カテゴリ : 写真・カメラ

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春の花は黄色から始まる。ロウバイ、スイセンと続いて今はダンコウバイが山の端の雑木林を賑わしている。

そんな早春の黄色を少しハイキー気味で。

FUJIFILM X-T4 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / PROVIA

ラージフォーマットとAPS-Cという面積比で4倍近く異なるセンサーなのに、同じフィルムシミュレーションを使う限りGFX100SとX-T4は同じ色の傾向を示す。

画素数が多くなれば入力される受光量、つまり情報量が多くなるので、データを平均化するなどの定量的な処理はその分頭を使う必要があるのは自明の理。

GFXに限った話ではないが、高画素機の演算処理能力は高速連写機のそれ同様、相当にパワーが必要ということだ。

梅咲き始め

2021/3/21

下界では桜の開花が話題だが、当地では梅がチラホラ咲き始め。ま、春本番にはもう少し時間がかかるかな。

FUJIFILM X-T4 / XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR / PROVIA

このレンズ、これまでのフジのラインナップには無かったスペックで、凄く使い勝手が良い。

XF55-200と大きさほぼ変わらずで、テレコンに対応したのでx1.4で35mm版換算で約630mm相当..x2なら約900mm..になる。x1.4までなら画質的にまったく問題ない。

その上で0.5倍(35mm版相当)のハーフマクロまでこなせるので、花や小さな生きものまで望遠マクロとして狙えることになる。

Xを使っているカメラマンがスナップやポートレートばかりでないことを、メーカーサイドもようやく理解し始めたかな。

GFXはフランジバックの短いミラーレスカメラなので、他社マウントの一眼レフ用レンズを使用することができる。

ただ、35mm版フルサイズの約1.7倍大きいセンサーサイズなので、イメージサークルの狭いレンズだと周辺がケラレたり極端に減光したりする場合がある。

それでも撮影後に不要な部分をトリミングすれば画像としては何も問題なく使えるが、レタッチと同じでそれ前提というには何とも面倒である。

そこで、GFXには35mm版フルサイズでセンサーを自動でクロップする35mmフォーマットモードなる機能が用意されていて、面倒な後処理を省いてくれる仕掛けになっている。

自己責任の範疇であるにせよ、他社製のレンズを制限なく自由に使えるような機能を用意しているのは、そもそも専用のGマウントレンズが少ないので背に腹は代えられないという事情だと推察。

ちなみにクロップされるので当然画素数は減るのだが、それでも6000万画素あるので何も困ることはないだろう。まあ言ってしまえば6000万画素の35mm版フルサイズ機としても使えますよ、ということだな。

iPhone 11 Pro

ということで、まずはキヤノンのFDレンズの銘玉FD500mmを装着してみたが、ラージフォーマットの中判ミラーレスカメラとは思えない意外にコンパクトな装着感に驚く。

予想通り35mmフォーマットモードをOFFだと四隅が若干ケラれるが、ONにすると問題なく使える。

MFレンズなので動体撮影では使い勝手がよろしくないが、GFXには超望遠レンズがラインナップされていないので、必要な人にはこれはこれでアリかな。

AFに慣れてしまっているので個人的に写真目的で使うことはないだろうが、GFXで動画を撮る際には結構使えるのではと期待している。

FUJIFILM GFX100S / Canon New FD500mm F4.5L / Velvia

庭に来るカワラヒワを狙ってみたが、6000万画素もあるとそれこそ恐ろしいほどの解像感だ。

GFX100SはIBISが搭載されているので、ISOを上げて早いシャッターを切れば500mm手持ち撮影もできなくはないが、さすがに歩留まりはよくないので、三脚使用が妥当だろう。

ちなみにクロップされてもファインダー上では周辺がマスクされることはなく、それこそ違和感なく35mm版フルサイズ機の感覚で使えるのは気が利いている。

フジは新しい機種を出すと併せて新しいフィルムシミュレーションを追加してくるが、GFX100Sにはノスタルジックネガなるモードを追加してきた。

難しいことはよくわからないが、メーカーによればノスタルジックネガは「アメリカン・ニューカラー」なる色調を再現しているらしい。

階調表現は柔らかく、アンバー気味に色を載せているので、ネガフィルムの持つ言葉通りノスタルジックな雰囲気の調子が得られるようである。

似たような語感のクラッシックネガは逆に硬調なトーンなので、名称こそ似てその実は非なるカラーモードと言うことになる。

思うに自然の造形物より人の生活圏で人工的なものを写すほうが適しているように思うので、個人的に主たる撮影対象ではあまり出番はなさそうだが、やたら色を盛る傾向にある昨今の風潮とは対象的な表現方法には好感を持てる。

ちなみにこのクラッシックネガ、1億画素センサーに合わせてチューニングしているらしく、今のところGFX100S専用の扱いとなっている。この辺りの設計思想がフジのこだわりであり、フィルムシミュレーションが他のカメラメーカーのカラーエフェクトの類とは一線を画す所以である。

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Nostalgic Nega.

近所の廃屋にある資材置き場で試してみたが、確かにどこか懐かしい雰囲気の出る色調だ。併せてこの立体感もスゴイ。

最新のラージフォーマットカメラによる世界一無駄でつまらない写真コンテストw

というのは冗談で、何れもGFX100Sの1億画素画像をトリミングして切り出したカット。元絵はクリックで表示。

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / PROVIA / 沼田市街地

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / PROVIA / 伊香保温泉街

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

いくらトリミング耐性が強力に高いと言っても、さすがにここまで盛大に拡大することはないが、1億画素あるとこのくらい朝飯前ということだ。

それにしても何れのカットも三脚は使用していない。すべて手持ち撮影で、特にヒノキ林のカットなど1/30だったが、見事に手ブレが抑えられている。

3600万画素超えの35mm版フルサイズが出始めた頃、これから高画素の時代は手ブレ大敵、三脚は必須だ!みたいな風潮があって、実際当時受け取るD800とかα7Rのデータは拡大すると結構微ブレしていたものだ。

もちろん可能な限り高精細足らんとするなら三脚に載せるのが吉であるが、ラージフォーマットの1億画素をここまで軽快にスナップ可能としているGFX100Sの性能は、控えめに言っても驚愕の域と言ってよい。

どちらかと言えば以前は手ブレ補正に否定的で、実装自体がもっとも後発のフジだが、X-T4以降の手ブレ補正に対するやる気はスゴイ。

いざパノラマ

2021/3/11

フイルム時代、フジはTX-1・TX-2という..ややこしいがX-T1・X-T2ではないw..レンジファインダーのパノラマカメラをラインナップしていたことがある。

それまでパノラマ写真と言えば、単純にフイルムの天地を切り取って横長に記録するナンチャッテ感のあるカメラがほとんどだったが、TX-1・TX-2は35mmフィルムの縦24mmはそのままに、横方向を65mmまで伸ばして記録できる本格的なパノラマカメラだった。

しかも専用の交換レンズまで用意する入れ込みようで、当時はTX-1を手に入れてアラスカ取材に持っていこうかと真剣に考えていたものだった。

現在のデジタルカメラではそれこそ画像のトリミングが自在なので、アスペクト比を変えて様々なフォーマットを記録できるわけで、シグマfpに用意されている縦横比21:9のシネスコなどは写真の世界で言うパノラマと言って良いだろう。

ただ、トリミングにしろfpのシネスコにしろ、結局天地をレターサイズ的に切り取ることになるので、画素数は半減してしまうのがデメリットである。

その点で余りある1億画素もの高画素を誇るGFX100Sであれば、トリミングしても画素数的にまったく過不足ないわけだが、実はGFXには65:24というアスペクト比が最初から用意されていて、これこそが前述のTX-1・TX-2のパノラマ写真の再来なのである。

後からいくらでも加工できるデジタルカメラなれど、最初からパノラマを意識した構図のほうがインパクトあるのは間違いないのだ。

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / ETERNA BLEACH BYPASS

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / ETERNA

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / ETERNA BLEACH BYPASS

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / PROVIA

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Velvia

普段からWeb制作の仕事でトップページのヘッダー画像などにパノラマ的なカットを利用しているので、この手の横長アスペクト比は見慣れている。

ストックフォト利用だと大抵は3:2や4:3のアスペクト比を天地カットして対応するが、最初からそのつもりで撮影することもあるので、加工なしでパノラマで撮影できるのは便利である。

しかも天地カットしてもまだ半分の5000万画素もあるので、そこからさらにトリミングしたり、Javascriptでズームなどエフェクトをアニメーションで表現させるなどバリエーションも広がるのである。

今後GFXで率先して使っていきたいことの一つがこのパノラマ写真という次第。

分かりきっていたことだが、1億画素ともなるとそのデータサイズは半端ではない。

X-T4(APS-C 約2600万画素)と同じようなシーンを撮ると、X-T4ではJPEG一枚あたり約10〜15MB前後なのに対し、GFX100Sでは約45〜60MBと巨大なファイルとなる。

当然RAWだと100MBを超えるケースもあるので、従来はSDカードを32〜64GBのタイプを必要に応じて入れ替えて使っていた..万一の破損に備えて単位あたり大きいのは避けていた..が、GFX100Sには初めて128GBのタイプを挿すことにした。

ちなみにSDカードは以前はSanDiskを好んで使っていたが、最近はProGradeのUHS-IIのタイプを使っている。

FUJIFILM GFX100S / GF100-200mmF5.6 R LM OIS WR / PROVIA

Webで見る限り、画素数が多いからといって画質に特段の変化があるわけではないが、モニターで拡大表示してみて改めてその高精細さに驚く。

早朝なら赤城高原から直線距離で30km離れた天神尾根を歩く登山者まで見えそうなほどだ。

それに大判プリントを前提にすれば階調表現の豊かさなどさすがに比類なきものがあるが、先日も書いた通り1億画素の最大の恩恵はトリミングの自在さにある。

何しろ200mmで撮って400mm相当までトリミングしても、画素数はまだX-T4と同程度あるのだから。

そう、画素の無駄遣いがGFX100Sの使い方の真骨頂と言えるかもしれないね。

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冬鳥のツグミも春には渡去することになるが、わりと遅い時期まで留まる個体もいる。

それに南から続々とやって来ては連日入れ替わっている可能性があるので、今日見た個体が昨日の個体と同じとは言えないかな。

それに移動の途上で旅は道連れになるのだろう、4月の桜の頃に一時だけ数が増えることがある。

OM-D E-M1X / M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS

立ち止まったこちらから逃げるように離れていくツグミ。

試しに鳥認識AFで追いかけてみると、一旦陰で姿を見失うと白フレームが行き場なくウロウロし出すが、胸ぐらいから上が見えてくると、緑フレームが息を吹き返してピンを合わせ続ける動作を繰り返す感じ。

まあとにかく便利な機能だね。

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とにかく「よくボケる」それが写りに関する第一印象。

GFX100Sはラージフォーマットセンサーなので、35mmフルサイズと比較するとセンサーが小さいマイクロフォーサーズとちょうど真逆の関係になる。

マイクロフォーサーズの場合、絞りがF4であれば35mm版と比較すると2段分程度被写界深度が深くなるので、F8と同等ということになるが、GFXの場合は逆にF2.8辺りと同程度と思われる。

GFXは同社のブローニーフィルムカメラであったGFの名を関しているのと、センサーはペンタの645Zと同じサイズ(43.8mm×32.9mm)であるため、カテゴリ的に中判カメラの扱いを受けるが、撮像面はブローニーの645よりも一回り小さいので、理論上のボケ量はそこまでではないはず。

それでもやはりボケると感じるのは、普段使っているのがAPS-Cとマイクロフォーサーズなので、その辺りからくる印象であろう。

話は変わるが、中判カメラがあるなら大判カメラもあるのか?ということになるが、大判はフィルム時代の4×5(シノゴ)や8×10(バイテン)などのシートフィルムを使うカメラの総称で、デジタルカメラに相当するサイズは存在しない。

理論上はそこまで大きな撮像センサー作っても掛かるコストをペイできないであろうし、今どきの各社35mm版フルサイズミラーレスカメラの交換レンズを見れば分かる通り、肝心のレンズが巨大なものになってしまうのでまったくもって非実用的な話なのである。

ちなみに、マイクロフォーサーズが取材系の業務用途で適している最大のメリットが、実はその被写界深度の深さにある。35mmフルサイズで同じ被写界深度を得るためには2段絞らないとならないが、逆にマイクロフォーサーズでは手ブレと無縁となる上に、無理矢理の高感度の必要もないのである。

人物主体のポートレートでは背景がボケて主題が浮き立っているほうがそれらしくはあるが、企業さんのパンフなどで背景がボケ過ぎてしまうのは逆に嫌がられる傾向があるので、何が写り込んでいるか判る程度に..社屋であれ商品であれ..程よくボケているのが理想である。

FUJIFILM GFX100S / GF45-100mmF4 R LM OIS WR / Classic Nega.

近接とはいえF4でここまでボケるのは、やはり大きなセンサーの恩恵ということであろう。

逆にマイクロフォーサーズ的な感覚でいると、風景写真などのシーンで十分にパンフォーカスとならずピンぼけとなる可能性が高いので、厳重に要注意である。

35mmフルサイズミラーレスカメラで現在もっとも高画素なのはソニーα7R4の6100万画素で、その後は同α1やパナのS1R、EOS R5にニコンZ 7系の5000万画素前後が続いている。

こう見るとその5000万画素クラスが現在の高画素機の趨勢と見ることができ、一時もてはやされた3600万画素クラスはもはや普通の水準と言えるだろう。

そう考えると5000万画素を秒間30コマで連射できるソニーα1は、まさにバケモノ的な性能なんだと改めて思われ、そう遠からず1億画素級の同α7R5が出てきそうである。実際、フジのGFX100が採用している102MPのセンサーはソニー製だしね。

さて、そんな高画素も仕事で使う分にそこまで必要なく、2000万画素もあれば必要十分であることは何度か記事に書いている通りで、業務用としてはマイクロフォーサーズ機が一番バランス的に優れているのは実務でも証明している。

それでもストックフォトの世界では、実際にそこまで必要とするか否かを別にしても、もっと高画素の素材はないか?という問い合わせがここ1〜2年増えてきているのもまた事実である。

編集者の視点でストックフォトの世界を見ると、それ自体完成された一枚の絵面より、自在にトリミングして構図すら自由にいじることができるカットのほうが素材としてニーズが高いというのがある。

その前提でも2000万画素もあれば十分..もちろん最終出力の形態でその上限は変わるが..ではあるが、世の中がやれ35mmフルサイズだのやれ5000万画素だのもてはやすものだから、2000万画素しかないんですか?という現実とは乖離した感覚になってしまうわけだ。

ちなみにオリのE-M1系にはハイレゾショットという5000万画素のデータが得られる飛び道具が用意されているので、緻密な描写が要求されることが予想される場合はそれで対応できそれはそれで重宝しているが、短時間に連続して撮影ができないので、毎回これを要求されると厳しいというのはある。

なるほど、それでパナのLUMIX S5で35mmフルサイズに移行するんですね?的な話の流れになるのが、昨年末辺りから拙者界隈のトレンドなのだが、フジのAPS-C機も使っていることもあって、センサーが2倍程度大きいだけの35mmフルサイズ機に移行しようとは思わないというのが実際のところ。

iPhone 11 Pro

となると必然的?にAPS-Cセンサーの約4倍、35mmセンサーの約1.7倍となるMore than Full Frameを喧伝するフジのラージフォーマットに行き着くのは自明の理だなw

左上から時計回りに、パナのLUMIX S5、オリのE-M1X、フジのX-T4、そして同GFX100S。こうしたセンサーの大きさを比較した写真を見ていると、デジタルカメラになってから改めて混沌とした時代に生きているんだなと思わなくもない。

何しろ一番センサーが小さいE-M1Xが一番ガタイが大きいというこの世の矛盾w