたくさんの草食獣を絶えず見ることができるが、とりわけキリンはその首の長い体軀で、どこにいてもよく目立つ。
先日、ノルウェー南部の国立公園で野生のトナカイ323頭が死んでいるのが発見された。
台風とまではいかないまでも、一体を暴風雨が吹き荒れた直後の出来事らしい。死因は落雷とのことで、身を寄せあって荒天をしのいでいたところを雷に打たれたようである。
恐らく当人たちは何が起きたかも判らずに一瞬で絶命したと思われるが、事態を発見した狩猟監視員..この時期はトナカイの狩猟シーズンだそうだ..によれば、まだ数頭は息があってそれらを安楽死させたとのことだ。
このところ連続して台風が日本列島を縦断し、各地に甚大な被害をもたらしているが、人智を超えた自然の力の前では人も生きものもおおよそ無力である。
デナリ(旧マッキンリー)をバックにカリブーの角をパシャッ。
和名のトナカイはアイヌ語が語源と言われている。英名は「レインディア(Reindeer)」だが、北米の個体群はフランス語源のカリブー(Caribou)と呼ばれている。
北米なのにフランス語とは不思議な気もするが、北極圏を擁するカナダは英語とフランス語が公用語なので、その辺りも関係するのだろう。
リスの仲間は見た目や仕草が愛くるしいので、見るのも撮るのも根強い人気がある。
ただ、欧米の都市公園辺りと異なり、国内で野生の個体を撮影するとなると途端にハードルは高くなり、いやらしい話だが餌付けでもしない限り、簡単には撮らせてはくれない。
実際、北海道のエゾリスやシマリス、本州ならホンドリスでよく知られた場所のそのほとんどでは、連日のようにカメラマンによる餌付けが行われており、プロもアマも挙ってどこかで見たような写真を量産している。
そんな野生動物への餌付けの良し悪しはともかく、人がカメラを構えて狙う限り、どんなに手を尽くそうともこんな自撮りには敵うまい、そう思わずにはいられない映像が公開されていた。
GoProのこの手の自撮り映像は他にもいくつか知られているが、偶然とは言え、あたかも本人の意志でカメラを構えて撮ったかのような視点、アングルであるのが面白い。
自動撮影装置同様、この手の映像はカメラマン自身の手によるものではないので批判があるのも事実だが、ここに至るまでの準備には相当な仕込みと失敗があり、逆にそこは餌付けてダラダラ撮影しているのとは一線を画す。
ま、そもそも狙って撮れるものでもないので、相当気が長くないと、経験的に撮影そのものを続けるのは難しいだろうね。
お盆を前に今日は庭と畑の草刈りに従事。本来の予定では先週末だったのだが、仕事が立て込んで思うように時間が取れなかった。
夏草は正直で、庭木が繁茂するこの時期は木陰にはほとんど生えていない。が、その分日の当たるオープンな場所での成長力は強力である。
追っ付け刈払機のスロットも開き気味となり、燃費がかなり悪くなるが、ビール同様夏場の経済効果に少しは貢献していると言ってもいいかな?
梅雨明けした途端、ジメジメムシムシした日が続いている。赤城高原は利根川と片品川の合流部..日本最大の河岸段丘地形で有名..と隣接するため、湿度が高い時は朝から濃霧に巻かれて家の外は視界ゼロである。
雨も結構降っており、ここに来てようやく利根川や片品川上流部にまとまって降っているため、水瓶の貯水率もかなり良くってきている。
今日現在では矢木沢ダムで約40%、片品川流域の薗原ダムに至っては100%と満水で、これで何とか水不足の問題は解消されるだろう。
我が村のクマ出没状況はハッキリしていて、もろこし畑の分布にかなりの部分で影響されている。特にうちの地区では昨年まで蒟蒻畑だったところが、連作障害を避けるために今年はもろこし畑になっているところが多く、それ故クマの出没が多いようだ。
それでも、先月はやたらと防災無線でクマ目撃情報が流れていたのが、ここに来てやや小康状態ではある。で、そのかわりと言っては何だが、イノシシ親子の目撃情報が増えており、今日もガスの中からスタスタとうり坊が現れて、犬ともどもびっくりした次第。
とにかく周辺20mも見えないので、頼りは駄犬の鼻だけ。子供がいれば間違いなく親がいるのは当然であり、突然突っ込んでくるイノシシはクマより厄介な存在なのである。
スマホゲームの台頭に乗り遅れた感のあった任天堂の放った一撃が、ここまで全世界的に注目を浴びるとは驚きである。そう、今を騒がすPOKEMON GOのことである。
AR技術を使ったゲームプレイは、今時のスマホゲーム愛好家たちの心を掴んで離さないようで、同社の株価上昇とシンクロするように、良い悪いは別にして、国家をも揺るがす騒動に発展する社会現象に急上昇中のようである。
雨後の筍のように、出ては消え、流行っては廃れていくオンラインゲームの世界において、任天堂がゲームチェンジャーになれるか、世界の投資家たちの注目を一手に集めているが、やはりポケットモンスターというソフトが持つ強みは強烈にインパクトがあるということだろう。
仕事柄、この手のゲームに強いと思われることが多いのだが、実はコンピュータゲームはまったくやらない。興味がないわけではなく、過去にはMacでフライトシュミレーターや、喫茶店でインベーダーゲームとかやったことはある、ってどんだけ昔の話だ(笑)。
まあ言ってしまえばセンスがないことに尽きるだろうか。30年ほど前、任天堂のファミコンでスーパーマリオブラザーズを初めてやった時、秒殺でゲームオーバーになって友人に呆れられて以来、コンピュータゲームからは距離を置くようになった。
それでもご多分にもれず、子供が好きだったのでポケモンに対する知識は世間並みに一応ある。何気に家のあちこちに子供が貼ったポケモンキャラクターのシールを目にするので、ピカチュウあたりまでは何とか同定可能なレベルにはある。本棚にはアフリカやアジアの動物図鑑と並んで、20年近く前のポケモン図鑑もあるしね(笑)。
自分自身は野外で活動する自然志向ではあるが、子供は野外で遊ぶべきだ!などと安っぽいことを言う気はない。IT技術の発達で、今まで空想科学の世界だったものが、いよいよ現実のものとなってきているのを目にすることができるのは、それはそれで面白いことだ思う。
とはいえ、子供達が集まってテレビの前で「ポケモンゲットだぜ!」と言っていた頃、まさかスマホ片手に大人たちが、昼に夜に屋外で仮想現実の世界でポケモン集めに興じる時代が来るとは、よもや想像もしてなかったぞ..
雨後と言えば、激しい夕立のあった翌日などによく見られる光景がこれ。大水にやられて彷徨ううちに、路上に出てしまって逃げ場を失うのである。
被害者は大抵、地面の表層に近いところで生活しているヒミズが多いのだが、時々アズマモグラが昇天していることもある。この連中は目が効かないということもあって、一度パニックになってしまうと迷ってしまうのだろう。
モグラは身近で生活している割に、地面の下にいるので見る機会はなかなかない。死骸ではあるが、生きものの写真を撮る立場からすると、標本写真ゲットだぜ!というところであろうか。
今日は珍しく子連れの四つ足を2種を見かけた。最初はイノシシのウリボウ3匹で、林道に入って少し沢伝いに降りたところで出くわした。
ちょうどお互いにブラインドのカーブに入ってきて言葉通り出会い頭だったのだが、ウリボウたちはさながらジェットストリームアタックを仕掛ける黒い三連星の如く、突然3頭シンクロしながら藪に飛び込んで姿を消したのである。その間本当に1秒もないくらいの早業であった。
さらにその後ろには母親らしき大きめのイノ子さんがいて、これはちょっと近くて拙いと思ったものの、うちの駄犬君が猛烈に吠えたのに怯んだのか、ウリボウらとは反対側の藪に逃げ込んでしまった。ここでこれ以上はヤバイと判断し、散歩コースを変更して引き返したのである。
と、コースを迂回して村道に戻ったところで出会ったのがこちらのシカの親子。
最初はバンビくんがピョンピョン跳ねながらこちらに近づいてきたのだが、背後で心配そうに見守るシカ子さんがキャンと吠えたら、きびすを返して母親のところへ逃げ帰っていった。
シカの仲間は皆、怖くて逃げたいけどちょっと見ていたいというキュリオシティが強いので、ばったり出くわすと意外に逃げ出すまでに間が空く。なんというか、怖いもの見たさというか、まあそんな感じなんだろうね。